3Dプリンター技術研究所(InkJet&FDM熱溶解積層1

3Dプリンターに関する高度な技術と豊富な情報

ご挨拶

研究所 所長 工学博士 山口修一 
(3D プリンター&インクジェットコンサルタント)

デジタルファブリケーション分野における、AM(Additive manufacturing)装置の中で、 低価格のFDMプリンターやインクジェット式の3Dプリンターが注目を集めていますが、 その本格的な進化は、これからと言えます。様々な情報があふれている中で、当研究所は 30年以上に及ぶインクジェット開発経験と様々な分野との接点やチャンネルを活かす ことにより、3Dプリンター関連ビジネスの発展に寄与できるように努めて参ります。

研究所所長 山口修一

山口修一 略歴
1983年 東京工業大学大学院、博士前期課程修了
1983年 大手プリンターメーカー入社。インクジェット開発に従事
1997年 マイクロジェット設立、代表取締役就任
2013年 大阪大学大学院、博士後期課程修了
2012年 著書 光文社新書『インクジェット時代がきた!』
3Dプリンターに関する講演、ラジオ出演多数

3Dプリンター技術研究所では下記のようなご要望にお応えすべく、日々技術革新と情報収集に努めています。

新着情報

2020/6/9
東京都済生会中央病院へフェイスシールドを無償提供
株式会社マイクロジェット、株式会社3Dプリンター総研、株式会社ラナエクストラクティブ、RANA CUBIC(RaNa Unitedグループ)の4社連携にて、新型コロナウイルス感染症対応に尽力されている東京都済生会中央病院への支援を目的として、3Dプリンター造形によるフェイスシールド100セットを無償提供いたしました
2019/11/18
formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
ヨーロッパ最大の3Dプリンターの展示会formnext 2019。
今年も報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/11/16
formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2018。
今年も報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/7/2
第29回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第29回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/5/23
第29回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/20(水)~6/22(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東21-30
2018/2/19
3D Printing 2018展来場の御礼
3D Printing 2018展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/1/12
3D Printing 2018展に出展致します。
2/14(水)~2/16(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6J-23
2017/11/10
formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2017。
今年も視察報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2017/6/26
第28回設計・製造ソリューション展
来場の御礼
第28回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/5/24
第28回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/21(水)~6/23(金)
東京ビッグサイト 東1ホール
ブース№43-29
2017/2/20
3D Printing 2017展来場の御礼
3D Printing 2017展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/1/16
3D Printing 2017展に出展致します。
2/15(水)~2/17(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6L-22
2016/12/26
セミナーご参加の御礼
「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。     
2016/10/26
formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2016。
今年も視察報告セミナーを開催いたします。
「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2016/6/27
第27回設計・製造ソリューション展
来場の御礼
第27回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2016/5/31
第27回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/22(水)~6/24(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東7-38
2016/2/3
3D Printing 2016展来場の御礼
3D Printing 2016展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/12/21
調査レポート先行予約開始のお知らせ
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』の先行予約を開始いたしました。
2015/12/22
3D Printing 2016展に出展致します。
1/27(水)~1/29(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6G-20
2015/12/11
セミナーご参加の御礼
「EuroMold2015 & formnextにみる3Dプリンター最前線セミナー」はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
2015/8/26
視察ツアー募集開始のお知らせ
Euromold2015展の現地解説ツアーを企画いたしました。
Euromold 2015 3Dプリンター現地解説ツアー
※お申し込みは終了しました
2015/8/18
講演会ご参加の御礼
先日行われました独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成27年度第1回3Dプリンターセミナーにて、当研究所所長山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/7/3
第26回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第26回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/28
第26回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/24(水)~6/26(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東8-38
2015/5/21
BIO tech2015展来場の御礼
BIO tech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/21
先日行われました長野県工業技術総合センター平成27年度科学技術週間行事にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/4/13
BIO tech2015展に出展致します。
5/13(水)~5/15(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№4-47(微細加工ゾーン内)
2015/3/11
先日行われました長野県中小企業団体中央会平成26年度経営セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/2/18
nanotech大賞2015受賞報告
弊社は、nanotech2015展に出展し、
「nanotech大賞2015 日刊工業新聞社賞」を受賞いたしました。
2015/2/18
nanotech2015展来場の御礼
nanotech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/2/18
3D Printing 2015展来場の御礼
3D Printing 2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2014/12/19
nanotech2015展に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東4~6ホール
ブース№ 5G-02
2014/12/19
3D Printing 2015展に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6D-09
2014/12/19
先日行われました近畿化学協会機能性色素・エレクトロニクス部会東京地区合同公開講演会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/12/19
先日行われました日本印刷学会の2014年度プリプレス研究会にて、弊社の堀が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/23
先日行われました色材協会関東支部の印刷インキアドバンス講座にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/15
先日行われました農工大・多摩小金井ベンチャーポート9月セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/9/16
BioJapan 2014展に出展致します。
10/15(水)~10/17(金)
パシフィコ横浜
ブース№ B101(中小機構ブース内)
2014/7/14
先日行われました大阪府工業協会の2014年度3Dプリンタ実践導入研究会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/7/14
先日行われました愛知県経営者協会機械金属部会総会の特別講演にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/5/27
第25回設計・製造ソリューション展に出展致します。
6/25(水)~6/27(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№7-40
2014/4/23
BIO tech2014展に出展致します。
5/14(水)~5/16(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№8-1(バイオ医療開発ゾーン内)
2014/1/22
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2014/1/15
nanotech2014展に出展致します。
1/29(水)~1/31(金)
東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
ブースNo.6-G21
2013/12/18
3Dプリンターセミナーの次回開催日は2014年2月の予定です。
2013/12/4
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2013/12/2
3Dプリンター技術研究所ホームページを新たにオープンしました。

