3Dプリンター技術研究所(InkJet&FDM熱溶解積層1
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ご挨拶
研究所 所長 工学博士 山口修一
(3D プリンター&インクジェットコンサルタント)
デジタルファブリケーション分野における、AM(Additive manufacturing)装置の中で、
低価格のFDMプリンターやインクジェット式の3Dプリンターが注目を集めていますが、
その本格的な進化は、これからと言えます。様々な情報があふれている中で、当研究所は
30年以上に及ぶインクジェット開発経験と様々な分野との接点やチャンネルを活かす
ことにより、3Dプリンター関連ビジネスの発展に寄与できるように努めて参ります。
山口修一 略歴
1983年 東京工業大学大学院、博士前期課程修了
1983年 大手プリンターメーカー入社。インクジェット開発に従事
1997年 マイクロジェット設立、代表取締役就任
2013年 大阪大学大学院、博士後期課程修了
2012年 著書 光文社新書『インクジェット時代がきた!』
3Dプリンターに関する講演、ラジオ出演多数
3Dプリンター技術研究所では下記のようなご要望にお応えすべく、日々技術革新と情報収集に努めています。
新着情報
2020/6/9
東京都済生会中央病院へフェイスシールドを無償提供
株式会社マイクロジェット、株式会社3Dプリンター総研、株式会社ラナエクストラクティブ、RANA CUBIC(RaNa Unitedグループ)の4社連携にて、新型コロナウイルス感染症対応に尽力されている東京都済生会中央病院への支援を目的として、3Dプリンター造形によるフェイスシールド100セットを無償提供いたしました
2019/11/18
formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
ヨーロッパ最大の3Dプリンターの展示会formnext 2019。 今年も報告セミナーを開催いたします。「formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/11/16
formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2018。 今年も報告セミナーを開催いたします。 「formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/7/2
第29回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第29回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/5/23
第29回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/20(水)~6/22(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東21-30
2018/2/19
3D Printing 2018展来場の御礼
3D Printing 2018展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/1/12
3D Printing 2018展 に出展致します。
2/14(水)~2/16(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6J-23
2017/11/10
formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2017。 今年も視察報告セミナーを開催いたします。「formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2017/6/26
第28回設計・製造ソリューション展 来場の御礼
第28回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/5/24
第28回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/21(水)~6/23(金)
東京ビッグサイト 東1ホール
ブース№43-29
2017/2/20
3D Printing 2017展来場の御礼
3D Printing 2017展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/1/16
3D Printing 2017展 に出展致します。
2/15(水)~2/17(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6L-22
2016/12/26
セミナーご参加の御礼
「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」 はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
2016/10/26
formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2016。 今年も視察報告セミナーを開催いたします。「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2016/6/27
第27回設計・製造ソリューション展 来場の御礼
第27回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2016/5/31
第27回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/22(水)~6/24(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東7-38
2016/2/3
3D Printing 2016展来場の御礼
3D Printing 2016展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/12/21
調査レポート先行予約開始のお知らせ
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』 の先行予約を開始いたしました。
2015/12/22
3D Printing 2016展 に出展致します。
1/27(水)~1/29(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6G-20
2015/12/11
セミナーご参加の御礼
「EuroMold2015 & formnextにみる3Dプリンター最前線セミナー」 はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
2015/8/26
視察ツアー募集開始のお知らせ
Euromold2015展 の現地解説ツアーを企画いたしました。
Euromold 2015 3Dプリンター現地解説ツアー
※お申し込みは終了しました
2015/8/18
講演会ご参加の御礼
先日行われました独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成27年度第1回3Dプリンターセミナーにて、当研究所所長山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/7/3
第26回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第26回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/28
第26回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/24(水)~6/26(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東8-38
2015/5/21
BIO tech2015展来場の御礼
BIO tech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/21
先日行われました長野県工業技術総合センター平成27年度科学技術週間行事にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/4/13
BIO tech2015展 に出展致します。
5/13(水)~5/15(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№4-47(微細加工ゾーン内)
2015/3/11
先日行われました長野県中小企業団体中央会平成26年度経営セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/2/18
nanotech大賞2015受賞報告
弊社は、nanotech2015展に出展し、
「nanotech大賞2015 日刊工業新聞社賞」を受賞いたしました。
2015/2/18
nanotech2015展来場の御礼
nanotech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/2/18
3D Printing 2015展来場の御礼
3D Printing 2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2014/12/19
nanotech2015展 に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東4~6ホール
ブース№ 5G-02
2014/12/19
3D Printing 2015展 に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6D-09
2014/12/19
先日行われました近畿化学協会機能性色素・エレクトロニクス部会東京地区合同公開講演会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/12/19
先日行われました日本印刷学会の2014年度プリプレス研究会にて、弊社の堀が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/23
先日行われました色材協会関東支部の印刷インキアドバンス講座にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/15
先日行われました農工大・多摩小金井ベンチャーポート9月セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/9/16
BioJapan 2014展 に出展致します。
10/15(水)~10/17(金)
パシフィコ横浜
ブース№ B101(中小機構ブース内)
2014/7/14
先日行われました大阪府工業協会の2014年度3Dプリンタ実践導入研究会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/7/14
先日行われました愛知県経営者協会機械金属部会総会の特別講演にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/5/27
第25回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/25(水)~6/27(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№7-40
2014/4/23
BIO tech2014展 に出展致します。
5/14(水)~5/16(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№8-1(バイオ医療開発ゾーン内)
2014/1/22
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2014/1/15
nanotech2014展 に出展致します。
1/29(水)~1/31(金)
東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
ブースNo.6-G21
2013/12/18
3Dプリンターセミナーの次回開催日は2014年2月の予定です。
2013/12/4
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2013/12/2
3Dプリンター技術研究所ホームページを新たにオープンしました。
セミナー・イベント情報
2019/12/21
【formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2019年12月20日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪) ※満席により、お申込みは終了しました
2018/12/10
【formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2018年12月7日(金)
開催場所:AP品川アネックス (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2017/11/10
【formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2017年12月15日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2016/12/26
【formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2016年12月22日(木)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2015/12/11
【EuroMold2015 & formnext にみる3Dプリンター最前線】
開催日 :2015年12月10日(木)
開催場所:AP品川
※満席により、お申込みは終了しました
2015/1/20
【EuroMold 2014 から見えてきた3Dプリンティングの未来】
開催日 :2015年1月21日(水)
開催場所:(株)3Dプリンター総研 セミナールーム
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/5/21
【3Dプリンター体験会】
開催日 :2014年5月24日(土)
開催場所:当研究所
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/1/22
【3Dプリンタ、造形材料開発者向け
セミナー】
開催日 :2014年3月6日(木)
開催場所:東京都内
※お申し込みは終了しました
新刊・レポ
2022/7/6 【最新書籍情報!】
2022年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 195頁 詳しくはこちら
2021/6/23 【最新書籍情報!】
2021年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 178頁 詳しくはこちら
2021/3/19 【最新書籍情報!】
世界の3Dプリンティング産業最前線 2021
体裁/A4判レポート(フルカラー)165頁 詳しくはこちら
2021/2/16【最新書籍情報!】
3Dプリンティング材料最新業界レポート
体裁/A4判 362頁 詳しくはこちら
2021/2/1【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用新規材料開発
体裁/B5判 380頁 詳しくはこちら
2020/7/20【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用材料開発と造形物の高精度化
体裁/A4判 469頁 詳しくはこちら
2020/5/15【最新書籍情報!】
2020年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 189頁 詳しくはこちら
2020/3/16【最新書籍情報!】
formnext2019 報告レポート刊行
体裁/A4判報告レポート 175頁 詳しくはこちら
2020/3/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と市場
体裁/B5判 241頁 詳しくはこちら
2019/8/30【最新書籍情報!】
3Dプリンター・造形材料の市場動向と最新業界レポート
体裁/A4判 239頁 詳しくはこちら
2019/5/20【最新書籍情報!】
2019年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 197頁 詳しくはこちら
2018/12/17【最新書籍情報!】
formnext2018 報告レポート刊行
体裁/A4判 220頁 フルカラー 詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と先進分野への応用
体裁/A4判 264頁 詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
2018年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 168頁 詳しくはこちら
2018/1/22【最新書籍情報!】
formnext2017 報告レポート
体裁/A4判 240頁超 フルカラー 詳しくはこちら
2017/6/21【最新書籍情報!】
2017年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 175頁 詳しくはこちら
2017/2/28
バイオ・医療への3Dプリンティング技術の開発最前線
体裁/B5判 上製 230頁 詳しくはこちら 2016/3/28
3Dプリンター・造形材料の開発動向と市場 ~IoT時代に求められるモノづくり~
体裁/A4判 並製 182頁 詳しくはこちら
2016/1/27
「新たなものづくり」3Dプリンタ活用最前線
体裁/B5判・270頁 詳しくはこちら
2015/12/21
【最新調査レポート情報!】
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』
体裁/A4判レポート・165頁フルカラー
詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『産業用3Dプリンターの最新技術・材料・応用事例』
体裁/B5判・280頁 詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『3Dプリンターの材料技術の開発動向と市場展開』
体裁/A4判・143頁 詳しくはこちら
2015/2/25
【最新調査レポート情報!】
『EuroMold2014 報告レポート』
<Euro Mold 2014から見えてきた3Dプリンティングの未来>
