3Dプリンター技術研究所(InkJet&FDM熱溶解積層1

3Dプリンターに関する高度な技術と豊富な情報

ご挨拶

研究所 所長 工学博士 山口修一 
(3D プリンター&インクジェットコンサルタント)

デジタルファブリケーション分野における、AM(Additive manufacturing)装置の中で、 低価格のFDMプリンターやインクジェット式の3Dプリンターが注目を集めていますが、 その本格的な進化は、これからと言えます。様々な情報があふれている中で、当研究所は 30年以上に及ぶインクジェット開発経験と様々な分野との接点やチャンネルを活かす ことにより、3Dプリンター関連ビジネスの発展に寄与できるように努めて参ります。

研究所所長 山口修一

山口修一 略歴
1983年 東京工業大学大学院、博士前期課程修了
1983年 大手プリンターメーカー入社。インクジェット開発に従事
1997年 マイクロジェット設立、代表取締役就任
2013年 大阪大学大学院、博士後期課程修了
2012年 著書 光文社新書『インクジェット時代がきた!』
3Dプリンターに関する講演、ラジオ出演多数

3Dプリンター技術研究所では下記のようなご要望にお応えすべく、日々技術革新と情報収集に努めています。

新着情報

2020/6/9
東京都済生会中央病院へフェイスシールドを無償提供
株式会社マイクロジェット、株式会社3Dプリンター総研、株式会社ラナエクストラクティブ、RANA CUBIC(RaNa Unitedグループ)の4社連携にて、新型コロナウイルス感染症対応に尽力されている東京都済生会中央病院への支援を目的として、3Dプリンター造形によるフェイスシールド100セットを無償提供いたしました
2019/11/18
formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
ヨーロッパ最大の3Dプリンターの展示会formnext 2019。
今年も報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/11/16
formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2018。
今年も報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/7/2
第29回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第29回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/5/23
第29回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/20(水)~6/22(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東21-30
2018/2/19
3D Printing 2018展来場の御礼
3D Printing 2018展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/1/12
3D Printing 2018展に出展致します。
2/14(水)~2/16(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6J-23
2017/11/10
formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2017。
今年も視察報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2017/6/26
第28回設計・製造ソリューション展
来場の御礼
第28回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/5/24
第28回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/21(水)~6/23(金)
東京ビッグサイト 東1ホール
ブース№43-29
2017/2/20
3D Printing 2017展来場の御礼
3D Printing 2017展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/1/16
3D Printing 2017展に出展致します。
2/15(水)~2/17(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6L-22
2016/12/26
セミナーご参加の御礼
「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。     
2016/10/26
formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2016。
今年も視察報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2016/6/27
第27回設計・製造ソリューション展
来場の御礼
第27回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2016/5/31
第27回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/22(水)~6/24(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東7-38
2016/2/3
3D Printing 2016展来場の御礼
3D Printing 2016展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/12/21
調査レポート先行予約開始のお知らせ
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』の先行予約を開始いたしました。
2015/12/22
3D Printing 2016展に出展致します。
1/27(水)~1/29(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6G-20
2015/12/11
セミナーご参加の御礼
「EuroMold2015 & formnextにみる3Dプリンター最前線セミナー」はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
2015/8/26
視察ツアー募集開始のお知らせ
Euromold2015展の現地解説ツアーを企画いたしました。
Euromold 2015 3Dプリンター現地解説ツアー
※お申し込みは終了しました
2015/8/18
講演会ご参加の御礼
先日行われました独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成27年度第1回3Dプリンターセミナーにて、当研究所所長山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/7/3
第26回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第26回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/28
第26回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/24(水)~6/26(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東8-38
2015/5/21
BIO tech2015展来場の御礼
BIO tech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/21
先日行われました長野県工業技術総合センター平成27年度科学技術週間行事にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/4/13
BIO tech2015展に出展致します。
5/13(水)~5/15(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№4-47(微細加工ゾーン内)
2015/3/11
先日行われました長野県中小企業団体中央会平成26年度経営セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/2/18
nanotech大賞2015受賞報告
弊社は、nanotech2015展に出展し、
「nanotech大賞2015 日刊工業新聞社賞」を受賞いたしました。
2015/2/18
nanotech2015展来場の御礼
nanotech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/2/18
3D Printing 2015展来場の御礼
3D Printing 2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2014/12/19
nanotech2015展に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東4~6ホール
ブース№ 5G-02
2014/12/19
3D Printing 2015展に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6D-09
2014/12/19
先日行われました近畿化学協会機能性色素・エレクトロニクス部会東京地区合同公開講演会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/12/19
先日行われました日本印刷学会の2014年度プリプレス研究会にて、弊社の堀が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/23
先日行われました色材協会関東支部の印刷インキアドバンス講座にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/15
先日行われました農工大・多摩小金井ベンチャーポート9月セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/9/16
BioJapan 2014展に出展致します。
10/15(水)~10/17(金)
パシフィコ横浜
ブース№ B101(中小機構ブース内)
2014/7/14
先日行われました大阪府工業協会の2014年度3Dプリンタ実践導入研究会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/7/14
先日行われました愛知県経営者協会機械金属部会総会の特別講演にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/5/27
第25回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/25(水)~6/27(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№7-40
2014/4/23
BIO tech2014展に出展致します。
5/14(水)~5/16(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№8-1(バイオ医療開発ゾーン内)
2014/1/22
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2014/1/15
nanotech2014展に出展致します。
1/29(水)~1/31(金)
東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
ブースNo.6-G21
2013/12/18
3Dプリンターセミナーの次回開催日は2014年2月の予定です。
2013/12/4
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2013/12/2
3Dプリンター技術研究所ホームページを新たにオープンしました。

セミナー・イベント情報

2019/12/21
【formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2019年12月20日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2018/12/10
【formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2018年12月7日(金)
開催場所:AP品川アネックス (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2017/11/10
【formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2017年12月15日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2016/12/26
【formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2016年12月22日(木)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2015/12/11
【EuroMold2015 & formnext
にみる3Dプリンター最前線】
開催日 :2015年12月10日(木)
開催場所:AP品川
※満席により、お申込みは終了しました
2015/1/20
【EuroMold 2014 から見えてきた3Dプリンティングの未来】
開催日 :2015年1月21日(水)
開催場所:(株)3Dプリンター総研 セミナールーム
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/5/21
【3Dプリンター体験会】
開催日 :2014年5月24日(土)
開催場所:当研究所
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/1/22
【3Dプリンタ、造形材料開発者向け
セミナー】
開催日 :2014年3月6日(木)
開催場所:東京都内
※お申し込みは終了しました

新刊・レポ

2023/11/15new
【最新書籍情報!】
世界の3Dプリンティング 最新業界レポート
体裁/A4判 441頁
詳しくはこちら
2022/7/6
【最新書籍情報!】
2023年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 165頁
詳しくはこちら
2022/7/6
【最新書籍情報!】
2022年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 195頁
詳しくはこちら
2021/6/23
【最新書籍情報!】
2021年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 178頁
詳しくはこちら
2021/3/19
【最新書籍情報!】
世界の3Dプリンティング産業最前線 2021
体裁/A4判レポート(フルカラー)165頁
詳しくはこちら
2021/2/16【最新書籍情報!】
3Dプリンティング材料最新業界レポート
体裁/A4判 362頁
詳しくはこちら
2021/2/1【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用新規材料開発
体裁/B5判 380頁
詳しくはこちら
2020/7/20【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用材料開発と造形物の高精度化
体裁/A4判 469頁
詳しくはこちら
2020/5/15【最新書籍情報!】
2020年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 189頁
詳しくはこちら
2020/3/16【最新書籍情報!】
formnext2019 報告レポート刊行
体裁/A4判報告レポート 175頁
詳しくはこちら
2020/3/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と市場
体裁/B5判 241頁
詳しくはこちら
2019/8/30【最新書籍情報!】
3Dプリンター・造形材料の市場動向と最新業界レポート
体裁/A4判 239頁
詳しくはこちら
2019/5/20【最新書籍情報!】
2019年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 197頁
詳しくはこちら
2018/12/17【最新書籍情報!】
formnext2018 報告レポート刊行
体裁/A4判 220頁 フルカラー
詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と先進分野への応用
体裁/A4判 264頁
詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
2018年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 168頁
詳しくはこちら
2018/1/22【最新書籍情報!】
formnext2017 報告レポート
体裁/A4判 240頁超 フルカラー
詳しくはこちら
2017/6/21【最新書籍情報!】
2017年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 175頁
詳しくはこちら
2017/2/28
バイオ・医療への3Dプリンティング技術の開発最前線
体裁/B5判 上製 230頁
詳しくはこちら
2016/3/28
3Dプリンター・造形材料の開発動向と市場
~IoT時代に求められるモノづくり~
体裁/A4判 並製 182頁
詳しくはこちら
2016/1/27
「新たなものづくり」3Dプリンタ活用最前線
体裁/B5判・270頁 詳しくはこちら
2015/12/21
【最新調査レポート情報!】
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』
体裁/A4判レポート・165頁フルカラー
詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『産業用3Dプリンターの最新技術・材料・応用事例』
体裁/B5判・280頁 詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『3Dプリンターの材料技術の開発動向と市場展開』
体裁/A4判・143頁 詳しくはこちら
2015/2/25
【最新調査レポート情報!】
『EuroMold2014 報告レポート』
<Euro Mold 2014から見えてきた3Dプリンティングの未来>

2014年11月25日より28日までの4日間ドイツのフランクフルトで開催されたEuroMold 2014。先日、報告会を開催いたしましたが、かねてからご要望のありましたレポート版が完成いたしました。
詳しくはこちら
2014/2/26
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンタに関する特許分析レポート』

「3Dプリンタ」に関連する特許を分析、さらに3Dプリンタを取り巻く環境情報(訴訟・市場) をコンパクトに整理致しました。
詳しくはこちら
2013/12/18
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンティング革命アメリカ最新レポート』

アメリカの3Dプリンターを利用したビジネスの数々を紹介!!
詳しくはこちら
2013/12/2
【おすすめ度No.1書籍】
3Dプリンターについて書かれた、 当研究所の所長の著作本は こちら