セミナー・イベント情報

2019/12/21
【formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2019年12月20日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2018/12/10
【formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2018年12月7日(金)
開催場所:AP品川アネックス (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2017/11/10
【formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2017年12月15日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2016/12/26
【formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2016年12月22日(木)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2015/12/11
【EuroMold2015 & formnext
にみる3Dプリンター最前線】
開催日 :2015年12月10日(木)
開催場所:AP品川
※満席により、お申込みは終了しました
2015/1/20
【EuroMold 2014 から見えてきた3Dプリンティングの未来】
開催日 :2015年1月21日(水)
開催場所:(株)3Dプリンター総研 セミナールーム
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/5/21
【3Dプリンター体験会】
開催日 :2014年5月24日(土)
開催場所:当研究所
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/1/22
【3Dプリンタ、造形材料開発者向け
セミナー】
開催日 :2014年3月6日(木)
開催場所:東京都内
※お申し込みは終了しました

新刊・レポ

2023/7/5new
【最新書籍情報!】
2023年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 165頁
詳しくはこちら
2022/7/6
【最新書籍情報!】
2022年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 195頁
詳しくはこちら
2021/6/23
【最新書籍情報!】
2021年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 178頁
詳しくはこちら
2021/3/19
【最新書籍情報!】
世界の3Dプリンティング産業最前線 2021
体裁/A4判レポート(フルカラー)165頁
詳しくはこちら
2021/2/16【最新書籍情報!】
3Dプリンティング材料最新業界レポート
体裁/A4判 362頁
詳しくはこちら
2021/2/1【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用新規材料開発
体裁/B5判 380頁
詳しくはこちら
2020/7/20【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用材料開発と造形物の高精度化
体裁/A4判 469頁
詳しくはこちら
2020/5/15【最新書籍情報!】
2020年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 189頁
詳しくはこちら
2020/3/16【最新書籍情報!】
formnext2019 報告レポート刊行
体裁/A4判報告レポート 175頁
詳しくはこちら
2020/3/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と市場
体裁/B5判 241頁
詳しくはこちら
2019/8/30【最新書籍情報!】
3Dプリンター・造形材料の市場動向と最新業界レポート
体裁/A4判 239頁
詳しくはこちら
2019/5/20【最新書籍情報!】
2019年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 197頁
詳しくはこちら
2018/12/17【最新書籍情報!】
formnext2018 報告レポート刊行
体裁/A4判 220頁 フルカラー
詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と先進分野への応用
体裁/A4判 264頁
詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
2018年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 168頁
詳しくはこちら
2018/1/22【最新書籍情報!】
formnext2017 報告レポート
体裁/A4判 240頁超 フルカラー
詳しくはこちら
2017/6/21【最新書籍情報!】
2017年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 175頁
詳しくはこちら
2017/2/28
バイオ・医療への3Dプリンティング技術の開発最前線
体裁/B5判 上製 230頁
詳しくはこちら
2016/3/28
3Dプリンター・造形材料の開発動向と市場
~IoT時代に求められるモノづくり~
体裁/A4判 並製 182頁
詳しくはこちら
2016/1/27
「新たなものづくり」3Dプリンタ活用最前線
体裁/B5判・270頁 詳しくはこちら
2015/12/21
【最新調査レポート情報!】
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』
体裁/A4判レポート・165頁フルカラー
詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『産業用3Dプリンターの最新技術・材料・応用事例』
体裁/B5判・280頁 詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『3Dプリンターの材料技術の開発動向と市場展開』
体裁/A4判・143頁 詳しくはこちら
2015/2/25
【最新調査レポート情報!】
『EuroMold2014 報告レポート』
<Euro Mold 2014から見えてきた3Dプリンティングの未来>

2014年11月25日より28日までの4日間ドイツのフランクフルトで開催されたEuroMold 2014。先日、報告会を開催いたしましたが、かねてからご要望のありましたレポート版が完成いたしました。
詳しくはこちら
2014/2/26
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンタに関する特許分析レポート』

「3Dプリンタ」に関連する特許を分析、さらに3Dプリンタを取り巻く環境情報(訴訟・市場) をコンパクトに整理致しました。
詳しくはこちら
2013/12/18
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンティング革命アメリカ最新レポート』

アメリカの3Dプリンターを利用したビジネスの数々を紹介!!
詳しくはこちら
2013/12/2
【おすすめ度No.1書籍】
3Dプリンターについて書かれた、 当研究所の所長の著作本は こちら