2014年11月25日より28日までの4日間ドイツのフランクフルトで開催されたEuroMold 2014。先日、報告会を開催いたしましたが、かねてからご要望のありましたレポート版が完成いたしました。
詳しくはこちら
2014/2/26
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンタに関する特許分析レポート』
「3Dプリンタ」に関連する特許を分析、さらに3Dプリンタを取り巻く環境情報(訴訟・市場) をコンパクトに整理致しました。
詳しくはこちら
2013/12/18
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンティング革命アメリカ最新レポート』
アメリカの3Dプリンターを利用したビジネスの数々を紹介!!
詳しくはこちら
2013/12/2
【おすすめ度No.1書籍】
3Dプリンターについて書かれた、
当研究所の所長の著作本は こちら
掲載日:2023年3月23日:Formnext 2023の出展申込企業数が過去最多の550社に
世界最大規模のアディティブ・マニュファクチャリング関連展示会のFormnext 2023の出展申込企業数が、過去最多の550社に達したことがわかった。主催者の発表によると、出展申し込み企業の62%はドイツ国外の企業だという。
現時点でスリーディーシステムズ、ビッグレップ、カーボン、DMG森精機、フォームラブズ、GEアディティブ、HP、キーエンス、マークフォージド、Nexa3D、レニショー、リコー、Roboze、サンドヴィック・アディティブ・マニュファクチャリング、シーメンス、SLMソルーションズ、ストラタシス、Velo3D、Voxeljet、BASF、ボッシュ、Evonik、ニコン、マテリアライズなどの出展申し込みが確認されている。
Formnext 2022は、2022年11月15日から18日の四日間ドイツのフランクフルトで開催され、802社のアディティブ・マニュファクチャリング関連企業が出展した。日本からも三菱化学、リコー、DMG森精機などが出展した。
Formnextの主催者メサゴ・メッセ・フランクフルトのFormnext担当副社長のサシャ・ヴェンズラー氏は、「アディティブ・マニュファクチャリング業界は物凄いスピードで進化しています。特にスタートアップ企業や中小企業にとって成長のための重要な機会を提供しています。Formnextが、そうした企業にとって革新するためのチャンスを提供する場になると信じています」とコメントしている。
Formnext 2023は、今年2023年11月7日から10日の四日間ドイツのフランクフルトで開催される。
掲載日:2023年3月22日:ストラタシスの取締役会がナノ・ディメンションの買収提案を拒否
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの取締役会が、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションによる買収提案を拒否していたことがわかった。ナノ・ディメンションは、ストラタシスの発行済み株式の全株を一株18ドルの総額11億ドル(約1485億円)で買収するオファーを提示していた。
ナノ・ディメンションは、これまでにストラタシスの発行済み株式の14.5%を保有する大口株主となっている。
ストラタシスの取締役会が発表した声明によると、ストラタシスの取締役会はストラタシスが独立した存在でいることがステークホルダーにとって最大の価値を生じると判断したとしている。ストラタシスの取締役はストラタシスの株主に対し、現時点ではナノ・ディメンションによる買収提案に対して何のアクションもとらないことを推奨するとしている。
ナノ・ディメンションは、これまでに総額で15億ドル(約2025億円)の資金を調達し、直近の現金および現金相当資産保有額は12億ドル(約1620億円)となっている。ナノ・ディメンションに対しては、大手資産運用会社のブラックロックや、モルガンスタンレー、UBS、ARKなどの大手金融機関が出資している。
掲載日:2023年3月21日:ストラタシスの筆頭株主がナノ・ディメンションの買収提案を拒否
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの筆頭株主のマーチンソンが、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションによる買収提案を拒否していたことがわかった。ナノ・ディメンションは、ストラタシスの発行済み株式の全株を一株18ドルの総額11億ドル(約1485億円)で買収するオファーを提示していた。
ナノ・ディメンションは、これまでにストラタシスの発行済み株式の14.5%を保有する大口株主となっている。
ナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOは、「我々はストラタシスの直近のモメンタムを作り上げたヨアヴ・ツァイフCEOを筆頭とするストラタシスのビジネスに尊敬の念を抱いています。ナノ・ディメンションとストラタシスが一緒になることでアディティブ・マニュファクチャリングの世界においてよりすぐれたソルーションを提供することが可能になるでしょう。ナノ・ディメンションによるストラタシスの買収は、株主、顧客、経営陣、従業員、ビジネスパートナーといったすべてのステークホルダーにとって類まれな機会を提供してくれるでしょう」とコメントしている。
ナノ・ディメンションは、これまでに総額で15億ドル(約2025億円)の資金を調達し、直近の現金および現金相当資産保有額は12億ドル(約1620億円)となっている。ナノ・ディメンションに対しては、大手資産運用会社のブラックロックや、モルガンスタンレー、UBS、ARKなどの大手金融機関が出資している。
掲載日:2023年3月20日:Nexa3DがXYZプリンティングのSLS3Dプリンター事業を買収
アメリカの3DプリンターメーカーのNexa3Dが、台湾の3DプリンターメーカーのがXYZプリンティングのSLS3Dプリンター事業を買収することがわかった。買収金額や買収条件などについては明らかにされていない。
買収完了後、XYZプリンティングのSLS3Dプリンター「MfgPro230xS」シリーズと「MfgPro236xS」シリーズは、新たにNexa3Dのブランドで販売される。「MfgPro230xS」シリーズと「MfgPro236xS」シリーズは、いずれもポリマー系パウダーを素材に造形するSLS3Dプリンター。素材はPA11、PA12、PBT、PP、TPU88、TPU75などが使用できる。
Nexa3Dは、XYZプリンティングのSLS3Dプリンター事業買収についての詳細な情報を数週間以内に明らかにするとしている。
Nexa3Dは、2014年にアヴィ・レイチェンタル氏らが設立した3Dプリンターメーカー。アヴィ・レイチェンタル氏は、2003年から2015年までスリーディーシステムズのCEOを務め、同社を世界的な3Dプリンターメーカーに育て上げた。同氏は2015年に業績低迷と株価下落などの責任を取り、スリーディーシステムズのCEOを辞任した。
掲載日:2023年3月19日:SQ4Dが広さ2000平方フィートの3Dプリント住宅の販売を開始
ニューヨーク・ロングアイランドに拠点を置く建設3Dプリンティング企業のSQ4Dが、広さ2000平方フィート(約185.8平方メートル)の3Dプリント住宅の販売を開始した。4ベッドルーム、2バスルーム付きの平屋建て住宅はコンクリート製で、価格は49万9999ドル(約6749万円)。現地時間の2022年3月18日と19日にオープンハウスが行われた。SQ4Dが開発した建設3Dプリンター「オートノマス・ロボティック・コンストラクション・システム」(ARCS)で建設した。
SQ4Dのプロジェクトマネージャーのチャールズ・ウィーンローブ氏は、「過去五年間で500件以上の住宅を建設してきましたが、建設コストの上昇と現場作業員の不足に常に苦しまされてきました。建設3Dプリンターを活用することで美しいサステナブルな住宅を建設でき、健全な利益を確保することができます」とコメントしている。
SQ4Dは、ニューヨーク市内でさらに25件の建設許可を取得し、順次工事を開始するとしている。
カリフォルニア州、ニューヨーク州、テキサス州、フロリダ州などの各都市では人口流入が続き、住宅不足が深刻になっている。住宅不足は大工などの人件費を高騰させ、住宅不足をさらに悪化させる悪循環になっている。ある関係者は、都市部を中心に、建設3Dプリンターの導入が今後さらに進むと予想している。
掲載日:2023年3月18日:COBODインターナショナルが建設3Dプリンティング市場の40%シェアを獲得と発表
デンマークの建設3Dプリンティング企業のCOBODインターナショナルが、全世界の建設3Dプリンティング市場の40%シェアを獲得したと発表した。COBODインターナショナルによると、昨年2022年に行われた全世界の建設3Dプリンティングプロジェクト件数は129件で、そのうち51件がCOBODインターナショナルのプロジェクトだったとしている。二位にはアメリカの建設3Dプリンティング企業のICONがランクインし、15件のプロジェクトを実施したとしている。
129件のプロジェクトのうち、北米市場で行われたプロジェクトが41件と最大だった。次いでアジア(28件)、ヨーロッパ(21件)、中東(17件)、アフリカ(17件)、ラテンアメリカ(5件)と続いた。
COBODインターナショナルの創業者でジェネラルマネージャーのヘンリック・ラン=ニールセン氏は、「我々がより多くの建設3Dプリンターを販売するということは、資材などの付随製品の販売拡大につながり、最終的にはより多くの建設3Dプリンティングプロジェクトが生じることになります。今回の調査の結果は、あからさまな事実を示したものだと言えるでしょう」とコメントしている。
COBODインターナショナルの建設3Dプリンターは、これまでにアメリカ、ヨーロッパ諸国、アフリカ、中東などの各地で導入されている。
掲載日:2023年3月17日:ナノ・ディメンションのスターンCEOがストラタシスの株主にビデオメッセージを配信
イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOが、大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの株主へ向けてビデオメッセージを配信した。ビデオメッセージは27分12秒の長さで、動画配信サイトYouTubeにアップロードされている。
ビデオメッセージの中でスターン氏は、ストラタシスの株主がナノ・ディメンションにストラタシスの株式を一株18ドルで売却することがいかに経済合理的であるかを訴えている。
スターン氏はまた、ストラタシスの経営がポリマー素材の販売に極端に依存していることや、過去に行ったM&Aが失敗に終わったことなどを指摘し、ストラタシスの経営陣を批判している。
スターン氏は、ストラタシスのビジネスモデルは脆弱であり、売上高や利益率は2018年以降順次低下していると指摘している。
ナノ・ディメンションは、ストラタシスの株主に対し、ストラタシスの発行済み株式の全株を一株18ドルの総額11億ドル(約1485億円)で買収するとしている。一株18ドルは、ストラタシスの現在の株価に36%程度のプレミアムを上乗せた価格だとしている。
ナノ・ディメンションによる買収オファーに関して、今のところストラタシスの経営陣によるコメントなどは確認できていない。
掲載日:2023年3月16日:全世界の建設3Dプリンティング市場が2031年に7508億ドル規模へ成長
全世界の建設3Dプリンティング市場が2031年に7508億ドル(約101兆3580億円)規模へ成長すると予想したレポートが公開された。アメリカの市場調査会社アライド・マーケットリサーチがまとめたレポートによると、2021年時点で14億ドル(約1890億円)規模と推定された全世界の建設3Dプリンティング市場は、今後年率87.3%の成長率で成長を続け、2031年までに同規模へ到達するとしている。
市場セクターでは民間の住宅建設需要が市場拡大を牽引するほか、国や自治体などの公共事業セクターの建設3Dプリンティングへの投資拡大が市場の成長をリードするとしている。
建設3Dプリンティングの方式ではエクストルージョン方式の建設3Dプリンティングと、パワーボンディングの建設3Dプリンティングが主流になるとしている。
建設3Dプリンティング市場における主なプレーヤーとしては、エイピス・コア、ブランチ・テクノロジー、COBODインターナショナル、コンストラクションズ3D、コンツアー・クラフティング、Cybe建設、ICONテクノロジー、マイティ・ビルディングズ。MX3D、PERIグループ、WASPデザインズ、スカンスカAB、XツリーEなどを挙げている。
掲載日:2023年3月15日:Velo3Dがシリコンバレー銀行の経営破綻に関する声明を発表
カリフォルニア州キャンプベルに拠点を置く大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dが、先週経営破綻したシリコンバレー銀行の経営破綻に関する声明を発表した。それによると、Velo3dはシリコンバレー銀行と取引はあったものの、預金額が400万ドル(約5億4000万円)に過ぎず、Velo3Dの経営に影響を与えることはないとしている。また、シリコンバレー銀行とクレジットライン契約を締結しているものの、現時点で利用する予定はないとしている。
シリコンバレー銀行は、カリフォルニア州サンタクララに拠点を置く銀行。多くのテクノロジー企業が集まるシリコンバレーに顧客基盤を持ち、アディティブ・マニュファクチャリング関連企業を含む多くのスタートアップ企業と取引していた。シリコンバレー地区では独占的ポジションを確保し、経営は安定しているように見えていた。しかし、先週発表した2023年度第一四半期決算で所有するすべての証券を売却すると発表、シリコンバレー銀行の株価が暴落し、同時に顧客が預金の引き出しを始め、資金繰りが払底していた。
Velo3Dのメタル3Dプリンターは、主にロケット製造などの航空宇宙産業セクターで広く使われている。同社の顧客にはスペースX、ハネウェル、ブーム・スーパーソニック、クロマロイ、ラム・リサーチなどが含まれている。
掲載日:2023年3月14日:Velo3Dが2023年度アディティブ・マニュファクチャリング・ロードショーの日程を発表
カリフォルニア州キャンプベルに拠点を置く大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dが、2023年度アディティブ・マニュファクチャリング・ロードショーの日程を発表した。「証拠はプリンティングにある」(Proof is in the Printing)と名づけられたロードショーは昨年に続いて行われるもので、Velo3Dのメタル3Dプリンターを搭載した大型トレーラーが全米8都市でデモンストレーションを行う。昨年のロードショーでは全米各地で400名以上のエンジニアが参加した。
ロードショーの開催地と日程は以下の通り:
アリゾナ州フェニックス 2023年3月29日
コロラド州デンバー 2023年4月27日
テキサス州ヒューストン 2023年5月17日
フロリダ州ジュピター 2023年6月15日
カリフォルニア州ロングビーチ 2023年8月17日
ミシガン州デトロイト 2023年9月20日
カリフォルニア州フリモント 2023年10月19日
オハイオ州シンシナティ 2023年11月23日
いずれの開催地においても半日日程のイベントとして開催される。イベントではメタル3Dプリンターのデモンストレーションに加え、Velo3Dの社員、ユーザー、パートナーなどによるプレゼンテーションも行われる。
掲載日:2023年3月13日:リラティビティ・スペースがテラン1ロケットの打上げを中止
カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置くロケットメーカーのリラティビティ・スペースが、現地時間のアメリカ東部時間の2023年3月11日土曜日13時に予定していたテラン1ロケットの打上げを中止した。フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられる予定だったテラン1ロケットは、安全圏内に民間の船舶が進入したことと、天候上の懸念により、打上げ70秒前に中止となった。
リラティビティ・スペースは、当初2023年3月8日にテラン1ロケットの打上げを予定していたが、ロケット燃料の温度に懸念が生じたとして打上げを3月11日に延期していた。
テラン1ロケットの新たな打上げ予定日は、これまでのところ明らかにされていない。
全長35メートルのテランロケットは、全体の85%が3Dプリンターで作られた「3Dプリントロケット」。3Dプリンターを活用することで製造コストと製造時間を大幅に削減している。
テラン1ロケットは、スペースXやブルーオリジンなどの競合他社のロケットよりも100分の1の数の部品で製造できるとしている。同社は2021年内にテラン1ロケットの初打ち上げを予定していたが、新型コロナウィルスのパンデミックの影響などによりスケジュールに遅れが生じていた。
掲載日:2023年3月12日:ストラタシスが2022年度通年決算を発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、2022年度通年決算を発表した。それによると、同社の2022年度の売上高は6億5150万ドル(約879億5250万円)で、前年比で7.3%のプラスとなった。GAAP(米国標準会計基準)ベースの営業収支は1350万ドル(約18億2250万円)の黒字で、前年の170万ドル(約2億2950万円)の赤字から黒字転換を果たした。修正後EBITDA(利子、税、減価償却前利益)は3610万ドル(約48億7350万円)で、前年の2260万ドル(約30億5100万円)から増加した。
ストラタシスのヨアブ・ツァイフCEOは、「我々の製品、特にアディティブ・マニュファクチャリングポリマーシステムと消耗部品に対する需要の存在が強く示されていることに鼓舞されています。我々の製品部門とカスタマーサービスの売上は、企業の支出調整が段階的に緩和されてゆくにつれてさらに増加することが期待されています。これまでに築き上げてきた技術基盤とともに、我々は市場シェアのさらなる拡大のための優位なポジションを確保しています」とコメントしている。
2022年度通年決算の発表とともに、ストラタシスは2023年度通年の売上高を6億2000万ドル(約837億円)から6億7000万ドル(約904億円)のレンジにアップデートした。
掲載日:2023年3月11日:ナノ・ディメンションがストラタシスに買収をオファーか
イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに買収をオファーしたとして話題になっている。現地メディアの報道によると、ナノ・ディメンションは、ストラタシスの発行済み株式の全株を一株18ドルの総額11億ドル(約1485億円)で買収するとしている。一株18ドルは、ストラタシスの現在の株価に36%程度のプレミアムを上乗せた価格だという。