世界の3Dプリンターニュース 抜粋 ニュース一覧はこちら

掲載日:2024年3月6日:プロトラブズが2023年度通年決算を発表
アメリカの大手デジタルマニュファクチャリングサービスビューローのプロトラブズ(Protolabs)が、2023年度通年決算を発表した。それによると、同社の2023年度の売上高は5億400万ドル(約756億円)で、対年比で3.2%増加した。調整後EBITDAは8320万ドル(約124億8000万円)で、売上高に占める比率は16.5%に達した。 昨年に同社がパーツなどを供給したユーザーの数は5万3千社に達し、過去最高を記録した。買収したハブズのネットワークに参加するユーザーが増加に貢献した。 プロトラブズのロブ・ボーダーCEOは、新興マニュファクチャリング関連企業からの受注が増加し、特にEVメーカーによる試作品や完成品部品の注文が増加したと説明している。ある関係者は、今後もEV関連需要の伸びが期待されると予想している。 プロトラブズは1999年設立。ミネソタ州メープルプレーンズに拠点を置く手デジタルマニュファクチャリングサービスビューロー。アメリカをはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデンでも事業を展開している。プロトラブズは、日本市場からは一昨年2022年6月をもって完全に撤退している。
掲載日:2024年3月5日:ストラタシスがAREVOのカーボンファイバー3Dプリンティング資産を買収
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置く3Dプリンティング企業のAREVOのカーボンファイバー3Dプリンティング資産を買収したと現地のメディアが報じている。 ストラタシスのチーフ・インダストリアル・ビジネスオフィサーのリッチ・ギャリティ氏は、「我々が買収したテクノロジーは、FDMによるパーツ製造により多くの選択肢を与えることになるでしょう。そして、それは我々の既存のお客様にとっても大きなメリットがあります。今回の投資は、我々が行っているオーガニックおよび非オーガニックのアプリケーション開発に必要不可欠なものです。特に我々のマニュファクチャリング関連のお客様にとって大きなバリューになることでしょう」とコメントしている。 AREVOの3Dプリンティングプラットフォーム「アクア」は、ロボットアーム式のレーザー3Dプリンターで、最大1立方メートルの造形物をプリントできる。素材はPEEKなどのハイエンド・エンジニアリングプラスチックや、カーボンファイバー複合素材などが利用できる。 AREVOは2013年設立。シリコンバレー発の本格的3Dプリンティング・スタートアップ企業として創業当初よりベンチャーキャピタルなどの注目を集めている。同社には日本のAGCも出資している。
掲載日:2024年3月4日:ビヨンド・ミートが2023年度通年決算を発表
アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートが、2023年度通年決算を発表した。同社の2023年度の売上高は3億4340万ドル(約515億1000万円)で、前年比で18%の大幅なマイナスとなった。アメリカ国外市場での売上高は前年比で二桁の増加となったものの、アメリカ国内の小売市場向けおよび外食市場向け売上が大きく落ち込み、全体の足を引っ張った。通年の経常収支は3億3810万ドル(約507億1500万円)の赤字だった。 同時に発表された2023年度第4四半期は、売上高7370万ドル(約110億5500万円)で、経常収支は1億5500万ドル(約232億5000万円)の赤字だった。 2023年12月末時点の同社が保有する現金および現金相当資産の合計は2億590万ドル(約308億8500万円)となった。また、同時点の同社が抱える債務残高は11億ドル(約1650億円)となった。 2023年度通年決算の発表とともに、ビヨンド・ミートは大手食品メーカーのペプシコと2022年から共同で進めてきていた代替肉を使ったビーフジャーキー「ビヨンド・ミート・ジャーキー」の開発プロジェクトを全面的に中止すると発表した。
掲載日:2024年3月3日:スリーディーシステムズが2023年度通年決算を発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、2023年度通年決算を発表した。それによると、同社の2023年度通年の売上高は4億8810万ドル(約732億1500万円)で、対前年比で9.3%のマイナスとなった。経常収支は3億ドル(約450億円)の赤字で、前年の3億7040万ドル(約555億600万円の赤字から若干改善した。M&Aなどにともなう営業のれん費用の償却などが負担となった結果となった。調整後EBITDAは2452万ドル(約36億7500万円)の赤字だった。 スリーディーシステムズの経営陣は、一連のコスト削減プログラムの効果などにより、今年2024年内の営業収支およびキャッシュフローの黒字転換を見込んでいる。 スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOは、「ポストコロナ期に獲得した多くの新たなお客様の多くは、アディティブ・マニュファクチャリングの可能性を非常に高く評価しています。マクロ経済的にはいくつものハードルが存在しますが、それでも市場は今後5年から7年で大きく成長することが見込まれています。スリーディーシステムズは、今後も製品の研究開発を強化し、今後生じてくるあらゆる市場機会のチャンスを掴みとってまいります」とコメントしている。
掲載日:2024年3月2日:Xometryが2023年度通年決算を発表
メリーランド州ガイザーズバーグに拠点を置く産業用マーケットプレース運営のXometryが2023年度通年決算を発表した。それによると、同社の2023年度の売上高は4億6300万ドル(約695億5000万円)で、前年2022年度から22%増加した。主力事業である産業用マーケットプレースの売上高が対前年比で30%増加し、3億9500万ドル(約592億5000万円)に増加したことなどが売上拡大に貢献した。サービス部門の売上高は6870万ドル(約103億円)で、対前年比で12%減少した。 営業収支は6700万ドル(約100億5000万円)の赤字で、前年から1200万ドル(約18億円)改善した。 2023年度通年決算の発表とともに、Xometryは新たにジェイムズ・ミルン氏が同社のCFOに就任すると発表した。ミルン氏はユーザー評価サイトYelpの出身で、Yelpのファイナンス戦略立案などを担当していた。 Xometryは2013年10月設立。3DプリンティングやCNCマシニングに特化したオンデマンド・マーケットプレースを運営しており、顧客にはBMW、GE、NASA、アメリカ陸軍などが名を連ねている。同社のユーザー数は、アメリカ国内の中小企業を中心に5,000社に達している。
掲載日:2024年3月1日:イギリスの工房が3Dプリンターでクラシック・ボルボを復元
イングランド東部のブランディッシュにあるひっそりとした工房Amazon Carsで、エマとロブのヘンチョーズ夫妻がヴィンテージ・ヴォルボに新たな命を吹き込み、ラリーカーへと生まれ変わらせている。彼らはそれを3Dプリンターの助けを借りて行っている。 古い車を所有している人なら、珍しい部品を手に入れ、昔のように修理してくれる整備士を見つけることがどれほど大変か知っているだろう。良いニュースは、旧車に愛情と情熱を込めて向き合うような熟練した職人たちが、世の中にはまだ存在しているということだ。ヘンチョーズ夫妻はこの種の人たちである。 Amazon Carsの発端は、2001年に夫妻が撤退間際の部品サプライヤーの事業を買収し、モータースポーツに軸足を移したことにさかのぼる。業界の移り変わりや地政学的な複雑さを乗り越え、彼らはYouTubeのようなプラットフォームを活用し、ブレグジット後の現実にも適応しながら、企業を維持するだけでなく繁栄もさせてきた。 20年以上にわたり、夫妻は60年代と70年代のボルボの復元とし、その専門知識と献身で希少部品の調達という難題を克服してきた。彼らは修理、チューニング、交換、さらには開発まで行い、彼らの口癖である “クラシック・ボルボのドライバーをスピードに乗せる”手助けをしている。 夫婦の3Dプリント導入の物語は、友人の勧めでオリジナルPrusa MK3Sを購入したことから始まった。3Dプリンティングの登場は彼らの技術を飛躍的に向上させ、時代遅れの部品を加工し、性能を向上させ、かつてない機敏さでサーキット用の車を仕立てることを可能にした。同社は、エアフィルターボックスやオイルタンクホルダー、ギアシフトカバーから固定具に至るまで、さまざまな部品を製造している。 ロブの職人としての誇りはカスタムレーシングパーツにまで及び、最適なパフォーマンスを実現するために、マシンに完璧に組み込まれている。完成品には細部に至るまで、彼らの卓越性の追求が反映されている。
掲載日:2024年2月29日:iLAuNCHがロケット用炭素複合材の製造に3Dプリント技術を採用
iLAuNCHのTrailblazerプロジェクトが、ロケットにおける大規模な炭素複合材構造に3D印刷技術を利用する取り組みに着手している。このプロジェクトは、3Dプリンティング設計の柔軟性とスピードを活用し、炭素複合材技術の進歩と組み合わせることで、ロケット製造に革命をもたらすことを目的としている。 iLAuNCHのダリン・ロベット専務理事は、宇宙用の炭素繊維を積層し、デジタル・モデリングでスケールと再現性のある設計を行う手法を取り上げ、特注の複合材構造を必要とする防衛、航空宇宙、その他の分野での潜在的な利点を強調した。 ニュー・フロンティア・テクノロジーズ(NFT)、オーストラリア国立大学、X線コンピュータ断層撮影研究所と協力するこのプロジェクトは、厳密な試験と検証を伴うロケット用途に適した構造の開発に重点を置いている。オーストラリア国立大学は、製造プロセスの評価と改良を行い、オーストラリアの製造能力の向上に大きく貢献する。 このプロジェクトでは、X線コンピュータ断層撮影(CT)と3Dマルチスケールモデリングを用いて、忠実度の高いシミュレーションと構造健全性評価を行い、性能の最適化と信頼性に不可欠な微細構造の特徴に関する詳細な洞察を提供する。 ニュー・フロンティア・テクノロジー社(NFT)は、宇宙用炭素繊維構造の拡張可能な3D印刷のための設計製造戦略を開拓している。同社のポール・コンプストン取締役兼最高経営責任者(CEO)は、「これはオーストラリアで唯一のATP製造能力であり、欧州(ESA)の宇宙用高性能複合材構造の製造プロジェクトで実証されている」と述べた。 この構想は、ロケット製造における重要な進歩であり、宇宙用途に不可欠な炭素複合材構造の製造において、より高い効率と精度を約束するもので、高価値の複合材構造を必要とする様々な産業に影響を与える。
掲載日:2024年2月28日:海水中のバイオプラスチック劣化研究で3Dプリンティングが活躍
韓国の研究者らは最近の研究で、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート・コ・テレフタレート(PBAT)の3種類の生分解性プラスチックについて、土壌と海水の両方の環境における分解挙動を調査した。 Polymer Testing誌に掲載されたこの研究は、先述の材料の複雑な分解過程に光を当てたものである。土壌実験では、PCLとPBSはさまざまな程度の分解を示し、PCLは施肥土壌でかなりの分解を示した。一方、PBATはどちらの土壌環境でも最小限の変化しか示さなかった。 テストのひとつは、頭足類の養殖で一般的に使用されるPCL釣瓶を3Dプリントするものだった。その目的は、生分解性プラスチックが水産業での使用に適しているかどうかを調査することであった。 海水試験の結果、PCLの分解速度は水の循環に影響されることが明らかになった。さらに、韓国沖で実施された実際の海洋試験では、実験室の条件と比較してPCLの分解が促進され、PBATの分解速度が最も遅いことが示された。 研究者たちは、「サンプルの機械的特性は、著しい弱化が起こるまで数ヶ月間維持されました。これは、ゴーストフィッシング(廃網やプラスチックによって海洋生物が殺されること)を防ぐことができ、漁具の非分解性材料の代替品として生分解性プラスチックが応用される可能性を裏付けるものです」と指摘した。 興味深いことに、微生物の増殖は栄養分や水循環などの環境要因に影響されることが判明し、生分解性プラスチックとその周辺環境との相互作用を理解することの重要性が浮き彫りになった。 この研究は、生分解性プラスチックの効果的な利用を導き、プラスチック汚染を軽減するために、さまざまな環境における生分解性プラスチックの性能を総合的に評価する必要性を強調している。生分解性プラスチックの分解メカニズムに関する洞察を得ることで、科学者や政策立案者は、より持続可能な未来に向けて、十分な情報に基づいた決定を下すことができる。
掲載日:2024年2月27日:3Dプリンティングがレトロゲームの保全を刷新
近年、3Dプリンティングはレトロゲームの保全に影響を与え、以前には想像もできなかったソリューションを提供している。ゲームボーイのような主流のゲーム機は、廃盤になった今も交換部品が容易に入手できるが、ターボエクスプレスやセガ・ノマドのような珍しいシステムは、希少性に直面している。市場が限られており、従来の製造方法では苦戦するからだ。そんな中3Dプリンターが登場し、レトロな改造シーンに新たな息吹を吹き込んだ。 3Dプリントは、カスタム・シェルや複雑な部品の作成を可能にするが、そのプロセスは簡単ではない。オブジェクトを印刷可能なファイルに変換するには、膨大な時間と献身が要求されるからだ。しかし、Weskや Dennis(Pointer Function)のような熱狂的なファンは、細心の注意を払って作られた3Dモデルを無償で共有することで、無私の貢献をしており、これらのコンソールの寿命を保証している。 影響は修復だけにとどまらない。ファンたちは内部回路が見える透明なシェルなども発表しており、ユニークなカスタマイズの道を開いている。 WeskとDennisの他にも、若いイノベーターのコミュニティは急成長している。DVIZIXは神出鬼没のセガ・ネプチューンのシェルを再現し、Retro FrogとLaser Bear Industriesは斬新なアダプターや拡張機能を開拓し、レトロゲーム体験を豊かにしている。 これらのパイオニアたちは、献身と創意工夫によって、レトロゲームの風景を3Dプリンターで形作っている。
掲載日:2024年2月26日:Phrozen社がArco FDMマシンとRevo 12K樹脂プリンターを発表
樹脂プリンターで知られるPhrozen社が、300x300x300 mm³の巨大なプリントボリュームと600mm/sという驚異的な最高速度を誇るArcoで、FDMの領域に踏み込んでいる。Arcoは、シームレスなワークフロー統合を実現するサイズとスピードを兼ね備え、押し出しベースの印刷技術を再定義することを目指している。 クロマキットを装備したArcoは、マルチフィラメント印刷機能を提供し、ユーザーは鮮やかでカラフルなモデルを簡単に作成することが可能になる。Kickstarterでの発売を予定している同製品は、コンシューマーグレードの3Dプリンティングにおける新たな基準を打ち立てようとしている。 Arcoのスペックは、このクラスではエリートの部類に入る。その素晴らしい造形容積は、急速な加速と最高印刷速度のおかげで、品質を犠牲にすることなく大規模なプリントを可能にする。Klipperファームウェアを搭載し、将来的な機能強化のために設計されたArcoは、OTAアップデートによる継続的な改善を約束するそうだ。 精密なエンジニアリングにより、同製品は高速印刷に不可欠であるスムーズなフィラメントフローを実現している。また、二重押し出しギアと特許取得済みの直接型押し出し経路が性能を高めることで、さまざまな材料で完璧なプリントを可能にする。クロマキットは汎用性を高め、フィラメントの自動交換により最大16色のプリントをサポートするとのことだ。 Arcoの各機器にはノイズ低減と温度制御のためのPentashieldエンクロージャーが付属しており、頑丈な外装構造により振動を最小限に抑え、優れたプリント品質を保証する。PIXUPスライシングソフトウェアと専用モデルライブラリにより、Phrozenは活気あるコミュニティを育み、3Dプリントをユニークな製造メディアとして際立たせている。 しかし、これは同社が有名となるきっかけとされている樹脂プリンターから遠ざかっているという訳ではない。同社は最近、新しいFDMマシンに加えて、まったく新しい14K樹脂プリンターを発表したからだ。 Sonic Mighty Revoは、10.1インチのモノラルLCDスクリーンと223 x 126 x 235 mmの余裕のあるプリントボリュームを特徴とする14K樹脂プリンターだ。XY解像度は16.8 x 24.8μmで、平均印刷速度は毎時70層、最高速度は毎時450層という驚異的な印刷速度を達成する。 オートレベリング、残渣検知、故障検知システム、温度維持と換気のための内蔵ヒーターと排気口を備え、同製品は信頼性の高い効率的な印刷を提供するよう設計されている。 空気清浄にはUSB給電の空気清浄機を採用し、内蔵カメラでPhrozenGOアプリによる遠隔監視が可能だ。内蔵ライト、冷却ファン、デュアルリニアレール、フルメタル外装など、特筆すべき機能も満載だ。コントロールは5インチのタッチスクリーン・インターフェイスで合理化されており、USBやWi-Fiなどの接続オプションも用意されている。 Sonic Mighty Revoは、前モデルのSonic Mighty 8KとSonic Mighty 12Kとサイズ、体積、スピードにおいて共通点を持ちながら、より強化された機能とパフォーマンスで差別化を図っている。 Revoの予約は2月21日までPhrozen社のウェブサイトで受け付けており、価格は1,000ドル(グローバルおよびEUの店舗では1,050ドルおよび1,034ユーロ)。
掲載日:2024年2月25日:ケナメタルが3D プリント切削工具ホルダーでエジソン賞のファイナリストに選出
ケナメタル社(本社:米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)が革新的なKENionic技術を利用して3D プリント切削工具ホルダーを開発し、エジソン賞のファイナリストに認定された。 エジソン賞は、新製品やサービスの開発、マーケティング、デザイン、イノベーションにおける卓越性を讃える賞だ。自然から着想を得た有機的な形状を活用した最先端の工具ホルダーは、従来比45%の軽量化を誇る上に、加工時間が50%短縮されるという特筆すべき効果を実証しており、ターゲットの顧客層に合わせて特別に調整されている。この画期的な技術は、特に輸送用部品の精密加工において、生産性と効率を向上させる。 PBF-LBのスチールカッター本体は、シームレスな工具交換を容易にし、3D プリント設計は、冷却材を最も効果的な場所に正確に供給するために複数の流路を組み込んでいる。 ケナメタル社の副社長兼最高技術責任者を務めるカルロンダ・ライリー氏は「ケナメタル社では、各業界における技術革新の限界に挑み続けており、当社のKENionic技術がエジソン賞の最終選考に残ったことは、当社の進歩に対する揺るぎないコミットメントを裏付けるものです。顧客の課題を我々の材料科学、設計、プロセス、応用工学の専門知識と革新的な思考で統合することで、顧客の皆様が日常生活の基盤を再定義できるような勝利のソリューションを作り上げました。」と述べている。 優勝者は2024年4月18日に開催されるエジソン賞授賞式とガライベントで発表される予定で、期待が高まっている。エジソン賞のファイナリストとなった今回、ケナメタルの業界革新における限界突破への真摯な姿勢が再確認された。
掲載日:2024年2月24日:南京東南大学とチューリッヒ工科大学が3Dプリント藻リアクター技術で室内環境を向上
南京東南大学とチューリッヒ工科大学の共同研究により、革新的な藻類リアクターが開発された。この3Dプリント・モジュールは、室内の空気を浄化し、クロレラ・バイオマスを培養するように設計されている。リサイクルPETG(rPETG)で製造されたこのモジュールは、建物の前面にシームレスに統合され、都市の空気質の課題に対する持続可能なソリューションを提供する。 研究者のハオ・フア氏とベンジャミン・ディレンバーガー氏が率いる藻類リアクター・プロジェクトは、自然を建築環境に取り入れることを目的としている。この最先端技術では、3Dプリントされたファサードモジュールである藻類リアクターが作られ、都市住民の空気を浄化し、藻類バイオマスを定期的に生産する仕組みとなっている。Photo.Synth.EticaやSolarLeafのようなプロジェクトにインスパイアされたこのリアクターは、建物内の微生物学的サイクルを刺激する。 3DプリントされたrPETGで構成されたスキン・モジュールは、培養チューブを保持し、前面を半透明にする。各モジュールは、ハイブリッドフレームワークと藻類培養システムで構成されており、縦と横のアルミ製フレームワークは、3Dプリントされたスキンを溝で支え、ポンプ・バッテリー用のスリムなソーラーパネルとファスナーを備えている。 これらのモジュールは、窓やガラスカーテンウォールの内側に取り付け可能だ。水とクロレラの入った透明なコルゲートチューブは3Dプリントされた表皮の溝に取り付けられており、溝の形状はチューブの直径に合わせてあるため、バイオマスの収穫やチューブの交換の際に簡単に取り外すことができる。 溝に沿ったパイプラインは、下から上へのゆっくりとしたスムーズな空気の流れを確保するように設計されている。透明なカーテンウォールの背後にあるモジュールのマトリックスは、室内の空気の質を改善するために生化学的プロセスを維持し、室内の光強度を調整しながら前面に緑色の色合いを加える。 藻類培養システムには、複雑なチューブ、底部のバッテリー付き空気ポンプ、上部のオーバーフロー防止漏斗が含まれる。チューブはクロレラ液体が満たしており、エアポンプが室内の空気を一定間隔で吸い込む。また、モジュールは統合されたソーラーパネルにより建物の電力供給から独立している。 藻類リアクターは、室内の空気と効率的に相互作用する管状液体内の光合成を可能にする。チューブは3、4週間ごとにモジュールから取り外された上でバイオマスが回収され、水とクロレラを交換する。複雑なモジュール本体の3Dプリント工程には大規模な溶融造形(FGF)技術が使用され、KUKAロボットアームに取り付けられたペレット押出機により、構造的安定性と精密な細部が確保されている。透明なリサイクルPETG(rPETG)顆粒は、溝のあるスキンのプリントに使用される。層状のフィラメントと差別化された形状は、直射日光を散乱光に変換し、藻の成長を促進する。 藻類リアクターは、建築環境に生化学的プロセスを穏やかに導入し、補助的な窓モジュールがいかに室内の空気を浄化し、持続可能な食品や医薬品を生産できるかを実証する。微細藻類の自然な緑は視覚的な安らぎを与え、生物学と建築のハイブリッド・システムにおける新しい形の室内園芸を通じて都市住民と自然の両方に利益をもたらすことを示唆している。
掲載日:2024年2月23日:ソニー傘下イスラエル企業が2000万ドルの資金調達に成功
ソニー傘下イスラエル企業センソス(Sensos)が、2000万ドル(約30億円)の資金調達に成功した。出資したのはイスラエルの大手ベンチャーキャピタルのマジェンタ・ベンチャーパートナーズを筆頭とする投資シンジケート。マジェンタ・ベンチャーパートナーズには日本の三井グループが出資しているほか、日本航空傘下のJALベンチャーズ、住友商事、イスラエルの大手運送企業のイスラエル・カーゴロジスティクスなども出資している。 センソスは、超薄型エレクトロニクスラベルを使った荷物トラッキングプラットフォームを開発、国内外の物流関連企業に提供している。センソスのプラットフォームを活用することで、物流企業はサプライチェーンのトレーサビリティを確保し、コストを全体的に削減することが可能になる。 センソスのユーザーにはドイツの大手化学メーカーのバイエル、DBシェンカーなどに加え、大手鉄道会社のドイツ鉄道なども含まれている。 センソスのアヴィヴ・カストロCEOは、「業界における最先端プレーヤーによる我が社への投資は、我々のチームとソルーションへ対する明確な一票です。我々はアクション可能なデータをトラックし、今日のロジスティクス市場における最適ソルーションに対するニーズに対応します」とコメントしている。
掲載日:2024年2月22日:コア・インダストリアルパートナーズが8億8700万ドル規模のPEファンドを組成
米イリノイ州シカゴに拠点を置くプライベートエクイティファームのコア・インダストリアルパートナーズが、8億8700万ドル(約1330億円)規模のPE(プライベートエクイティ)ファンドを組成して話題になっている。コア・インダストリアルパートナーズは当初6億8500万ドル(約1027億円)規模の組成を想定していが、それを2億ドル(約300億円)以上上回ったことになる。 今回のファンド組成により、コア・インダストリアルパートナーズが調達した資金の総額は15億8000万ドル(約2370億円)となった。同社による好調な資金調達は、3Dプリンティング・アディティブ・マニュファクチャリング関連企業へ対する投資家の関心の高まりを反映しているとされる。 コア・インダストリアルパートナーズは、調達した資金を引き続きアディティブ・マニュファクチャリング関連企業の買収などに投じるとしている。 コア・インダストリアルパートナーズは、これまでに大手3DプリンティングサービスビューローのFATHOMを買収したのに加え、3Dプリンター用フィラメントメーカーの3DXテック、別のフィラメントメーカーのトリトン3D、オープンソース3Dプリンターメーカーのギアボックス3Dを買収している。
掲載日:2024年2月21日:NASAのJET推進研究所が従業員の一部をレイオフ
NASAのJET推進研究所が従業員の一部をレイオフし、話題になっている。現地メディアの報道によると、JET推進研究所によるスタッフのレイオフはNASAの予算削減プログラムの影響を受けたもので、40名の業務委託業者と530名の従業員が対象になるという。今回のレイオフにより、JET推進研究所が行っている各種の3Dプリンティングプロジェクトに影響を与える可能性があると危惧されている。 また、レイオフの対象となった従業員を対象に仕事をオファーする民間宇宙関連企業が増加しているという報道もある。アジャイル・スペースインダストリーズは、オフィシャルX(旧Twitter)アカウントを通じ、アディティブ・マニュファクチャリング関連スペシャリストを含む複数のエンジニアリングポジションでJPLスタッフにオファーしている。 ある業界関係者は、今回のレイオフがアメリカの宇宙産業および宇宙関連アディティブ・マニュファクチャリング関連産業におけるスペシャリスト人材の流動化を加速させると指摘している。 ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory: JPL)は、NASAの無人探査機等の研究開発及び運用に携わる研究所。アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の街パサデナにある。JPLの前身となったカリフォルニア工科大学のグッゲンハイム航空研究所のロケット研究プロジェクトが1936年に立ち上げられ、1943年11月に同研究所の責任者であったセオドア・フォン・カルマンによってJPLと名付けられた
掲載日:2024年2月20日:バリラがバレンタイン用3Dプリントパスタの販売を開始
イタリアの大手パスタメーカーのバリラが、バレンタイン用3Dプリントパスタの販売を開始した。バリラ傘下のブルーラプソディは「キューピット」と「ラブミーテンダー」となづけられた2種類の3Dプリントパスタを用意し、オンラインでの販売を行っている。 ハート形の「キューピット」は3.5X1㎝のサイズで、12ピース入りが15.90ユーロ(約2623円)となっている。一方の「ラブミーテンダー」はより大型のサイズで、6ピース入りが同じく15.90ユーロとなっている。 バリラは2014年から3Dプリントパスタのコンテストを実施するなど、早くから3Dプリントパスタの領域でのプレゼンスを広げてきている。バリラは昨年2023年にも、「ブルーラプソディ・スパゲット3D」と名付けられた3Dプリントパスタを販売している。 2017年に開催された第二回3Dプリントパスタデザインコンテストでは、全世界124か国から1,200件の応募があった。 バリラは1877年設立のイタリアの老舗パスタメーカーでイタリア最大の食品会社。イタリアのパルマを拠点に「バリラ」のブランドで世界中にパスタを輸出している。日本では三菱食品がバリラとライセンス契約を締結し、バリラブランドの製品を日本国内で販売している。
掲載日:2024年2月19日:デスクトップメタルが2億5000万ドル規模のシェルフオファーリングを実施
アメリカの3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のデスクトップメタルが、総額2億5000万ドル(約375億円)規模のシェルフオファーリング(Shelf Offering)を実施する。2024年2月14日に証券取引所委員会に提出された書類によると、シェルフオファーリングではクラスAの普通株7500万ドル分に加え、優先株、転換社債、ワラントなどの複数の証券類がストアされるという。 シェルフオファーリング実施の発表を受け、ニューヨーク証券取引所で取引されている同社の株は5セント値上がりして1株0.66ドルで取引を終えた。 シェルフオファーリングは、証券類の発行会社が一度にすべてを売却するのではなく、シェルフに登録して預けることができる仕組み。証券取引委員会の規程によると、シェルフオファーリングを実施した企業は、最大三年間証券類をストアすることができるとしている。 デスクトップメタルの株は長らく1株1ドルを下回る価格での取引が続いている。ある証券関係者は、株価の低迷が続くデスクトップメタルが、シェルフオファーリングを活用することで新たな資金調達手段の選択肢を増やす目論見があると指摘している。 デスクトップメタルに対しては、別の大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが買収を提案していたが、昨年末に実施された株主総会で決議が否決され、頓挫している。