世界の3Dプリンターニュース 抜粋 ニュース一覧はこちら

掲載日:2023年9月5日:全世界の3Dプリンティング市場が2032年に983億ドル規模へ成長
全世界の3Dプリンティング市場が2032年に983億ドル(約14兆2535億円)規模へ成長すると予想したレポートが発行された。アメリカの市場調査会社プレセデンス・リサーチのレポート「3Dプリンティング市場・グローバルインダストリーアナリシス」は、2022年時点の全世界の3Dプリンティング市場を173億8000万ドル(約2兆5201億円)規模と推定した上で、今後年率18.92%の成長率で成長を続け、2032年に同規模へ到達するとしている。 2022年におけるエリア別では、北米市場が全体の34%を占め、ヨーロッパ(29%)、アジア太平洋(28%)、ラテンアメリカ(5%)、中東及びアフリカ(4%)と続いた。 売上構成では、産業用3Dプリンティングの売上が全体の77%を占めた。アプリケーションでは、プロトタイピングが全体の55%を占めた。素材では、メタル系素材が全体の53%を占めた。また、ハードウェアの売上が全体の65%を占め、ソフトウェア(30%)、3Dプリンティング関連サービス(5%)と続いた。 市場拡大を牽引する主な産業セクターとしては、自動車、航空宇宙、防衛、医療、歯科医療、コンスーマーエレクトロニクス、エネルギー、ファッション、食品等が挙げられた。
掲載日:2023年9月4日:ビル・ゲイツ氏が植物由来代替肉が「人類の未来」であると発言
アメリカ有数の資産家のビル・ゲイツ氏が、植物由来代替肉が「人類の未来」であると発言して話題になっている。自身のポッドキャスト「アンコンフューズ・ミー」でのコメントでゲイツ氏は、「気候変動が生じているあらゆるエリアにおいて、人々にもっとも忘れられてしまう存在が農業で使う肥料と牛です。どちらも気候変動を生じさせている大きな原因です」とコメントし、既存の畜産業が環境へ与える悪影響について言及している。 ゲイツ氏によると、牛の畜産業が地球環境に与える影響は大きく、牛肉99グラムを生産するのに地球平均で50キログラムの温室効果ガスが放出されるという。 ビル・ゲイツ氏は、複数の代替肉メーカーに自ら投資していることでも知られている。ゲイツ氏は、これまでに代替肉メーカーのインポシブル・フーズ、ビヨンド・ミート、アップサイド・フーズなどへ出資している。 ゲイツ氏はまた、代替肉が抱える課題として代替肉の味について言及し、「多くの企業はいい仕事をしていると思うけれど、多くの消費者がもっと味が良くなるように求めています。でも、彼らは素晴らしいロードマップを有しており、私は彼らの未来を楽観視しています」と発言している。
掲載日:2023年9月3日:テネシー州チャタヌーガ市が3Dプリント住宅を使ったホームレス支援プログラムを開始
テネシー州チャタヌーガ市が、3Dプリント住宅を使ったホームレス支援プログラムを開始して話題になっている。チャタヌーガ市が開始したパイロットプログラムは市内に居住するホームレスを対象にしたもので、恒久的な住居が得られるまでの一定期間無償で3Dプリント住宅を提供するもの。これまでに2名のホームレス住民が恒久的な住居を見つけ、3Dプリント住宅から退去してプログラムから卒業したという。 チャタヌーガ市のティム・キャリー市長は、「このパイロットプログラムは、ホームレスの人々を支援するコンセプトの正しさを証明するものです。この小さなイノベーションは、ホームレスの人々に恒久的な住居を確保する機会を与え、安定的な暮らしを送ることを後押しします。特に緊急性の高い人々にとって大きな助けとなることでしょう」とコメントしている。 アメリカでは建設3Dプリンターの導入が各地で進んでいるが、ホームレス支援用の3Dプリント住宅が建設されるのはアメリカで初のケースと見られる。 チャタヌーガ市はテネシー州南東部に位置する都市。人口は15万5千人で、ロックシティガーデンやルビーフォールズ洞窟といった名所を有する観光都市として知られている。
掲載日:2023年9月2日:ナノ・ディメンションが2023年度第2四半期決算を発表
イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1474万ドル(約21億3730万円)で、前年同期比で33%増加した。調整後EBITDAはは2400万ドル(約34億8000万円)の赤字だった。 2023年度上半期(1月~6月末)の売上高は2970万ドル(約43億650万円)で、前年同期比で38%増加した。2023年度上半期の調整後EBITDAは4700万ドル(約68億1500万円)の赤字だった。 2023年度第2四半期決算の発表に伴い、ナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOは株主に対し、「2023年度第2四半期決算においてもナノ・ディメンションはモメンタムを継続することができました。スタッフ、イニシアティブ、ビジネスプラン、そしてM&A戦略のすべてが売上高の増加と利益率の改善に寄与しました。特にオーガニックの売上高は前年同期比でで47%のプラスとなりました。業界全体が景気の落ち込みの影響を受ける中、ナノ・ディメンションの売上高は前年同期比で33%のプラスとなりました。同業他社の多くが値下げを余儀なくされる中、ナノ・ディメンションの利益率は大きく改善しています」といった主旨の書簡を送付した。
掲載日:2023年9月1日:マルハニチロがシンガポールのウマミ・バイオワークスと協業契約を締結
大手水産食品会社のマルハニチロが、シンガポールのスタートアップ企業のウマミ・バイオワークスと協業契約を締結した。マルハニチロのプレスリリースによると、マルハニチロは細胞培養技術を用いて生産する「細胞性水産物」の開発と事業化を目指し、培養魚生産のパイオニア企業ウマミ・バイオワークスと魚類の細胞培養技術の確立に向けた取り組みを推進する。 マルハニチロは2021年8月以降、細胞培養における国内先進企業と細胞性水産物の共同研究開発に取り組んでいるが、国内に加えて海外企業との協業を図ることにより研究開発体制の拡大充実と早期事業化への歩みを加速させたいとしている。 ウマミ・バイオワークスはシンガポールに拠点を置くバイオテクノロジー企業で、培養魚の自動生産プラットフォームを構築している。同社はこれまでに試食可能な細胞性水産物の開発に成功している。 マルハニチロは、1880年に山口県下関市で創業した水産加工大手のマルハ(旧大洋漁業)と、1906年に新潟県三条市で創業した水産加工大手のニチロが2007年に経営統合して誕生した。直近(2023年3月期)の売上高は6897億円。同社は東証プライム市場へ上場している。