ナノ・ディメンションの会長兼CEOのヨアヴ・スターン氏は、「我々はストラタシスのビジネスと、ストラタシスの近年のポジティブなモメンタムを築いてきたCEOのヨアヴ・ツァイフ氏に対して大きな尊敬の念を抱いています。ナノ・ディメンションとストラタシスが一緒になることで、アディティブ・マニュファクチャリング業界におけるすべての顧客にエキサイティングなソルーションを提供してゆくことが可能になります。また、株主、顧客、経営陣、従業員、ビジネスパートナーといったすべてのステークホルダーに対しての比類なきベネフィットになると確信しています」とコメントしている。
ナノ・ディメンションは、これまでに総額で15億ドル(約2025億円)の資金を調達し、直近の現金および現金相当資産保有額は12億ドル(約1620億円)となっている。ナノ・ディメンションに対しては、大手資産運用会社のブラックロックや、モルガンスタンレー、UBS、ARKなどの大手金融機関が出資している。
掲載日:2023年3月10日:リラティビティ・スペースがテラン1ロケットの打上げを延期
カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置くロケットメーカーのリラティビティ・スペースが、現地時間のアメリカ東部時間の2023年3月8日13時に予定していたテラン1ロケットの打上げを延期した。燃料の温度に懸念が生じたためとしている。リラティビティ・スペースは、次の打ち上げ予定日を現地時間の2023年3月11日土曜日午後1時から4時までの間としている。
全長35メートルのテランロケットは、全体の85%が3Dプリンターで作られた「3Dプリントロケット」。3Dプリンターを活用することで製造コストと製造時間を大幅に削減している。
リラティビティ・スペースのシニアバイスプレジデントのジョッシュ・ブロスト氏は、「テラン1ロケットの打上げにより、一度にたくさんの画期的なものをお見せすることができます。テラン1ロケットは、人類史上もっとも大きな3Dプリント構造物です。実際に打上げることで、これまで検証ができなかった部分の検証が可能になります」とコメントしている。
テラン1ロケットは、スペースXやブルーオリジンなどの競合他社のロケットよりも100分の1の数の部品で製造できるとしている。同社は2021年内にテラン1ロケットの初打ち上げを予定していたが、新型コロナウィルスのパンデミックの影響などによりスケジュールに遅れが生じていた。
掲載日:2023年3月9日:ICONがキャンプグラウンドホテルを建設へ
米テキサス州オースティンに拠点を置く建設3DプリンターメーカーのICONが、ホテル経営者のリズ・ランバートと共同でキャンプグラウンドホテルを建設する。発表によると、両社はテキサス州マーファにある既存のキャンプグラウンドホテルを21エーカー(約84,984平方メートル)から65エーカー(約263,046平方メートル)の広さに拡張し、1200平方フィート(約111.5平方メートル)から2200平方フィート(約204.4平方メートル)のサイズのキャンプグラウンドホテルを建設するとしている。設計はBjarke Ingels Group(BIG)で、 2024年の開業を予定している。
ICONの共同創業者でCEOのジェイソン・バラード氏は、「ICONで仕事をすることの最大の喜びは、我々のテクノロジーを才能あふれる人たちの手に渡し、新たな可能性が生まれてくることを目撃できることです。リズ・ランバートとBIGとのコラボレーションは夢であり、建設デザインとアーキテクチャーの世界の最前線に立てることは大きな誇りです。リズ・ランバートは真にクールな女王であり、テキサスが誇る国家級の誇りです。彼女の宇宙のようなイマジネーションを現実のものにできることは驚くべきことです」とコメントしている。
リズ・ランバートは、2000年代初頭に経営破綻寸前のモーテルを買い取り、ブティックホテルにリノベートして成功させた異色のホテル経営者として知られる人物。
掲載日:2023年3月8日:Velo3Dが2022年度第四四半期決算を発表
カリフォルニア州キャンプベルに拠点を置く大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dが2022年度第四四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は2980万ドル(約40億2300万円)で、前年通期の1040万ドル(14億400万円)から大幅に増加した。非GAAP(米国標準会計基準)ベースの経常収支は1640万ドル(約22億1400万円)の赤字で、前年通期の1750万ドル(約23億6250万円)の赤字から若干改善した。
同時に発表された2022年度通年の売上高は8080万ドル(約109億800万円)で、前年の2740万ドル(約36億9900万円)から大幅に増加した。通年の非GAAP(米国標準会計基準)ベースの経常収支は8300万ドル(約112億500万円)の赤字だった。
2022年度第四四半期決算についてVelo3Dのベニー・ビュラーCEOは、「第四四半期の強固なパフォーマンスを見せられたことに大変興奮しています。当初の売上見込みを超過し、顧客基盤を拡大し、テクノロジーリーダーシップを維持することができました。多くのチャレンジがありましたが、2022年全般はVelo3Dにとって重要で成功した一年になりました。売上を三倍にし、製品のラインアップも拡充しました。我々のサファイアシリーズ3Dプリンターに対する需要は旺盛であり、今後もそれに確実に対応してゆきます」とコメントしている。
掲載日:2023年3月7日:ビヨンド・ミートのイーサン・ブラウンCEOが2022年度第四四半期決算についてのコメントを発表
アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートのイーサン・ブラウンCEOが、2022年度第四四半期決算についてのコメントを発表した。現地時間の2023年2月25日に発表された同決算では、売上高7990万ドル(約107億8650万円)、経常収支6690万ドル(約90億3150万円)の赤字と発表されていた。
ブラウンCEOは、「2022年度第四四半期決算をもって、2022年と言う我々と我々の業界にとってチャレンジングな一年が終わりました。この一年は、インフレと代替肉に対するニーズの落ち込み、そして経済全体の低迷に苦しまされた一年でした。通常の肉の二倍の値段がする代替肉が避けられる状態は、消費者の購買力が落ちる中では当然に理解できることです。代替肉の値段が下がれば、消費者の購入パターンを変化させられる可能性があります」とコメントしている。
アメリカではインフレの進行が続いていて、アメリカ商務省の発表によると、今年2023年1月までの一年間で食品の価格は11.3%上昇している。高騰する食品価格は、ビヨンド・ミートの製品を含む代替肉の売上にも影響を与えており、ビヨンド・ミートの売上を大きく減少させている。
ビヨンド・ミートは、2022年度通年で3億6600万ドル(約494億円)の営業赤字を計上している。
掲載日:2023年3月6日:マークフォージドが2022年度第四四半期決算を発表
アメリカの3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のマークフォージドが、2022年度第四四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は2970万ドル(約40億950万円)で、前年同期の2660万ドル(約35億9100万円)から11%増加した。
営業収支は1070万ドル(約14兆4450万円)の赤字で、前年同期の330万ドル(約4億4550万円)の赤字から大幅に悪化した。
非GAAP(米国標準会計基準)ベースの収支は1330万ドル(約17億9550万円)の赤字で、前年同期の1120万ドル(約15億1200万円)から悪化した。
同時に発表された2022年度通年の売上高は1億100万ドル(約136億3500万円)で、前年通期の9120万ドル(約123億1200万円)から11%増加した。
2022年度通年の営業収支は2540万ドル(約34億2900万円)の赤字で、前年通期の390万ドル(約5億2650万円)から大幅に悪化した。
非GAAP(米国標準会計基準)ベースの収支は6010万ドル(約81億1350万円)の赤字で、前年通期の3510万ドル(約47億3850万円)から悪化した。
掲載日:2023年3月5日:全世界の3Dプリンティング市場が2032年に886億ドル規模へ拡大
全世界の3Dプリンティング市場が2032年に886億ドル(約11兆9610億円)規模へ拡大すると予想したレポートが発表された。カナダの市場調査会社プレセデンス・リサーチが発表したレポートによると、2022年時点で175億ドル(約2兆3625億円)規模と推定される全世界の3Dプリンティング市場は、医療、自動車、航空宇宙、防衛、ファッション、食品などの幅広い領域で拡大し、2032年までに同規模に拡大するとしている。
2022年時点のコンポーネントシェアでは、3Dプリンターなどのハードウェアセグメントの売上高が全体の61%を占めた。また、プリンターのタイプでは、SLS3Dプリンターなどの工業用3Dプリンターのシェアがハードウェアセグメントの71%を占めた。
ソフトウェアセグメントでは、CADソフトなどのデザインソフトウェアのシェアが最大で、全体の31%を占めた。
2032年時点での主なプレーヤーとしては、ストラタシス、スリーディーシステムズ、GEアディティブ、ExOne、HP、デスクトップメタル、マークフォージド、カーボンなどが挙げられた。
エリア別シェアではアメリカとカナダの北米市場が最大で、全体の32%を占めた。
掲載日:2023年3月4日:デスクトップメタルが2022年度第四四半期決算を発表
アメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルが、2022年度第四四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は6056万ドル(約81億7560万円)で、前年同期の5668万ドル(約76億5180万円)から6.85%増加した。一株当たりの営業収支は0.09ドル(約12.15円)の赤字で、前年同期の0.12ドル(約16.2円)の赤字から若干改善した。事前のコンセンサス予想は0.1ドル(約13.5円)の赤字だった。デスクトップメタルは、四四半期連続で事前のコンセンサス予想を上回る売上高と営業赤字の改善を確保した形となった。
デスクトップメタルは、今年2月に従業員の15%のレイオフを含む一連のコスト削減計画を実施している。これら一連のリストラクチャリングプランの実施により、デスクトップメタルは2023年度の一年間で5000万ドル(約65億円)のコストを削減できるとしている。
リストラクチャリングプランの発表を受け、ニューヨーク証券取引所で取引されているデスクトップメタルの株は2023年2月3日に2.22ドルまで上昇して取引を終えた。
本記事執筆時点(現地時間の2023年3月3日)では、デスクトップメタルの株は2.25ドルで取引されていて、前日比で10.29%のプラスとなっている。
掲載日:2023年3月3日:ストラタシスが2022年度第四四半期決算を発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、2022年度第四四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億5930万ドル(約213億550万円)で、前年同期比で4.6%のマイナスとなった。3Dプリンター製品の売上高は1億1120万ドル(約150億1200万円)で、前年同期比で5.8%のマイナスとなった。システム関連の売上高が5490万ドル(約74億1150万円)で前年同期比で11.1%のマイナスとなり、全体の足を引っ張る形となった。
サービス関連の売上高は4810万ドル(約64億9350万円)で、前年同期比で1.9%のマイナスだった。サービス関連の売上高のうち、カスタマーサポート関連の売上高は前年同期比で1.9%増加した。
非GAAP(米国標準会計基準)ベースの営業収支は510万ドル(約6億8850万円)で、前年同期の170万ドル(約2億2950万円)から増加した。また、修正後EBITDA(利子、税、減価償却前利益)は前年同期比で35.4%増加し、1070万ドル(約14億4450万円)だった。
2022年度第四四半期末時点でストラタシスが保有する現金および現金相当資産の額は3億2780万ドル(約417億円)で、前年同期末時点の3億4870万ドル(約470億745円)から減少した。
2022年度第四四半期決算の発表を受け、NASDAQで取引されているストラタシスの株は、前日終値から4.7%値上がりして取引を終えた。
掲載日:2023年3月2日:スリーディーシステムズが2022年度第四四半期決算と通年決算を発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、2022年度第四四半期決算と2022年度通年決算を発表した。それによると、同社の2022年度第四四半期の売上高は1億3270万ドル(約179億1450万円)で、前年同期比で12%のマイナスとなった。3Dプリンター製品の売上高が9470万ドル(約127億8450万円)で、全体の71.4%を占めた。サービス関連の売上高は3800万ドル(約51億3000万円)で、全体の28.6%を占めた。
医療関連の売上高は6070万ドル(約81億9450万円)で、前年同期比で5.5%のマイナスとなった。工業関連の売上高は7200万ドル(約97億2000万円)で、前年同期比で5.7%のマイナスとなった。
非GAAP(米国標準会計基準)ベースの営業収支は990万ドル(約13億3650万円)の赤字で、前年の1240万ドル(約16億7400万円)の赤字から若干改善した。修正後EBITDA(利子、税、減価償却費控除前利益)は480万ドル(約6億4800万円)の赤字だった。
2022年度通年の売上高は5億3800万ドル(約726億3000万円)で、前年比で12.6%のマイナスとなった。非GAAPベースの営業収支は2690万ドル(約36億3150万円)の赤字だった。
掲載日:2023年3月1日:アメリカ海軍の潜水艦に3Dプリンターが搭載
アメリカ海軍の潜水艦に3Dプリンターが搭載されたとして話題になっている。アメリカの現地メディアの報道によると、3Dプリンターが搭載されたのはアメリカ海軍のバージニア級原子力潜水艦ニューハンプシャー。搭載されたのはアメリカの3DプリンターメーカーのマークフォージドのX7シリーズ3Dプリンターで、ニューハンプシャー用に改良されているという。X7シリーズ3Dプリンターは、ナイロン系樹脂を素材にするFDM方式の3Dプリンター。
3Dプリンターが搭載された理由や目的については明らかにされていないが、潜水艦内で消耗部品の製造などの試験を行うものと見られている。
ニューハンプシャーは、アメリカ海軍の攻撃型潜水艦でバージニア級原子力潜水艦の第5番艦。2003年8月14日に発注され、2004年1月に起工、2008年6月に海軍へ引き渡された。全長114.9メートル、全幅10.3メートルの大きさで、134名の乗員を収容できる。
アメリカ海軍では3Dプリンターを艦船に搭載するケースが続いている。アメリカ海軍の原子力空母エセックスにも3Dプリンターが搭載され、消耗部品の製造やプロトタイピングなどの試験が行われている。
掲載日:2023年2月28日:スリーディーシステムズが中国への違法輸出で2700万ドルの和解金を支払いへ
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、中国への違法輸出で2700万ドル(約36億4500万円)の和解金の支払いについてアメリカ政府と合意していたことがわかった。
現地メディアの報道によると、スリーディーシステムズは、軍事用飛行機用部品や電子機器の設計図、ブループリント、技術関連情報などをサービスビューローのクイックパーツを経由して中国に電子メールで送信していたという。送信された書類の中には、アメリカ政府の輸出許可が必要なものが複数含まれていたという。
スリーディーシステムズはまた、NASAやアメリカ国防省の随意契約に関する技術上のデータが記された書類なども中国へ送信していたとしている。
またアメリカ商務省によると、スリーディーシステムズは、輸出許可なしで3Dプリンター用メタル合金パウダーを中国へ輸出したとしている。
スリーディーシステムズは、「アメリカ政府の各省と和解できたことに大変安堵しています。今後もアメリカ政府が定めた輸出規制プログラムを遵守してゆきます」とコメントしている。
アメリカ政府は、昨年2022年度一年間で別の三社に対して、中国への違法輸出に対して処分を課している。
掲載日:2023年2月27日:プロトラブズが2022年度第4四半期決算を発表
アメリカの大手デジタルマニュファクチャリングサービスビューローのプロトラブズが2022年度第4四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億1560万ドル(約156億600万円)で、前年同期比で6.5%のマイナスとなった。買収した3Dプリンティングマッチングプラットフォームのハブズの売上高は1480万ドル(約19億9800万円)で、前年同期比で49.6%のプラスとなった。同期間中に同社が製造したプロトタイプなどのパーツ点数は2万2205点だった。
一株当たり利益は0.26ドル(約35.1円)で、アナリストの事前予想の0.21ドル(約28.35円)を若干上回った。
2022年度第4四半期決算についてプロトラブズのロブ・ボーダー社長兼CEOは、「インフレや経済低成長、そしてサプライチェーン停滞といったチャレンジングな経済環境の中、プロトラブズとハブズのチームは顧客に最大限のバリューを提供し、世界でも最高クラスのデジタルマニュファクチャリングプラットフォームを構築してきました。2023年度は、より良いポジションを獲得してさらに差別化してゆくことになるでしょう」とコメントしている。
プロトラブズは1999年設立。ミネソタ州メープルプレーンズに拠点を置く手デジタルマニュファクチャリングサービスビューロー。アメリカをはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデンでも事業を展開している。プロトラブズは、日本市場からは昨年2022年6月をもって撤退している。
掲載日:2023年2月26日:BWT・アルピーヌF1チームがスリーディーシステムズの3Dプリンターを導入
フランスのF1レーシングチームのBWT・アルピーヌF1チームが、スリーディーシステムズの3Dプリンターを導入したとして話題になっている。BWT・アルピーヌF1チームが導入したのは四台のスリーディーシステムズSLA7503Dプリンティングシステムで、レーシングカーの消耗部品の製造やプロトタイピングに使うとしている。BWT・アルピーヌF1チームは、年間2万5千点の消耗部品を利用している。
BWT・アルピーヌF1チームのベン・マロック氏は、「スリーディーシステムズのSLA750シリーズが持つ精密エンジニアリングの能力に大きな感銘を覚えました。BWT・アルピーヌF1チームはスリーディーシステムズと長年にわたってパートナーシップを構築し、3Dプリンティングテクノロジーの革新による恩恵を初期の頃より受けてきました。SLA750シリーズについても、ベータ版のフェーズより開発に参加してきました」とコメントしている。