掲載日:2024年2月18日:Foraevaの3Dプリント・テキスタイルが伝統とテクノロジーを融合
デザイン・ラボのForaevaが、古代ルーマニアのモチーフを現代のコードで再定義した3Dプリントファッションコレクション「HERITAGE RE:CODED」を発表した。数千年前のパターンと最先端のデジタルツールを融合させた衣服は、よく見ると文字や人物の複雑な配置が浮かび上がるような幻想的なタペストリーとなっている。この伝統とテクノロジーの融合は、コード化された民間伝承のシンボルによって世代間のつながりを強調し、過去と未来のギャップを埋める役割を果たしているようだ。 ラナ・ドゥミトルとヴラド・テヌによって共同設立されたForaevaのアプローチでは、芸術性とコンピュテーショナル・デザインを結びつけ、特注のアルゴリズムを使って古くから伝わるモチーフを解読し、新たにデザインを作り上げる。ルーマニアの伝統的なパターンを3Dプリンティング技術で丹念に再現し、生地に生命を吹き込み、新たな視覚表現を生み出している。コレクションの複雑なシンボルや図形は、装飾品としてだけでなく、デザインに込められた隠された意味を解き明かしながら、遺産の物語を語る。 HERITAGE RE:CODEDはミラノ・デザイン・ウィークでデビューし、2024年のニューヨーク・ファッション・ウィークで披露されることが決定しており、ファッション業界におけるデジタルの進化を垣間見ることができる。ショーでは没入型のデジタル・キャットウォークを通じて、視聴者はコンセプトから最終的なクリエーションまでの道のりを目の当たりにし、伝統的な職人技と計算科学のシームレスな融合を体験することになる。 Foraevaの創造的なビジョンは、芸術的なタイムトラベルに重きを置いており、過去と未来、伝統工芸と現代技術をシームレスに融合させる。ドゥミトルとテヌが主張するように、「すべてはコード」であり、デザインは文化的な遺産を再定義するデジタル・イノベーションの変革力を強調している。同ブランドは、3Dプリント・テキスタイルの領域で、これからも一着一着の服を通じて伝統、テクノロジー、ストーリーテリングが複雑に交差する様を私たちに見せてくれるだろう。
掲載日:2024年2月17日:プーマのモストロが3Dプリントで復活
1999年に発売されたプーマのアイコニックなシューズ「Mostro(モストロ)」が、3Dプリントで復活し、ニューヨーク・ファッション・ウィークで注目を集めた。同ブランドはイベントを没入型の体験に変え、90年代と2000年代初頭のファッションのノスタルジックさを残しながらモストロの時代を超えた魅力を紹介した。 クリエイティブ・ディレクターのハイコ・デセンス氏は、厚みのあるデザインがトレンドとなる中、モストロが薄型のシューズに回帰することを強調した。アラステア・マッキム氏がキュレーターを務めたファッションショーでは、特注品や2024年秋のカタログ掲載予定品を使った56のルックが披露され、様々なスタイルにおけるモストロの汎用性が強調された。 プーマの試みはフットウェアにとどまらず、3Dプリントを施したモストロのバリエーション、ニットのオーバーニー・バージョンやローカットシューズなどにも及んでいる。この展示は、イベントで披露された3D設計のすね当てや手袋に見られるように、デザインと技術の限界を押し広げるプーマの姿勢を反映している。 デセンス氏は、誇張されたプロポーションと、メタリックやネオンのポップなアクセントを効かせた単色パレットを特徴とするモストロのユニークな美学を際立たせるキャンバスとして、付属のアパレルの重要性を強調した。 プーマは、個性的で型にはまらないファッションを求める消費者の嗜好の変化に対応し、大胆なカラーリングやコラボレーションでモストロのラインを拡大していく予定だ。
掲載日:2024年2月16日:ザハ・ハディドの3Dプリンター製ボート用水素補給ステーションがイタリアで始動
ザハ・ハディドの3Dプリンター製ボート用水素補給ステーションがイタリアで始動 イタリアで世界初のレクリエーション向け水素補給ステーションが誕生する。NatPower Hが主導するこのプロジェクトは、2030年までにイタリア全土に100カ所のステーションを配備することを目指しており、ザハ・ハディド・アーキテクツがインフラ整備を主導する。 3Dロボットによる材料配置を採用したこのステーションは、完全にリサイクル可能な乾式工法の石積みを利用し、建設廃棄物の削減と材料使用の最適化を実現している。3Dプリントされたブロックの層状配置は、地中海の景観や海洋生態系に見られる自然の地層を模倣しており、構造的完全性と美的魅力を高めている。 アンドレア・ミネルド最高経営責任者(CEO)は、水素で動き、イタリアの造船業界が直接的にCO2を排出しないヨットやボートへの移行を推進する上で、極めて重要な役割を担っていることを強調した。イタリアのマリーナや港湾とすでに25の協定を結んでいるこの取り組みは、持続可能なエネルギー源への世界的なシフトを促進し、水素補給ステーションの広範なネットワークを約束するものだ。 風力、太陽光、その他の自然エネルギーを利用するNatPower Hのグリーン水素製造技術は、急増中の環境に優しい電力への需要を満たす、拡張可能なソリューションを提供する。地中海全域で計画されているステーションは、年間3,650トンのグリーン水素を供給し、レジャーボートからの温室効果ガス排出を大幅に抑制する予定だ。 このプロジェクトの基盤は、安全性、拡張性、持続可能性という3つの基本理念に基づいている。認定を受けた低圧金属水素化物の技術を採用することで、コンパクト性、安全性、規制遵守を確保し、循環性と海洋生態系の保全にも目を光らせている。 ザハ・ハディド・アーキテクツのディレクターを務めるフィリッポ・イノチェンティ氏は、「ZHAの水素ステーションは、低エネルギー消費の無筋デジタルコンクリートで建設されます。現代技術づくめの材料ではなく、幾何学的な構造強度によって、私たちは、古代より確立されている建築技術と、持続可能で循環可能な先進技術とのつながりを見出したのです。」と述べている。 イタリアがレクリエーション用ボートにグリーン水素を採用する動きでリードしているように、この先駆的なイニシアチブは、より持続可能な海洋の未来に向けた重要な一歩となる。綿密な計画と協力により、この取り組みは海洋輸送にクリーンな代替エネルギーを採用する世界的な先例となるだろう。
掲載日:2024年2月15日:スウェーデンの研究チームがナノセルロースとハイドロゲルを用いた3Dプリント建築部品を開発
ヨーロッパ屈指のエリート名門工科大学の1つと言われるチャルマース工科大学とワレンバーグ木材科学センターの研究者が、ナノセルロースと藻類をベースとしたハイドロゲルを建築部品の3Dプリントに使用する、従来の工法に代わる環境に優しい工法を開発した。Materials and Design誌に詳しく掲載された当研究は、建築用途におけるこの新素材の多用途性とエネルギー効率に焦点を当てている。 多大な資源消費と炭素排出を伴う建設業界の環境への悪影響に対する懸念が高まる中、持続可能な代替材料への需要が急増している。林業や農業など豊富な資源に由来するナノセルロースは、その生分解性と再生可能性から有望な代替材料候補として浮上している。 研究チームは、藻類由来のアルギン酸塩をナノセルロースのマトリックスに組み込むことで、柔軟性と構造的完全性が強化された印刷可能な材料を作製した。3Dプリンティングを活用することで、最小限のエネルギー消費量でさまざまな建築要素を製造することが可能であることが実証された。 さらに、この研究はバイオベース材料の可能性を最大限に活用するための設計革新の重要性を強調している。研究者らは、さまざまな堆積経路とデザイン構成を探求することで、ナノセルロースをベースとする建築製品の機能的・審美的側面の両方を最適化することを目指している。 この研究は、循環型経済と環境スチュワードシップの原則に沿った、より持続可能な建築環境の実現に向けた重要な一歩となる。建築業界が新たなバイオマテリアルとデジタルファブリケーション技術を取り入れるにつれ、より環境に優しく、より弾力性のある構造への道筋がより明確になっていくだろう。
掲載日:2024年2月14日:米海軍、生物脅威検知のためのケミカルライトと3Dプリンティング技術を研究
米海軍がヒューストン大学の研究者と提携し、生物脅威の検知におけるケミカルライトの利用を調査している。この共同研究は、普段はサイリウムなどとして娯楽的な目的で用いられるケミカルライトを、毒物やウイルスを識別するためのツールに再利用することを目的としている。 ビン・ヴー博士とカテリーナ・クーレンツィ博士が率いるヒューストン大の研究チームは、生物脅威の検知にケミカルライトを使用できる可能性を発見した。化学反応中に放出される明るい光を利用することで標的を照らし出し、簡単に識別することができる。研究チームは、COVID-19検査に似たラテラルフロー検査式のプロトタイプを開発した。 手順としては、表面を綿棒で拭き取り、サンプルをテストカセットに加え、液体グロー試薬の液滴で活性化する。カセットを3Dプリントされた「ダークボックス」内に置くと、カメラやスマートフォンアプリを使って検出でき、1箱あたり約2ドルのコストで、わずか15分で結果が得られる。 米海軍のこの技術への関心は、その手頃な価格とシンプルさに起因しており、公衆衛生上の緊急事態から軍事作戦まで、さまざまなシナリオに適応かつ配備可能な生物脅威識別ソリューションを提供する。 米海軍医学外科局のジェシカ・L・マクナルティ博士は、ヒューストン大学とのパートナーシップがもたらす生物防御能力強化の可能性を強調している。リチャード・ウィルスン博士は、医療検査や環境モニタリングへの応用など、この技術の広範な用途に期待しているそうだ。プロトタイプは、米海軍による検証テストを受ける予定であり、緊急の課題に取り組む上での学際的協力の価値を示している。 この研究のおかげで、ケミカルライトは科学、技術革新、実用化の交差点にある有望なツールとして登場し、コンサートの応援グッズから生物脅威検出の重要な機器へと変貌を遂げた。
掲載日:2024年2月13日:メーン州にリサイクル建材を使った3Dプリント住宅が完成
米メーン州にリサイクル建材を使った3Dプリント住宅が完成したとして話題になっている。全長8メートル、重量2トンの3Dプリント住宅は、地元メーン大学が開発した建設3Dプリンターで建設された。素材には、木造建物の建設現場で生じたおが屑などの廃材を原料にしたリサイクル建材が使われた。3Dプリント住宅は四つのモジュールで構成され、メーン大学のキャンパス内で製造された後、現場へ輸送されてアセンブルされた。 人口130万人のメーン州では、近年近隣州からの人口の流入が顕著となり、安価な住宅が不足する問題を抱えている。プロジェクトに参加している非営利理団体の計算によると、メーン州では2030年末までに8万4千戸の住宅が不足するとしている。 プロジェクトの関係者によると、3Dプリント住宅は建材コストの安さや3Dプリンターの活用による人件費削減などにより、一戸あたり4万ドル(約600万円)程度で販売できるとしている。また、建設時に排出されるCO2の量も、従来型の木造建築に比べて30%程度削減できるとしている。 都市部を中心に住宅不足が深刻化しているアメリカでは、建設3Dプリンターの導入が進んでいる。これまでに確認されたところでは、カリフォルニア州、ワシントン州、ネバダ州、テキサス州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、フロリダ州などで3Dプリント住宅の建設が進んでいる。
掲載日:2024年2月12日:米研究チームが3Dプリンティングでスポーツ時の衝撃保護を改善
コロラド大学とサンディア国立研究所のエンジニアが、優れた衝撃吸収を誇る高度なパッド設計を開発した。Advanced Materials Technologies誌に掲載されたこの研究は、従来の発泡体に複雑な幾何学的変化を導入し、大きな力に耐える性能を強化した。 研究チームのアプローチは、クッション材の内部構造を再設計することに重点を置いており、圧力下で座屈を制御することを可能にしている。この技術革新は、現在の技術を凌ぐだけでなく、様々なタイプの衝撃を吸収する汎用性を兼ね備えるため、スポーツギアから包装材料まで幅広い用途に理想的である。 CUボルダー校機械工学助教授のロバート・マッカーディ氏は「衝撃緩和はあらゆる場所で重要な役割を果たします。高速道路の衝突防止バリア、膝パッド、肘パッド、梱包材など、あらゆる場所で使われています」と述べている。 エンジニアたちは、カスタム・アルゴリズムを活用し、衝撃時に制御された形状崩壊を誘導するために、ねじれを戦略的に配置したハニカム状の構造を作り、さまざまな圧縮レベルにわたって一貫した力の吸収を確保した。実験室でのテストでは、標準的な発泡体と比べてエネルギー吸収が著しく向上することが実証され、この設計が衝撃保護に革命をもたらす可能性が強調された。 研究者たちは多様な素材を探求し、設計の構造的完全性を改良しており、さらなる進歩が進行中である。これらの開発により、将来はより人や物体にとって安全な環境が実現し、高度なパッド技術がリスクを軽減することが期待される。
掲載日:2024年2月11日:米科学者が3Dプリント脳組織で神経学研究を前進
ウィスコンシン大学マディソン校の研究チームが、自然の脳機能を模した世界初の3Dプリント製脳組織を作成し、神経学研究を飛躍的に進歩させた。水平積層と従来よりも柔らかいバイオインクを利用したこの斬新な技術により、人間の脳構造に似たニューロンネットワークの形成が可能になった。 従来の3Dプリンティング手法は、しばしば制限によって妨げられ、脳組織印刷の進歩を妨げてきた。今回の研究では水平積層法を採用し、柔らかいバイオインクゲルの中にニューロンを配置することで、プリントされた細胞間の結合と交信を促進した。この方法により、細胞の種類や配置を正確に制御できるため、従来の脳オルガノイドの能力を凌駕する形となった。 相互接続されたニューロンで構成されるプリント脳組織は、人間の脳の相互作用を模倣しており、アルツハイマー病やパーキンソン病などの様々な神経疾患の研究を可能にする。この成果は、幹細胞生物学、神経科学、神経疾患や精神疾患の病態解明を進める上で有望だ。 従来の3Dプリンティング手法は、しばしば制限によって妨げられ、脳組織印刷の進歩を妨げてきた。今回の研究では水平積層法を採用し、柔らかいバイオインクゲルの中にニューロンを配置することで、プリントされた細胞間の結合と交信を促進した。この方法により、細胞の種類や配置を正確に制御できるため、従来の脳オルガノイドの能力を凌駕する形となった。 相互接続されたニューロンで構成されるプリント脳組織は、人間の脳の相互作用を模倣しており、アルツハイマー病やパーキンソン病などの様々な神経疾患の研究を可能にする。この成果は、幹細胞生物学、神経科学、神経疾患や精神疾患の病態解明を進める上で有望である。
掲載日:2024年2月10日:エアロゾル・ジェット・プリンティングがマイクロ流体デバイス製造を変革
マイクロ流体工学において極めて重要な表面弾性波(SAW)技術は、従来、高コストのクリーンルーム施設の必要性や、複雑な製造工程による作業時間の長期化という課題に直面していた。そんな中この度、デューク大学とバージニア工科大学の研究により、SAWマイクロ流体デバイス製造の革新的・効率的かつ有望な方法としてエアロゾル・ジェット・プリンティングが浮上した。 研究者らは、エアロゾル・ジェット・プリンティングを利用して、銀ナノワイヤー、グラフェン、PEDOT:PSSなどの材料を基板上に堆積させ、従来のクリーンルームでの複雑な手順を回避した。この画期的な技術により、デバイス1個あたりの製造時間が40時間からわずか5分に短縮され、効率が大幅に飛躍した。 Microsystems & Nanoengineering誌に掲載されたこの研究は、この技術がラボ・オン・チップ・アプリケーションに与える影響を強調しており、従来の方法とは一線を画すものである。この研究の共著者であるZhenhua Tian博士は、エアロゾル・ジェット・プリンティングは単なる技術の前進ではなく、マイクロ流体デバイス製造の未来への飛躍であり、プロセスを簡素化し、カスタマイズや迅速なプロトタイプ制作の可能性を広げるものであると述べている。 マイクロ流体デバイス製造におけるアクセス性、スピード、費用対効果など、その意義は大きい。この進歩の好影響は広範囲に及び、診断学、薬物送達システム、生化学分析の進歩を加速させる可能性がある。この技術の多用途性は、様々な分野への応用を示唆しており、マイクロ流体デバイス製造を大変革するものである。
掲載日:2024年2月9日:voxeljet AGとParastruct GmbHがリサイクル可能な建設廃棄物から3Dプリント製の金型を共同開発
voxeljet AGとParastruct GmbHが、建設業界のリサイクル可能な残材を3Dプリントするテストに成功した。このプロジェクトでは、voxeljet社のバインダージェット3Dプリント技術とParastruct社のエコモールドが使用さ れた。 エコモールドは、生物由来の製造残渣と鉱物のバインダーで構成されており、コンクリートやセラミックの冷間鋳造に適した成形部品を製造する可能性を実証した。この技術は、建設業界における余剰材料のリサイクルに対応することを目的としており、企業の持続可能性目標の高まりに沿ったものである。 Parastructのアプローチは、3Dプリンティングを組み込み、未使用の鉱物材料と生物起源資源を価値創造プロセスに再導入することで、金型製造に持続可能なソリューションを提供する。余剰材料のリサイクル市場は、企業の法的義務や企業の社会的責任(CSR)戦略によって成長すると予測されている。 エコモールドを採用する企業は、環境面でのメリットだけでなく、建設廃材や木材の処分費用をなくすことで、大幅なコスト削減を実現できる。この技術は持続可能性の目標に沿うものであり、従来の砂フェノール樹脂成形型に比べてCO²排出量が少ない。 エコモールドの多用途性は、破砕して3Dプリントの粒子材料として再利用する可能性にも及んでいる。取り外し可能なプラスチックコーティング加工を施すことで、持続可能性がさらに向上し、CO²排出量が削減される。 voxeljetのバインダージェット3Dプリント技術は、エコモールドの処理に理想的であり、プリントパラメータを柔軟に調整することが可能だ。現在、当技術は最大4 x 2 x 1 mの大型3Dプリンターまで拡張できるため、多様な製造工程への統合が容易になる。voxeljet AGとParastruct GmbHは現在、より持続可能な建設産業の推進に貢献するため、資金提供プロジェクトに関心を持つ関係者を募集している。
掲載日:2024年2月8日:シェイプウェイズがデスクトップメタルの3Dプリンターをオークションに放出か
アメリカの3Dプリンティングサービスビューロー大手でニューヨーク証券取引所上場のシェイプウェイズが、自社が保有するデスクトップメタルの3Dプリンターをオークションに放出するとして話題になっている。 現地メディアの報道によると、シェイプウェイズは3Dプリンティングサービスに使用してきたデスクトップメタルの「P1プロダクションシステム・3Dプリンター」「ショップシステム・バインダージェット3Dプリンター」「BMD3Dプリンター」などの3Dプリンターに加え、「パウダーステーション」「パウダーブレンダー」などの3Dプリンター用素材、ドライオーブンなども放出するとしている。 オークションを実施するのはヘリテッジ・グローバルパートナーズで、今月2024年2月26日と27日の二日間開催される。 アメリカでは、3Dプリンティング関連企業による3Dプリンターなどのオークションへの放出が相次いでいる。これまでに確認できたところでは、3Dプリント自転車メーカーのArevo、同じく3Dプリント自転車メーカーのスーパーストラタ・アーバンバイク、3Dプリンティングサービスビューローのチラーズ、同じく3DプリンティングサービスビューローのIPGダイオード・レーザーモジュールズなどが3Dプリンターなどをオークションへ放出している。
掲載日:2024年2月7日:デスクトップメタルが従業員の20%をレイオフ
アメリカの3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のデスクトップメタルが、従業員の20%をレイオフしていたことがわかった。現地メディアの報道によると、デスクトップメタルは今年2024年2月中に一部の従業員をレイオフし、人件費3150万ドル(約47億2500万円)を削減する。 デスクトップメタルの創業者でCEOのリック・フュロップ氏は、「今回のコスト削減計画は、昨年2023年に発表された1億ドル規模のコスト削減計画に追加して実行され、本年度中のキャッシュフローの黒字転換を図るものです。厳しい経営環境の中、確実に利益を確保するためにあらゆる努力をする予定です。デスクトップメタルのアディティブ・マニュファクチャリング2.0へのコミットメントは不変です。この業界における長期的なポジティブなアウトルックを追い求めてゆきます」とコメントしている。 従業員へのレイオフ通知は、今年2024年1月24日より始まっており、デスクトップメタルによると、対象となる従業員への通知は2月中に完了するとしている。 デスクトップメタルは、昨年2023年5月に別の大手3Dプリンターメーカーのストラタシスとの合併が発表されていたが、ストラタシスの株主総会により合併決議が否決され、計画が白紙撤回された。
掲載日:2024年2月6日:エンジニアが3Dプリンターでドローン傘を製作
古くからある傘のデザインを進化させようと、YouTubeチャンネル「I Build Stuff」のエンジニアが、雨天時に使用者を尾行する空飛ぶ傘を製作した。この装置は、市販の傘に3Dプリントで綿密に設計された部品とプロペラを組み合わせたものだ。 この作品は、従来の傘を持つことによる腕の痙攣という長年の問題を解決し、雨対策の未来を垣間見せてくれる。プロペラの位置がずれたこれまでの試みとは異なり、このデザインは軽量カーボンファイバー製のX字型フレームを中央に配置し、傘とドローンのハイブリッドという独特の外観を実現している。 フェンスに衝突しそうになるなど、テスト当初の紆余曲折や困難にもかかわらず、エンジニアはめげなかった。最近の改良で安定性は向上したが、大雨や強風での性能はまだ厳密に証明されていない。 エンジニアは、知的ににユーザーを追跡して尾行し、手動制御を不要にする自律型バージョンを構想している。この野心的な計画には、ユーザーの位置を正確に監視するカメラを組み込む可能性も含まれており、将来的にはシームレスでハンズフリーな体験を提供できるようになる。 現在のモデルでは遠隔操作が必要だが、現時点の飛行時間の短さを解決し、自律的に機能する空飛ぶ傘を実現させれば、悪天候下での機動性に新たな道が開けるだろう。
掲載日:2024年2月5日:スコットランドの研究者が3Dプリンターによる人工股関節置換術を開発
NHS(英国国民保険サービス)のゴールデン・ジュビリーの整形外科専門医が、ストラスクライド大学と共同で、患者自身の生体細胞を利用し、3Dプリンティングと人工股関節・膝関節置換術を統合させる研究を行った。 この研究は、3Dバイオプリンティングの革新的な応用を探求するもので、患者の幹細胞とカルシウムなどの必須元素を組み込んで、骨欠損の再生に不可欠な「足場」を作成する仕組みとなっている。主執筆者でNHSゴールデン・ジュビリーの臨床研究フェローであるガレス・ターンブル氏は、この研究の動機として、関節炎、癌、感染症、外傷などの症状により骨が著しく失われた患者が直面する課題に取り組むという点を強調している。 核となるコンセプトは、3Dプリンティング技術と患者の幹細胞などの生物学的要素を活用し、生きた生物学的インプラントを製造することである。これらのインプラントは、患者に挿入されると、体内でシームレスに統合され治癒する可能性があり、時間の経過とともに摩耗したり緩んだりしやすい従来の金属インプラントに代わる変革的な代替品となる。 この研究は、ターンブル氏がストラスクライド大学で博士号を取得した生物医学工学の重要な要素であり、人工関節置換術におけるロボット工学の活用と、術後の回復経路の強化における、チームのさらなる飛躍的進歩を示すものである。学者たちは、このアプローチの患者中心の利点を示し、患者自身の細胞を含む生物学的インプラントが成長し、患者の身体の不可欠な一部となる可能性を強調している。 NHSゴールデン・ジュビリーの整形外科研究責任者を務めるジョン・クラーク教授は、「患者のためになる発明は常に我々の重要な課題だ。人工関節は、他の機械的な器具と同様、いずれは磨耗し、多くの場合、患者の生涯のうちに消耗する。生物学的構造物は、より長期間の耐用性の可能性を示し、さらなる手術の必要性を回避することができるかもしれない。」と述べている。
掲載日:2024年2月4日:資産家ファルハド・エブラヒミ氏がストラタシスの発行済み株式の5.13%を取得
アメリカの投資家で資産家の資産家ファルハド・エブラヒミ氏が、アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの発行済み株式の5.13%を取得していたことがわかった。 現地時間の2024年1月25日に証券取引委員会に提出された報告書によると、エブラヒミ氏はこれまでに妻のメアリー・エブラヒミ氏と共同で4700万ドル(約70億5000万円)を投じ、ストラタシスの株式を取得したとしている。 ファルハド・エブラヒミ氏はアメリカ在住の投資家・資産家で、11億ドル(約1650億円)を超える資産を保有しているとされる。同氏は2023年11月からストラタシスの株式を取得し始め、これまでに345万株を超える同社株式を取得している。 エブラヒミ氏はまた、アメリカの別の3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルの発行済み株式の15%を保有する筆頭株主でもある。 ストラタシスに対しては、昨年2023年12月にイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが買収テンダーオファーを提示したものの、ストラタシスの株主総会で否決されている。ストラタシスの株主総会は、ストラタシスの取締役会が提案したデスクトップメタルとの合併決議も否決している。
掲載日:2024年2月3日:国際宇宙ステーションに世界初のメタル3Dプリンターが設置
国際宇宙ステーション(ISS)に、世界初のメタル3Dプリンターが設置され話題になっている。 メタル3Dプリンターを設置したのはフランスのメタル3DプリンターメーカーのAddUPと、大手航空機メーカーのエアバス。NASAのNG-20ミッション用のスペースXファルコン9号ロケットに搭載され、国際宇宙ステーションのコロンブス欧州科学モジュール内に搬送された。 国際宇宙ステーションには、これまでにアメリカのNASA発のベンチャー企業「メイド・イン・スペース」が開発した無重力空間用3Dプリンターや、欧州宇宙機関が開発した3Dプリンターなどが設置され、消耗部品の製造などに活用されてきた。今回ISSにメタル3Dプリンターが導入されたことにより、ISS内で製造できるパーツの種類が大幅に増加すると期待されている。 AddUPのテクニカルディレクターのセバスティアン・ディヴロー氏は、「宇宙用メタル3Dプリンターの製造には、AddUPのエンジニアやリサーチャーの不断の努力が要求されました。彼らのアディティブ・マニュファクチャリングプロセスにおける経験、マシンデザインとプログラミング、そしてオペレーション最適化などです。こうした努力の結果、人類史上初の宇宙用メタル3Dプリンターが誕生しました」とコメントしている。
掲載日:2024年2月2日:Mitre社とアメリカ海軍調査研究所が海上用小型無人航空機を発表
Mitre社とアメリカ海軍調査研究所(ONR)が、共同で小型無人航空機(UAV)「Hopper」の開発に成功した。監視、捜索救助、気象事象検出などの海上用途向けに設計されたHopperは、機能性と持続可能性の両面で革新性を示している。 このドローンには小型の太陽電池が搭載されており、休憩中と飛行中の両方で充電が可能だ。高度なシミュレーション・ソフトウェア、CAD、3Dプリント技術を活用し、Mitre-ONRチームはHopperのプロトタイプを2年未満という速さで完成させた。 Hopperの用途は単発のミッションにとどまらず、信号監視、海洋生物研究、その他の様々な継続的海上タスクのために複数で配備される可能性があるそうだ。同ドローンの迅速な開発スピードと費用対効果は、従来広範囲の海洋監視に通常使用される高価な乗組員付きまたは無人の機器に比べ、大きな利点を持っている。 Mitre社の遠征グループリーダーを務めるConor Mahoney氏は、「この技術は、主に既存の海洋監視プラットフォームを補強するために機能する。通常であれば広い海域を監視し続けるために乗組員や高価な無人の機器をリスクにさらす必要があるところ、Hopperはわずかなコストで監視活動を行えるため、他の資産をより有効に活用できるようになる。」と述べている。 ONRの先進自律システムプログラム・オフィサーを務めるリー・マストロヤンニ氏は、Hopperが構想から完成形ドローンへと進化を遂げる過程を目撃し、興奮を示した。 MitreとONRのコラボレーションは、ドローンのハードウェアだけに焦点を当てたものではない。現在、衛星トランシーバーと小型無線機を統合する実験が行われており、厳しい海洋環境におけるHopperの通信能力を調査中だ。