掲載日:2023年8月31日:全世界の建設3Dプリンティング市場が2030年に5233億ドル規模へ成長
全世界の建設3Dプリンティング市場が2030年に5233億ドル(約75兆8785億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社ジオン・リサーチがまとめたレポート「建設3Dプリンティング・技術、方式、素材、建設タイプ別市場分析」は、2022年時点での全世界の建設3Dプリンティング市場を35億ドル(約5075億円)規模と推定し、今後年率87%の高い成長率で成長を続け、2030年までに同規模へ到達すると予想している。 建設3Dプリンティング市場における主なプレーヤーとしては、エイピス・コア、COBODインターナショナル、XtreeE、CyBe建設、MX3D、コンツアー・クラフティング、ICON、コンストラクション3Dなどを挙げている。 建設3Dプリンティングの方式では、ロボットアーム型3Dプリンティングと、ガントリー型3Dプリンティングが主流になると予想している。 世界的な住宅不足を背景に、建設業界では建設3Dプリンティングに対する関心が高まっている。日本でも建設3Dプリンティング企業のセレンディクスが、広さ93平方メートルの3Dプリント住宅「serendix50」の販売を開始し、話題になっている。
掲載日:2023年8月30日:生成AIが3億人のアメリカ人の仕事をリプレース
生成AIが最大で3億人のアメリカ人の仕事をリプレースする可能性があるとするレポートが発表され、話題になっている。アメリカの大手金融機関ゴールドマンサックスがまとめたレポート「The Potentially Large Effects of Artificial Intelligence on Economic Growth」によると、現在導入が進んでいる生成AIなどによりコンテンツ製造のオートメーションが普及し、最大でアメリカ人の仕事の三分の二がリプレースされる可能性があるという。生成AIによってリプレースされない仕事は全体の30%程度にとどまるとしている。 生成AIによってリプレースされるリスクが最も高い仕事がオフィスでの事務作業で、法律関連の仕事、建設デザイン、エンジニアリングと続いた。 一方、生成AIによってリプレースされない仕事としては、清掃業、保守メンテナンス、機械設置と修理、建設業などが挙げられた。 生成AIは現在世界中で急速に利用が拡がっている。アディティブ・マニュファクチャリング・3Dプリンティングの領域でも導入が始まっており、3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手のシェイプウェイズも、生成AIを自社の製造プラットフォームに組み込むと発表している。
掲載日:2023年8月29日:シェイプウェイズが生成AIを導入
3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手でNASDAQ上場のシェイプウェイズが生成AI(人工知能)を導入する。シェイプウェイズのプレスリリースによると、シェイプウェイズは生成AIを自社の製造プラットフォームに組込み、製造精度と品質の向上を図るとしている。 シェイプウェイズのグレッグ・クレスCEOは、「シェイプウェイズは膨大なデータとテクノロジーを有しており、生成AIを導入することで生産効率と生産性をさらに向上させることが可能になります。我々は製造業の未来を改革することにフォーカスしており、AIやマシンラーニングなどのテクノロジーが我々が成し遂げようとしていることをさらに加速してくれると信じています」とコメントしている。 シェイプウェイズは、既にマシンラーニングを導入しており、自社のAWS(Amazon Web Service)上のプラットフォームにて運営している。シェイプウェイズによると、マシンラーニングの導入によりAWSプラットフォームの運用コストを大幅に削減できているという。 生成AI(Generative AI)とは、テキスト、画像、音楽などのクリエイティブコンテンツを生成できるAI。AIのカテゴリーとしては比較的若く、現在世界中で利用が急速に広がっている。
掲載日:2023年8月28日:フォームラブズが従業員の一部をレイオフ
アメリカのSLAプリンターメーカーのフォームラブズが、従業員の一部をレイオフしていたことがわかった。レイオフされたのは14人の従業員で、フォームラブズによると、フォームラブズに勤務する全従業員の2%に満たない数字だという。 フォームラブズのスポークスパーソンは、「我々は組織のすべての部分を点検し、お客様に対してベストなサポートを提供し、優れた製品を供給できるよう努力しています。残念ながら、今回一部の従業員をレイオフせざるを得なくなりましたが、いずれも我々が定めたゴールを下回るパフォーマンスを示した方々でした。フォームラブズは、今後も成長を続け、アディティブ・マニュファクチャリング市場をリードしてゆきます。すべてのディビジョンに市場において、新しいポジションを獲得してゆきます」とコメントしている。 フォームラブズは、2021年時点で時価総額が20億ドル(約2900億円)を突破し、アディティブ・マニュファクチャリング業界を代表する有望ベンチャー企業としてのポジションを獲得している。同社はこれまでに9回のラウンドで総額2億5370万ドル(約367億8650万円)の資金を調達している。同社に対しては、孫正義氏率いるソフトバンクビジョンファンドも出資している。
掲載日:2023年8月27日:マテリアライズが2023年度第2四半期決算を発表