BWT・アルピーヌF1は、フランスの自動車ブランド「アルピーヌ」の名を冠したF1コンストラクター。前身ルノーF1チームから改称し、リニューアルして誕生した。運営はアルピーヌ・レーシングとなっている。2022年にアストンマーティンF1のスポンサーだったオーストリアのBWTを迎え、エントリー名を「BWT・アルピーヌF1」に改めた。
掲載日:2023年2月25日:ビヨンド・ミートが2022年度第4四半期決算を発表
アメリカの代替肉メーカーのビヨンド・ミートが、2022年度第4四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は7990万ドル(約107億8650万円)で、アナリスト予想の7570万ドル(約102億1950万円)を上回った。経常収支は6690万ドル(約90億3150万円)の赤字で、前年同期の8040万ドル(約108億5400万円)から若干改善した。一株当たりの損失は1.05ドル(約141.75円)だった。
アナリスト予想を上回る結果を受け、NASDAQで取引されている同社の株は前日比で14%上昇して取引を終えた。
売上高の減少はアメリカ国内の減少が特に著しく、前年同期比で20.9%のマイナスとなった。ビヨンド・ミートは、特にスーパーマーケットなどのサービスセグメントの売上高が減少したことが影響したとしている。
ビヨンド・ミートは、2023年度の通年の売上高のレンジを3億7500万ドル(約506億2500万円)から4億1500万ドル(約560億2500万円)程度と見込んでいる。
ビヨンド・ミートでは現金の流出が続いており、キャッシュフローがマイナスの状態が恒常化している。ビヨンド・ミートは、今年2023年度第二四半期までにキャッシュフローを均衡させたいとしている。
掲載日:2023年2月24日:リラティビティ・スペースがテラン1ロケットの打上げ予定日を発表
カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置くロケットメーカーのリラティビティ・スペースが、テラン1ロケットの打上げ予定日を発表した。それによると、テラン1ロケットの初打上げは、アメリカ東部時間の2023年3月8日13時に行われる。
テラン1ロケットは全長110フィート(約33.52メートル)の二段式ロケットで、最大1250㎏の物体を低周回軌道へ打ち上げることが出来る。テラン1ロケットはまた、ロケット本体やロケットエンジンの主要部分の90%を自社開発したスターゲート3Dプリンターで製造していることで知られている。
リラティビティ・スペースの共同創業者でCEOのティム・エリス氏は、「7年前にインキュベーターのYコンビネーターのサム・アルトマンに3Dプリンターを使った画期的なモノづくりの仕組みとロケットを製造するという二つのことを同時にやろうとするのはクレージーだと言われたことを覚えています。しかし、実際にロケットは打上げ施設に設置されていて、打上げを待っています。ここまで来るのは簡単ではなかったですが、メンバー全員で打上げの瞬間を心待ちにしています」とコメントしている。
テラン1ロケットは、スペースXやブルーオリジンなどの競合他社のロケットよりも100分の1の数の部品で製造できるとしている。同社は2021年内にテラン1ロケットの初打ち上げを予定していたが、新型コロナウィルスのパンデミックの影響などによりスケジュールに遅れが生じていた。
掲載日:2023年2月23日:マーチンソンがナノ・ディメンションの株主に緊急声明を発表
カナダの投資企業でナノ・ディメンションの筆頭株主のマーチンソンが、ナノ・ディメンションの株主に対して緊急声明を発表した。発表によると、マーチンソンはナノ・ディメンションの株主に対し、来月3月20日に開催されるナノ・ディメンションの株主総会において、ヨアヴ・スターンCEOを含む四人の取締役の解任決議に賛成票を投じるよう求めている。
マーチンソンは、ヨアヴ・スターンCEOを含む四人の取締役は、5000万株の新株を発行して既存株主が保有する株式の価値を希釈しようとしていると主張している。
マーチンソンは声明の中で、「株主総会を目前にして、ヨアヴ・スターン率いるナノ・ディメンションの取締役会が株主の声を聞かず、無視していることに耐えられなくなりました。彼らは自らの地位を守るために虚偽に満ちた声明を繰り返し発表しています。また、来る株主総会において会社を乗っ取ろうとしています。彼らは新株を大量に発行し、株式の価値を下げた上で自らのオプションを行使し、株式を大量に取得しようとしています」と警鐘を鳴らしている。
マーチンソンはカナダのトロントに拠点を置く投資企業。ナノ・ディメンションの発行済み株式の5.2%を保有する筆頭株主となっている。
掲載日:2023年2月22日:全世界の食品3Dプリンティング市場が2031年に151億ドル規模に拡大
全世界の食品3Dプリンティング市場が、2031年に151億ドル(約2兆385億円)規模に拡大すると予想するレポートが公開された。アメリカの市場調査会社アライド・マーケットリサーチがまとめた「食品3Dプリンティング市場」によると、2021年時点で2億2620万ドル(約305億3700万円)規模と推定された全世界の食品3Dプリンティング市場は、今後年率52.8%の成長率で成長を続け、2031年までに同規模に達するとしている。
エリア的にはヨーロッパ市場の成長が著しく、市場拡大を牽引するとしている。特に小麦やジャガイモを原料にした食品3Dプリンターの導入が進むことで市場全体を拡大するとしている。また、北米市場とアジア太平洋地域も、高い成長性が見込めるとしている。
消費者セクター別では、飲食店などの商業ユーザーと、一般消費者による食品3Dプリンターの導入が進み、市場拡大を牽引するとしている。
食品3Dプリンティング市場における主たるプレーヤーとしては、ナチュラルマシーンズ、システムズ・アンド・マテリアル・リサーチ・コーポレーション、byFlow、Print2taste、バリラ、ビーヘックス、モダンメドウ、TNO、スリーディーシステムズ、リデファインミート、ノヴァミートなどを挙げている。
掲載日:2023年2月21日:全世界の歯科医療3Dプリンティング市場が2033年に219億ドル規模に拡大
全世界の歯科医療3Dプリンティング市場が2033年に219億ドル(約2兆9565億円)規模に拡大すると予想するレポートが公開された。アメリカの医療市場調査会社のファクトMRがまとめたレポートによると、2023年度で30億ドル(約4050億円)程度と推定された全世界の歯科医療3Dプリンティング市場は、今後年率22%の成長率で成長を続け、2033年までに同規模に達すると予想している。
同レポートは、虫歯や歯周病などの患者の世界的な増加と、高度な歯科医療を求める医療ニーズの拡大が、歯科医療3Dプリンティング市場の拡大を牽引するとしている。
WHOが行った調査によると、2022年時点で世界の35億人が何らかの歯科疾患を抱えているという。また、20億人が恒常的に虫歯に苦しんでいるという。
全世界のエリア別には、アメリカとカナダで構成される北米市場が世界全体の約35%のシェアを占め、世界最大の市場となると予想している。また、市場の伸び率ではヨーロッパ市場が特に高く、中でもイギリスとドイツが高い成長性を示すとしている。
3Dプリンターのタイプでは、SLA方式の3Dプリンターが全体の50%程度を占めるとしている。
掲載日:2023年2月20日:世界の建設3Dプリンティング市場が2031年までに7508億ドル規模に拡大
世界の建設3Dプリンティング市場が、2031年までに7508億ドル(約10兆607億円)規模に拡大すると予想するレポートが発表された。
アメリカの市場調査会社アライド・マーケットリサーチがまとめた「建設3Dプリンティング市場:グローバルオポチュニティーと業界分析、将来見通し」によると、2021年時点で14億ドル(約1890億円)規模と推定された世界の建設3Dプリンティング市場は、2022年から年率87.3%の成長率で成長を続け、2031年に同規模に拡大するとしている。
エリア別では、北米(アメリカ・カナダ)市場が最大で、今後も市場拡大を牽引すると予想している。また、アジア太平洋地域も高い成長が見込めるとしている。
同レポートは、建設業界における世界的な人材不足と、コンクリートなどの建設資材の価格高騰などが、建設3Dプリンターの導入を促すドライバーになると予想している。
建設3Dプリンティング市場における主なプレーヤーとしては、エイピス・コア、ブランチテクノロジー、COBODインターナショナル、コンストラクション3D、コンツアー・クラフティング、Cybe建設、ICONテクノロジー、マイティ・ビルディングズ、NX3D、PERIグループ、WASPデザインズ、Skanska AB、Winsunなどを挙げている。
掲載日:2023年2月19日:Formnext Forum Tokyo 2023の出展登録受付が開始
Formnext Forum Tokyo 2023(フォームネクストフォーラム東京2023)の出展登録受付が開始された。主催者によると、Formnext Forum Tokyo 2023は2023年9月28日と29日の二日間、東京浜松町の東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される。
Formnext Forum Tokyoは昨年2022年も開催され、65社の企業が出展し、1,180人が来場した。
Formnext Forum Tokyoは、毎年ドイツのフランクフルトで開催される世界最大規模のアディティブ・マニュファクチャリング関連展示会のFormnextの姉妹イベント。3Dプリンティングなどのアディティブ・マニュファクチャリング関連技術やアディティブ・マニュファクチャリング関連サービス、製品、情報が集まる展示とセミナーの複合イベントとなっている。
Formnext Forum Tokyoではアディティブ・マニュファクチャリング関連企業による出展に加え、業界の著名人によるセミナーも行われる。昨年のFormnext Forum Tokyo2022では、兵庫県立大学金属新素材開発センターの柳谷彰彦氏による「兵庫県立大学における金属3D積層造形の取組み」の題目で、金属粉末の開発造形と造形物の表面処理の開発に関する事例が紹介された。
掲載日:2023年2月18日:マクドナルドがドイツでビヨンド・ミートの代替チキンナゲットの販売を開始
マクドナルドがドイツでビヨンド・ミートの代替チキンナゲットの販売を開始する。現地メディアの報道によると、マクドナルドはドイツ国内の1,400店でビヨンド・ミートが開発した植物由来代替チキンナゲットを2月22日から開始する。
マクドナルドは、2年前からドイツ、イギリス、アイルランド、オーストリア、オランダでビヨンド・ミートの代替肉を使ったマックプラントバーガーを販売している。いずれの国においてもマックプラントバーガーは、レギュラーメニューとして定着している。
ビヨンド・ミートによると、代替チキンナゲットは大豆、トウモロコシ、小麦、てんぷら粉を原料に製造されているという。ビヨンド・ミートは、自社の一部の代替肉の製造に3Dプリンターを使っているが、代替チキンナゲットの製造に3Dプリンターが使われているかについては明らかにしていない。
ビヨンド・ミートについては、業績不振からレイオフの実施を余儀なくされるなど、暗いニュースが続いている。ドイツでの代替チキンナゲットの販売開始は、ビヨンド・ミートにとって久しぶりに明るいニュースとなったようだ。
ビヨンド・ミートは、今月2月23日に2022年度第4四半期決算を発表する予定。
掲載日:2023年2月17日:ケニアの3Dプリント住宅建設にCOBODインターナショナルの建設3Dプリンターが利用
巨大セメントメジャーのホルシムがケニアに建設した3Dプリント住宅の建設に、デンマークのCOBODインターナショナルの建設3Dプリンター「BOD2」が利用されていたことがわかった。ホルシムは以前にも傘下の14ツリーズを通じて、COBODインターナショナルと共同でマラウイに学校を建設3Dプリンターで建設している。
ケニアでの3Dプリント住宅の建設について、COBODアメリカのフィリップ・ランド=ニールセン代表は、「アフリカにおける作業環境の厳しさを鑑みるに、14ツリーズが世界のどの場所よりも大規模な3Dプリント住宅コミュニティを作り上げたことは非常に衝撃的なことです。しかも、たった一台のBOD2建設3Dプリンターだけで作り上げたのです。建設3Dプリンター5台を同時に稼働させたのではありません」とコメントしている。
ホルシムは、昨年2022年11月にCOBODインターナショナルへ出資し、同社の株主になっている。持分などは明らかにされていないが、ホルシムはCOBODインターナショナルのマイノリティ株主となっている模様。
COBODインターナショナルには、これまでに3Dプリント住宅メーカーのPERIグループ、GE傘下のGEリニューアブルエナジー、メキシコの大手セメントメーカーのCEMEXなども出資している。
掲載日:2023年2月16日:Velo3Dの株価が上昇
カリフォルニア州キャンプベルに拠点を置く大型メタル3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のVelo3Dの株価が上昇している。昨年2022年12月16日に1.68ドルまで下落したVelo3Dの株はその後値を戻し始め、本記事執筆時点(アメリカ現地時間の2023年2月15日)には3.67ドルで取引を終えている。取引終了時点のVelo3Dの時価総額は6億2200万ドル(約808億6000万円)となっている。
Velo3Dは、2021年9月にSPAC(特別買収目的会社)のJAWSスピットファイア・アクイジション・コーポレーションと合併し、ニューヨーク証券取引所に事実上のIPO(新規株式公開)を果たした。上場後、Velo3Dの株は値上がりを続け、2021年11月5日には12.23ドルまで上昇した。しかし、Velo3Dの株はその後徐々に値を下げ初め、2022年7月1日には1.35ドルに値下がりした。その後値下がり基調が続いていた。
あるアナリストは、Velo3Dの2022年第4四半期決算の見通しが上方修正されたことが株価に反映していると見ている。
Velo3Dのメタル3Dプリンターは、主にロケット製造などの航空宇宙産業セクターで広く使われている。同社の顧客にはスペースX、ハネウェル、ブーム・スーパーソニック、クロマロイ、ラム・リサーチなどが含まれている。
掲載日:2023年2月15日:ホルシムがケニア初の3Dプリント住宅を建設
巨大セメントメジャーのホルシムが、ケニア初の3Dプリント住宅を建設したとして話題になっている。傘下の14ツリーズを通じ、イギリスの投資企業ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメントと共同で行ったもので、ケニアのMvuleに10棟建設された。14ツリーズは、ケニアのキリフィにも52棟の3Dプリント住宅を建設するとしている。
3Dプリント住宅を建設には、ホルシムが開発した建設3Dプリンター用セメント「TectoPrint」が使われた。「TectoPrint」は、住宅の荷重を支える構造機能を持つ高機能住宅用セメント。
ホルシムによると、都市化が進むアフリカの各国では住宅不足が深刻化し、ケニアでは200万戸の住宅が不足しているという。3Dプリント住宅でインフラギャップを埋めることで住宅不足の解消が期待できるとしている。
ホルシムは、世界90カ国以上でセメント、骨材、コンクリート等の製造・販売を行う企業。メキシコのセメックスとともにセメントメジャーの筆頭に挙げられている。現在の組織は、旧ホルシムとフランスのラファージュが2015年7月に経営統合をすることで設立された。
ホルシムは、スイス証券取引所とユーロネクスト・パリに上場している。
掲載日:2023年2月14日:シェイプウェイズの株価が引き続き低迷
3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手のシェイプウェイズの株価が引き続き低迷している。シェイプウェイズは2019年9月にSPAC(特別買収目的会社)のガリレオ・アクイジション・コーポレーションと合併し、ニューヨーク証券取引所に上場した。シェイプウェイズの株は上場後一時8.23ドルに値上がりしたものの、その後右肩下がりで値を下げ続け、本記事執筆時点(現地時間2023年2月13日)では0.61ドルまで値下がりしている。また、時価総額も減少しており、本記事執筆時点では3315万ドル(約43億950万円)まで縮小している。
シェイプウェイブは、上場しているニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知(Non Compliance Notice)を受領している。ニューヨーク証券取引所は、上場しているすべての企業に取引価格最低1ドルを30日以上続けることを求めているが、シェイプウェイズの株は昨年2022年7月14日以来取引価格1ドルを下回り続けている。近々に状況が改善されなければ、シェイプウェイズの株は上場廃止となる可能性がある。
シェイプウェイズは、2023年度第一四半期末に開催される年次株主総会で、複数の株式を1株に統合する株式併合(Reverse Stock Split)を株主に提案する予定であると報じられている。理論上株式の資産価値に影響はなく、株数が減っても会社の価値は変わらないので1株当たりの価格が修正される。例えば2株を1株に併合した場合、発行済株式数は半分になり、理論上株価は2倍になる。
掲載日:2023年2月13日:イーロン・マスク氏が3Dプリント住宅を建設か
イーロン・マスク氏が3Dプリント住宅を建設するとして話題になっている。アメリカ現地メディアの報道によると、マスク氏はテキサス州オースティンの郊外の町バストロップ郡に、3Dプリント住宅110棟を建設するとしている。平屋建ての3Dプリント住宅には、近隣のボーイングテキサス工場に勤務する労働者や、現在増設中のスペースXキャンパスのスタッフなどが入居するとしている。
バストロップ郡議会員のメル・ハルマー氏は、「ボーイングは現在、従業員用の住宅を建設している」と発言し、何らかの住宅建設プロジェクトが進行中であることを認めている。
マスク氏自身もテキサス州を拠点に活動しており、テキサス州ボカ・チカに居住している。マスク氏の自宅は価格5万ドル(約650万円)の平屋建て住宅で、所有者はスペースXとなっているという。マスク氏は、スペースXに毎月家賃を支払っているとされる。
ボカ・チカは、2014年にスペースXが進出してくるまでは静かな田園地帯として知られていた。マスク氏が拠点に据えたことで、ボーイングテキサス工場やテスラのギガファクトリーなどが相次いで進出し、現在アメリカでもっとも急速に成長している町となっている。
掲載日:2023年2月12日:ビヨンド・ミートの元COOダグ・ラムジー氏が提訴
アメリカの代替肉メーカーのビヨンド・ミートの元COOダグ・ラムジー氏が、傷害などの疑いで提訴されていたことがわかった。原告のクリスタン・ウラン氏によると、ラムジー氏は昨年2022年9月7日、アーカンソー州ファイエットビルのレーザーバックスタジアムの駐車場でウラン氏とトラブルになり、同氏に「攻撃的な言葉で脅迫し」、さらに同氏の鼻を噛んで怪我をさせたという。ウラン氏は、ラムジー氏がウラン氏の車がぶつかってきたと勘違いし、ウラン氏の車の窓を開けさせて暴行に及んだという。
訴状には警察の取り調べ調書が添付されていて、現場で事件を目撃した複数の証人の証言が記載されているという。