掲載日:2024年2月1日:ペリエ ジュエ、「オード・ア・ラ・ネイチャー」コレクションを発表
シャンパンと芸術的探求の両方で名高いペリエ ジュエが、「オード・ア・ラ・ネイチャー」コレクションを発表した。パリ・ファッション・ウィーク中に発表されたアトリエ・モンテックスとのコラボレーションによる同コレクションの限定版「Libellule」は、ベル・エポックを代表するシャンパンのジェロボーム(ダブルマグナム)サイズのボトルを飾る複雑な刺繍が特徴だ。 アール・ヌーヴォーのムーブメントとフランスのエペルネに位置する歴史的なメゾン・ベル・エポックからインスピレーションを得たアトリエ・モンテックスの職人たちは、「Libellule」の制作において大きな試練に直面した。しかし3Dプリントと伝統的な刺繍技術を駆使し、トンボをあしらった作品を生み出し、ペリエ ジュエとアトリエ・モンテックスのラグジュアリー、卓越性、気転のビジョンを示したのであった。 このコレクションはわずか10本の限定品で、それぞれにオエノテーク・ペリエ・ジュエの厳選されたヴィンテージが用いられている。セラーマスターのセヴリーヌ・フレルソンによるキュレーションには、繊細なペリエ・ジュエ ベル・エポック 2008、華麗なベル・エポック 1999、爽やかなベル・エポック 2012が含まれ、すべて壮大なジェロボーム形式でのお披露目となる。 このコラボレーションは、単なるシャンパンと刺繍の交切にとどまらない。これはいわばアトリエ・モンテックスの精密な刺繍が、メゾン・ペリエ・ジュエの希少で貴重なキュヴェの職人技を映し出す、2つのクリエイティブな世界の融合なのだ。先述のセラーマスタのセヴリーヌ・フレールソンは、アトリエ・モンテックスの複雑なブレンドとシャンパン製造技術の驚くべき類似点を指摘する。 革新と伝統的な臨機応変さを特徴とするプロジェクトにおいて、Ode à la Natureコレクションは、メゾン・ペリエ・ジュエの芸術、自然、そして時代を超えた卓越性の追求への献身的な姿勢を凝縮している。
掲載日:2024年1月31日:3Dプリンティング製・食器用フタで食品の鮮度を再定義
ベルリン芸術大卒のKimia Amir-Moazamiは、不必要な食品廃棄への解決策としてVorkoster Lidを開発した。従来の賞味期限とは異なり、この3Dプリント製のフタはpH感応性箔を用いて肉や魚の鮮度を検知し、食品が腐敗すると色が変わる。 Vorkoster Lidは、賞味期限にまつわる社会的通念に対処し、食品廃棄へのアプローチに革命を起こすことを目指している。食品の鮮度に直接反応することで、現在標準化されている賞味期限の優位性に疑問を投げかけているのだ。この製品は、輸送中や製造中の食品の冷却中断に伴う賞味期限の当てずっぽうさを排除する。 Vorkoster Lidは、様々なタイプの容器をカバーするカメレオンのような役割を果たす。搭載されているpH反応フィルムは、内容物の鮮度を視覚的・アナログ的に示し、食材の不必要な廃棄が発生する前に消費者が十分な情報を得た上で使用を判断できるようにする。 Amir-Moazamiのデザインは、冷蔵庫で食器のフタとして皿を使うという一般的な行為にヒントを得ており、どんなボウルや容器にもフィットする。このフタは2021年のダッチ・デザイン・ウィークでデビューしており、今後は徹底的なテストを経たのち、2年以内に店頭に並べられることを期待している。 食品廃棄が二酸化炭素排出の大きな要因となっている世界において、Vorkoster Lidは実用的な解決策として登場した。この製品は単なるフタにとどまらず、最後の一口まで食べ物をおいしく食べ、生ゴミを出さないようにするための具体的な方法を教えてくれる。一般販売が近づくVorkoster Lidであるが、食品鮮度に対する私たちのアプローチを再構築するとともに、食品産業における廃棄物の削減と持続可能性の向上を実現する未来への希望も提供している。
掲載日:2024年1月30日:MITの研究者らが大規模3D構造物用のリキッドメタル・プリンティングを開発
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが、リキッドメタル・プリンティング(LMP)と名付けられた新しい積層造形技術を発表し、大規模な部品を高速かつ効率的に製造する手法を実証した。この新しい手法では、溶融アルミニウムをあらかじめ決められた経路に沿って細かいガラスビーズのベッドに堆積させ、急速に凝固させることで3D構造を作り上げる。 注目すべきは、LMPが同等の金属積層造形プロセスよりも少なくとも10倍高速であることだ。 ワイヤーアーク積層造形法(WAAM)のような従来の方法とは異なり、LMPはプロセス全体を通じて材料を溶融状態に維持するため、再溶融による構造上の問題が軽減される。このアプローチにより、テーブルの脚や椅子のフレームのような大型部品を数分で作成でき、建築、建設、工業デザインなどの用途に特に適している。 LMPは、スピードとスケールのために解像度を犠牲にするが、極端に細かいディテールを必要としない用途では、コスト効率の高いソリューションとして活躍する。研究者たちは、テーブルや椅子のアルミフレームや部品を印刷して技術の持つ可能性を実証し、ポストプリント加工に耐える強度を示した。このプロセスの高速性、再現性、省エネ性は、大規模製造において魅力的な選択肢となる。 LMPは、スピードとスケールのために解像度を犠牲にするが、極端に細かいディテールを必要としない用途では、コスト効率の高いソリューションとして活躍する。研究者たちは、テーブルや椅子のアルミフレームや部品を印刷して技術の持つ可能性を実証し、ポストプリント加工に耐える強度を示した。このプロセスの高速性、再現性、省エネ性は、大規模製造において魅力的な選択肢となる。 研究チームは、プリントベッドに充填するさまざまな物質を試すことによって、材料の目詰まりなどの課題に取り組み、最終的に100ミクロンのガラスビーズを採用した。これらのビーズは中性の懸濁液として機能し、溶融アルミニウムを急速に冷却することができる。研究チームはまた、印刷プロセス中の材料堆積を推定する数値モデルを開発し、最終的な物体のジオメトリーを強化した。 MIT建築学科の准教授で、セルフ・アセンブリ―・ラボの共同ディレクターを務めるスカイラー・ティビッツ氏は、「この機械を、人々がリサイクルされたアルミニウムを溶かして3D印刷に使用できるようにすれば、金属製造におけるゲームチェンジャーとなるだろう。現時点ではLMPにそれほどの性能はないが、いつか実現したい」と述べている。 今後、研究者たちはLMPプロセスをさらに改良し、ノズル内の安定した加熱や溶融材料の流れの制御改善といった問題に取り組むことを目指している。技術的な課題は残るものの、建築やデザイン業界における大規模3Dプリントに革命をもたらすLMPの可能性は否定できない。
掲載日:2024年1月29日:Phrozen、初の海外現地法人 「フローズンジャパン株式会社」を設立
Phrozen Tech Co.,Ltd.(本社:台湾)は、日本市場における Phrozen ブランドの 3D プリンター及びその関連製品の販売・サポート活動を強化するため、同社初の海外現地法人となるフローズンジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:Ray Wu、日本法人ゼネラルマネージャー 佐藤一幸)を 2023 年 11 月 15 日に設立し、2024 年 1月から日本での業務を本格的に開始する。 Phrozen は 2017 年に初号機をクラウドファンディングキャンペーンで発売して以来、短期間で 3D プリンター製造の世界的リーダーの一つにまで成⻑してきた。「3D プリンターをもっと身近に、誰もが簡単に使うことができる社会の実現を加速させる」というビジョンのもと、Phrozen は一貫して最高品質の 3D プリンターと豊富なマテリアル材料をリーズナブルな価格で、3D プリント愛好・エンジニア・学術関係者などに提供してきた。 日本は世界をリードする IP(キャラクター)ビジネス企業や製造業が多い一方で、米欧中と比較して 3D プリンターの活用に消極的な市場と認識されてきた。フローズンジャパン株式会社は、分野毎に異なるニーズの多様性を理解し、顧客と緊密な関係を築くことによって、最新テクノロジーによるソリューションを提案してゆく。また、日本市場におけるユーザーへのサポートを強化する。 特にコーポレート市場向けには、新たに「Value Added Master Distributor」として株式会社イグアスと提携し、同社を通じて販売パートナーを開拓していく予定。一方、コンシューマ・ホビー市場向、デンタル市場向などについては、既存の代理店との関係を中心に販売・サポート活動を継続していく予定。
掲載日:2024年1月28日:3Dプリンター製の氷の結晶で天気予報能力を向上
ヨーロッパの研究者たちが3Dプリンティングを活用して非球状の氷の結晶を作製し、天気予報を改良する手段を提示した。高速カメラでこれらの小さな氷の結晶を空中で追跡すると、エアロゾルの挙動に関する貴重な洞察が得られ、気象モデルの不確実性の大きな要因に対処できる。 エアロゾル、特に塵や氷晶のような非球状粒子は、雲力学や大気プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしている。気象モデルにおいてエアロゾルは球体であるという従来の仮定は気象モデルに不正確さをもたらし、よりニュアンスのある表現が必要とされている。フランス、ドイツ、スウェーデンにまたがる研究者たちは、大気中の非球状粒子の振動運動を観察し、滞留時間と大気放射特性に与える影響を強調した。 ヨーロッパの研究者たちが3Dプリンティングを活用して非球状の氷の結晶を作製し、天気予報を改良する手段を提示した。高速カメラでこれらの小さな氷の結晶を空中で追跡すると、エアロゾルの挙動に関する貴重な洞察が得られ、気象モデルの不確実性の大きな要因に対処できる。 エアロゾル、特に塵や氷晶のような非球状粒子は、雲力学や大気プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしている。気象モデルにおいてエアロゾルは球体であるという従来の仮定は気象モデルに不正確さをもたらし、よりニュアンスのある表現が必要とされている。フランス、ドイツ、スウェーデンにまたがる研究者たちは、大気中の非球状粒子の振動運動を観察し、滞留時間と大気放射特性に与える影響を強調した。 気象モデルは、入力データの正確性に大きく依存しており、詳細な粒子の動きをデータに含めることで、予報精度を高めることができる。地球の大気が流動的であることを考えると、粒子データのわずかな誤差でさえ、雲中の水分量、移動距離、降水パターンに関連する計算に大きな影響を与える可能性がある。 3Dプリンターによる氷の結晶の応用は気象学だけにとどまらず、エネルギーなどの分野にも影響を与える。天気予報の精度の向上は、電力会社が再生可能エネルギー源を最適化し、需要変動をより的確に予測し、異常気象に備える上でも役立つ。気候関連の混乱に敏感な企業は、高度な予測から恩恵を受けることができ、サプライチェーン管理における戦略的計画とリスク軽減が可能となる。 今後の展望として、3Dプリンティングと大気科学の融合は、科学者による気象予測の方法を変える可能性を秘めている。産業界が気候データを運営戦略に統合する傾向が強まるにつれ、気象パターンの正確な予測が最も重要になる。気象学からエネルギーまで幅広い業界に影響を及ぼす、粒子の詳細な移動データの統合は、より正確な予測につながることが期待され、気候関連の不確実性に直面する企業やプロバイダーに、戦略的計画とリスク管理のための強化されたツールを提供する。
掲載日:2024年1月27日:NAW、デスクトップ3DペレットプリンターをKickstarterで発表
NAWの3DペレットプリンターがKickstarterで発表され、デスクトップから工業用グレードの機能を利用できるコンパクトさで業界に革命を起こしている。 このプリンターの際立った特徴は、多様なペレット素材との互換性にある。ユーザーは個々のプロジェクトの要件に合わせて、費用対効果の高い様々な工業グレードのプラスチック顆粒を選択できるのだ。自動ペレット供給システムにより印刷を中断せずに済むため、印刷中の手作業が不要となり、プロセス全体のスムーズさと効率も向上する。 このプロジェクトは、当初は1799ドルからの早期予約で購入可能であったが、Kickstarterキャンペーン中は40%の大幅割引で差別化を図った。NAW 3Dプリンターは、材料の柔軟性だけでなく、300x300x300mmの太っ腹な造形容積とマルチカラーの造形能力も兼ね備えており、大規模なプロジェクトへの対応能力も優れている。 精度もNAW 3Dプリンターの特徴であり、二重ガントリー構造、頑丈なフレーム、最高300℃に達するハイパワー温度制御システムによって促進されている。このプリンターの順応性は、マルチノズル印刷オプションによってさらに強調され、ユーザーはプロジェクトの条件に応じて印刷解像度と速度を調整でき、従来のフィラメントベースのプリンターよりも3~10倍の速度を達成できる可能性がある。 このプリンターの順応性はDIY愛好家にも及んでおり、ユーザーは既存のフィラメントプリンター用のアップグレードキットを使用することで、新しいマシンを購入することなく最先端技術を統合することができる。当製品は3.5インチのIPSタッチスクリーンと、消耗品ボックスや材料収納スペースなどの配慮されたデザイン要素も兼ね備えており、ユーザーフレンドリーな使用体験を提供している。 NAW 3Dペレットプリンターは、デスクトップ3Dプリンティングにおける大きな飛躍を示し、3D印刷のプロと愛好家の両方のニーズに対応した。Kickstarterキャンペーンを成功させ、製品化に向けて動き出した当プリンターは、特に低価格のペレット押出機の分野で、イノベーションの加速が期待される。
掲載日:2024年1月26日:カナダ・アルバータ州で低コスト3Dプリント住宅建設プロジェクトが始動
カナダ・アルバータ州で低コスト3Dプリント住宅建設プロジェクトが始動し、話題になっている。現地メディアの報道によると、プロジェクトを立上げたのは、世界最大のセメントメーカーのフランスのラファージュのカナダ現地子会社のラファージ・カナダ・ウェスト。カナダの3Dプリント住宅メーカーのnidus3Dと共同で、デンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルが開発した「COBOD2」を使い、アルバータ州南部の郊外に複数の3Dプリント住宅を建設する。 nidus3Dは、これまでにアルバータ州の先住民族居住地域のシクシカネーションに16棟の3Dプリント住宅を建設した実績を持つ。シクシカネーションに建設した3Dプリント住宅には、ドメスティックバイオレンスの被害を受けた先住民族などが入居するという。 ラファージ・カナダ・ウェストの社長兼CEOのブラッド・コール氏は、「nidus3Dと我々の共同の目標は単なるイノベーションを超えたものです。このプロジェクトは、カナダが直面している手頃な住宅不足と言う社会問題に対応し、サステナブルなコンストラクションを通じてレジリエントでインクルーシブ未来を作り上げることを目指しています」とコメントしている。 カナダでは、トロント、モントリオール、バンクーバーなどの都市部を中心に住宅不足と住宅価格高騰が深刻な社会問題になっている。戸建て住宅の価格高騰に合わせて賃貸物件の家賃も高騰し、カナダ市民の生活コストを押し上げている。
掲載日:2024年1月25日:Vartegaが1000万ドルの資金調達に成功
カーボンファイバー・リサイクリングに特化した米コロラド州のベンチャー企業のVartegaが、1000万ドル(約14億5000万円)の資金調達に成功した。出資したのは三菱化学グループ傘下のベンチャーキャピタルのダイヤモンド・エッジ・ベンチャーズを筆頭とする投資シンジケート。他のベンチャーキャピタルのサーキュラー・イノベーションファンドや、HGベンチャーズ、テックスターズなども投資に参加している。なお、バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。 Vartegaのアンドリュー・マックシーCEOは、「ダイヤモンド・エッジ・ベンチャーズによる投資は、サステナビリティを求めている素材業界における我々へのニーズと期待を顕著に現しています。我々に対するリードインベスターとしての彼らのサポートに非常に感謝しています。今回の投資により我々のオペレーションの規模を拡大し、テクノロジーをさらに強化し、サーキュラーエコノミーにおけるVartegaのポジションをさらに強固にすることができるようになるでしょう」とコメントしている。 ダイヤモンド・エッジ・ベンチャーズのカーティス・シックナー社長は、「世界がよりサステナブルな未来へとシフトする中、素材業界をトランスフォームするというVartegaのミッションをサポートできることに興奮しています。Vartegaのカーボンファイバーにおけるイノベーティブなアプローチは、環境志向が高い事業に投資をするという我々のビジョンと合致しています」とコメントしている。 Vartegaのリサイクル・カーボンファイバーは硬度と耐久性に優れ、これまでに航空機や自動車のコンポーネントパーツの製造や、風力発電機用タービンの製造などに使われてきている。
掲載日:2024年1月24日:2023年度の全世界のアディティブ・マニュファクチャリングベンチャー投資が11億4300万ドル規模へ縮小
2023年度の全世界のアディティブ・マニュファクチャリングベンチャー投資が11億4300万ドル(1657億3500万円)規模へ縮小していたことがわかった。 アディティブ・マニュファクチャリング業界に特化した市場調査会社のアディティブ・マニュファクチャリング・リサーチによると、2022年度に21億1100万ドル(約3060億950万円)規模と推定された全世界のアディティブ・マニュファクチャリングベンチャー投資額は、世界的な景気の低迷とグローバルサプライチェーンの低迷などの影響を受け、昨年度に同規模へ縮小した。アディティブ・マニュファクチャリング・リサーチは、2024年度は世界的な景気の回復や産業セクターの需要回復などにより、2022年度程度の水準へ戻す可能性が高いとしている。 2023年度における主な投資先カテゴリーとしては、アプリケーション(45%)、ハードウェア(28%)、ソフトウェア(13%)、アディティブ・マニュファクチャリング用素材(14%)となっている。アプリケーションの中でも産業ユーザー用アディティブ・マニュファクチャリング・アプリケーションの需要が底堅く、ベンチャー投資を促すとしている。 ある関係者は、アディティブ・マニュファクチャリング用アプリケーションやソフトウェアの中でも、3Dプリンティングロボテイクスや、アディティブ・マニュファクチャリング・オートメーションなどのスタートアップ企業への投資が増加すると見込んでいる。
掲載日:2024年1月23日:INTUAURA、3Dプリント製イヤモニを発表
オーディオ技術企業のINTUAURAは、このほど革新的なインイヤーモニター・Luna PlumeとView Splendorを発表した。これらの高性能オーディオ製品は、一流の音質を手頃な価格で提供するというブランドのこだわりを示すものだ。 149ドルという魅力的な価格のLuna Plumeは、各ユニットに手描きの模様が施され、芸術性と卓越したサウンドを実現している。ダイヤモンドのようなナノコーティングを施した振動板を搭載したダイナミック・ドライバー・ユニットは、歪みを最小限に抑えることでクリアなサウンドを再生できる。HeyGearsとのコラボレーションにより高精度3Dプリンティングで製作されたLuna Plumeは、視覚的な楽しさだけでなく、人間工学に基づいたフィット感をユーザーに提供する。 Luna Plumeは、特別に開発されたダイナミック・ドライバー・ユニットにより、豊かで鮮明、かつきめ細かなサウンドが再生可能となる。A.W.C.Tテクノロジーによる微調整により、過剰な高調波ピークが吸収され、タイトでパンチの効いた低音レスポンス、明瞭なボーカルのディテール、分離の良い楽器音を実現する。 また、View Splendor(229.99ドル)は、鮮やかな手描き模様とシングル・ダイナミック・ドライバーの構成が印象的だ。3Dプリンターで作られたシェルは半透明で、絶妙な仕上がりとなっている。同製品は、パワフルな低音域、クリアな中音域の再生、伸びやかな高音域のパフォーマンスなど、バランスの取れた生き生きとしたサウンド・プロフィールを実現している。 Luna PlumeとView Splendorには、高品質の純正ケーブルと0.78mm 2ピンコネクターが付属しており、多様な接続方法を可能にする。どちらの製品も、オーディオファンの審美的嗜好に応えるだけでなく、卓越した音響性能も提供する機器であるようだ。
掲載日:2024年1月22日:3Dプリント製Steam Deckホルダーがユーザーの悩みを解消
携帯型ゲーム機の分野で、Steam Deckユーザーの共通の悩みを解決する革新的な技術が最近登場した。Destrikeというユーザー名のRedditor(意: Redditユーザー)がSteam Deck用のホルダーを設計し、3D印刷したのだ。 決して軽くはないSteam Deckを、特に飛行機のような狭い空間で操作することで、ユーザーはしばしば手の痙攣に悩まされていた。Destrikeの解決策は、飛行機のトレイテーブルに取り付けられる3Dプリント製アクセサリーであった。このホルダーにより、ユーザーはSteam Deckをしっかりとはめ込み、長時間デバイスを持つことなくハンズフリーでゲームを楽しむことができる。 DestrikeはSteam Deckのサブレディット(意: Redditのスレッド)で作品を紹介し、フライト中に使用する際の実用性を強調した。「バージョン3」と記されたデザインからは、改良を目的とした反復プロセスが伺える。Destrikeは、視野角を向上させるためのヒンジ/ティルトシステムを組み込んだ別のバージョンも近々発表することを示唆しており、継続的な改良への取り組みを示している。 このデザインはまだ一般にはダウンロードできないが、4つのパーツからなるホルダーのモジュール性は、将来的にユーザーがホルダーを手に取りやすくなる可能性を示唆している。デザインにPETGプラスチックを使用することで、ほとんどのエコノミー機のトレイテーブルとの互換性を確保しているが、全面的な使用テストはエア・カナダのエコノミー席に限定されている。 Destrikeの設計が一般公開されるのを待っているユーザーにとって、長時間のフライト中の手の痙攣を緩和できる可能性は、心躍るものだろう。この独創的な3Dプリント・ソリューションは、多様な環境においてSteam Deckの重量と人間工学がもたらす課題に対する、実用的かつ使いやすい解決策を提示している。
掲載日:2024年1月21日:イギリスの電気技師が3Dプリント可能な富士フイルムのフジカシングル-8・ホームムービーカメラ専用カートリッジを発表
イギリスの電気技師、ジェニー・リスト氏が、3Dプリント可能な富士フイルムのフジカシングル-8・ホームムービーカメラ専用カートリッジを発表した。かつてコダックのスーパー8と競合していたシングル-8フォーマットは、10年ほど前にフィルム生産が終了し、愛好家たちは代替品を探し求めていた。 リスト氏の3Dプリント製カートリッジは、オリジナルのB型シングル-8カートリッジを精巧に再現したもので、スーパー8フィルムにも対応している。シングル-8の主な利点は、薄めのプロファイルと、スーパー8にはない無限に巻き戻せる機能にある。このリスト高精度の再現製品は、黒のフィラメントや樹脂を使用し、最大設定で動作する高品質の3Dプリンターの必要性を強調している。 富士フイルムはシングル-8フィルムの生産を終了したが、フジカシングル-8の需要は二次市場で根強く残っている。リスト氏の技術革新により、ユーザーは入手しやすいスーパー8フィルムをシングル-8カメラで利用できるようになり、これらのビンテージ機器に新たな息を吹き込むことができる。 リスト氏の説明によると、装填方法は、スーパー8のカートリッジの半分をシングル-8のカートリッジに巻き取るという形だそう。List氏のGithubで公開されている詳細な説明書では、切断と装填のプロセスにおける注意の必要性が強調されている。プロジェクト全体がオープンソース形式となっており、愛好家やいじくり回す人たちのための協力的な環境が作り出されている。 アナログの映画制作技術が消えつつある中で、リスト氏の3Dプリントカートリッジは、ヴィンテージ機器の強さを示している。映画愛好家のコミュニティがこのような技術革新を受け入れるにつれ、3Dプリントとアナログ映画製作における遺産の保存が交差する未来には、ワクワクするような可能性が広がっている。
掲載日:2024年1月20日:英国のバイオテック企業・Multus社が世界初・商業規模の食肉無血清成長培地施設を公開
英国のバイオテクノロジー企業Multus社はこのほど、培養食肉産業用として手頃な価格で無血清成長培地を開発できる、世界初の商業規模の生産工場を公開した。施設の正確な場所はまだ明らかにされていない。 この拡張は、同社が成長培地を大規模生産するべく、1月にEICアクセラレーターを通じてイノベートUKから受けた215万ポンドの交付金を含む計790万ポンドの資金調達に成功したことで可能となった。 初期段階ではMultus社は160万ポンドを調達しており、食品業界で大規模に使用される成長培地「プロリフェラムM」を発売する運びとなった。その後、同製品の原料はISO22000認証を取得し、食品安全基準に従った生産が保証された。 細胞増殖に不可欠な成分であるウシ胎児血清を含まない増殖培地を開発することは、物議をかもす話題であると共に、複雑で高価で時間のかかる試みとされており、業界全体の進化の妨げとなっていた。 そのため、この新しい施設は培養食肉業界にとってのゲーム・チェンジャーとしても作用する。 Multus社はソーシャルメディアで「食肉培養企業は今後、無血清成長培地の生産を外注できるようになり、製品の市場参入を加速させると同時に、発明と製品開発にリソースを振り向けることが可能になる」と説明した。また、同社は「成長培地を自社開発する企業でさえスケールメリットを得られ、安定かつ信頼可能な成長培地の供給元を確保できるようになる」とも付け加えた。 Maltus社のCOO・レカ・トロン氏は昨年、同社が投資ラウンドの成功を発表した際に「当社の製品は、食肉、魚介類、乳製品、皮革など、本物の動物製品を、動物の代わりに細胞を用いて成長させるための手頃なソリューションを提供します。現在市場に出回っている代替品は、食品産業向けはおろか、大規模生産向けにも設計されていません」とコメントしている。
掲載日:2024年1月19日:アメリカ人の40%が牛豚肉の消費を控えると回答
アメリカ人の40%が牛豚肉の消費を控えると回答した市場調査結果が発表された。アメリカの市場調査会社のワンポールが実施した調査によると、調査対象となったアメリカ人消費者2000人のすべてが「より健康的な食習慣への関心」を持っていると回答し、37%が豚肉や牛肉などの「レッドミートの消費を今後控える」と回答した。 「レッドミートの消費を今後控える」と回答した消費者が理由として選んだのは、レッドミートの消費が「糖尿病、心臓病、消化器疾患などの成人病などの原因となる」からだった。一方で、レッドミートの「正しい調理法がわからない」「調理方法が難しい」と答えた消費者も多数を占めた。 また、家族にレッドミートの代わりに代替肉を提供することをの理由を理解してもらえるかという質問に対しては、59%が「十分に可能である」と応えており、昨年の51%から増加した。 さらに、57%が「今後より多くのエスニックフードを調理する」と答えており、63%が「砂糖を使ったソーダ飲料から水などの飲料に切り替える」と答えていある。また、62%が市販のサラダドレッシングよりも「ホームメイドのサラダドレッシングを家族に提供する」と答えている。
掲載日:2024年1月18日:イギリスの研究者が3Dプリント製スマート皮膚センサーを開発
グラスゴー大学の研究者たちが、革新的な「スマートスキン」センサーの開発により、温度センシング技術の進歩を遂げた。この画期的な技術には、炭素繊維とシリコンゴムからなる柔軟な素材が使用されており、従来のバッテリーやオンボード処理が不要となっている。このセンサーは電磁波を利用して作動し、高周波信号を吸収・反射することで、これまでにない温度測定範囲を提供する。 マフムード・ワギ博士が率いる研究チームは、一般的なシリコーンと炭素繊維を使用した汎用性の高い複合材を設計し、様々な形状に簡単に成形できるようにした。この皮膚のような基板は広域アンテナとして機能し、温度変化に非常に敏感な信号を発することができる。狭い温度範囲に限定された従来のサーミスタとは異なり、この新しいセンサーは30℃から200℃以上までの広範囲にわたって温度を読み取ることができる。 サウサンプトン大学、ラフバラ大学、そしてケンブリッジのプラグマティック・セミコンダクター社の研究者との共同研究であるこのプロジェクトは、英国工学・物理科学研究評議会(EPSRC)、王立協会、王立工学アカデミー、国家安全保障最高科学顧問室から支援を受けた。 Nature Communications誌に掲載されたこの研究は、3Dプリンターを用いて柔軟な素材を成形し、アンテナ、RFIDラベル、レゾネーターなどの部品に組み込んでいる。最高300℃の温度で電波放射を吸収するセンサーの能力は厳密にテストされ、その弾力性と適応性が実証された。 この進歩は、温度検知範囲を拡大するだけでなく、無線センサー技術のコスト削減と持続可能性の向上にもつながる。柔軟で新しい温度センサーは、同じ温度範囲をカバーするために必要なデバイスの数を減らすことで経済的・環境的利益をもたらす可能性を示している。