ベルギーの3Dプリンティング・サービスビューローで3Dプリンティング関連ソフトウェア開発のマテリアライズが2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は6480万ユーロ(約100億4400万円)で、前年同期の5800万ユーロ(約89億9000万円)から11.6%増加した。調整後EBITDAは470万ユーロ(約7億2850万円)で、前年同期比で12.2%のプラスとなった。 マテリアライズのエグゼクティブチェアマンのピーター・レイズ氏は、「マテリアライズは2023年度第2四半期決算においても強固なオペレーションのパフォーマンスを示すことができました。6480万ユーロの売上高は前年同期比で12%近く増加しており、三つのすべてのセグメントで売上高が増加しました。特にメディカル部門の売上高が前年同期比で20%と大きく増加しています。調整後EBITDAも470万ユーロと前年同期比で12%の増加となりました。ファンダメンタルズの力を鑑みるに、2023年度通年の売上高と調整後EBITDAは過去最高を記録するでしょう」とコメントしている。 マテリアライズは1990年にウィルフレッド・ヴァンクラインやピーター・レイズらが設立した、ベルギーで最初の3Dプリンティング・サービスビューロー。アディティブ・マニュファクチャリングの世界では老舗企業として知られている。
掲載日:2023年8月26日:アメリカのメディアがセレンディクスの3Dプリント住宅のニュースを一斉に報道
アメリカのメディアが日本のセレンディクスの3Dプリント住宅のニュースを一斉に報道している。 アメリカの建設専門ウェブメディアのアーキネクトは、セレンディクスが二人世帯用3Dプリント住宅「serendix50」の販売を開始したことを報じ、特に価格がわずか3万4000ドル(約493万円)で、「車が買える価格並みの低価格」であることを驚きをもって伝えている。同メディアはまた、「serendix50」の価格は、「平均的な日本の住宅価格よりも90%も安い」と伝えており、日本の住宅市場へ相応のインパクトを与える可能性についても報じている。 ニュースメディアのシンギュラリティ・ハブも、日本の住宅は欧米の住宅よりも平均的な居住面積が狭いと報じた上で、「serendix50」の延床面積がわずか93平方メートルに過ぎないことと、「serendix50」が特に引退した老夫婦世代を対象にデザインされていることなどを報じている。 アメリカでも、テキサス州に拠点を置く3Dプリント住宅メーカーのICONなどが3Dプリント住宅の販売を開始しているが、価格が40万ドル程度(約5800万円)程度と高く、一般的な住宅と相違ない水準となっている。セレンディクスの3Dプリント住宅は、価格が一般的な住宅よりも圧倒的に安く、アメリカのメディアの関心を集めているようだ。
掲載日:2023年8月25日:ストラタシスが臨時株主総会でデスクトップメタルとの合併を決議
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、2023年9月28日に開催される臨時株主総会でデスクトップメタルとの合併を決議することとなった。ストラタシスとデスクトップメタルは、株式交換などにより18億ドル(約2610億円)規模の合併を計画している。 ストラタシスとデスクトップメタルとの合併が承認されると、スリーディーシステムズが提案しているストラタシスの買収オファーにも影響を与えることになる。スリーディーシステムズはストラタシスに対し、デスクトップメタルとの合併計画を撤回するよう求めている。 ストラタシスとデスクトップメタルに対しては、アメリカ法務省から「追加の情報に関する質問状」と呼ばれる質問状が送付され、ストラタシスとデスクトップメタルが合意したとされる合併契約に関する情報の開示を求められている。アメリカ法務省は、ストラタシスとデスクトップメタルとの合併が独占禁止法に抵触している可能性について調査しているものと見られる。 一方、スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取る提案を提示している。
掲載日:2023年8月24日:Voxeljetが2023年度第2四半期決算を発表
ドイツの工業用3Dプリンターメーカーで米NASDAQ上場のVoxeljetが2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は680万ユーロ(約10億5400万円)で、前年同期の670万ユーロ(10億3850万円)から2.2%増加した。経常収支は360万ユーロ(約5億5800万円)の赤字で、前年同期の180万ユーロ(約2億7900万円)の赤字から悪化した。 部門別の売上高では、システム部門の売上高が400万ユーロ(約6億2000万円)で、前年同期比で11.5%のプラスとなった。オンデマンド3Dプリンティング部門の売上高は280万ユーロ(約4億3400万円)で、前年同期比で8.7%のマイナスとなった。主に中国市場でのオンデマンド3Dプリンティング需要の減退が足を引っ張る形となった。 2023年度第2四半期決算の発表とともに、Voxeljetは2023年度通年の売上高を2750万ユーロ(約42億6250万円)から3250万ユーロ(約50億3750万円)のレンジへ下方修正した。 Voxeljetは、ドイツ・フライドバーグに拠点を置く3Dプリンターメーカー。主に砂型造形用大型3Dプリンターなどを製造している他、自社の3Dプリンターを使ったオンデマンド3Dプリンティングサービスを提供している。
掲載日:2023年8月23日:ストラタシスとデスクトップメタルがアメリカ法務省から質問状を受理
アメリカの3Dプリンターメーカーのストラタシスとデスクトップメタルが、アメリカ法務省から質問状を受理していたことがわかった。アメリカ現地メディアの報道によると、両社が受け取ったのは「追加の情報に関する質問状」と呼ばれるもので、通称「第二の質問状」(Second request)と呼ばれている。ストラタシスとデスクトップメタルが合意したとされる合併契約に関する情報の開示を求めているものと見られている。 ストラタシスとデスクトップメタルは、2023年5月25日に総額18億ドル(約2610億円)規模の合併契約を締結したと発表していた。その後、別の大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズがストラタシスを買収するオファーを提示し、ストラタシスはそれを「超越的提案」と評価し、買収を前向きに進める意思を表明していた。スリーディーシステムズは、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取る提案をストラタシスの株主に提示している。 ストラタシスとスリーディーシステムズのいずれも、本記事執筆時点(アメリカ現地時間の2023年8月22日)までに合併に関するコメントを発表していない。
掲載日:2023年8月22日:セレンディクスとヤマイチ・ユニハイムエステートが業務提携を開始