ウラン氏は、未だに「コントロールできない恐怖」に怯えており、その恐怖が「一生涯続く恐れがある」と主張している。
ラムジー氏は、アメリカの大手精肉メーカーのタイソン・フーズに30年以上勤務した業界のベテラン。2021年12月にビヨンド・ミートにヘッドハントされ、同社のCOO(最高業務オフィサー)に就任していた。事件発覚後、ラムジー氏はビヨンド・ミートのCOO職を停職処分にされ、2022年10月14日付けでビヨンド・ミートを辞職した。
掲載日:2023年2月11日:エイピス・コアがサンタバーバラ郡の建設3Dプリンティングプロジェクトを受注
3Dプリンティング建設企業のエイピス・コアが、カリフォルニア州サンタバーバラ郡の建設3Dプリンティングプロジェクトを受注したとして話題になっている。現地メディアの報道によると、エイピス・コアは広さ407平方フィート(約37.81平方メートル)の平屋建てのプロトタイプ住宅を建設している。住宅の建設にかかる時間は24時間で、建設コストは1万ドル(約130万円)程度だという。
エイピス・コアによると、プロジェクトには地元のカリフォルニア大学サンタバーバラ校環境科学管理学部が参加し、プロトタイプ住宅の環境への影響やライフサイクルなどを観察するという。
エイピス・コアは、昨年2022年1月にフロリダ州ヴィエラに3Dプリント住宅のショールームを開設し、3Dプリント住宅の販売を本格化させている。エイピス・コアは、今年2023年からフロリダ州で3Dプリント住宅の販売を開始するとしている。
サンタバーバラ郡は、ロサンゼルスの北西約85マイル(約120キロメートル)に位置するカリフォルニア州南部の郡。郡庁所在地であるサンタバーバラ市は、人口8万8665人を抱える風光明媚な景勝地。市内には多くのリゾートホテルや別荘が立ち並んでいる。
掲載日:2023年2月10日:レベカ・ジー氏がスリーディーシステムズのメディカルアドバイザリーボードに就任
レベカ・ジー氏が、スリーディーシステムズのメディカルアドバイザリーボードに就任する。スリーディーシステムズは、昨年2022年3月にメディカルアドバイザリーボードを設立したが、ジー氏はスティーブン・クラスコ氏、デービッド・シュルキン氏、アレックス・アザール氏らに続く六人目のメンバーとなる。
ジー氏は、2016年からルイジアナ州保険局長官を務め、直近ではプライマリケアをオンラインとオフラインで提供するネストヘルス社を立上げ、同社のCEOに就任している。2017年にアメリカ医療アカデミーのメンバーにも選出されている。
スリーディーシステムズの社長兼CEOのジェフリー・グレイブス氏は、「レベカ・ジー博士をメディカルアドバイザリーボードにお招きできることを大変うれしく思います。ジー博士はキャリア全体を通じて医療の実務と医療機関が抱える様々な問題とのギャップを埋めるための活動を展開してこられました。医療保険の適用範囲や第三者機関による医療費立替といった現実的な課題に対して適切なアドバイスをいただけると期待しています。彼女は卓越した医療界のリーダーであり、非常に重要な局面にあるスリーディーシステムズにお迎えできたことを誇りに思います」とコメントしている。
掲載日:2023年2月9日:JSR株式会社がカーボンとの業務提携を解消へ
日本の大手化学メーカーのJSR株式会社が、アメリカの3Dプリンターメーカーのカーボンとの業務提携を解消する。業務提携解消の理由は明らかにされていないが、日本国内のアディティブ・マニュファクチャリング関連ビジネスの低迷が背景にあるものと見られる。
JSRは、2016年に8100万ドル(約105億円)規模のファンディングラウンドに参加し、カーボンに出資していた。ファンディングラウンドにはJSRのほかに、ニコン、GE、BMWなどが参加していた。カーボンは、IPOを見込む大型ユニコーン企業として多くの投資家の注目を集めていた。
カーボンのライバル企業のデスクトップメタルが2020年12月にSPAC(特別買収目的会社)のトライン・アクイジションとの合併によりニューヨーク証券取引所に上場を果たした一方、カーボンは未だにIPOを果たしていない。
JSRは、1957年に合成ゴムの国産化を目指して設立された国策企業で、日本合成ゴム株式会社を前身としている。液晶ディスプレイ用材料で世界トップクラスのシェアを持つほか、半導体用フォトレジストで世界トップシェアを有している。また、優れた光学特性を有する樹脂を開発し、光ファイバー用コーティング材や光学接着剤、透明樹脂などでも高いシェアを持っている。
掲載日:2023年2月8日:ストラタシスが「トゥルーデント」3Dプリンティングシステムをリリース
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、歯科医療用「トゥルーデント」(True Dent)3Dプリンティングシステムをリリースした。「トゥルーデント」は、一体型の入歯を製造できる歯科医療用3Dプリンターで、一体型入歯製造用3Dプリンターとしては世界初となるシリーズ。FDA(アメリカ食品医薬品局)のクラス2医療機器の認証も取得している。
ストラタシスによると、「トゥルーデント」を導入することで患者一人ひとりに合わせた入歯のカスタマイズ製造が可能になり、従来の入歯の処方のように調整が不要となり、患者と歯科医師の双方の負担を減らすことが可能になるとしている。
すでにストラタシスの歯科医療用3Dプリンターを導入しているAAデンタルデザインのフランク・アコスタ氏は、「これまでは、3Dプリンターによる入歯の製造は複数のパーツを造形してそれらを組み合わせる必要がありました。「トゥルーデント」シリーズでは、入歯は一体型の入歯として造形できるので、造形時間を大幅に削減することが可能になります。また、入歯の製造コストも同様に削減することができます。「トゥルーデント」の導入により、パーソナライズ入歯の製造を大幅にスケールアップすることが可能になります」とコメントしている。
掲載日:2023年2月7日:デスクトップメタルの株価が上昇
ニューヨーク証券取引所で取引されているデスクトップメタルの株が値上がりしている。昨年2022年12月27日に1.15ドルまで値下がりしたデスクトップメタルの株は、2023年2月3日に2.22ドルまで上昇した。同日に発表されたデスクトップメタルのリストラクチャリングプランを株主が前向きに評価した結果と見られる。
デスクトップメタルは、従業員の15%のレイオフと、製造施設の整理統合などを旨とするリストラクチャリングプランを発表している。デスクトップメタルの発表によると、リストラクチャリングプランの実施により2023年度の一年間で5000万ドル(約65億円)のコストを削減できるとしている。デスクトップメタルは、昨年2022年6月にも従業員の12%をレイオフしている。
デスクトップメタルの株価の今後の見通しについてはアナリストの意見が分かれているが、同社の直近(2022年度第三四半期末)のデット・エクイティ・レシオは0.14と低水準を維持しており、流動性リスクは低いとする見方もある。
本記事執筆時点(現地時間の2023年2月7日)では、デスクトップメタルの株は2.02ドルで取引されていて、前日比で1.95%のマイナスとなっている。
掲載日:2023年2月6日:ジェイムズ・チェイノス氏がビヨンド・ミートが年内に経営破綻すると発言
アメリカの伝説的ヘッジファンドマネージャーのジェイムズ・チェイノス氏が、代替肉メーカーのビヨンド・ミートが年内に経営破綻すると発言して話題になっている。アメリカ現地メディアCNBCのインタビューに答えたもので、ビヨンド・ミートはキャッシュの持ち出しが続き、年内にキャッシュが枯渇するとしている。
ビヨンド・ミートの株は、昨年2022年12月20日に12.31ドルまで値を下げた後若干持ち直し、現地時間の2023年2月7日には17.19ドルで取引を終えている。同社の株は2019年7月26日に234.90ドルの高値を付けた後値を下げ初め、今日までに92.7%値下がりしている。
アメリカの株式投資情報サイトのマーケットウォッチは、ビヨンド・ミートは昨年2022年の一年間で6億3500万ドル(約825億5000万円)のキャッシュを失ったとしている。
ジェイムズ・チェイノス氏は、運用金額3兆ドル(約390兆円)を越える世界最大規模のヘッジファンドを運用するファンドマネージャー。空売り投資を得意としていて、エネルギー企業エンロンの破綻を予言して大きな利益を得たことで知られている。チェイノス氏は、電気自動車メーカーのテスラについても否定的で、テスラは「中国に大きな利益をもたらす中国の自動車メーカーだ」と発言している。
掲載日:2023年2月5日:ナノ・ディメンションの筆頭株主が取締役4人の解任を要求
イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションの筆頭株主が、取締役4人の解任を要求している。解任を要求しているのはナノ・ディメンションの発行済み株式の5.1%を持つマーチンソン社で、ヨアヴ・スターンCEOを含む4人の取締役解任に加え、新たに2人の新取締役の選任を求めている。
マーチンソンは、現地時間の先週月曜日に臨時株主総会の開催を求める書簡をナノ・ディメンションの株主に送付していたが、取締役会によって否決されていた。
マーチンソンのモーシュ・サーファティ氏は書簡の中で、「ナノ・ディメンションの取締役会による妨害があるにせよ、我々は株主に投票する機会を提供し、取締役会を再構築する臨時株主総会の開催をするためのあらゆる手段を講じるつもりです」と表明している。
ナノ・ディメンションにおいては、ヨアヴ・スターンCEOがみずからのストックオプションの行使価格を6.16ドルから2.46ドルに下げるよう要求し、株主総会で否決されるなどの混乱が続いている。
NASDAQで取引されているナノ・ディメンションの時価総額は6億ドル(約810億ドル)程度だが、ナノ・ディメンションの直近の現金および現金相当資産残高は12億ドル(約1620億円)となっている。
掲載日:2023年2月4日:アカーホ・オゴゴメー氏がビヨンド・ミートのグローバルマーケティング部長に就任
アカーホ・オゴゴメー氏が、アメリカの代替肉メーカーのビヨンド・ミートのグローバルマーケティング部長に就任した。現地時間の先週木曜日、ビヨンド・ミートがプレスリリースで発表した。
アカーホ・オゴゴメー氏は、前職で大手エナジードリンクメーカーのレッドブルのマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めていた。オゴゴメー氏は、特にレッドブルの北米市場全体のマーケティング計画策定を担当していた。
ビヨンド・ミートの代替肉は、現在クローガー、ウォルマート、ホールフーズ・マーケット、パブリック・スーパーマーケット、コストコなどのスーパーマーケットで販売されているが、ビヨンド・ミートは現在のサプライチェーンの再構築を模索していると見られている。オゴゴメー氏のグローバルマーケティング部長就任により、消費者により直接的に訴求する方向でのマーケティングに切り替わる可能性がある。
レッドブルは、スカイダイビングの世界記録樹立プロジェクトをスポンサードするなど、インパクトに富んだマーケティングスキームを使うことで知られている。
ビヨンド・ミートからは、今年2023年1月にチーフ・ブランド・オフィサーのベス・モスコウィッツ氏が退職している。
掲載日:2023年2月3日:デスクトップメタルが従業員の15%をレイオフ
アメリカ現地メディアの報道によると、アメリカの3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のデスクトップメタルが、従業員の15%をレイオフすることがわかった。デスクトップメタルは、昨年2022年6月にも従業員の12%をレイオフしている。
従業員のレイオフに加え、デスクトップメタルは製造施設の整理統合も行う。アメリカとカナダの四拠点を廃止し、マサチューセッツ、ペンシルバニア、テキサス、ミッドウェストの四拠点に統合する。
これらの一連のリストラクチャリングプランの実施により、デスクトップメタルは2023年度の一年間で5000万ドル(約65億円)のコストを削減できるとしている。
デスクトップメタルの創業者でCEOのリック・フュロップ氏は、「今回のコスト削減プランの実施により、コスト削減と利益率の向上を同時に実現できます。アディティブ・マニュファクチャリング業界は未だ成長過程にあり、マクロ経済的な環境は非常にチャレンジングです。この難しい局面を、ケアとリスペクトをもって乗り切ってゆきます」とコメントしている。
リストラクチャリングプランの発表を受けて、デスクトップメタルの株価は一時17%上昇した。
掲載日:2023年2月2日:マイケル・スコット氏がCoreformの社長に就任
アイソジオメトリック分析(Isogeometric analysis)の世界的権威でユタ大学教授のマイケル・スコット氏が、次世代CADエンジニアリングソフトウェアメーカーのCoreformの社長に就任した。Coreformの社長に就任に伴い、ユタ大学教授は辞任した。
マイケル・スコット氏は、2014年に自らのアイソジオメトリック分析理論をベースにしたソフトウェアを開発するためユタ大学内にCoreformを設立、共同創業者として同社の経営に関わってきていた。
スコット氏は、「今こそが決断の時だと考えました。Coreformは世界初のネイティブ・アイソジオメトリック分析ソルバーを開発し、商用利用できるようにしました。そして、次の成長フェーズへ移行しつつあります。このエキサイティングな瞬間をチームとともに過ごして行けることを大変楽しみにしています」とコメントしている。
Coreformは、ユタ州オレムに拠点を置き、メッシュ生成ソフトウェア「Coreform Cubit 2022.11」を開発している。「Coreform Cubit 2022.11」は、IGAモデリングによりCFDモデル準備に費やす時間を最小限に抑えながら最適化されたメッシュを取得できるソフトウェア。
掲載日:2023年2月1日:デービッド・ベンハイム氏がHoloの取締役に就任
デービッド・ベンハイム氏が、メタル3DプリンティングサービスビューローのHoloの取締役に就任した。ベンハイム氏は、メタル3Dプリンターメーカーのマークフォージドの共同創業者で、同社を2021年にニューヨーク証券取引所に上場させている。
ベンハイム氏はアディティブ・マニュファクチャリング業界以外にも、クラウドベースソフトウェア、人工知能、コネクテッド・ハードウェアなどのスタートアップ企業のアドバイザーを務めている。
ベンハイム氏の取締役就任について、Holoのハル・ザレムCEOは、「デービッドを取締役としてお迎えできることに大変エキサイトしています。彼はアディティブ・マニュファクチャリングの世界でもっとも成功した起業家の一人であり、経験豊富な人物です。彼のスキルと経験は、間違いなくHoloを成長軌道に乗せてくれるでしょう」とコメントしている。
ベンハイム氏は、「Holoは、細密なメタルパーツを驚くべき品質とサーフェスフィニッシュで加工する技術プラットフォームを確立しています。Holoは、メタルパーツのデジタルマニュファクチャリングを次のレベルへシフトさせると確信しています」とコメントしている。
Holoは2017年設立。カリフォルニア州オークランドに拠点を置き、各種の産業ユーザーに対してメタル3Dプリンティングサービスを提供している。
掲載日:2023年1月31日:インポシブル・フーズが従業員の20%をレイオフ
ブルームバーグの報道によると、アメリカの代替肉メーカーのインポシブル・フーズが従業員の20%をレイオフする。昨年2022年6月に実施した従業員の6%のレイオフに続く人員削減となる。インポシブル・フーズは約700人の従業員を雇用しているが、140名程度がレイオフの対象になると見られる。
インポシブル・フーズは、昨年2022年一年間の売上高が対前年比で50%増加し、過去最高となったと発表したばかりだった。また、CEOのピーター・マクギネス氏がブルームバーグのインタビューに対し、インポシブル・フーズのバランスシートは健全で、今期の成長率を65%から70%と見込んでいるとコメントしていた。
スタートアップ企業のデータベースのクランチベースによると、インポシブル・フーズはこれまでに総額で19億ドル(約2470億円)もの資金をベンチャーキャピタルなどから調達している。直近の資金調達は2021年11月に行ったシリーズHの5億ドル(約650億円)で、当時の時価総額は70億ドル(約9100億円)だった。
インポシブル・フーズは、ビヨンド・ミートと並ぶアメリカを代表するの代替肉メーカーの二大企業のひとつ。植物由来原料を使った各種の代替肉を製造している。
掲載日:2023年1月30日:カナダ・アルバータ州で3Dプリント銃の摘発件数が増加
カナダ・アルバータ州で3Dプリント銃の摘発件数が増加している。現地メディアの報道によると、アルバータ州の州都カルガリーでの3Dプリント銃の摘発件数は17件で、2020年と2021年の2年間合計での摘発件数を上回ったという。
カルガリー警察のベン・ローソン刑事部長は、「3Dプリント銃の摘発件数は確実に増加しています。捜査の件数が増えたということもありますが、実際に3Dプリンターで銃を製造するケースが増えています。3Dプリンティング技術は年々進化しており、価格300ドル(約30,000円)の3Dプリンターでも3Dプリント銃の製造が十分可能です。3Dプリント銃の製造方法も、違法なダークウェブなどから入手可能です。3Dプリント銃は、我々のコミュニティにとってさらに脅威になる可能性があります」とコメントしている。
カナダでは個人による銃火器の所有は禁止されており、3Dプリント銃の所有も同様に禁止されている。
3Dプリント銃の摘発件数はカナダ全体でも増加しており、昨年2022年では100丁以上の3Dプリント銃が押収されている。
3Dプリント銃は製造番号などを持たずトレースができないため「ゴーストガン」とも呼ばれている。
掲載日:2023年1月29日:ドバイで世界初の3Dプリント・モスクが建設へ
アラブ首長国連邦のドバイで、世界初の3Dプリント・モスクが建設されるとして話題になっている。
現地メディアの報道によると、ドバイのイスラム宗教社会活動管理局(IACAD)は、バー・ドバイ地区に広さ2000平方メートルのモスクを大型建設3Dプリンターで建設するという。工事は2023年内に開始され、建物の建設に4カ月、内装工事に12ヶ月かけるとしている。
イスラム宗教社会活動管理局のジェネラルディレクターのハマッド・ビン・シーク氏は、「3Dプリンティング技術を活用することで、建設廃材の産出を大幅に削減することができます。3Dプリンティング技術は環境にフレンドリーな技術です。建設される3Dプリント・モスクは、我々のリーダーシップが見据えるビジョンを反映したものです」とコメントしている。
シーク氏によると、3Dプリンターでモスクが建設されるのは世界初だという。また建設コストが従来の建設方法よりも30%程度割高になるとしているものの、建設3Dプリンターの普及が進む今後、建設コストは同程度まで下がるとしている。
モスクはイスラム教の礼拝堂で、イスラム教徒が礼拝をおこなうための場所のこと。イスラム国の各都市に置かれている。
掲載日:2023年1月28日:スリーディーシステムズがスチュワート=ハース・レーシングとパートナーシップ契約を締結