掲載日:2024年1月17日:Ten Telescopesの3Dプリント製天体望遠鏡で天文学が身近に
ブライアン・ミッシェルは、星空観望体験を世界的に手頃にするための探求を続けており、3D印刷技術はその成功の鍵を握っている。 1970年代後半、市販の望遠鏡で木星の衛星を見たことが、ミッシェの天文学への情熱に火をつけるきっかけとなった。以後、彼は自分の魅力を分かち合いたいという欲求に駆られ、数年前には遂に姪のために低価格の望遠鏡を作った。 その成功に触発され、ミッシェルはTen Telescopesを設立し、自身の3Dプリントデザインを使って天文学愛好家のコミュニティを育成している。ゲルフの自宅にあるブルードア天文図書館は、望遠鏡の設計図やマニュアルの拠点となっている。隣接するベントネイル天文台では、ボランティアがプリントしたての望遠鏡を組み立てている。 Ten Telescopesはユニークな形で運営をしている。望遠鏡を作る前に、個人や学校、団体がミッシェルの天文図書館から望遠鏡を借りることができるのだ。このコレクションには、ほとんどのスマートフォンのカメラに対応するアダプターも含まれており、伝統的な星空観察と現代のテクノロジーをうまく融合させている。 伝統的な望遠鏡には高額な値段がついていることが多く、天文学者のたまごを同分野から遠ざけている。ミッシェルの3D印刷製スカイワード150は、300ドルから350ドルの比較的安価な部品を用いることで、「天文学を学ぶことは高額である」という従来の常識を覆す。この望遠鏡には、ミッシェルの息子の会社、tundra3d.caから提供された耐久性のあるABSプラスチックが使われている。製品デザインも思慮に富んでおり、ベース部分には望遠鏡のアライメントを崩すことなくスマートフォンを取り付けられるよう、カウンターバランスが付いている。 Ten TelescopesはSkyward 150だけでなく、GitHubのようなプラットフォームでのオープンソース・イニシアチブを通じてその影響力を拡大している。この協調的なアプローチは、世界中の熱狂的なファンを招いた上で設計プロセスに貢献してもらい、複数人でデザインを向上させることを可能にする。 ミッシェルのプロジェクトは、3Dプリンティングが望遠鏡の入手しやすさに革命をもたらし、天文学が手頃な価格でより多くの人々に体験してもらえるようになる可能性を示している。このテクノロジーが進化し続けるにつれて、将来はさらに幅広い星空観察が可能になり、広大な宇宙の天蓋の下で世界中の愛好家がひとつになることが期待される。
掲載日:2024年1月16日:Orbexに新CEOと新取締役会会長が就任
スコットランドのスタートアップ系ロケットメーカーのOrbexに、新CEOと新取締役会会長が就任した。CEOに就任したのはベンチャー企業のスケールアップエキスパートのフィリップ・チェンバース氏で、20年以上のベンチャー企業のスケールアップの経験を持つ。同氏がスケールアップした企業にはGumtree、ピーコン、Qypeなどが含まれる。同氏はOrbexに対し、シリーズCファンディングで自ら投資している。 新取締役会会長に就任するのはスペイン宇宙局の長官を務めたミグエル・ベロ氏。ベロ氏はスペイン航空宇宙戦略経済プロジェクトの委員長を長らく務め、スペインの航空宇宙業界における様々なイノベーティブなプロジェクトを率いてきた。直近では、自ら立ち上げたDEIMOSスペースグループのCEOや、アトランティック・インターナショナル・リサーチセンターのCEOを務めている。 OrbexのCEO就任についてチェンバース氏は、「Orbexのチームに合流するにはエキサイティングで、Orbexのビジネスにとって成長のための需要な時期であると認識しています。現在建設中のサザーランド宇宙基地を完成させ、我々の最初のロケット打上げを成功させるために努力を続けてまいります」とコメントしている。
掲載日:2024年1月15日:ジュリエン・マーシリー氏がアドアップの新CEOに就任
ジュリエン・マーシリー氏が、フランス大手タイヤメーカーのミシュラン系列のアドアップの新CEOに就任する。アドアップはミシュランと、パリに拠点を置くインダストリアルエンジニアリング企業のFivesとのジョイントベンチャーとして設立され、インダストリアルユーザー向けのメタル・アディティブ・マニュファクチャリングの世界ではサービスプロバイダーとしてビジネスを大きく拡大させてきた。 マーシリー氏は2019年にアドアップに入社、当初は副CEOとしてCEOの補佐などを行っていた。アドアップの前任では、Fivesで14年間に渡ってマネジメントポジションを務めていた。 新CEO就任についてジュリエン・マーシリー氏は、「アドアップは、(ミシュランとFivesの)我々の親会社の信頼と実績をベースにしてできた、アディティブ・マニュファクチャリングの成長企業です。我々はマニュファクチャリングの世界を理解しており、アディティブ・マニュファクチャリングこそ我々が生まれた世界なのです。当然ながら、そこに存在するチャレンジも理解しており、我々はアディティブ・マニュファクチャリングを活用し、品質を高め、スケールし、信頼できるソルーションとしてユーザーに提供してゆきます」とコメントしている。
掲載日:2024年1月14日:Nikon SLMソルーションズがサム・オレアリーCEOとの契約期間を延長
ドイツのハイエンドメタル3Dプリンターメーカーで、日本の光学機器メーカー大手のNikonが買収したNikon SLMソルーションズが、サム・オレアリーCEOとの契約期間を延長した。新たな契約期間は2028年3月末までで、オレアリー氏は引き続きNikon SLMソルーションの経営戦略策定とリーダーシップ全般を担当する。 Nikon SLMソルーションズのスーパーバイザりーボード会長のハミッド・ザリングハーラム氏は、「(Nikon SLMソルーションズの)スーパーバイザリーボードは、サムとの契約延長が彼が掲げるビジョンとリーダーシップを信認するものであることを表明します。サムの比類なき会社への貢献と強固なリーダーシップは、Nikon SLMソルーションズのメタル・アディティブ・マニュファクチャリングにおけるフロントランナーとしての地位を守り続けるでしょう。彼のリーダーシップは貴重であり、メタルアディティブ・アプリケーションにフォーカスし、イノベーションを続けるために必用不可欠なものです」とコメントしている。 Nikonは、昨年2023年1月に6億2200万ユーロ(約870億8000万円)でSLMソルーションズを買収し、SLMソルーションズは同社の子会社となった。買収完了後、SLMソルーションズはNikon SLMソルーションズのブランドで事業を展開している。
掲載日:2024年1月13日:全世界の3Dプリンティング建設市場が2030年に41億7930万ドル規模へ成長へ
全世界の3Dプリンティング建設市場が、2030年に41億7930万ドル(約6059億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社グランド・ビューリサーチがまとめたレポート「3Dプリンティング建設市場・全世界予想2023-2030年版」によると、2022年時点で1817万ドル(約263億4650万円)規模と推定された全世界の3Dプリンティング素材市場は、今後年率101.9%の成長率で成長を続け、2027年までに同規模へ拡大するとしている。 全世界の3Dプリンティング建設市場拡大の背景には、環境に優しいグリーン・コンストラクションの意識と行動の広がりが拡大していることがある。従来型の建設手法と比べ、建設3Dプリンティングは資材などの活用効率が高く廃材ロスが少ない一方、作業員の省人数化や建設工期の短縮が可能で、グリーン・コンストラクションをリードするプレーヤーとして期待がかけられている。 3Dプリンティング建設市場における主なプレーヤーとしては、COBODインターナショナル(デンマーク)、XTreeE(アメリカ)、エイピス・コア(アメリカ・ロシア)、WASP(イタリア)、CyBe建設(ドイツ)、コンツアー・クラフティング(アメリカ)、ICON(アメリカ)などを挙げている。
掲載日:2024年1月12日:全世界の3Dプリンティング素材市場が2027年に79億ドル規模へ成長へ
全世界の3Dプリンティング素材市場が、2027年に79億ドル(約1兆1455億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社マーケットアンドマーケッツがまとめたレポート「3Dプリンティング素材市場・全世界予想2027年版」によると、2022年時点で25億ドル(約3625億円)規模と推定された全世界の3Dプリンティング素材市場は、今後年率25.6%の成長率で成長を続け、2027年までに同規模へ拡大するとしている。 同レポートはまた、3Dプリンティング素材の原料価格高騰や、サプライチェーンの世界的な停滞、素材製造の標準化の遅れなどが成長拡大に水を差す可能性があるとしている。 3Dプリンティング素材市場における主なプレーヤーとしては、ストラタシスやスリーディーシステムズといった大手3Dプリンターメーカーに加えて、GEなどの専門メーカーが独自の製品開発に向けた素材製造能力を拡大してくると見込んでいる。また、アメリカのメーカーに加えて、EOS(ドイツ)、マテリアライズ(ベルギー)、Evonik(ドイツ)、BASF(ドイツ)、ヘンケル)ドイツ)などが市場拡大を牽引すると予想している。 エリア別では、アメリカ・カナダを含む北米市場が世界最大のシェアを確保したままリーディングポジションを維持するとしている。
掲載日:2024年1月11日:全世界の3Dプリンティング市場が2028年に345億ドル規模へ成長へ
全世界の3Dプリンティング市場が、2028年に345億ドル(約5兆25億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社マーケットアンドマーケッツがまとめたレポートによると、2023年時点で150億ドル(約2兆1750億円規模と推定される全世界の3Dプリンティング市場は、今後年率18.1%の高い成長率で成長を続け、2028年までに同規模へ拡大するとしている。 産業セクター別では、コンスーマーグッズ、ヘルスケア、自動車、航空宇宙などにおける需要の拡大が全世界の市場拡大を牽引すると予想している。 3Dプリンティング市場における主なプレーヤーとしては、ストラタシス、スリーディーシステムズ、マテリアライズ、EOS、GE、ヴォクセルジェット、HP、SLMソルーションズ、クリーングリーン3Dリミテッド、プロトラブズ、オプトメック、ウルチメーカー、レニショー、XYZプリンティング、デスクトップメタル、ナノ・ディメンション、フォームラブズ、マークフォージド、カーボンなどを挙げている。 3Dプリンティングの用途としては、ラピッドプロトタイピングなどの試作製造に加え、コンスーマーグッズなどのエンドユーズパーツの製造での活用が広がるとしている。
掲載日:2024年1月10日:Cocuusが年間1000トンの代替ベーコンの製造を計画
スペインのスタートアップ企業のCocuusが、年間1000トンの代替ベーコンの製造を計画しているとして話題になっている。スペインの現地メディアの報道によると、Cocuusはスペイン北部にある工業団地内に新設した工場を活用し、同社が開発した植物由来ベーコンの本格的な製造を開始するとしている。製品は年内にもスペイン国内のスーパーマーケットなどで販売されるという。 Cocuusは代替ベーコンの開発に業界の黎明期から着手しており、昨年2023年10月にはスペイン国内にあるフランス系スーパーマーケットのカルフールで代替ベーコンのテスト販売を行っていた。 Cocuusの会長で共同創業者のパトクシ・ローランブル氏は、「美味しくて健康的な代替肉製品の製造は食の安全と地球環境のそれぞれにとって非常に重要です。Cocuusは業界が求める基準に達しており、業界リーダーのカーギルなどの協力とともにマイルストーンとなる研究開発を継続してきました。新工場の稼働は、新たな歴史の始まりに過ぎません」と説明している。 Cocuusは2017年設立。3Dプリント肉などの代替肉製品の製造を行う有望なベンチャー企業として注目を集めている。同社には食品商社大手のカーギルや、食品スタートアップに特化したベンチャーキャピタルのイータブル・アドベンチャーズなどが出資している。
掲載日:2024年1月9日:Vivobarefoot、3Dプリント・コンポスタブル・スニーカーを発表
靴ブランドのVivobarefootは、材料科学企業のBalenaと共同で、3Dプリントされた堆肥化可能なスニーカーのプロトタイプをBiofabricateカンファレンスにて公開した。Balena社の堆肥化可能な熱可塑性プラスチックから作られたこのモノマテリアル・シューズは、革新的な「スキャン・トゥ・プリント・トゥ・ソイル」コンセプト(意訳: スキャンからプリント、そして土壌へ)に従っている。 この完全に自動化されたプロセスでは、ユーザーがスマートフォンのアプリで足をスキャンすると、すぐに靴が3Dプリントされる。このデザインは産業施設での堆肥化を優先しており、靴のデザイン、製造、廃棄という従来のアプローチに疑問を投げかけている。 Vivobarefootの共同創設者であるアシャー・クラーク氏は、「現在のシステムは工業化の初期には適していたかもしれませんが、未来には間違いなく適していません。それとは対照的に、私たちの目標はフラッグシップ・ソリューションを作ることです。高速で、デジタルで、シンプルで、最終的には加法的なプロセスにしたいのです。私たちは、減法的プロセスで膨大な在庫の山を作る従来の産業用システムとは対照的に、必要なときに必要な材料だけを使って製品を作るシステムを作りたいのです。」と述べている。 バレナのバイオカーフレックスで作られたプロトタイプの靴は、国際的な生分解基準に準拠している。堆肥化可能であるにもかかわらず、単に民家の裏庭に廃棄するのではなく、工業用堆肥化を目的としており、循環性を支えるインフラの必要性を強調している。 Balena社の創業者であるDavid Roubach氏は、包括的なサーキュラープロセスを確立するために各ブランドと協力することの重要性を強調した。VivobarefootとBalenaが共同開発した当シューズは、材料の使用量を最小限に抑え、足の健康を促進することで、靴業界に革命を起こすというVivobarefootの目標に沿っている。
掲載日:2024年1月8日:ハンドヘルド3Dスキャナー「Range 2」を発売
Revopointは家具、人、車などの大きな物体をスキャンするために設計されたハンドヘルド式3Dスキャナー、Range 2を発表した。 Range 2は、昨年初めに発売され、Kickstarterにてわずか30秒で満額出資額を集めた人気のRangeに続く製品だ。同製品は、最大0.1mmのシングルフレーム精度、Rangeの800mmから飛躍的に伸びた最大1300mmのスキャン距離、フルカラースキャンのために影を減らす4つのホワイトフラッシュLED、200万画素RGBカメラ(Rangeの100万画素からアップ)を誇る。Redditに投稿されたRevopointの公式アカウントによると、スキャナーの新機能としてIRフィルライトと位置センサーも追加されたとのことだ。 また、Range 2では、ジャイロスコープ、加速度計、地磁気計を含む9軸慣性測定ユニット(IMU)を活用することで、スキャンを安定させ、よりスムーズなフレームステッチが実現可能になるそうだ。スキャナには、パワーバンクとしても機能するハンドルと、静止スキャン時のサポート用の三脚の両方が付属している。ユーザーはWi-FiとUSB-Cで機体を接続し、側面に取り付けられた3つのボタンでスキャナーを操作できる。 興味深いことに、Range 2はKickstarterのキャンペーンとして発表されることが無かった。その代わり、同製品はRevopointのウェブサイトにて直接729ドルで購入が可能だ。
掲載日:2024年1月7日:Nexa3Dがエッセンシアムの買収を完了
アメリカの3DプリンターメーカーのNexa3Dが、同じくアメリカの3Dプリンターメーカーのエッセンシアムの買収を完了した。買収価格や買収スキームなどの詳細については明らかにされていない。 Nexa3Dの創業者でCEOのアヴィ・レイチェンタル氏は、「才能あふれるエッセンシアムのメンバーをNexa3Dのチームに迎え入れられることを誇りに思い、かつエキサイティングな思いをしています。この買収は単なる戦略的一歩であるにとどまりません。3Dプリンティングのプロダクション能力を再定義するためのソルーションとイノベーションを供給するものです」とコメントしている。 エッセンシアムの共同創業者でCEOのブレイク・テイペル氏は、「Nexa3Dに仲間入りできることにエキサイトしていまwす。エッセンシアムとNexa3Dは、かつては不可能と思われていた新たなマニュファクチャリングの姿を共有しています。今回の合併により防衛、ヘルスケア、そしてインダストライアルのお客様にゲームチェンジングなソルーションを提供することが可能になります」とコメントしている。 Nexa3Dは、昨年2023年3月にも台湾のDプリンターメーカーのXYZプリンティングのSLS3Dプリンター事業を買収している。XYZプリンティングのSLS3Dプリンター「MfgPro230xS」シリーズと「MfgPro236xS」シリーズは、新たにNexa3Dのブランドで販売されている。
掲載日:2024年1月6日:ユニフォーミティ・ラブズが事業停止、資産売却か
カリフォルニア州に拠点を置く工業用ハイエンドメタル3Dプリンティング・サービスビューローのユニフォーミティ・ラブズが事業を停止し、資産売却に向けて動いていると現地メディアが報道してる。 報道によると、ユニフォーミティ・ラブズはメタル3Dプリンター、プロセシングデバイス、メタルパウダーなどの機械や素材などを、工業用オークションサイトのタウバー・アーロンズのウェブサイトを通じて売りに出しているという。現時点では、オークションは現地時間の来月2024年2月7日に開始され、売り手の売却希望価格は総額で1000万ドル(約14億5000万円)になるとしている。また、売りに出された機械や素材は、すべてカリフォルニア州内にあるユニフォーミティ・ラブズの工場に置かれているという。 ユニフォーミティ・ラブズは2014年にプリンストン大学発のベンチャー企業として設立された。主に3Dプリンター用メタルパウダーをカスタマイズ生産し、アディティブ・マニュファクチャリング業界の有力プレーヤーを相手に供給してきた。同社のユーザーには大手サービスビューローのアドアップや、3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルなども含まれていた。
掲載日:2024年1月5日:スリーディーシステムズ取締役会がリストラクチャリングを実施
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、取締役会のリストラクチャリングを実施して話題になっている。注目されるのは同社のインダストリアルソルーションズ担当エグゼクティブヴァイスプレジデントのレジ・プセンヴェーティル氏のアディティブ・ソルーションズ・チーフコマーシャルオフィサーの就任で、プセンヴェーティル氏はスリーディーシステムズのインダストリアル・ヘルスケアビジネスユニット全般のオペレーションを担当することになる。 また、2020年からスリーディーシステムズのヘルスケアビジネスユニットのマネジメントを担当してきたメンノ・エリス氏は同職を辞任する。 さらに、17年間に渡って同社のチーフ・コーポレート・ディベロップメントオフィサーとチーフ・リーガルカウンセルを務めてきたアンディ・ジョンソン氏もスリーディーシステムズを退職する。 スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOは、「メンノとアンディのこれまでの功績に感謝しています。両者ともにスリーディーシステムズの業態を再構築するために大きな貢献をしてくれました。新たな領域でさらなる活躍の機会を得られることを確信しています」とコメントしています。
掲載日:2024年1月4日:Velo3Dがニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を受領
アメリカの大型3Dプリンターメーカーのelo3Dが、ニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を受領した。現地メディアの報道によると、Velo3Dのニューヨーク証券取引所での取引価格はニューヨーク証券取引所が定める最低基準を満たしておらず、株主に損害を与える可能性があるとしている。 ニューヨーク証券取引所は、昨年2023年11月29日にニューヨーク証券取引所上場の3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルに対しても、ニューヨーク証券取引所が定める最低基準を満たしていないなどの理由で上場基準不適合通知を送付している。ニューヨーク証券取引所は、さらに、別のアメリカの3Dプリンターメーカーのマークフォージドに対しても上場基準不適合通知を送付している。 ニューヨーク証券取引所からは、昨年2023年の一年間で30社の企業が上場廃止に追い込まれている。2022年の41社からは減少したものの、2021年から2023年までの年平均で、35社が上場廃止にされている結果になっている。 Velo3Dは、2021年年にニューヨーク証券取引所へIPOを果たしたものの、2023年11月以降1ドルを下回る価格での取引が続いている。
掲載日:2024年1月1日:2024年新年のごあいさつ
新年明けましておめでとうございます。いつも世界の3Dプリンターニュース「セカプリ」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本年が皆様にとりまして明るく恵豊かな一年となりますよう、スタッフ一同心より祈念しております。 本年も世界中から最新の3Dプリンター関連ニュースをお届けする所存、いっそうのご愛顧をよろしくお願いいたします。 2024年元日 世界の3Dプリンターニュース「セカプリ」スタッフ一同
掲載日:2023年12月31日:アメリカで空気から飲料水を生成する3Dプリント製大気圧水生成装置が完成
2014年、ルーベン・ヴォルマーが3Dプリンター製の部品を使って空気から水を作ろうとした最初の試みは、あまり成功しなかった。この初期の実験のきっかけは彼の両親の農場に影響を与えた干ばつで、実験機はらせん、アルミホイル、太陽電池ファンをその場しのぎで組み立てたものだった。そんなヴォルマーだが、この度ビジネス・パートナーのタイラー・ブルトンと共に、大気圧水生成装置「スパウト」を開発した。キッチンテーブルに置けるほどコンパクトなこの装置は、予約販売の段階で100万ドルを集め、ビジネスとしても大きな成功を収めた。 スパウトは、空気から水分を抽出し、抽出された水を2回フィルターにかけ、紫外線で保護されたピッチャーに保存することで、毎日およそ11.3リットルの純粋な飲料水を生成する。この技術革新は、数百ワットの電力しか使用せず、清潔な水へのアクセスに革命を起こすような、水生成技術への斬新なアプローチを示している。水道管を電線に、水筒を電池に例えたボルマーの表現は、水利用の容易さが太陽エネルギーと同じ程度になるような将来のビジョンを示している。 スパウトの環境面での利点は、主要な温室効果ガスである水蒸気を大気中から減少させることで地球温暖化を緩和する可能性がある点だ。この装置は、消費する水と同じだけの水を生産する「ウォーター・ニュートラル」な家庭や農場につながる可能性がある。さらに、干ばつに見舞われた地域にきれいな水を供給するための解決策にもなる。 カリフォルニア州ベニスで行われたブリタのような一般的な浄水器との比較テストでは、水の純度においてスパウトの優位性が示された。スパウトは、シンプル・ラボのヘルシー・ウォーター・スケールで99点満点中98点を獲得し、ブリタのフィルターを大きく上回った。かつてはサイエンス・フィクションのように思われたこの技術は、来年には市販される予定であり、水の生成と浄化技術における重要な一歩となる。
掲載日:2023年12月30日:アメリカの非営利団体が中東で3Dプリント補聴器を難聴の子供たちに提供
米国を拠点とする非営利団体3DP4MEが、中東、特にヨルダンで活躍している。3Dプリント補聴器を経済的に困窮している子どもたちに提供しているのだ。世界保健機関(WHO)のデータによると、補聴器を必要とする世界の7200万人のうち、補聴器を利用できるのはわずか10%である。この取り組みは、補聴器の入手が困難な地域、特にシリアやパレスチナ難民の間で要となっている。 3DP4MEの創設者であるジェイソン・ゾロマイヤー氏の道のりは、自身の人道支援活動の経験から始まった。子どもたちの間で補聴器が切実に必要とされている状況を目の当たりにした同氏は、3D印刷が効率的な解決策になると確信したのであった。この技術は補聴器の製造工程に革命をもたらし、より迅速な製造と個々のニーズへのカスタマイズを可能にした。ゾロマイヤー氏のチームは、モバイル3Dスキャナーを使って、子どもたち一人ひとりに正確にフィットする耳型を作成する。わずか2分で完了するこの工程により、補聴器の効果的な機能に不可欠な正確な型取りが行えるのだ。 3DP4MEの活動は補聴器の提供にとどまらない。同団体はまた、補聴器による聴力レベルの向上に適応できるよう、子どもたちの言語療法も促進している。このような包括的なアプローチは、聴覚障害によってもたらされる障壁を取り除き、子どもたちをより完全に社会に溶け込ませることを目標としている。 同団体の活動は、資金難などの課題に直面してきた。しかし、匿名の寄付者の募金により、3DP4MEは活動の継続が可能となった。また、3DP4MEはキング・フセイン財団とパートナーシップを締結し、ヨルダンの様々な地域における難聴サービスの不足に対応し、同団体の活動範囲を拡大する予定だ。 この試みは、他の医療分野や地域での支援の扉を開き、厳しい環境下での先端医療技術の展開チャンスを浮き彫りにしている。3D印刷技術が進化し続けることによって、特に資源が限られている地域で、オーダーメイドの医療ソリューション提供が安易になるのだ。3Dプリントが世界中の医療クオリティを大幅に向上させ、より個人のニーズに合った治療が提供できるような新時代の到来を告げる日も近いのではないだろうか。
掲載日:2023年12月29日:Godrej & Boyceがインドに3D プリント製オフィスを設置
Godrej & Boyceの子会社であるGodrej Constructionは、インド・カラプールにて3Dコンストラクション・プリンティングを活用し、500平方フィートのオフィス「The Cocoon」をわずか40時間で完成させた。同社によると、当プロジェクトでは、土木工事、防水工事、床工事、外壁・内壁塗装、電気工事、照明工事、空調設備工事、給排水衛生設備工事、オフィス家具、造園工事をすべて40時間以内に完了させたそうだ。 湾曲した楕円形のデザインが特徴的な「The Cocoon」は、3Dコンストラクション・プリンティング(3DCP)技術で作成されたプレハブ・モジュールを利用した。プロジェクトの成功要素としてはリーンコンストラクション、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)、骨材の20%に再生コンクリート用いるなどのサステナブルな手法が挙げられる。 Godrej Constructionの上席副社長を務めるアヌップ・マテュー氏は、今回のプロジェクトが建築と建設の限界を押し広げる象徴であることを強調した。土木工事から造園工事まで、多様な要素を網羅する建設プロセス全体が、称賛に価するような短時間で成し遂げられたのだ。 事業開発・マーケティング責任者のアビジート・ゴーデ氏は、3Dコンストラクション・プリンティングを戦略的に活用し、建設スケジュールを短縮したことを強調した。楕円形のデザインを持つ柱のない構造は、従来の課題をクリアしただけでなく、複雑なデザインを効率的に処理する技術の能力を示すものでもある。 3Dコンストラクション・プリンティングを取り巻く環境が世界的に進化する中、Godrej Constructionの先駆的な取り組みは、将来の進歩のための舞台を整える運びとなった。再生コンクリート骨材の使用に代表される同社のサステナビリティへの取り組みは、建設業界の二酸化炭素排出量削減の必要性と一致している。
掲載日:2023年12月28日:Alquist3Dのザック・マンハイマーCEOが「3Dプリント住宅の需要は世界中にある」と発言
アメリカの3Dプリント住宅メーカーのAlquist3Dのザック・マンハイマーCEOが、「3Dプリント住宅の需要は世界中にある」と発言して話題になっている。アメリカの大手メディアCNBSの人気番組「スクワーク・ボックス」の中で発言したもので、2021年にアメリカで初めて3Dプリント住宅を建設したのを皮切りに、アメリカの各地で問い合わせが殺到。販売価格が従来型の住宅よりも20%から25%程度安いということもあり、これまでに世界各地から問い合わせなどが寄せられてきているという。 マンハイマーCEOは、アメリカでは一般的な需要全体に対して15%から20%供給が不足する状態が常態化しており、特に住宅不足が社会問題化しているアメリカ都市部において良質な住宅の需要が大きく拡大しているという。 マンハイマーCEOはまた、建設3Dプリンターの普及によりアメリカの住宅不足解消に一定の目途を立てたら、次は発展途上国に対して低価格・高機能の良質な3Dプリント住宅の供給を開始したいとしている。マンハイマーCEOは、これまでにアメリカやヨーロッパ各国からの問い合わせと同時に、南米やアフリカ大陸諸国からの問い合わせを受けていることを明らかにしている。