3Dプリント住宅メーカーのセレンディクスと不動産ディベロッパーのヤマイチ・ユニハイムエステートが業務提携を開始した。プレスリリースによると、両社は「世界最先端の住宅開発に関する基本合意書」を締結、住宅不足や高騰化の解決、およびワークライフバランスを両立する世界最先端の3Dプリンター住宅が立ち並ぶ未来の街づくりにおいて業務提携を行うとしている。 セレンディクスは、誰もが「車を買える価格で家を購入できる」社会の実現をミッションに掲げ、これまでに日本初の3Dプリント住宅「serendix 10」や、二人世帯向け3Dプリント住宅「serendix 50」などを竣工させ、ユーザーに提供してきた。 ヤマイチ・ユニハイムエステートは、主軸事業となる開発事業を中心に戸建住宅事業や賃貸事業を展開しており、分譲マンション事業においては17,000戸超・190棟以上の供給実績を持っている。 セレンディクスとヤマイチ・ユニハイムエステートは今後、セレンディクスが持つ建設3Dプリンティング技術と、ヤマイチ・ユニハイムエステートが持つ不動産開発能力を相乗的に活用し、次世代のスマートシティデザインに共に取り組んでゆくとしている。
掲載日:2023年8月21日:シェイプウェイズが2023年度第2四半期決算を発表
3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手でNASDAQ上場のシェイプウェイズが2023年度第2四半期決算を発表した。2023年度第2四半期の売上高は840万ドル(約12億1800万円)で、経常収支は680万ドル(約9億8600万円)の赤字だった。経常収支は前年同期の470万ドル(約6億8150万円)の赤字から悪化した。調整後EBITDAも600万ドル(約8億7000万円)の赤字で、前年同期の430万ドル(約6億2350万円)の赤字から悪化した。 2023年度第2四半期決算について、シェイプウェイズのアルバート・レッチ氏は、「コストサイドにおいては、我々はコスト削減につながるあらゆることを行っています。ニューヨーク証券取引所からNASDAQへ市場を変えたことなどはその良い例です。それにより、証券取引所に支払うコストを6%から7%程度削減しました」と説明している。 2023年度第3四半期の売上高については、850万ドル(約12億3250万円)から900万ドル(約13億500万円)程度と見通している。 シェイプウェイズは2008年、オランダの大手家電メーカーのフィリップスの社内ベンチャーとして設立され、主にアメリカとヨーロッパのユーザーを対象に3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレースを運営している。
掲載日:2023年8月20日:SLMソルーションズが2023年度第2四半期決算を発表
ドイツのハイエンドメタル3DプリンターメーカーのSLMソルーションズが2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は2790万ユーロ(約43億2450万円)で、前年同期の2600万ユーロ(約40億3000万円)から若干増加した。経常収支は730万ユーロ(約11億3150万円)の赤字で、前年同期の170万ユーロ(約2億6350万円)の赤字から悪化した。エネルギーコストの高騰や、ニコンによる買収に伴うトランザクションコストが嵩んだことなどがコスト増加につながった。 2023年度上半期の売上高は5200万ユーロ(約80億6000万円)で、2022年度上半期から22%のプラスとなった。 2023年度第2四半期決算の発表に先立って行われた年次株主総会で、SLMソルーションズは、社名をSLMソルーションズから「ニコンSLMソルーションズ」に変更する決議を賛成多数で可決した。 また、2017年に起債した2870万ユーロ(約44億4850万円)分の転換社債を、ニコンからの借入で借り換える決議も賛成多数で可決した。また、ニコン傘下のニコンヨーロッパBVより短期借入金1000万ユーロ(約15億5000万円)を借り入れる決議も可決した。
掲載日:2023年8月19日:Xometryが2023年度第2四半期決算を発表
メリーランド州ガイザーズバーグに拠点を置く産業用マーケットプレース運営のXometryが2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億1100万ドル(約160億9500万円)で、前年同期比で16%のプラスとなった。マーケットプレースの売上高は9350万ドル(約135億5750万円)で、前年同期比で24%のプラスとなった。メーカー、エネルギー、航空宇宙、ロボティクスなどの産業セクターからの需要増加が結果に繋がった形となった。 マーケットプレースのアクティブバイヤー数は48,294社で、前年同期比で44%増加した。 Xometryのランディ・アルトシューラーCEOは、「アクティブバイヤー数が前年同期比で44%増加するなど、マーケットプレースの成長を支える支柱は極めて強固です。航空宇宙、電気自動車、医療機器、ロボティクスなどの産業セクターのユーザーの利用が特に増加しました」とコメントしている。 Xometryは2013年10月設立。3DプリンティングやCNCマシニングに特化したオンデマンド・マーケットプレースを運営しており、顧客にはBMW、GE、NASA、アメリカ陸軍などが名を連ねている。同社のユーザー数は、アメリカ国内の中小企業を中心に5,000社に達している。
掲載日:2023年8月18日:レッドワイヤーが2023年度第2四半期決算を発表
アメリカの宇宙関連スタートアップ企業のレッドワイヤーが、2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は6010万ドル(約87億1450万円)で、前年同期比で63%のプラスとなった。経常収支は550万ドル(約7億9750万円)の赤字で、前年同期の7700万ドル(約111億6500万円)の赤字から大きく改善した。調整後EBITDAは440万ドル(約6億3800万円)で、前年同期の410万ドル(約5億9450万円)の赤字から黒字に転換した。 レッドワイヤーの会長兼CEOのピーター・カニート氏は、「第2四半期決算においては、我々は強力な売上増加のトレンドを維持し、調整後EBITDAは黒字に転換しました。これは我々の宇宙ソリューションに対する強固な需要の結果であり、レッドワイヤーの比類なきプロフェッショナルが提供するエクセレンスの賜物です」とコメントしている。 レッドワイヤーは、宇宙産業に特化したプライベート・エクイティ・ファームのAEインダストリアル・パートナーズが設立した新設企業で、傘下に宇宙用3Dプリンターメーカーのメイド・イン・スペースなどを抱えている。メイド・イン・スペースは、2016年に国際宇宙ステーションへ3Dプリンターを設置し、人類史上初めて宇宙空間での3Dプリンティングを成功させた企業。