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、アメリカのストックカーレーシングチームのスチュワート=ハース・レーシングとパートナーシップ契約を締結した。現地メディアの報道によると、スチュワート=ハース・レーシングはスリーディーシステムズのProX800ステレオリソグラフィー3Dプリンターやフィギュア4スタンドアロン3Dプリンターを使い、レーシングカーのパーツの製造などを行う。
スチュワート=ハース・レーシングは、これまでにProX800ステレオリソグラフィー3Dプリンターを使い、レーシングカーのエアロダイナミクスコンポーネントのプロトタイピングなどを行ってきていた。
スチュワート=ハース・レーシングのプロダクションマネージャーのルノー・ヴァン・ランディングハム氏は、「スチュワート=ハース・レーシングにとって、スリーディーシステムズのようなテクニカルパートナーを持つことは非常に重要です。レーシングカーのパーツ製造にかかる時間を大きく削減でき、レーシングカーのタイムそのものを大きく削減できます」とコメントしている。
スチュワート=ハース・レーシングは2002年設立のストックカーレーシングチーム。モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ及びエクスフィニティ・シリーズ に参戦している。
掲載日:2023年1月27日:エッジ・クラウドリンクが700万ドルの資金調達に成功
シリコンバレーに拠点を置くスタートアップ企業のエッジ・クラウドリンク(EdgeCloudLink)が、700万ドル(約9億1千万円)の資金調達に成功した。
出資したのはイスラエル・テルアビブに拠点を置くベンチャーキャピタルのハイパーワイズ・ベンチャーズと、シカゴに拠点を置くベンチャーキャピタルのモレックス・ベンチャーズ。バリュエーションや出資比率などの投資の詳細については明らかにされていない。
エッジ・クラウドリンクは、データセンターをオンデマンドで利用できる「データセンター・アズ・ア・サービス」(Data Center as a Service, DCaaS)を開発している。
エッジ・クラウドリンクの創業者でCEOのユヴァル・バッキャー氏は、「私たちが開発しているのは、ゼロエミッションで水を全く使わない、コミュニティとインテグレートしたデータセンターです。この場所(マウンテンビュー)をデータセンターの開発拠点に選んだのは難しい選択でしたが、ここでデータセンターが開発できると、世界中どこでも開発が可能になります」とコメントしている。
エッジ・クラウドリンクは、データセンターの開発に大型3Dプリンターを利用している。
掲載日:2023年1月26日:ロケット・ラブがアメリカ本土初のロケット打ち上げに成功
ロサンゼルスに拠点を置くロケット製造ベンチャー企業のロケット・ラブが、アメリカ本土初のロケット打ち上げに成功した。バージニア州のミッド・アトランティック・リージョナル・スペースポートで打ち上げられたエレクトロンロケットは三機の人工衛星を地上550キロメートルの軌道に乗せる事に成功した。スペース・ラブは、これまでに155機の人工衛星の軌道投入に成功している。
ロケット・ラブの創業者でCEOのピーター・ベック氏は、「エレクトロンはすでに小型ロケットのリーダーであり、今回の打ち上げの成功はミッションを成功させようと努力してきたチーム全体の成果です。昨年2022念は9回の打ち上げを成功させましたが、バージニア州で作られたロケットをバージニア州で打ち上げたことは、今年がもっと良い年になることの予兆になるでしょう」とコメントしている。
ロケット・ラブは、より大型のロケットの「ニュートロン」も、バージニア州で打ち上げるとしている。同社は、今年2023年に少なくとも9回のエレクトロンロケットのバージニア州での打ち上げを予定している。
ロケット・ラブは、ロケット本体やエンジンの主要部品を独自開発した大型3Dプリンターで製造している。
掲載日:2023年1月25日:カーボンの口腔医療担当シニアバイスプレジデントにテリ・カプリオロ氏が就任
カーボンの口腔医療担当シニアバイスプレジデントに、テリ・カプリオロ氏が就任した。カプリオロ氏は口腔医療業界で20年以上のキャリアを持つベテラン。前職ではアメリカの大手歯科検査機関のナショナル・デンテックスでジェネラルマネージャーを務めていた。カプリオロ氏はまた、歯科用医療機器メーカー大手のソルベイ・デンタル360で北米担当セールスマネージャーを務めていた。
カプリオロ氏の口腔医療担当シニアバイスプレジデント就任について、カーボンのフィル・デシモンCEOは、「歯科医療業界で多くの尊敬を集める業界のリーダーをカーボンにお迎えできることを嬉しく思います。テリの業界知識は非常に豊かで、業界の人脈も非常に豊富です。カーボンの歯科医療の領域での成長を大いに加速させてくれるでしょう」とコメントしている。
カーボンの3Dプリンターは、特に医療、歯科医療、自動車、航空宇宙、家電などの産業ユーザーに活用されている。特に歯科医療においてカーボンは一定のプレゼンスを確保している。
カーボンは、アディティブ・マニュファクチャリングの領域における有力なユニコーン企業(創業から10年以内の時価総額10億ドル以上の企業)として注目されている。
掲載日:2023年1月24日:エドナ・ガルシア氏がエッセンシアムのチーフ・フィナンシャル・オフィサーに就任
エドナ・ガルシア氏が、アメリカの産業3Dプリンティングサービスビューローのエッセンシアムのチーフ・フィナンシャル・オフィサーに就任した。ガルシア氏は、前職でペプシコのシニアマネジメント職を努めていた。ガルシア氏は、エッセンシアムの財務とファイナンス全般のマネジメントを担当する。
ガルシア氏のチーフ・フィナンシャル・オフィサー就任について、エッセンシアムのブレーク・テイペルCEOは、「エドナは経験豊富なエグゼクティブであり、優れたトラックレコードとフィナンシャルパフォーマンスを持つ優れた人物です。彼女の経験、規律、そしてパフォーマンスドリブンのリーダーシップは、我々の成長戦略と、長期的な価値創造のための強力な武器になるでしょう」とコメントしている。
エッセンシアムは、当初SPAC(特別買収目的会社)のアトランティック・コーストラル・アクイジション・コーポレーションと合併し、2022年度第一四半期内にNASDAQへ上場する予定だった。しかし、両者はその後計画を撤回していた。ガルシア氏のチーフ・フィナンシャル・オフィサー就任により、エッセンシアムが再び上場へ向けて動き出す可能性がある。
エッセンシアムは、テキサス州オースティンに拠点を置く3Dプリンティングサービスビューロー。主に産業ユーザーに対して各種の3Dプリンティングサービスを提供している。
掲載日:2023年1月23日:ウルチメーカーが新型3Dプリンター「S7シリーズ」をリリース
オランダの3Dプリンターメーカーのウルチメーカーが、新型3Dプリンター「S7シリーズ」をリリースした。5年ぶりの新型3Dプリンターのリリースは、ウルチメーカーがメーカーボット・インダストリーズと合併して初となる。
「S7シリーズ」はデュアルヘッドのFDM3Dプリンターで、造形サイズは最大330 x 240 x 300 mm。空気清浄システムの「エアマネージャー」が標準で装備されている。
ウルチメーカーのナダヴ・ゴシェンCEOは、「S7は、Sシリーズの最新のファンタスティックなバージョンです。セットアップが簡単で、デジタルファクトリーソフトウェアと連動してこれまでにない次元の3Dプリンティングを可能にします。ウルチメーカーアカデミーのEラーニング講座を受講したり、ウルチメーカーCURAマーケットプレースからパーツやプラグインをダウンロードすることも可能です」とコメントしている。
ウルチメーカーは、2022年8月にアメリカの大手3Dプリンターメーカー傘下のメーカーボット・インダストリーズと合併した。合併完了により、メーカーボット・インダストリーズの社名は消滅した。合併完了後も、ウルチメーカーはメーカーボット・インダストリーズの3Dプリンターを継続して販売している。
掲載日:2023年1月22日:ICONが従業員の20%をレイオフ
米テキサス州オースティンに拠点を置く建設3DプリンターメーカーのICONが、従業員の20%をレイオフした。レイオフされた社員が先週金曜日にLinkedInに投稿した情報によると、ICONは余剰人員を削減するために全従業員の「およそ20%」をレイオフするという。情報を投稿した従業員は、ICONに入社してわずか8か月後にレイオフされたという。
アメリカの建設3Dプリンティング業界については、先行投資が過熱する「ハイプ」の状態にあると指摘する声がある。デンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルの創業者フィリップ・ランド=ニールセン氏は、「(アメリカの建設3Dプリンティング業界は)業界に対する期待が現実とマッチしていません。そのような状態が続けば、業界全体の可能性を吹き飛ばしてしまうでしょう」とコメントしている。
ICONは、昨年2022年11月にテキサス州ウルフランチで100棟の3Dプリント住宅の建設プロジェクトを開始している。ICONは今年2023年頭から住宅購入希望者の予約受け付けを開始するとしている。現在のところ、住宅の価格は40万ドル(約5600万円)からとなっている。
ICONはまた、NASAから月面に建設予定の住宅のプロトタイプを建設するプロジェクトも受注している。
掲載日:2023年1月21日:ニコンがSLMソルーションズの買収を完了
ニコンがドイツのハイエンドメタル3DプリンターメーカーのSLMソルーションズの買収を完了したと発表した。買収価格は総額で6億2200万ユーロ(約870億8000万円)となった。買収完了後も、SLMソルーションズは引き続きSLMソルーションズのブランドで事業を展開する。
買収完了についてSLMソルーションズのサム・オレアリーCEOは、「最先端のオプト・エレクトロニック技術と精密加工機器を持つニコンは、SLMソルーションズにとってパーフェクトなパートナーです。我々は、メタルアディティブ・マニュファクチャリングにおけるリーディングポジションをさらに強化し、イノベーション・セントリックな環境におけるハードルをさらに高めてゆきます」とコメントしている。
ニコンは、2021年に4月にアメリカのメタル3Dプリンターメーカーのモーフ3Dも買収している。
ニコンの発表によると、SLMソルーションズは、航空宇宙や自動車などの産業セクターにユーザーを多く抱え、これまでに750台以上のメタル3Dプリンターを納入してきている。SLMソルーションズのユーザーにはNASA、エアバス、ボーイング、ロールスロイス、ブルーオリジン、ポルシェ、BMW、フォルクスワーゲンなどが含まれている。
掲載日:2023年1月20日:Cybe建設がフロリダ州に北米営業拠点を開設
オランダのCybe(サイビー)建設が、フロリダ州に北米営業拠点を開設した。すでに営業を開始しており、これまでに複数の住宅建設プロジェクトを受注したという。
Cybe建設の創業者兼CEOのベリー・ヘンドリックス氏は、「現在はアメリカへ投資する絶好の機会であると判断しており、特にアメリカのサステナブルな住宅市場に注目しています。手頃な価格の住宅に対する大きな需要が存在しており、新型コロナウィルスのパンデミックや気候変動の影響によりその需要はさらに拡大しています」とコメントしている。
Cybe建設フロリダの責任者、ジェイムズ・ライト氏は、「ベリーとCybeのチームは、分断化が進む建設業界において全体的なアプローチを辿ってきました。Cybeの強みは、業界人としての私には非常に魅力的に見えます。このチームの一員となり、共に仕事ができることを嬉しく思います」とコメントしている。
CyBe建設は2013年11月設立のオランダのベンチャー企業。建設3Dプリンターに加え、建設3Dプリンター用ソフトウェア、建築用素材などを製造している。CyBe建設は2017年6月にUAEのドバイでも研究施設を建設3Dプリンターで建設しているほか、ニュージーランドのハミルトンでもコマーシャルビルディングなどを製造している。
掲載日:2023年1月19日:Velo3DがFITTLEとファイナンス・パートナーシップ契約を締結
アメリカの大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dが、ゼロックス傘下のファイナンス企業のFITTLEとファイナンス・パートナーシップ契約を締結した。発表によると、FITLLEはVelo3Dのユーザーに対し、ファイナンス、リース、レンタルなどのファイナンスオプションを提供する。
FITLLEは、昨年2022年に建設3DプリンターメーカーのブラックバファローおよびSLA3Dプリンターメーカーのフォームラブズと同様のファイナンス・パートナーシップ契約を締結している。FITLLEは、今後もアディティブ・マニュファクチャリングの領域でのプレゼンスを広げてくる可能性がある。
FITLLEのニコール・トラコ社長は、「Velo3Dは驚異的な成長と需要の拡大を経験しており、世界でも最大クラスのメタル3Dプリンターメーカーになりつつあります。Velo3Dのユーザーに新たなファイナンスのストラクチャーを提供し、この成長をアシストできることを楽しみにしています」とコメントしている。
Velo3Dのメタル3Dプリンターは、主にロケットなどの航空宇宙産業セクターで広く使われている。同社の顧客にはスペースX、ハネウェル、ブーム・スーパーソニック、クロマロイ、ラム・リサーチなどが含まれている。
掲載日:2023年1月18日:メーン大学が世界初の100%バイオベース3Dプリント住宅を建設
メーン大学が世界初の100%バイオベース3Dプリント住宅を建設したとして話題になっている。メーン大学が建設したのは広さ600平方フィート(約55.74平方メートル)の平屋建て住宅。おがくずを主原料にトウモロコシ由来のバインダーを混ぜた素材をベースに3Dプリンターで建設された。
バイオホーム3Dと名づけられた住宅の見た目は普通の木造住宅と変わらず、内装も木目調のデザインとなっている。天井と壁が一体型のため、継ぎ目が見えない構造になっている。
バイオホーム3Dはメーン大学先端構造研究センターの敷地の隣接地に建設され、サーマルセンサー、構造モニタリングセンサーなどの各種のセンサーでモニタリングされている。センターでは、特に寒冷期におけるバイオホーム3Dの耐寒性などをモニタリングするとしている。
メーン州のジャネット・ミルズ知事は、「メーン大学先端構造研究センターは、我々が直面している住宅不足の問題をスマートに解決し、我々の林業を強化する手段を模索しています。バイオホーム3Dは、人々に安全な居住空間を提供し、ひいては経済全体にプラスの影響を与えるでしょう。この快挙は、次のフェーズに向けての大きなステップです」とコメントしている。
掲載日:2023年1月17日:ビヨンド・ミートのチーフ・ブランド・オフィサーが辞任
アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートのチーフ・ブランド・オフィサーが辞任していたことがわかった。現地メディアの報道によると、ビヨンド・ミートのチーフ・ブランド・オフィサー、ベス・モスコウィッツ氏は、現地時間の先週水曜日を最後にビヨンド・ミートを退職したという。
モスコウィッツ氏は社内メールで「元の職である投資家、アドバイザー、クリエイティブパートナーという元来のルーツに戻れることを楽しみにしています。しばらくは家族が集まって新年のお祝いをする予定です」というメッセージを関係者に発信した。
モスコウィッツ氏の辞任について、ビヨンド・ミートのスポークスウーマンは特にコメントを発していない。
モスコウィッツ氏は2019年にビヨンド・ミートに入社し、チーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任していた。モスコウィッツ氏はその後、チーフ・ブランド・オフィサーに就任し、ビヨンド・ミートのブランディングなどを担当していた。
ビヨンド・ミートからは、チーフ・サプライチェーン・オフィサーのバーニー・アドコック氏も昨年2022年9月30日付けで辞任している。ビヨンド・ミートでは、社員の20%をレイオフするなど、人事上のトラブルが頻発している。
掲載日:2023年1月16日:ビル・ゲイツが代替肉の未来に楽観的とコメント
アメリカ現地時間の先週開催された大手ウェブメディアRedditのアスク・ミー・エニシング(Ask Me Anything)のイベントで、ビル・ゲイツが代替肉の未来に楽観的とコメントし、注目を集めている。
67歳のビル・ゲイツは、Redditのユーザーから気候問題やビーガニズム等に関する多くの質問を受けたが、代替肉の未来については「現在複数の会社が新しい方法で「牛肉」を作っているが、特にメタンの排出量を削減することを目指している。私は、そうした新しい「牛肉」の肉市場全体におけるシェアは極めて限定的だが、将来的には重要な位置を占めるようになると考えている」と回答している。
ビル・ゲイツは、これまでにビヨンド・ミート、インポシブル・フーズ、アップサイド・フーズなどの代替肉メーカーに投資していることで知られている。
また、将来的に人類全体がビーガンになると思うかという質問に対しては、「ビーガンになろうという人は素晴らしいと思うが、実際にはほとんどの人はビーガンにはならないだろう」と答えている。
ビヨンド・ミートやインポシブル・フーズなどの代替肉メーカーの多くは、代替肉の製造に3Dプリンターを使っている。
掲載日:2023年1月15日:ギャラクティック・エナジーが1億8800万ドルの資金調達に成功
中国の新興ロケットメーカーのギャラクティック・エナジーが、1億8800万ドル(約244億4000万円)の資金調達に成功した。出資者やバリュエーションなどの詳細については明らかにされていない。ギャラクティック・エナジーは、開発中のWELKINロケットエンジンの製造などに投じるとしている。
WELKINロケットエンジンは、再生利用可能な40トンクラスのエンジンで、「スペースXのマーリンエンジンの中国バージョン」と呼ばれている。WELKINロケットエンジンは、中国の3Dプリンティングサービスビューローのファルコンテックと協働で、大型3Dプリンターを使って製造される。
ファルコンテックはAS9100認証を取得した3Dプリンティングサービスビューローで、これまでにCOMAC(Commercial Aircraft Corporation of China, 中国商用飛機)のC919旅客機のコンポーネントなどを製造、納入している。
ギャラクティック・エナジーは、2018年設立の中国の民間ロケットメーカー。2020年11月にセレス1ロケットの打ち上げに成功し、人工衛星打ち上げを成功させた二番目の中国民間企業となった。
掲載日:2023年1月14日:センチュリー・コミュニティーズが3Dプリント住宅の販売を開始
アメリカの大手ハウスメーカーのセンチュリー・コミュニティーズが、アリゾナ州カサグランデで3Dプリント住宅の販売を開始する。建設スタートアップ企業のダイアモンドエイジ3Dと協働で展開するもので、ダイアモンドエイジ3Dが開発したロボットアーム型建設3Dプリンターを使って建設する。
センチュリー・コミュニティーズのグレッグ・ハフ社長はプレスリリースで、「この新しいテクノロジーは、耐久性に優れた、エネルギー効率が高い、防音効果に優れたコンクリート製の住宅を提供します。マイホームを手に入れたいと願うすべての人に手頃な住宅を提供するというセンチュリー・コミュニティーズのミッションを実現するものです。センチュリー・コミュニティーズだけではなく、住宅業界全体にとっての顕著なブレークスルーです」とコメントしている。