掲載日:2023年12月27日:3Dプリント製の骨インプラントがアメリカの足関節全置換術で採用
アメリカ・ニュージャージー州のホーリーネーム医療センターが、カスタム3Dプリント骨インプラントを使用した初の手術を成功させ、整形外科患者ケアのマイルストーンを達成した。執刀医は同医療センターで足と足首の手術を専門とする外科医、ピーター・イアンヌッツィ医師で、慢性的な痛みと歩行困難を抱える患者を担当した。 この手術は、同病院の整形外科における重要な進歩であり、ホーリーネーム医療センターでは高度な画像処理によって患者の解剖学的構造を視覚的に把握できるようになった。イアヌッツィ医師はこの技術を活用し、今回の手術では3Dプリントされたチタン合金の骨と新しい足関節を患者の特定のニーズに合わせて作製した。また、同手術では患者の足の甲にある既存の骨を取り除き、3Dプリントされたインプラントに置き換える行程が採用された。 3Dプリント法の特筆すべき利点のひとつは、患者の足と足首の3次元視覚化による術前計画の改善である。この綿密な計画行程により、より正確な手術戦略が可能になり、患者の全体的な治療体験の向上に貢献することとなるのだ。 この3次元視覚化を活用し、医療チームはオーダーメイドの骨を製作し、複雑な部位を高精度で治療する。これにより、病院側は合併症のリスクを最小限に抑えるだけでなく、患者に最適な結果をもたらすことができる。この手術の成功は、整形外科医療の分野における大きな飛躍を意味し、手術のアプローチに革命をもたらし、患者の手術結果を改善する3Dプリント技術の可能性を示していると言えるだろう。 イアヌッツィ医師は、「この3D技術によって骨を複製できるようになったことは、患者のケアにおける重要なマイルストーンとなりました。私たちは外科的介入を進歩させる比類のないツールを手にし、今後より良い手術結果と生活の質の向上を患者に提供できるようになり嬉しく思います。」と述べている。
掲載日:2023年12月26日:グローバル・3Dプリンティング市場規模が2033年に1354億ドル規模へ到達
グローバル・3Dプリンティング市場規模が2033年に1354億ドル(約19兆2268億円)規模へ到達すると予想したレポートが発表された。ニューヨークに拠点を置く市場調査会社のマーケットUSによると、2024年時点で240億ドル(約3480億円)程度と推定される全世界の3Dプリンティング市場規模は、今後年率21.2%の成長率を維持しながら成長を続け、2033年に同規模へ拡大するとしている。 同レポートはまた、全世界の3Dプリンティングエコシステムは、今日までに3Dプリンティングテクノロジー、3Dプリンティング用素材、3Dプリンティング用ソフトウェアおよびサービスなどで構成されている。各セクターの中でも、ハードウェアマニュファクチャーラー、3Dプリンティング用素材サプライヤー、ソフトウェアデベロッパーおよびサービスプロバイダーが市場拡大を牽引すると予想している。特にハードウェアマニュファクチャーラーは市場全体の67%を占めるまでに成長すると予想している。 3Dプリンティングの種類では、メタル3Dプリンティングがマーケットシェアの53%を占める最大のプレーヤーになるとしている。 地域別では、アメリカとカナダを含む北米市場が全体の35%のシェアを確保し、世界最大となるとしている。
掲載日:2023年12月25日:3Dプリント製・Cryptideのシューズが2023年グローバルフットウェアアワードを受賞
デザイナーのスティーブン・ヘンリックがクリエイティブ・リーダーを務める高級ライフスタイル・スニーカー・ブランドThe Cryptideが、グローバル・フットウェア・アワード(GFA)で2023フットウェア・ブランド・オブ・ザ・イヤーを獲得した。今年のGFAでは、テクノロジーとサステナビリティに焦点が当てられ、The Cryptideのオンデマンド製造戦略と、リサイクル性を重視し、単一の柔軟な素材から完全に3Dプリントされた主力製品の「Cryptide One」シューズが称賛された。 Cryptide Oneは、製品のユニークなデザインを通じて革新性を示している。穴のあいた靴下のようなアッパー部分は最適な通気性を確保し、履く人の足を3Dスキャンしてカスタマイズできる。セグメント化されたソールデザインは、つま先、拇指球、踵といった特定の部位に対応し、中心部ソールは、有限要素解析と形態の最適化技術を用いて着用者の体重に合わせた分岐構造を取り入れている。 GFAプログラム・ディレクターのアストリッド・ヘベール氏は、「今年のGFA受賞者の多くが、サステイナビリティとテクノロジーをデザインに取り入れており、環境に優しいフットウェアの未来を垣間見ることができて嬉しく思います。また、スタイルと技術革新の完璧な融合を目の当たりにし、感動を覚えました。今回賞を受賞したデザイナー達は、単に靴を作っているのではなく、より持続可能で技術主導型の未来に向けた、心のこもった一歩を物語として作り上げているのです」と語った。 このイベントで表彰された3Dプリントシューズは他にもある。新人フットウェアデザイナー賞は、サバンナ芸術デザイン大学のマデリーン・ヘルト氏が受賞した。ヘルト氏によるクライミングブーツ(写真下)は、保温技術を統合して、従来の登山ブーツの生まれ変わりのような洗練されたデザインとなっている。ジャック・ウィンクラー(3Dプリント)、エミリー・ラコンバ(靴下デザイン)とのコラボレーションによるこのデザインは、カスタマイズ性と持続可能性を重視しており、履いた後にソールを交換したり、変更したりすることができる。
掲載日:2023年12月24日:中国企業がアジア初の3Dプリント・チタン製自転車フレームを発表
タイタンスーパーボンドとブライトレーザーテクノロジー(BLT)が、中国の自転車業界において画期的な出来事を達成した。このパートナーシップにより、アジア初の完全3Dプリンターによるチタン合金製自転車フレームが誕生し、業界が直面する研究開発と生産における課題に対処する結果となった。 世界的リーダーである中国の自転車業界は、従来より生産スケジュールの延長と材料廃棄の多さに悩まされていた。今回のパートナーシップでは、金属3Dプリント技術を採用することで生産プロセスを大幅に合理化し、生産時間を30%短縮したうえ、材料の無駄も20%以上削減している。この技術は、0.03mmという極めて重要な寸法精度を維持するだけでなく、個々の利用者に合わせたカスタマイズドパーツの制作を可能にし、パフォーマンスと快適性を向上させることが可能になる。 2022年、タイタンスーパーボンドはブライトレーザーテクノロジー社のBLT-A320 Laser-Powder Bed Fusion金属3Dプリンターを採用し、製造プロセスに革命をもたらした。このコラボレーションは、複雑な形状のパーツの変形制御と軽量化のための革新的なソリューションにつながり、軽量設計と製造品質における新たなベンチマークを打ち立てた。これらの進歩は、国際基準試験に合格しただけでなく、ロボットによる自動溶接などの将来への可能性も示唆した。 BLT-A320は、高精度、高耐久性、高耐食性のチタン合金製自転車部品が製造可能の、いわば礎として登場した。自転車業界にとどまらず、BLTのビジョンである「異業種コラボレーション」は、分野横断的な技術活力の注入を目指している。 この画期的な技術は、従来の手法に伴うコストと時間の制約に対処し、精度、安定性、効率の面で金属3D印刷の利点を示している。新しいフレームの軽量部品は、自転車のスピードを向上させるだけでなく、効率的な動力伝達と弾力的な走行特性にも貢献する。この技術的飛躍は、コストと生産時間を削減するだけでなく、自転車フレーム全体の品質と耐久性を向上させ、アジアの自転車メーカーに有望な未来を告げるものである。
掲載日:2023年12月23日:ビヨンド・ミート創業者イーサン・ブラウン氏が「代替肉の歴史のアークは我々の側にある」と発言
アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミート創業者イーサン・ブラウン氏が「代替肉の歴史のアーク(栄光)は我々の側にある」と発言して話題になっている。 ロサンゼルスの現地メディアの報道によると、Yahoo!ファイナンスの人気インタビュー番組「リード・ディス・ウェイ」で発言したもので、2019年5月のNASADAQ上場以来常に注目を集めてきた同社の株価の低迷に対して、「我々は、代替肉の歴史のアーク(栄光)は我々の側にあると信じており、(長年に及ぶ低迷を乗り越えて)これから長期的な成功へ向けて大きくシフトしてゆくと考えています」と発言した。 ビヨンド・ミートは、2019年5月に25ドルで上場し、初日の取引終了時点では65.75ドルという高値を付け、投資家に即日で163%ものリターンをもたらした。同社の株価はその後2019年7月に234.9ドルの高値を付けた後値下がりし、右肩下がりで下落した後今日の水準の8ドル代を迎えている。 ブラウン氏の発言に対し、JPモルガンのアナリストのケン・ゴールドマン氏は、「アメリカ市場における代替肉需要の低迷は他の需要低迷製品が低迷しているのと同じ理由からです。味、認識されている健康上のメリットなどです」とコメントし、ブラウン氏のコメントに反論している。
掲載日:2023年12月22日:ティンドル・フーズがリブランディング後に役員人事を異動
シンガポールを拠点とする代替食肉会社ティンドル・フーズは、ティモ・レッカー氏を次期CEOに迎えることを発表した。レッカー氏は、同社がまだネクストジェン・フーズ(NextGen Foods)という旧社名だった2020年に10ヶ月間CEOを務めた人物である。同氏は現在フードテック企業の共同設立者兼エグゼクティブ・チェアマンを務めており、ティンドル・フーズCEOには即時就任する。2024年1月をもって、レッカー氏はドイツへ拠点を移し、「小売業と外食産業の両方における当社製品の流通を拡大する」との声明を発表している。 レッカー氏は、食品・飲料業界で13年の経験を持ち、特にフードテック分野におけるブランドの開拓に携わってきた。ドイツでは植物性食肉会社LikeMeatのCEOとして、ヨーロッパ10カ国への進出を含むブランドの立ち上げと成長戦略を担当した。 声明にて同氏は「TiNDLEの小売と外食の両分野で製品の流通を拡大し、成長に注力するこの段階で、再びCEOの役割に就けることを光栄に思います」と述べた。新CEOはまた、ティンドルの新製品開発にも力を注ぐことになる。 当初は植物由来の鶏肉製品で知られていたティンドル・フーズは、ここ数ヶ月の間に新しい分野に進出し、直近では、植物由来の乳製品やソーセージも提供している。直近では同社は米国産の原材料のみを使用したブラットブルスト、イタリアン、セイボリー・ブレックファストなど、様々なバリエーションのソーセージを発売した。この新商品発売は、ティンドルの主力製品である植物性鶏肉製品にとどまらない事業拡大の一環であり、同社の新しい “モダンな美学”とも言える。 メネゼス前CEOは株主兼共同設立者として残る。同氏は声明で「ティモ(レッカー氏)が私たちがこれまで築いてきた基盤の上でCEOを務めることで、より持続可能なフードシステムを構築し、会社をさらに前進させられると確信しています」と述べた。
掲載日:2023年12月21日:ナショナルデパート株式会社が3Dプリント神棚の発表展示会を開催
ナショナルデパート株式会社(岡山県岡山市)が、3Dプリント神棚の発表展示会を開催し、話題を集めた。2023年11月11日と12日の二日間東京都内で開催された発表展示会では、一般社団法人神社崇敬会(東京都目黒区)と協業して開発した新ブランド「Shrine.」が発表され、現地で展示販売した。 3Dプリンターで神棚を作る意味について、一般社団法人神社崇敬会は、昔から神社を支えている「崇敬会」の仕組みを生かし、お札の流通によって神社を支える事業を行ってきましたが、2024年に計画している海外進出にあたり、世界で通用する新しい神棚のスタンダードを創造する必要がありましたとその背景を説明している。 「Shrine.」の神棚コレクションは、今までの神棚の意匠を踏襲しながらも洗練されたモダンなフォルムで構成され、かつ、マテリアル(素材)にはトウモロコシから作られた再生可能(サステナブル)なバイオプラスチックを使用するため、世界にむけて新しい神社の発信に貢献できるとしている。 仏像などの「レプリカ」を3Dプリンターで製造する機運は全国的に高まっているが、本格的な神棚を3Dプリンターで製造するのは今回が世界初と見られる。
掲載日:2023年12月20日:スマイル・ダイレクト・クラブ経営破綻の影響がイギリスでも拡がる
2023年9月に米国連邦破産法第11条を申請し、これまでに「事業停止」を宣言して事実上経営破綻したアメリカの歯科矯正用マウスピース製造のスマイル・ダイレクト・クラブの経営破綻の影響が、イギリスでも拡がっている。 スマイル・ダイレクト・クラブは、主たるユーザーであるアメリカのユーザーに加えて、イギリスを含むヨーロッパ各国のユーザーに対しても「信じられないほどの難しい意思決定」をした後、マウスピース製造を含む治療の提供継続ができなくなったとウェブサイト上で説明している。 あるイギリス人女性ユーザーは、これまでに自分の結婚式のスケジュールに合わせて2500ポンド(約41万2500円)の資金を投じ、スマイル・ダイレクト・クラブの治療を受けていたものの突如停止となり、困惑しているという。イギリス現地メディアの取材に対し、女性は「私はスマイル・ダイレクト・クラブに騙され、今は完全に無視されています。同社のアライナーを使い続けた結果、奥歯に無意味なスペースが生じ、酷い痛みが生じています」と説明している。 「スマイル・ダイレクト・クラブ」はl2014年設立、業界最大手インビザラインと同程度の歯科矯正用アライナーを大幅にプライスダウンしてティーンエージャーに供給する事業を立ち上げたが、サポートなどに想定以上の費用が嵩み今年2023年9月に経営破綻した。
掲載日:2023年12月19日:セレンディクスとヤマイチ・ユニハイムエステートが資本業務提携を締結
日本発の本格的3Dプリント住宅メーカーのセレンディクスと、不動産ディベロッパーのヤマイチ・ユニハイムエステートが資本業務提携を締結し、日本初の3Dプリンター住宅タウン実現を目的とした共同業務を開始すると発表した。 ヤマイチ・ユニハイムエステート株式会社は、「街づくり」と「地域の活性化」実現のミッションのもと、1989年の設立以来34年にわたり「土地の価値を最大化する」ビジネスを展開、常に「土地」を起点とした発想で、それぞれの立地特性や社会経済情勢の変化に応じた建物利用を企画し、土地の長期的な経済価値が最大化する開発を進めてきた。 セレンディクスは2022年3月に日本初の3Dプリンター住宅serendix10(スフィアモデル)を23時間で完成以降、2023年5月には一般販売棟第1号であり商用初となる佐久棟、先月末には日本初の二人世帯向け3Dプリンター住宅 serendix50(フジツボモデル)を愛知県小牧市に竣工させ、世界最先端の3Dプリンティング技術を用いた住宅課題解決に取り組んできた。 両社は2023年8月21日に「世界最先端の住宅開発に関する基本合意書」を締結しているものの、この度の資本提携を通じて相互の関係性を深化させ、一般普及を加速する3Dプリンター住宅技術を確立し、住宅不足や高騰化、ワークライフバランスの両立等の社会課題解決を目指す次世代のスマートシティデザインに共に取り組んでゆくとしている。
掲載日:2023年12月18日:株式会社サンステラがビッグカメラ有楽町店にて3Dプリンター製品の取扱を開始
株式会社サンステラが、ビッグカメラ有楽町店にて3Dプリンター製品の取扱を開始する。サンステラが2023年12月7日に配信したプレスリリースで明らかにした。 プレスリリースによると、コンシューマー向けの3Dプリンターの輸入販売を行う株式会社サンステラ(本社:京都豊島区、社長:和田裕介、以下「サンステラ」)は、東京都のビックカメラ有楽町店にて3Dプリンターやフィラメント、レジンなどの店頭展示及び販売を開始する。 過去、2012~2014年頃3Dプリンターの黎明期において一部のメーカー・代理店が家電量販店・ホームセンター等での販売を行っていたが、一般には定着しなかった。多くのケースは一過性で、一時マスコミなどでも取り上げられたが、本格的に一般化するまでには至らなかった。 一方、10年の時を経て技術革新やユーザー数拡大によって製品価格が低廉化され買い求めやすい価格に落ち着いたことや、3Dスキャナー・CAD/CGソフトの無償化・低廉化・機能向上や、Steem教育の発展に伴う教育分野での利用の拡大などで3Dデータが身近になったことによって、個人でも気軽に3Dプリンターを取扱う環境が整ってきた。 株式会社サンステラはPolymaker・UniFormation・RAYSHAPEブランドの日本総代理店、Creality・AnkerMake・Tiretime・REVOPOINT・Bambu Lab・SHINING 3Dブランドの日本正規代理店として、世界中の優れた3Dプリント機器・各種造形材料の輸入販売・技術サポートを行っている。
掲載日:2023年12月17日:デトロイト初の3Dプリント住宅が販売開始
デトロイト初の3Dプリント住宅が販売開始されて話題になっている。デトロイト初の3Dプリント住宅は延床面積1000平方フィート(約92.9平方メートル)の平屋建て住宅で、地元の非営利団体シチズン・ロボティクスが建設した。デトロイト市内の住宅地ベル・アイル・ブリッジのエリア内に建設された3Dプリント住宅の販売価格は22万4500ドル(約3188万円)となっている。 シチズン・ロボティクスは、自社工場内にロボットアーム型の建設3Dプリンターを設置し、住宅をパーツごとに建設し、パーツを移動させて現地で組み立てている。 シチズン・ロボティクスは、建設3Dプリンターの性能向上と価格低下が見込まれる今後、建設3Dプリンターの普及が進み、建設プリント住宅の価格低下につながるとしている。 シチズン・ロボティクスのプロジェクトを後押ししたミシガン州前知事のグレチェン・ウィットマー氏は、建設3Dプリンティングが持つ各種の優位性が、ミシガン州の住宅不足などの問題を解決し、より手頃で室の高い住宅供給を実現すると主張している。 シチズン・ロボティクスは、今年2023年内にも3Dプリント住宅の購入者へ物件を引き渡すとしている。
掲載日:2023年12月16日:カリフォルニア州エネルギー委員会がマイティ・ビルディングズに500万ドルの助成金を支給
カリフォルニア州エネルギー委員会が、カリフォルニア州オークランドに拠点を置く3Dプリンティング住宅メーカーのマイティ・ビルディングズに500万ドル(約7億1000万ドル)の助成金を支給する。マイティ・ビルディングズは、支給された助成金を同社が開発しているゼロカーボン住宅の建設工法や試験などに投じるとしている。 マイティ・ビルディングズは現在、カリフォルニア州サンフランシスコベイエリアの三か所に、プレハブ型の3Dプリント住宅を建設している。ある関係者は、支給された助成金の一部は同プロジェクトの耐久試験などに投じられるとしている。 カリフォルニア州エネルギー委員会から助成金を得たことについて、マイティ・ビルディングズのスコット・ゲビッケル氏は、「このグランドブレーキングなプロジェクトを開始できることに興奮しています。イノベーション、サステナビリティ、コミュニティに対する我々のコミットメントを示すものです。この助成金は、我々が現在サンフランシスコベイエリアで開発中の三つのプロジェクトへ投じられる予定です。カリフォルニア州の未来の建設業の姿を現わすものです。より手頃で、強固で、エネルギー効率の高い住宅は今後の標準になります」とコメントしている。
掲載日:2023年12月15日:CNPCパウダーがシリーズA投資で1360万ドルの資金調達に成功
カナダのアディティブ・マニュファクチャリング用メタルパウダーメーカーのCNPCパウダーが、シリーズA投資で1360万ドル(約19億4480万円)の資金調達に成功した。 出資したのは中国資本のベンチャーキャピタルのシャンウェイ・キャピタル、CNPCパウダーズに数々のフィナンシャルアドバイザリーを行ってきた同じくベンチャーキャピタルのジュピターキャピタルなどで構成される投資シンジケート。なお、バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。 CNPCパウダーはブリティッシュコロンビア州・バンクーバーに拠点を置く大手メタルパウダーメーカー。中国各地に工場を所有し、アイアン・コッパー・合成パウダー、ニッケル・パウダー、ステンレス・パウダー、3Dプリンティングパウダー、ナノ・パーティクル・合成パウダーなどの各種のメタルパウダーを製造している。同社のメタルパウダーは高品質と安定性が高く評価され、特にアディティブ・マニュファクチャリングの領域においてエレクトロニクス、医療、航空宇宙、防衛などの各種の産業ユーザーに多用されている。 CNPCパウダーには、シャンウェイ・キャピタルやジュピターキャピタルなどでのベンチャーキャピタルが多く出資している。中国資本のベンチャーキャピタルが複数投資していることから、同社は事実上の中国系企業であるという認識が広まっている。
掲載日:2023年12月14日:スリーディーシステムズがジェフリー・クリーチ氏とハリス・クリー氏を新取締役へ選任
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、ジェフリー・クリーチ氏とハリス・クリー氏を新取締役へ選任した。 ジェフリー・クリーチ氏は25年以上の経歴を持つリーダシップマネジメントのベテラン。スリーディーシステムズにおいてはエグゼクティブヴァイスプレジデント兼チーフ・フィナンシャル・オフィサーを務め、同社のファイナンス全般を統括する重要なポジションを引き受ける。 クリーチ氏は、前職では大手広告代理店のファインリー・グループのディレクターを務め、同社のキャッシュフローマネジメント、デット・リストラクチャリング計画およびコストリストラクチャリングの策定と実施、各方面における戦略的パートナーシップ策定などの需要な職務を担当した。 クリー氏は、クリーチ氏と同様にリーダーシップマネジメントで30年以上の経験を持つベテラン。前職では、バイオ系スタートアップ企業ルミネックスのビジネスモデル策定や事業計画の策定、事業立上げなどを担当していた。スリーディーシステムズでは、再生医療担当事業の社長のポジションを引き受ける。スリーディーシステムズは、再生医療を同社の戦略的重要事業のひとつと位置付けているが、クリー氏はその具体的なクリティカルなポジションを任されることになる。
掲載日:2023年12月13日:スマイル・ダイレクト・クラブの経営破綻がユーザーに影響
歯科矯正用マウスピース製造最大手のインビザラインに対し、自らライバルを宣言し、市場で同社を猛追していたスタートアップ企業の「スマイル・ダイレクト・クラブ」が経営破綻したことを受けて、アメリカ各地で影響が広がっている。 スマイル・ダイレクト・クラブの矯正用マウスピースを利用していたレベッカ・レイノルズさん29歳は、先週スマイル・ダイレクト・クラブが経営破綻し、業務を停止した旨連絡を受けた。 「メールによる連絡は不十分で、アプリの連絡機能も機能していたとは言えません。TikTokでのスマイル・ダイレクト・クラブとユーザーとのやり取りを通じて、ようやく事の顛末を知ることができました」とレイノルズさんは状況を説明している。 スマイル・ダイレクト・クラブによる突如の業務停止は、レイノルズさんを含む多くの利用者に衝撃を与えている。特に矯正プログラムの途中にあるユーザーには、今後の件を含めてどうすればいいかわからないという人が少なくない。 矯正プログラムの途中にあるユーザーに対しては、スマイル・ダイレクト・クラブは、「かかりつけの歯科医師か、もよりの歯科医師による診察を受け、自らにとって最も適切な処置をとることを推奨する」としている。
掲載日:2023年12月12日:インビザラインのライバル「スマイル・ダイレクト・クラブ」が経営破綻!
歯科矯正用マウスピース製造最大手のインビザラインに対し、自らライバルを宣言し、市場で同社を猛追していたスタートアップ企業の「スマイル・ダイレクト・クラブ」が経営破綻した。米国連邦破産法第11条の申請はこれまでに完了していおり、同社は事業のゴーイングコンサーンを諦め、「自然消滅する形」を選んだものと見られる。 同事件で管財人を担当したスペンサー・ウィンターズ弁護士が裁判官に語ったことによると、同社はこれまでに2023年9月時点で「事業停止」に向けた各種の活動を展開しており、年内にも到来すると見られている「現金回収猶予期間」を迎える予定とされている。 地元メディアのインタビューに対し、ウィンターズ弁護士は、「機能の時点「スマイル・ダイレクト・クラブ」の経営は全くうまくいっていないことがわかった。これから清算へ向けてのフェーズに移行するが、お得な取引を希望する一般消費者に対しては、この機会を十分に活用して欲しい」とコメントしている。なお、今後サポートが一切提供されないため、「自分がサポートを必要するかどうか、慎重に判断してほしいともコメントしている。 「スマイル・ダイレクト・クラブ」はl2014年設立、業界最大手インビザラインと同程度の歯科矯正用アライナーを大幅にプライスダウンしてティーンエージャーに供給する事業を立ち上げたが、サポートなどに想定以上の費用が嵩み今年2023年9月に経営破綻した。
掲載日:2023年12月11日:リラティビティ・スペースが新型3Dプリントロケットエンジンの燃焼試験に成功
カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置くロケットメーカーのリラティビティ・スペースが、新型3Dプリントロケットエンジン「Aeon R」の燃焼試験に成功した。「Aeon R」は、リラティビティ・スペースの主力ロケット「Terran R」の主エンジンとして使われる。 Terran Rは、高さ270フィート(約82.3m)、直径18フィート(約5.5m)の2段式ロケットで、エンジンを含め多くの部分が3Dプリンターで作られる。1段目は、打ち上げ後に戻って着陸し、再整備後の再利用が可能。 ペイロードの軌道投入能力は地球低軌道(LEO)に最大2万3500kgまたは最大3万3500kg、静止移行軌道(GTO)に最大5500kg。使用するエンジンは1段目がAeon Rエンジン13基、2段目が「Aeon Vac」エンジン1基。 今回の試験では、Aeon Rエンジンを予定通り最大出力の70%で10秒間燃焼させた。試験後の検査で異常は見当たらないとしている。今後も試験を繰り返し、燃焼時間を延長し、出力を高めていく。 リラティビティ・スペースは、2016年にジェフ・ベゾス氏が設立したロケットメーカーのブルーオリジン出身のティム・エリス氏とジョーダン・ヌーン氏が設立したロケットメーカー。テラン1ロケットは、ロケット本体とエンジンの85%を3Dプリンターで製造している。
掲載日:2023年12月10日:ベニー・ビュラー氏がVelo3DdのCEOを辞任
ベニー・ビュラー(Benny Buller)氏がVelo3DのCEOを辞任する。現地時間の2023年12月18日付けで有効となる人事差配書には、ビュラー氏は同日Velo3dのCEOを退任し、直ちに一部の営業譲渡などを含む株主と投資先との調整業務にあたるとしている。 ベニー・ビュラー氏のCEO退任について、Velo3dの取役会会長のカール・バス氏は、「9年にも及ぶ彼のVelo3dへの貢献について私は大きく評価させていただきたいと思います。彼の指導力無くしては、VELO3Dが環境変化が著しいアディティブ・マニュファクチャリングの世界でテクノロジーリーダーのポジションを獲得することはできなかったでしょう。しかし、Velo3dが直面している経営課題はどれも困難な物ばかりで、取締役会は、ビュラー氏を交代させることで、いくつかの事案に対してはソルーションが得られるのではないという期待があったのかもしれません。」とコメントしてる。 Velo3Dのメタル3Dプリンターは、主にロケット製造などの航空宇宙産業セクターで広く使われている。同社の顧客にはスペースX、ハネウェル、ブーム・スーパーソニック、クロマロイ、ラム・リサーチなどが含まれている。
掲載日:2023年12月9日:レオナルド・ダヴィンチの生涯を描いたフランスの3Dアニメーション映画が完成
レオナルド・ダヴィンチ(1452年~1519年)の生涯を描いたフランスの3Dアニはメーション映画が完成し、現地で話題になっている。フランス映画『ザ・インベンター』は上映時間100分のノンストップ3Dニメーションで、アメリカのアニメーション映画監督のジム・コッポビアンコ氏と、フランスのアニメーション作家のピエール・ルーク・グランジョン氏のコラボレーションにより実現した。両氏によると、16世紀の中期ルネッサンスに大活躍をした世界的発明家が3Dアニメ化されるのは今回が世界初だという。 主な登場人物には各界から著名人が声優に選出された。主演を演じるマーガレットには女優のデイジー・リドリーが、レオナルド・ダヴィンチにはスティーフン・フライが、ポープ・レイエックスにはマット・ベリー氏が、哲学者役にはジム・キャポビアンコが、それぞれアサインされた。 劇中に登場する各種の物体は3Dレンダリングソフトでデザインされ、そのままアニメーションに取り込まれたと見られる。映画を実際見た人によると、映画はまるで「ずっと空を飛んでいるみたいだった」という。 アメリカとヨーロッパ各国市場では、これから年末にかけてクリスマス市場向けアニメ・映画の大量上映シーズンを迎える。欧米市場では現在、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか?」 公開後三日間で累計193万7638ドル(約27億5169万円)の興行収入を上げており、幸先の良いスタートダッシュを切っている。