掲載日:2023年8月17日:ナノ・ディメンションがイギリスのアディティブ・マニュファクチャリングソフトウェア企業を買収
イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、イギリスのアディティブ・マニュファクチャリングソフトウェア企業を買収する。ナノ・ディメンションの発表によると、ナノ・ディメンションはイギリスのアディティブ・フロー社が開発したソフトウェアとそれに付随する知的財産権のすべてを買収する。買収に関する詳細については明らかにされていない。アディティブ・フローの従業員は全員ナノ・ディメンションへ転籍する模様。 アディティブ・フローが開発したソフトウェアは、アディティブ・マニュファクチャリングのシミュレーションを行うもので、様々な種類の素材を元にデザインを評価できる。同ソフトを活用することでパーツのコストや重量を最適化でき、生産性の向上とコスト削減が同時に実現できるとしている。 今回の買収はナノ・ディメンションがアメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの買収攻勢から撤退してから最初の買収となる。ナノ・ディメンションはストラタシスの株主に対して、ストラタシスの株1株を現金25ドルで買取るテンダーオファーを提示していたが、2023年7月28日までにオファーを取り下げ、買収を断念した。
掲載日:2023年8月16日:全世界の食品3Dプリンティング市場が2028年に20億ドル規模へ拡大
全世界の食品3Dプリンティング市場が2028年に20億ドル(約3000億円)規模へ拡大すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社レポートリンカーがまとめた「食品3Dプリンティング市場規模とシェア分析・成長トレンドと市場予測」によると、2023年時点で5億2000万ドル(約780億円)規模と推定される全世界の食品3Dプリンティング市場は、今後年率31.57%の高い成長率で成長を続け、2028年に同規模へ到達するとしている。 同レポートは、食品3Dプリンティングは今後、特に洋菓子などの食品製造の現場や飲食店などで導入が進み、カスタマイズ製品の製造や複雑な形状の食品の製造などに使われると予想している。 食品3Dプリンティング市場拡大を牽引する主なプレーヤーとしては、BeeHex、byFlow、キャンディファブ、チョコエッジ、Nufood、ナチュラルマシーンズ、マテリアルズ・リサーチ・コーポレーションなどを挙げている。 食品3Dプリンターは現在、チョコレートやパスタなどの食品の製造に加え、代替肉や代替魚肉の製造などにも使われている。食品3Dプリンターはまた、高齢者用流動食や栄養補助食品の製造などにも使われている。
掲載日:2023年8月15日:FATHOMが2023年度第2四半期決算を発表
アメリカの大手3Dプリンティングサービスビューローでニューヨーク証券取引所上場のFATHOMが、2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は3450万ドル(約48億9900万円)で、前年同期の4200万ドル(約59億6400万円)から17.9%減少した。 経常収支は730万ドル(約10億3660万円)の赤字で、前年同期の3430万ドル(約48億7060万円)の黒字から赤字に転落した。2023年度上半期の経常収支も860万ドル(約12億2120万円)の赤字だった。 調整後EBITDAは480万ドル(約6億8160万円)で、前年同期の1480万ドル(約21億160万円)から大幅に減少した。 FATHOMは、世界的なマクロ経済の停滞による生産活動の減退が、当期の業績悪化につながったとしている。 FATHOMは2008年設立。全米12箇所に製造拠点を有し、3Dプリンティングなどのアディティブ・マニュファクチャリングサービスに加え、CNCマシニング、射出成型、ツーリング、シートメタル・ファブリケーション、デザイン、エンジニアリングなどの各種のサービスを提供している。 FATHOMは2022年1月にSPAC(特別買収目的会社)のアルティマ・アクイジション・コーポレーションⅡとの合併により、ニューヨーク証券取引所へ上場した。
掲載日:2023年8月14日:ビヨンド・ミートが2023年度第2四半期決算を発表
アメリカの代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートが、2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億200万ドル(約144億8400万円)で、前年同期比で30.5%の大幅なマイナスとなった。経常収支は5350万ドル(約75億9700万円)の赤字だった。2023年度第2四半期決算で経常赤字を計上したことで、同社が掲げていた2023年度上半期中のキャッシュフローの黒字転換は実現できない形になった。 2023年度第2四半期決算の発表に伴い、2023年度通年の売上高の見通しは3億6000万ドル(約511億2000万円)から3億8000万ドル(約539億6000万円)へ下方修正された。 粗利益率は前年同期のマイナス620万ドル(約8億8040万ドルの赤字)から黒字転換を果たしたものの、わずか2.2%に留まった。 ビヨンド・ミートの業績悪化は、アメリカの消費者の代替肉に対する需要減少が直接影響していると指摘されている。調査会社ミンテルが行った調査によると、アメリカの消費者の48%が代替肉の味が良くないとして代替肉を購入していないと回答している。また、34%が代替肉の値段が高すぎると回答している。
掲載日:2023年8月13日:Velo3Dが2023年度第2四半期決算を発表