建設される住宅はいずれも平屋建ての戸建て住宅で、価格は20万ドル(約2600万円)からとなっている。建設にかかる時間は30日で、従来型の建築方法より作業時間が50%削減されるとしている。
センチュリー・コミュニティーズは、コロラド州に拠点を置く大手ハウスメーカー。アメリカのトップ10ハウスメーカーにランクインしている。
掲載日:2023年1月13日:Xometryがイギリス市場へ進出
米メリーランド州ガイザーズバーグに拠点を置く産業用マーケットプレース運営のXometryがイギリス市場へ進出する。Xometryのマーケットプレースは、現在英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポーランド語、オランダ語、ノルウェー語、スウェーデン語の9言語に対応している。
Xometryヨーロッパのマネージングディレクターのドミトリー・カフィドフ氏は、「ヨーロッパ市場での事業拡大は、工業市場のグローバル・マーケットプレースになるという我々のコミットメントを反映したものです。我々のローカライズされたマーケットプレースは起業家や中小企業とメーカーをつなぎ、ローカルの強靭なサプライチェーンを構築し、市場に製品をいち早く効率的に供給することをアシストします。我々は現在9カ国のローカライズ・マーケットプレースを運営しており、それぞれの市場でのトラックレコードを誇りに思っています」とコメントしている。
Xometryは2013年10月設立。3DプリンティングやCNCマシニングに特化したオンデマンド・マーケットプレースを運営しており、顧客にはBMW、GE、NASA、アメリカ陸軍などが名を連ねている。同社のユーザー数は、アメリカ国内外の中小企業を中心に5,000社に達している。
掲載日:2023年1月12日:ファストレイディアスの時価総額が最盛期の1%に縮小
アメリカのオンデマンド・マニュファクチャリング企業で昨年2022年11月に米連邦破産法11条(チャプター11)を申請して経営破綻したファストレイディアスの時価総額が、最盛期の1%に縮小していたことがわかった。
現地メディアの報道によると、ファストレイディアスは昨年12月に米ミシガン州デトロイトに拠点を置くマニュファクチャリング・サービスビューローのサイブリッジ・テクノロジーズに買収されたが、買収金額は1590万ドル(約20億6700万円)で、最盛期の1%程度だという。
アメリカでは近年SPAC(特別買収目的会社)によるアディティブ・マニュファクチャリング関連企業の上場が相次いだが、パフォーマンスが軒並み悪化している。中でも比較的パフォーマンスが好調とされるVelo3Dも、上場後の最盛期から時価総額が23%程度に縮小している。
ファストレイディアスは2014年設立、イリノイ州シカゴに拠点を置くオンデマンド・マニュファクチャリング企業。3Dプリンターを含むアディティブ・マニュファクチャリングや、CNCマシニング、射出成形、ウレタン・キャスティングなどによる造形サービスを提供していた。
ファストレイディアスは、今年2022年2月にSPAC(特別買収目的会社)のECPエンバイオメンタル・グロース・オポチュニティーズとの合併でNASDAQへ上場していた。上場からわずか9カ月での経営破綻となった。
掲載日:2023年1月11日:シェレン・ジャグラ氏がインポシブル・フーズのチーフ・デマンド・オフィサーに就任
シェレン・ジャグラ氏が、アメリカの大手代替肉メーカーのインポシブル・フーズのチーフ・デマンド・オフィサーに就任した。ジャグラ氏は、ニューウェルブランド、ケロッグ、キンバリークラークなどの大手食品メーカーで20年以上のキャリアを持つ食品業界のベテラン。前職ではニューウェルブランドでスーパバイザーとジェネラルマネージャーを務めていた。業界団体が選ぶ「食品業界のトップウーマン」にも選出されている。
インポシブル・フーズのピーター・マクギネスCEOは、「我々が次の成長フェーズに進むためには、チームと規律を結合させる必要があります。シェレンはその方法を熟知しており、組織をスケールさせるノウハウを持っています。彼女は複雑な組織を高いパフォーマンスを発揮するビジネスに転換させるなど食品業界に精通しています。彼女のリーダーシップがインポシブル・フーズというブランドをさらに広めてくれることを信じています」とコメントしている。
ジャグラ氏は、「インポシブル・フーズに招いいただいた理由のひとつは(代替肉という)カテゴリーをリードし、美味しくて栄養豊富でサステナブルな食品を生み出すことです。インポシブル・フーズは優れた製品ポートフォリオとブランドを持っています。ピーター率いるチームとともに、この基礎をさらに強めてゆきたいと思います」とコメントしている。
掲載日:2023年1月10日:ステークホルダー・フーズが研究開発基金から100万ドルの助成金を獲得
シンガポールの3Dバイオプリンティング企業のステークホルダー・フーズ(ミーテックから社名変更)が、シンガポール・イスラエル工業研究開発基金から100万ドル(約1億3000万円)の助成金を獲得した。ステークホルダー・フーズは、獲得した資金をウナギの3Dパイオプリンティングの研究開発に投じるとしている。
ステークホルダー・フーズは、ベンチャー企業のウマミ・ミーツと共同で、生細胞を培養したバイオインクをベースに魚肉などをバイオプリンティングしている。同社は、早ければ今年2023年第一四半期(1月から3月末)内にサーモンのバイオプリンティング肉のプロトタイプを公開したいとしている。
ステークホルダー・フーズの事業開発担当副社長のヤイル・アヤロン氏は、「我々の長期的な事業戦略の遂行には業界内のコラボレーションが極めて重要になります。特にウマミ・ミーツとのパートナーシップは、魚肉の食感を実現するために極めて重要です。今回シンガポール・イスラエル工業研究開発基金から助成金をいただき、基金がサポートするプロジェクトを担えることになったことを誇りに思います」とコメントしている。
ステークホルダー・フーズは、今年2023年内にシンガポール、アメリカ、ヨーロッパでの製品の販売を開始したいとしている。
掲載日:2023年1月9日:3Dメタルフォージがシンガポールとアメリカでの操業を停止
オーストラリアのメタル3Dプリンティングサービスビューローの3Dメタルフォージが、シンガポールとアメリカでの操業を停止した。3Dメタフルォージは、昨年2022年8月から買掛金の支払い遅延などを起こしていたが、今回の操業停止により事実上経営破綻したと見られる。
3Dメタルフォージは2012年設立、オーストラリア・パースを拠点に、パース、テキサス州ヒューストン、シンガポールの三か所でメタル3Dプリンティングサービスを提供していた。2021年7月にシンガポールの大手運輸会社PSAから大口の受注をするなど、業績は好調と見られていた。
昨年2022年8月から支払い遅延を起こしたのを皮切りに、翌9月には人員削減を柱とするリストラ計画を発表、80万ドル(約1億400万円)のデット・エクイティ・スワップ(債務の株式への転換)を行うなどしていた。しかし、業績の改善には至らず、シンガポールの裁判所に経営破綻を申し立て、12月に全従業員との雇用契約を破棄していた。
3Dメタルフォージは、現在、すべての取引先と業務の他社への引継ぎなどについて調整をしているという。本記事執筆時点では、3Dメタルフォージの業務引継ぎについての情報は入手できていない。
掲載日:2023年1月8日:アドマンがポリマー3Dプリンティングサービスビューローのディンスモアを買収
アメリカのメタル3Dプリンティングサービスビューローのアドマンが、ポリマー3Dプリンティングサービスビューローのディンスモアを買収した。買収金額などの詳細は明らかにされていない。ディンスモアは、アドマンが過去24カ月間で買収した三社目のサービスビューローとなった。
アドマンのジョー・キャルミースCEOは、「ディンスモアの買収により、特にアドマンの医療領域における顧客によりハイレベルのサービスを提供することができるようになります。今後も積極的な投資を続けてゆきますが、ディンスモアはその戦略実現において重要な役割を果たすことになるでしょう」とコメントしている。
ディンスモアの創業者でCEOのジェイ・ディンスモア氏は、「二社の統合によるシナジー効果は大きく、ディンスモアの社員にも大きなメリットをもたらすでしょう。アドマンのオペレーションの能力は高く、アディティブ・マニュファクチャリングの豊富な知識と経験を有しています。我々のポリマー3Dプリンティングの技術を、アドマンのサービスラインナップに加えることを誇りに思います」とコメントしている。
アドマンは2020年設立の、フロリダ州ボニタ・スプリングスに拠点を置く3Dプリンティングサービスビューロー。3Dプリンティングサービスに加え、CNCマシニング、DMLSなどのサービスを提供している。
掲載日:2023年1月7日:スペースXが7億5000万ドルの資金を調達
イーロン・マスク氏率いるロケットメーカーのスペースXが、7億5000万ドル(約975億円)の資金を調達していると現地メディアのCNBCが報じている。報道によると、資金調達ラウンドを率いているのは大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロヴィッツ率いる投資シンジケート。アンドリーセン・ホロヴィッツは、スペースXの時価総額を1370億ドル(約17兆8100億円)と見積もっている。
スペースXに対しては、アンドリーセン・ホロヴィッツの他にGoogleやフィデリティ・インベストメンツを含む80社以上のベンチャーキャピタルや企業が投資している。また、昨年2022年11月にブルームバーグが報じたところによると、スペースXは、時価総額を1500万ドル(約19兆5000万円)に拡大させるため、さらなる資金調達を計画しているとされる。
スペースXの時価総額は、現時点でエアバス(973億ドル)、ボーイング(1213億ドル)、ノースロップ(810億ドル)などの他の大手航空宇宙企業の時価総額を上回っている。
スペースXは、競合企業のブルーオリジンやリラティビティ・スペースなどと同様に、ロケット本体およびロケットエンジンの製造に3Dプリンターを活用している。
掲載日:2023年1月6日:ブラスケムがタウルマン3Dを買収
ブラジルの大手石油化学会社のブラスケムが、アメリカのフィラメントメーカーのタウルマン3Dを買収した。買収金額などの詳細については明らかにされていない。
ブラスケムは2020年4月より3Dプリンター用フィラメントの販売を開始し、これまでに14種類のポリマー系フィラメントを販売してきた。タウルマン3Dの買収により、自社の製品ラインナップにタウルマン3Dのナイロン系フィラメントが新たに加わる。
タウルマン3Dの買収について、ブラスケムのグローバル・コマーシャルディレクターのジェイソン・ヴァグノッチ氏は、「タウルマン3Dの買収により、世界中にハイレベルの顧客を持つフィラメントメーカーを傘下に収めることができました。ブラスケムの市場シェアを倍増し、我々の成長戦略を加速することになるでしょう」とコメントしている。
タウルマン3Dは米ミズーリ州セントルイスに拠点を置く2011年設立のアメリカのベンチャー企業。設立以来各種の高機能、高品質の3Dプリンター用フィラメントを開発し、アメリカを中心に世界中の3Dプリンターコミュニティから高い支持を集めている。
ブラスケムはブラジル・サンパウロに拠点を置く石油化学会社。アメリカ大陸においてエクソンモービル、ダウ・ケミカルに次ぐ第三の規模の巨大企業。
掲載日:2023年1月5日:フォームラブズがフリートマネジメントシステム「オートメーション・エコシステム」をリリース
アメリカのSLA3Dプリンターメーカーのフォームラブズが、現在開催中のラスベガス家電見本市(CES)でフリートマネジメントシステム「オートメーション・エコシステム」を公開している。
「オートメーション・エコシステム」は、フィニッシュパーツのクリーニングを行う「フォームオート」、プリンターのフリートマネジメントを行う「フリートコントロール」、および「ハイボリューム・レジンシステム」の三つのコンポーネントで構成されている。
「オートメーション・エコシステム」をフォームラブズの「フォーム3+」または「フォーム3B+」と組み合わせることで、人件費を最大80%、パッケージング廃材を最大90%、製造コストを最大40%、それぞれ削減できるとしている。
フォームラブズのチーフ・プロダクト・オフィサーjのデヴィッド・ラカトス氏はプレスリリースで、「オートメーション・エコシステムは3Dプリンターの機能を最大限に引き上げるシームレスなソルーションです。特に歯科技工、サービスビューロー、インハウスのジョブショップでの利用がお勧めです」とコメントしている。
「オートメーション・エコシステム」の価格は、1セット3750ドル(約48万7500円)からとなっている。
掲載日:2023年1月4日:Cybe建設が四階建ての3Dプリント住宅を建設
オランダのCyBe(サイビー)建設が、四階建ての3Dプリント住宅を建設するとして話題になっている。
Cybe建設が建設するのは、Prefabricated Prefinished Volumetric Construction (PPVC) と呼ばれる工法で作られる住宅で、Cybe建設の工場で事前に製造されたコンストラクションブロックを積み重ねて建設される。他の建設3Dプリンターのようにオンサイトで稼働するのではなく、プレハブ方式で建設される。
コンストラクションブロックは、シンプルな構造のストラクチャーブロックから、アメニティ付きの完成アパートブロックまで、ユーザーの要求に合わせてカスタマイズ製造される。
Cybe建設によると、同社のPPVC工法は、国連が提唱する環境保護基準のSDG11に準拠しており、ゼロエミッションを達成しているという。
CyBe建設は2013年11月設立のオランダのベンチャー企業。建設3Dプリンターに加え、建設3Dプリンター用ソフトウェア、建築用素材などを製造している。CyBe建設は2017年6月にUAEのドバイでも研究施設を建設3Dプリンターで建設しているほか、ニュージーランドのハミルトンでもコマーシャルビルディングなどを製造している。
掲載日:2023年1月3日:シンプリファイ3Dがシンプリファイ3Dバージョン5.0をリリース
3Dプリンター用スライサーソフト開発のシンプリファイ3Dが、最新バージョンのシンプリファイ3D5.0をリリースした。バージョン5.0ではインターフェースが大幅に改良されたのに加え、Wi-Fとイーサネットに対応するなどリモートプリンティング機能が強化された。また、ズーム・ローテーションのコントロール画面も刷新され、よりユーザーフレンドリーなデザインとなっている。
シンプリファイ3Dのクレイトン・ウェブスターCEOは、「グランドアップのアプローチを積み重ねることで、未来に向けた最新機能の基礎を確立することができました。ソフトウェアのメジャーなシステムのほぼすべてを作り直し、ユーザーがもっとも必用とする重要な機能を強化しています」とコメントしている。
シンプリファイ3Dバージョン5.0の価格は、新規ライセンスが199ドル(約25,870円)で、バージョン4.0からのアップデートライセンスが69ドル(約8,970円)となっている。
シンプリファイ3Dはスライサーソフトを中核とした3Dプリンター用管理ソフトで、使い勝手の良さとスライサーソフトの高性能が世界中の3Dプリンターユーザーに支持されている。シンプリファイ3Dによると、シンプリファイ3Dは現在120ヶ国の3Dプリンターユーザーに使われている。
掲載日:2023年1月2日:2022年度第三四半期の3Dプリンティング市場が31億ドル規模に拡大
2022年度第三四半期の3Dプリンティング市場が31億ドル(約4030億円)規模に拡大したとするレポートが発表された。
アメリカの市場調査会社スマーテック・アナリシスが発表したレポートによると、全世界の3Dプリンティング市場はハードウェア、ソフトウェア、素材のセクターで大きく拡大し、対前年比で20%以上成長したとしている。四半期ベースでの成長は4四半期連続となった。
スマーテック・アナリシスのスコット・ダンハム研究員は、「マクロ経済的にはチャレンジングな課題が存在していたものの、2022年度第三四半期は史上もっとも成長したピリオドとなりました。アディティブ・マニュファクチャリング業界全般においては先行き不透明な要素がありますが、アディティブ・マニュファクチャリング技術そのものに対する需要は引き続き旺盛です。スマーテック・アナリシスは、アディティブ・マニュファクチャリング業界にとっての2023年については極めて楽観的に見ています」とコメントしている。
同レポートは、2023年のアディティブ・マニュファクチャリング業界を牽引する主なプレーヤーとして、スリーディーシステムズ、HP、EOS、プロッドウェイズ、Velo3D、SLMソルーションズ、マークフォージド、デスクトップメタル、GEアディティブ、ExOneなどを挙げている。
掲載日:2023年1月1日:2023年新年のごあいさつ
新年明けましておめでとうございます。いつも世界の3Dプリンターニュース「セカプリ」をご利用いただき、誠にありがとうございます。本年が皆様にとりまして明るく恵豊かな一年となりますよう、スタッフ一同心より祈念しております。
本年も世界中から最新の3Dプリンター関連ニュースをお届けする所存、いっそうのご愛顧をよろしくお願いいたします。
2023年元日
世界の3Dプリンターニュース「セカプリ」スタッフ一同
掲載日:2022年12月31日:インド陸軍が二階建ての3Dプリント住宅を建設
インド陸軍が二階建ての3Dプリント住宅を建設したとして話題になっている。インド陸軍エンジニアリングサービスが建設したのは広さ71平方メートルの二階建て住宅。大型建設3Dプリンターで建設され、建設にかかった時間は12週間。インド政府が規程するゾーン3耐震基準をクリアしていて、インド陸軍の士官クラスが入居する予定だとしている。
軍隊が建設3Dプリンターを活用する機運は世界的に高まっている。アメリカ軍も建設スタートアップ企業のICONと共同で、広さ5700平方フィート(約529.54平方メートル)の大きさの兵舎住宅を建設3Dプリンターで建設している。
アメリカ国防省はプレスリリースで、「このプロジェクトは、アメリカ陸軍が掲げる三つの優先事項に沿ったものです。すなわち、人、機動性、近代化です。先端技術で建物を建設することで建設コストを削減し、設計時間を縮小し、建設にかかるスピードを加速することができます。我々は、このイノベーティブな技術を活用し、兵舎住宅以外の建物の建設も進めてゆく予定です」と説明している。
ICONによると、兵舎住宅の建設にはラバクリートと呼ばれる専用の素材が使われる。また、建設コストは、従来の方式の10%から30%削減できるとしている。
掲載日:2022年12月30日:メタがベルギーのオプティクス3Dプリント企業のLuxexcelを買収
Facebookの親会社でNASDAQ上場のメタが、ベルギーのオプティクス3Dプリント企業のLuxexcelを買収した。買収金額などの詳細については明らかにされていない。
Luxexcelは2009年設立。3Dプリンターで眼鏡用レンズ、LCDスクリーン、プリスクリプションレンズなどをカスタム製造している。