掲載日:2023年12月8日:GOエンジニアがラピッドPSIを買収
ユタ州ミッドヴェールに拠点を置くエンジニアリングソフトウェアプロバイダー・サービスプロバイダー大手のGOエンジニアが、カンザス州ウィチタに拠点を置く3DプリンティングサービスビューローのラピッドPSIを買収する。買収価格などの詳細については明らかにされていない。 GOエンジニアは全米に60箇所の拠点を置き、ソリッドワークス、CAMワークス、ストラタシスなどの各種のエンジニアリングソフトウェアの販売、サポート、トレーニングなどを行っている。今回のラピッドPSIの買収により、事業領域を実際の3Dプリンティングまで拡大することが可能になる。 GOエンジニアの創業者でCEOのケン・コバーン氏は、「ラピッドPSIをGOエンジニアファミリーの一員に迎い入れることにエキサイトしています。このインテグレーションにより、マニュファクチャリング業界に包括的なエンジニアリングソルーションを提供するというGOエンジニアのコミットメントをさらに強化することが可能になりました」とコメントしている。 ラピッドPSIは、FDM3Dプリンティング、SLA3Dプリンティング、SLS3Dプリンティングなどを使った各種の3Dプリンティングサービスを提供しているほか、プロダクショングレードのカスタマイズソルーションなどを提供している。
掲載日:2023年12月7日:全世界の医療用3Dプリンティング市場が2030年に74億7000万ドル規模へ成長
全世界の医療用3Dプリンティング市場が、2030年に74億7000万ドル(約1兆1205億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社コヘレント・マーケットインサイツがまとめたレポートは、2022年時点の全世界の医療用3Dプリンティング市場規模を18億7000万ドル(約2805億円)程度と見積もり、それが今後年率19.0%の成長率で成長を続け、2030年に同規模へ到達すると予想している。 同レポートは、医療用3Dプリンターの性能向上と価格低下、より高い安全性の確保、リードタイムの低下といった各ファクターが、全世界の医療現場での3Dプリンターの普及を促しているとしている。 現場のセクター別では、製薬セクターにおいて、個別の患者用にカスタマイズされた錠剤を製造する製薬3Dプリンターの普及が進むと予想している。 医療用3Dプリンティング市場における主要プレーヤーとしては、スリーディーシステムズ、ExOne、フォームラブズ、GE、マテリアライズ、オーガノボ、オックスフォード・パフォーマンス・マテリアルズ、プロトラブズ、ストラタシス、ニコンSLMソルーションズなどを挙げている。
掲載日:2023年12月6日:トヨタがストラタシスの最新シリーズ「F3300」を導入へ
トヨタがストラタシスの最新シリーズ「F3300」を導入するとして話題になっている。現地メディアの報道によると、トヨタはストラタシスの「F3300」を世界で始めて導入する「ローンチカスタマー」となる見込で、プロトタイピングやエンドユーズパーツの製造などに活用するとしている。 ストラタシスによると、「F3300」はパーツ製造コストが従来型のシリーズより最大で25%低く、造形精度も最大で25%程度向上している。ストラタシスは、「F3300」シリーズがトヨタが求めるハイスタンダードな仕様要求を満たしたものと評価している。 トヨタの先端技術マネージャーのエデュアルド・グズマン氏は、「F3300シリーズを我々のアディティブ・マニュファクチャリングオペレーティングに導入できることは、トヨタのコーポレートゴールを実現するための非常に大きなステップとなります。F3300は、会社全体における新たなアディティブ・マニュファクチャリング機会へ適応するための大きな武器になります」とコメントしている。 トヨタは、3Dプリンターの黎明期から3Dプリンターを活用してきた3Dプリンターのアーリーアダプターであることで知られる。トヨタは、黎明期においては特にSLA3Dプリンターを多用し、試作品などのプロトタイピングなどに広く活用してきた。
掲載日:2020年7月1日:後編|世界最高レベルの3Dプリンターで作られた 世界最大級のジオラマで見る日本橋
「3Dプリンターのこれからの課題と未来予想図」

先日リニューアルオープンした三井不動産レジデンシャルの「日本橋サロン(日本橋三井タワー内)」。そこで一際目をひくのが、日本橋の街を再現した巨大なジオラマだ。なんとこれは、世界最高レベルを誇るフルカラー3Dプリンターで100%出力されたもの。スケールの大きさも精密度も前例のない、この桁違いのプロジェクトとは?

稀代の浮世絵師、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれているシンボリックな暖簾(のれん)を垂らした呉服店「越後屋」。その老舗が日本橋の重要文化財として知られる三井本館が現在建っている場所にあったことは有名な話だが、そんな江戸文化が感じられる街、日本橋周辺を3.59km×2.36kmの範囲でジオラマ化するプロジェクトが、無事完成を迎えた。

世界最大級のジオラマを3Dプリンターですべて出力して組み上げるというこの前例のない試みについて、前編では完成したジオラマのディテールや制作過程を、中編ではいま3Dプリンターでつくる価値についてお届けした。
後編では、プロジェクトを通して見えた3Dプリンターの今後の課題や未来の展望について、当媒体「セカプリ」の代表で当プロジェクトの制作を担った木下謙一(株式会社ラナキュービックほかRANA UNITEDグループ代表取締役CEO)と山口修一(株式会社マイクロジェット代表取締役CEO)の両氏が語り尽くす。

世界最大級のジオラマから得られた収穫は計り知れない

木下「今回のジオラマは、何もかもが前例のないものでしたが、とても合理的にあらゆる作業ができましたし、これまでにないモノ作りが体験できました。大型のフルカラー3Dプリンターを3台以上、何十時間も連続して稼働し続けるというのはありえないことだと思いますが、最新のテクノロジーを使って、従来の日本人らしさと言われるような気合と根性とはまた違う方法論で、画期的なジオラマが完成したという実感があります」
山口「デジタルゆえの利点も多くありましたね。色味が合わないと分かった時点で、すぐに作り直しをしたり、その修正部分も2日後にはチェックできたりと、3Dプリンターで制作することはデジタルならではのパフォーマンスが随所に発揮されたと思います」結果大きなトラブルもなく完成を迎えたが、それだけにこのチャレンジから得られた収穫は計り知れない。これからのモノ作りやビジネスに活かせるヒントはいくつも見つかったようだ。
山口「まず今回の試みで、最大のリスクだったのが、稼働中に何らかのトラブルでプリンターが止まってしまうということですよね。結局3ヶ月間故障なく動き続けたわけですから、ミマキエンジニアリングさんにとってもいい前例が作れたと思います。個人的には、予想以上に3Dプリンターは安定していたなと感じました」
木下「そもそも前例のないことをやったので、最終的にこうなりますということがお見せできない状態からのスタートでした。クライアントをはじめプロジェクトチームのみなさんには非常に感謝しています」
山口「もし、最初の段階でこれは無理だと判断していたら今回の収穫はなかったわけですし、この実例は何か新しいビジネスのスタートになるかもしれませんね」これだけ大規模なジオラマを短時間で作り上げたことは、今後の3Dプリンターの使い方の道標にもなる。例えば、量産化できるホビーのツールや災害時の検証、ほかの使い方も模索できそうだ。山口「ホビーやフィギュアということであれば、フルカラーはまだまだコスト的に高いので難しいところはあると思います。ただ、自分で色を着けるということなら、ホビーの範疇として使える安価な3Dプリンターやその活用例は、次々に出てきています」
木下「シューズメーカーがソールの一部を3Dプリンターで作ったり、メガネメーカーがフレームを作ったり、デザインと掛け合わせて身近なもので使う例は、たくさんありますからね。そういった活用法は今後も広がるんじゃないでしょうか」
山口「3Dプリンターはますます市場を拡大していくと思います。これまでの製造業はマスプロダクション。言わば メーカーが規格を決めてそこから選ばせる“押しつけのものづくり” でした。しかし、いまはデジタル技術の活用によって、一人ひとりに自分のものを提供するマスカスタマイゼーションが重視される時代です。一人ひとりが自分にぴったりのものが欲しいと思う気持ちがある。3Dプリンターはそれを解放する技術です。このチャンスに挑戦する方が増えればと思います」

世界の技術に追いついていくために必要なこと
ますます身近になる3Dプリンター。モノ作りが得意な日本は、これからの未来に期待が持てそうだが、そもそも3Dプリンターの開発に関しては、現状、世界的に見てどんな立ち位置にいるのだろうか?
山口「残念ながらドイツなどの先進国に比べると、かなり遅れを取っていると思います。例えば日本で3Dプリンターの展示会をやると出展は50?100社程度ですが、最新のドイツで行われた展示会の出展社数は、800社以上ですから、全然規模も熱量も違うんですよ。また欧米では、3Dプリンティング関連産業が根付こうとしていますから。例えば今回のようなリアルなジオラマで、CGを使わず特撮をするというような観点など、角度の違う見方や活用方法でビジネスを考えていくことは必要だと感じますね」
木下「僕も今回やってみて、リアリティを目の当たりにすると従来のジオラマとは意味合いが変わったなと感じました。ジオラマは本来、現実の世界の建物や街を単に縮小したものですが、ここまでリアリティがあると、ちょっと違ったものに見えてきますね。それに共感や理解をしてくれる個人、企業と新しいビジネスを考えていくのはありだと思います」
日本橋の街の3Dプリンター製ジオラマを作ったことで、両氏にはまた新しいものが見えてきたようだ。ところで、今回のプロジェクトでは、やり残したと感じることはないのだろうか?
木下「時間がもうちょっとあれば、いろいろとできたかなとは思います。ひとつは、樹脂を中空にして樹脂の量もコストも削減できたのではないかということ。あとは、電車や車、船、人といった小道具をもっと使えば、さらにリアリティが出せたかなとは感じます。ですがそれは今からでも修正はできますし、街並みが変わればブロックごとに差し替えることもできます」
山口「リアリティと、そして追加修正が容易にできるのはデジタルの特性ですね。あと、日本橋周辺のジオラマを作ってわかったのですが、東京の土地活用は飽和していたかと思っていたのですが、上空から見ると低層建築が密集して空間がある場所が結構あることに、初めて気がつきました」
木下「そうですね。小さいビルと大きいビルの差が著しいところが結構ある。やはりリアルなジオラマを作ると新しい発見がありますね。都市機能を考えるうえでも、有意義な模型としてもいろいろ活用できたら嬉しいなと思います」
山口「あと3Dプリンターでいえば、もう少し子どもと触れ合う機会を増やしていきたいなとは思っています。実はゲームとは違って3Dプリンターは、大人と子どもが一緒になって楽しめるツールにもなるんです。単純に作りたい形になって立体物が出てくること自体体験したら楽しいですし、そうやって子どもの頃からプリンターに触れる経験があれば、もっとユニークなアイデアやビジネスが生まれるようになるかもしれません。私はそれを実現するための子どもと3Dプリンターを結びつける活動に、これからまた挑戦していきます」
■プロフィール
木下謙一(きのした・けんいち)
1969年生まれ。株式会社ラナデザインアソシエイツなどクリエイティブとソリューションを提供するラナグループの代表取締役CEO、武蔵野美術大学非常勤講師。1992年、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、NHKアート等を経て、1997年にラナデザインアソシエイツを設立。多くの著名企業のウェブサイト構築やアーティストのCDジャケット、広告ビジュアル、アプリ制作などを手がける。The New York Festivals、London International Advertisingawards、東京ADCほか受賞は多数。

山口修一(やまぐち・しゅういち)
1957年生まれ。株式会社3Dプリンター総研代表取締役CEO、株式会社マイクロジェット代表取締役CEO、一般社団法人日本3Dプリンター協会代表理事、工学博士、インクジェット&3Dプリンターコンサルタント。1983年、東京工業大学大学院理工学研究科修了後、エプソン株式会社(現セイコーエプソン株式会社)を経て1997年にマイクロジェット社を設立。以後、国内外でインクジェット技術普及のための講演活動や技術支援を積極的に行っている。2012年、『インクジェット時代がきた!』(光文社新書)を上梓。3Dプリンターやインクジェット関連の講演、論文、著作多数。