買収の目的は明らかにされていないが、メタは現在開発中のメタバースのユーザーが装着するARデバイス用グラスレンズの製造をLuxexcelに担わせる可能性が指摘されている。
メタのメタバースに参加するには、ヘッドセット式のARデバイスを装着する必要があるが、眼鏡をかけているユーザーは眼鏡とARデバイスのレンズと二重に利用する形になる。ARデバイスのレンズをユーザーごとにカスタマイズできれば、眼鏡とARデバイスのレンズと二重に利用する必要がなくなる。
アメリカでは、未成年者の四分の一が眼鏡を利用していて、高齢者の70%が老眼鏡などの眼鏡を利用しているとされる。メタバースの利用を促すためには、Luxexceのテクノロジーを活用し、ARデバイスのレンズを製造する必要があると判断したものと見られる。
メタは、これまでに70億ドル(約9100億円)の資金をメタバースの開発に投じている。現時点ではメタバースの利用は一部のユーザーに限定されており、本格的な運用はまだなされていない。
掲載日:2022年12月29日:ブラッド・クレガー氏がVelo3Dのオペレーション担当エグゼクティブバイスプレジデントに就任
ブラッド・クレガー氏が、Velo3Dのオペレーション担当エグゼクティブバイスプレジデントに就任した。クレガー氏は、Velo3Dの生産能力向上、品質水準確保、製造コスト削減のミッションを負う。
クレガー氏は、前職でサーモフィッシャー・サイエンティフィックのオペレーティング担当マネージャーを務めていた。
Velo3Dのベニー・ビューラーCEOは、「Velo3Dのように急速にスケールしている企業のグローバルオペレーションを管理することは大変チャレンジングなことです。ブラッドの急成長企業を率いてきたバックグラウンドは、Velo3Dを次のレベルへ到達させるための大きな戦力となります。ブラッドが我々のオペレーションをオプティマイズし、サファイアシリーズおよびサファイアXCプリンターの製造を加速してくれることに大いに期待しています」とコメントしている。
Velo3Dは、2021年10月にSPAC(特別買収目的会社)のジョーズ・スピットファイア・アクイジション・コーポレーションと合併し、ニューヨーク証券取引所へ上場している。上場以来、アメリカ市場を筆頭にヨーロッパとアジア太平洋地域で事業を拡大し、従業員が急増していた。人材の配置や組織作りなど、人事上の課題が山積している。
掲載日:2022年12月28日:フォーティアス・メタルズがAMベンチャーズから200万ドルのシード資金を調達
米コロラド州エリーに拠点を置く大型メタル3Dプリンティングサービスビューローのフォーティアス・メタルズが、ドイツのベンチャーキャピタルのアディティブ・マニュファクチャリング・ベンチャーズ(AMベンチャーズ)から200万ドル(約2億7000万円)のシード資金を調達した。バリュエーションなどの投資の詳細は明らかにされていない。
フォーティアス・メタルズは、独自開発したロボットアーム型大型3Dプリンターを使い、メタルワイヤーを溶接して各種のパーツなどを製造している。フォーティアス・メタルズの3Dプリンターは、特に溶接が困難なパーツづくりなどに用いられている。
フォーティアス・メタルズのジェフ・リンツCEOは、「我々が独自開発した6061アルミニウム溶接ワイヤーを使うことで、従来からよく発生していた「ホットクラッキング」の問題を解決することができます。我々のお客様にそのベネフィットをご提供できることを今から楽しみにしています。特にコロラド州に拠点を置く数多くの航空宇宙関連のお客様から多くの期待を集めています」とコメントしている。
アディティブ・マニュファクチャリング・ベンチャーズは、2013年にドイツのハイエンドメタル3DプリンターメーカーのEOSの創業者、ハンス・ランガー氏が設立したベンチャーキャピタル。これまでにドイツ、オーストリア、アメリカ、スイス、スウェーデン、オーストラリアの17社のアディティブ・マニュファクチャリング関連スタートアップ企業に投資している。同社は今年2022年7月に1億ユーロ(約140億円)規模のVCファンドを組成している。
掲載日:2022年12月27日:L3ハリス・テクノロジーズがエアロジェット・ロケットダインを買収
アメリカの大手防衛テクノロジー企業のL3ハリス・テクノロジーズが、アメリカの大手ロケットエンジンメーカーのエアロジェット・ロケットダインを買収する。発表によると、L3ハリス・テクノロジーズはエアロジェット・ロケットダインの株を1株58ドルで買い取る。買い取りの総額は47億ドル(約6110億円)で、エアロジェット・ロケットダインが抱える債務もすべて同時に引き継ぐ。
エアロジェット・ロケットダインを巡っては、2020年に大手航空機メーカーのロッキード・マーティンが買収することで合意していたが、米連邦取引委員会(FTC)から反トラスト法違反の指摘を受け、合意が破棄されていた。
L3ハリス・テクノロジーズは、2019年にL3テクノロジーズとハリス・コーポレーションの合併により誕生した世界第六位の大手防衛コントラクター。無線機器、戦術無線機、航空電子工学および電子システム、暗視装置、地上アンテナ、人工衛星搭載アンテナなどの製品を製造している。
L3ハリス・テクノロジーズとエアロジェット・ロケットダインは、自社製品の製造に3Dプリンターを含む各種のアディティブ・マニュファクチャリング機器を広く活用している。
掲載日:2022年12月26日:セレンディクスが大型建設3Dプリンターを導入
日本の建設スタートアップ企業のセレンディクス株式会社が、最大100平方メートルの大きさの平屋建て住宅を建設できる大型建設3Dプリンターを導入した。セレンディクスが導入したのは、中国上海に拠点を置くWinsun社が開発した大型建設3Dプリンター。Winsunから建設3Dプリンターを導入するとともに、同社と資本業務提携を締結したという。
セレンディクスは、今年2022年6月にオランダのTAM社から最大60平方メートルの造形サイズを持つ大型ロボットアーム式建設3Dプリンターを導入している。今回のWinsunの建設3Dプリンターの導入により、来年販売予定のSerendix49m2モデルとSerendix100m2モデルの開発を進めたいとしている。
セレンディクスは、今年2022年3月に愛知県小牧市に国内初となる3Dプリント住宅のSerendix10m2モデルを建設、国内外のメディアにより紹介されるなど話題を集めた。セレンディクスによると、同社には同社の3Dプリント住宅に関する問い合わせが国内外から1800件以上寄せられているという。
セレンディクスは2018年設立。「30年の住宅ローンを失くす」をミッションに、プレハブ型3Dプリント住宅を建設している。
掲載日:2022年12月25日:インポシブル・フーズの代替肉がコネティカット州の公立学校給食に採用
アメリカの代替肉メーカーのインポシブル・フーズの代替肉が、コネティカット州の公立学校給食に採用されて話題になっている。コネティカット州ミドルタウン公立学校は、域内のミドルタウン高校で実施したテストの結果を踏まえ、インポシブル・フーズの代替肉ハンバーガーを「週に複数回」提供することを決定したという。テスト結果では、75%の生徒がインポシブル・フーズの代替肉を高評価したという。
ミドルタウン公立学校の給食担当マネージャーのランドール・メル氏は、「生徒たちのほとんどが、「インポシブル・バーガー」というラベルが貼られていなければ代替肉であるとは気づかなかったと答えています。これくらい美味しいなら週に何度食べても大丈夫だと答えた生徒も多くいますlと説明している。
コネティカット州ミドルタウン公立学校は、肉を一切食べない「ミートレス・マンデー」を実施したり、地元の農家と共同で給食用農場の運営や「栄養学クラス」を展開するなど、子供たちの食育に非常に熱心な学区であることで知られている。
インポシブル・フーズは、今後は代替肉パティを使った代替肉バーガーに加えて、代替鶏肉を使ったチキンナゲットなどを提案してゆきたいとしている。
掲載日:2022年12月24日:アディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループが2023年度年次総会の登録受付を開始
アメリカ最大のアディティブ・マニュファクチャリング関連業界団体のアディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループ(AMUG)が、2023年度年次総会の登録受付を開始した。
登録に際しては参加料の支払いが必要だが、現地時間の2023年1月6日までに登録すればアーリーバードスペシャル価格が適用される。アーリーバードスペシャル価格は1295ドルとなっている。その後2023年2月17日までの登録については、通常参加料1495ドルが適用される。また、2023年2月17日以降の登録については、参加料1695ドルが適用される。
登録者に対しては、4日間のカンファレンス参加証、エキスポ参加証、キーノートプレゼンテーションおよびジェネラルセッションの参加証などが付与される。また、各種のワークショップ、オフサイトディナー、テクニカルセッション、ネットワーキングセッションなどにも事由に参加できる。
アディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループの2023年度年次総会は、2023年3月19日から23日までの日程でイリノイ州シカゴで開催される。昨年2022年度年次総会に続き、完全オフラインでの通常開催となる。
掲載日:2022年12月23日:コンティニュアムが3600万ドルの資金調達に成功
米カリフォルニア州ロスガトスに拠点を置く3Dプリンター用メタルパウダーメーカーのコンティニュアム(Continuum)が、3600万ドル(約46億8000万円)の資金調達に成功した。コンティニュアムは、調達した資金を100%リサイクルメタルパウダー製造能力拡張に投じるとしている。
出資したのはベンチャーキャピタルのアラ・パートナーズ。バリュエーションなどの投資の詳細は明らかにされていない。
コンティニュアムのフィル・ウォードCEOは、「アディティブ・マニュファクチャリング用パウダー市場は次の五年間で三倍に拡大すると見込まれています。3Dプリンティング業界は商業的に変曲点を迎えることになるでしょう。アラ・パートナーズによる投資は、業界の成長に対する我々の対応力を大きく強化します。アラ・パートナーズは、これまでにいくつものビジネスをスケールさせ、循環型経済への転換をサポートしてきました。戦略的、金融的パートナーとしての彼らとともに仕事ができることを楽しみにしています」とコメントしている。
コンティニュアムは、ニッケルベース超合金パウダー、ステンレススティールパウダー、チタンパウダーなどをカスタマイズ製造販売している。
掲載日:2020年7月1日:後編|世界最高レベルの3Dプリンターで作られた 世界最大級のジオラマで見る日本橋
「3Dプリンターのこれからの課題と未来予想図」
先日リニューアルオープンした三井不動産レジデンシャルの「日本橋サロン(日本橋三井タワー内)」。そこで一際目をひくのが、日本橋の街を再現した巨大なジオラマだ。なんとこれは、世界最高レベルを誇るフルカラー3Dプリンターで100%出力されたもの。スケールの大きさも精密度も前例のない、この桁違いのプロジェクトとは?
VIDEO
稀代の浮世絵師、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれているシンボリックな暖簾(のれん)を垂らした呉服店「越後屋」。その老舗が日本橋の重要文化財として知られる三井本館が現在建っている場所にあったことは有名な話だが、そんな江戸文化が感じられる街、日本橋周辺を3.59km×2.36kmの範囲でジオラマ化するプロジェクトが、無事完成を迎えた。
世界最大級のジオラマを3Dプリンターですべて出力して組み上げるというこの前例のない試みについて、前編では完成したジオラマのディテールや制作過程を、中編ではいま3Dプリンターでつくる価値についてお届けした。
後編では、プロジェクトを通して見えた3Dプリンターの今後の課題や未来の展望について、当媒体「セカプリ」の代表で当プロジェクトの制作を担った木下謙一(株式会社ラナキュービックほかRANA UNITEDグループ代表取締役CEO)と山口修一(株式会社マイクロジェット代表取締役CEO)の両氏が語り尽くす。
世界最大級のジオラマから得られた収穫は計り知れない
木下「今回のジオラマは、何もかもが前例のないものでしたが、とても合理的にあらゆる作業ができましたし、これまでにないモノ作りが体験できました。大型のフルカラー3Dプリンターを3台以上、何十時間も連続して稼働し続けるというのはありえないことだと思いますが、最新のテクノロジーを使って、従来の日本人らしさと言われるような気合と根性とはまた違う方法論で、画期的なジオラマが完成したという実感があります」
山口「デジタルゆえの利点も多くありましたね。色味が合わないと分かった時点で、すぐに作り直しをしたり、その修正部分も2日後にはチェックできたりと、3Dプリンターで制作することはデジタルならではのパフォーマンスが随所に発揮されたと思います」結果大きなトラブルもなく完成を迎えたが、それだけにこのチャレンジから得られた収穫は計り知れない。これからのモノ作りやビジネスに活かせるヒントはいくつも見つかったようだ。
山口「まず今回の試みで、最大のリスクだったのが、稼働中に何らかのトラブルでプリンターが止まってしまうということですよね。結局3ヶ月間故障なく動き続けたわけですから、ミマキエンジニアリングさんにとってもいい前例が作れたと思います。個人的には、予想以上に3Dプリンターは安定していたなと感じました」 木下「そもそも前例のないことをやったので、最終的にこうなりますということがお見せできない状態からのスタートでした。クライアントをはじめプロジェクトチームのみなさんには非常に感謝しています」 山口「もし、最初の段階でこれは無理だと判断していたら今回の収穫はなかったわけですし、この実例は何か新しいビジネスのスタートになるかもしれませんね」これだけ大規模なジオラマを短時間で作り上げたことは、今後の3Dプリンターの使い方の道標にもなる。例えば、量産化できるホビーのツールや災害時の検証、ほかの使い方も模索できそうだ。山口「ホビーやフィギュアということであれば、フルカラーはまだまだコスト的に高いので難しいところはあると思います。ただ、自分で色を着けるということなら、ホビーの範疇として使える安価な3Dプリンターやその活用例は、次々に出てきています」
木下「シューズメーカーがソールの一部を3Dプリンターで作ったり、メガネメーカーがフレームを作ったり、デザインと掛け合わせて身近なもので使う例は、たくさんありますからね。そういった活用法は今後も広がるんじゃないでしょうか」 山口「3Dプリンターはますます市場を拡大していくと思います。これまでの製造業はマスプロダクション。言わば メーカーが規格を決めてそこから選ばせる“押しつけのものづくり” でした。しかし、いまはデジタル技術の活用によって、一人ひとりに自分のものを提供するマスカスタマイゼーションが重視される時代です。一人ひとりが自分にぴったりのものが欲しいと思う気持ちがある。3Dプリンターはそれを解放する技術です。このチャンスに挑戦する方が増えればと思います」
世界の技術に追いついていくために必要なこと
ますます身近になる3Dプリンター。モノ作りが得意な日本は、これからの未来に期待が持てそうだが、そもそも3Dプリンターの開発に関しては、現状、世界的に見てどんな立ち位置にいるのだろうか?
山口「残念ながらドイツなどの先進国に比べると、かなり遅れを取っていると思います。例えば日本で3Dプリンターの展示会をやると出展は50?100社程度ですが、最新のドイツで行われた展示会の出展社数は、800社以上ですから、全然規模も熱量も違うんですよ。また欧米では、3Dプリンティング関連産業が根付こうとしていますから。例えば今回のようなリアルなジオラマで、CGを使わず特撮をするというような観点など、角度の違う見方や活用方法でビジネスを考えていくことは必要だと感じますね」
木下「僕も今回やってみて、リアリティを目の当たりにすると従来のジオラマとは意味合いが変わったなと感じました。ジオラマは本来、現実の世界の建物や街を単に縮小したものですが、ここまでリアリティがあると、ちょっと違ったものに見えてきますね。それに共感や理解をしてくれる個人、企業と新しいビジネスを考えていくのはありだと思います」
日本橋の街の3Dプリンター製ジオラマを作ったことで、両氏にはまた新しいものが見えてきたようだ。ところで、今回のプロジェクトでは、やり残したと感じることはないのだろうか?
木下「時間がもうちょっとあれば、いろいろとできたかなとは思います。ひとつは、樹脂を中空にして樹脂の量もコストも削減できたのではないかということ。あとは、電車や車、船、人といった小道具をもっと使えば、さらにリアリティが出せたかなとは感じます。ですがそれは今からでも修正はできますし、街並みが変わればブロックごとに差し替えることもできます」
山口「リアリティと、そして追加修正が容易にできるのはデジタルの特性ですね。あと、日本橋周辺のジオラマを作ってわかったのですが、東京の土地活用は飽和していたかと思っていたのですが、上空から見ると低層建築が密集して空間がある場所が結構あることに、初めて気がつきました」
木下「そうですね。小さいビルと大きいビルの差が著しいところが結構ある。やはりリアルなジオラマを作ると新しい発見がありますね。都市機能を考えるうえでも、有意義な模型としてもいろいろ活用できたら嬉しいなと思います」
山口「あと3Dプリンターでいえば、もう少し子どもと触れ合う機会を増やしていきたいなとは思っています。実はゲームとは違って3Dプリンターは、大人と子どもが一緒になって楽しめるツールにもなるんです。単純に作りたい形になって立体物が出てくること自体体験したら楽しいですし、そうやって子どもの頃からプリンターに触れる経験があれば、もっとユニークなアイデアやビジネスが生まれるようになるかもしれません。私はそれを実現するための子どもと3Dプリンターを結びつける活動に、これからまた挑戦していきます」
■プロフィール
木下謙一(きのした・けんいち)
1969年生まれ。株式会社ラナデザインアソシエイツなどクリエイティブとソリューションを提供するラナグループの代表取締役CEO、武蔵野美術大学非常勤講師。1992年、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、NHKアート等を経て、1997年にラナデザインアソシエイツを設立。多くの著名企業のウェブサイト構築やアーティストのCDジャケット、広告ビジュアル、アプリ制作などを手がける。The New York Festivals、London International Advertisingawards、東京ADCほか受賞は多数。
山口修一(やまぐち・しゅういち)
1957年生まれ。株式会社3Dプリンター総研代表取締役CEO、株式会社マイクロジェット代表取締役CEO、一般社団法人日本3Dプリンター協会代表理事、工学博士、インクジェット&3Dプリンターコンサルタント。1983年、東京工業大学大学院理工学研究科修了後、エプソン株式会社(現セイコーエプソン株式会社)を経て1997年にマイクロジェット社を設立。以後、国内外でインクジェット技術普及のための講演活動や技術支援を積極的に行っている。2012年、『インクジェット時代がきた!』(光文社新書)を上梓。3Dプリンターやインクジェット関連の講演、論文、著作多数。