カリフォルニア州キャンプベルに拠点を置く大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dが2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は2510万ドル(約35億6420万円)で、前年同期比で28%増加した。経常収支は2320万ドル(約32億9440万円)の赤字で、2023年度第1四半期の3620万ドル(約51億4040万円)の赤字から連続で赤字となった。 調整後EBITDAも1750万ドル(約24億8500万円)の赤字だった。2023年6月30日時点の同社が保有する現金残高は4700万ドル(約66億7400万円)となった。 2023年度通年の売上高について、Velo3Dは1億500万ドル(約149億1000万円)から1億1500万ドル(約163億3000万円)のレンジへ下方修正した。 Velo3Dのベニー・ビュラーCEOは、「第2四半期は世界市場で売上を伸ばす中、そして効率化計画とコスト管理計画の実施により、マニュファクチャリングサイクルタイムの改善を果たすかたちとなりました。我々の最先端のテクノロジーに対する需要は旺盛で、記録的な受注数を確保する結果になりました。今後も防衛関連セクターや宇宙関連セクターを中心に我々のプレゼンスを維持してゆきたいと思います」とコメントしている。
掲載日:2023年8月12日:スリーディーシステムズが2023年度第2四半期決算を発表
アメリカの3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億2820万ドル(約182億440万円)で、前年同期比で8.5%減少した。2023年度通年の売上高は2億4940万ドル(約354億1480万円)で、前年比で8.6%減少した。 経常収支は2880万ドル(約40億8960万円)の赤字で、調整後EBITDAも690万ドル(約9億7980万円)の赤字だった。 スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOは、「スリーディーシステムズがスケールを実現するには二つの道があります。ひとつは現在提案しているストラタシスとの合併です。短期的なコストシナジーと言うメリットと、テクノロジープラットフォームを統合しての長期的な成長のどちらも獲得できます。ふたつめは我々自身の努力でスケールを実現することです。メタルとポリマーのポートフォリオをレバレッジし、現在劇的に展開している再生医療の領域での努力を拡大することです。どちらの道も成功につながる道ですが、ストラタシスとの合併は顧客、株主にとってより多くのメリットをもたらすでしょう」とコメントしている。 スリーディーシステムズが合併を提案しているストラタシスも2023年度第2四半期決算を発表している。ストラタシスの同期間中の売上高は1億5980万ドル(約226億9160万円)で、前年同期の1億6660万ドル(約236億5720万円)から4.2%減少した。
掲載日:2023年8月11日:ストラタシスが2023年度第2四半期決算を発表
スリーディーシステムズとナノ・ディメンションから買収攻勢を受けているアメリカの3Dプリンターメーカーのストラタシスが、2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億5980万ドル(約226億9160万円)で、前年同期の1億6660万ドル(約236億5720万円)から4.2%減少した。 GAAP(米国標準会計基準)ベースでの営業収支は3370万ドル(約47億8540万円)の赤字だった。ナノ・ディメンションによる買収攻勢に対抗するための費用などを計上したことなどが影響した。調整後EBITDAは1060万ドル(約15億520万円)で、前年比で43%増加した。 ストラタシスのヨアヴ・ツァイフCEOは、「ポリマー・アディティブ・マニュファクチャリングにおける我が社のポジションを強化し、レジリエントなビジネスモデルと強固な財務基盤を持つことで、強い逆風が吹く中、ストラタシスは盤石なオペレーションと業績を示すことができました。二四半期連続でコンスーマー向け製品とカスタマーサービス部門での売上増加を記録しました。今後も利益率の改善に努力し、株主利益の最大化を果たしてゆきます」とコメントしている。
掲載日:2023年8月10日:ボストン・マイクロ・ファブリケーションがシリーズD投資で2400万ドルの資金調達に成功
米マサチューセッツ州に拠点を置くマイクロ3Dプリンターメーカーのボストン・マイクロ・ファブリケーション(BMF)が、シリーズD投資で2400万ドル(約34億800万円)の資金調達に成功した。出資したのは中国資本のプライベートエクイティファンドが率いる投資シンジケート。バリュエーションなどの詳細については明らかにされていない。 ボストン・マイクロ・ファブリケーションは、2022年にもシリーズC投資で4200万ドル(約59億6400万円)の資金を調達している。 ボストン・マイクロ・ファブリケーションのジョン・カウォラCEOは、「今回の資金調達により、我々の顧客とパートナーに継続したコミットメントを提供でき、新たなイノベーションを展開するためのリソースを確保することができました。我々は、顧客のニーズを満たしていると信じていますが、我々のテクノロジーは、より多くのことを実現できます」とコメントしている。 ボストン・マイクロ・ファブリケーションのマイクロ3Dプリンター「microArch230シリーズ」は、最小2ミクロン程度でのサイズの造形が可能。医療機器や電子機器など、様々な産業セクターで活用されている。
掲載日:2023年8月9日:プロトラブズが2023年度第2四半期決算を発表
アメリカの大手デジタルマニュファクチャリングサービスビューローのプロトラブズが2022年度第4四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億2227万ドル(約173億6234万円)で、前年比で3.6%のマイナスとなった。経常収支は40万ドル(約5680万円)の赤字で、非GAAP(米国標準会計基準)ベースでは870万ドル(約12億3540万円)の黒字だった。 プロトラブズの社長兼CEOのロブ・ボーダー氏は、「売上と収支ともにガイダンスレンジ内の数字に納めることができました。世界的な生産活動の低迷などにより経済状況はいまだにチャレンジングですが、我々のデジタルファクトリーを使って下さるお客様とネットワークマニュファクチャリングパートナーにより、差別化された価値創造を提供することができました」とコメントしている。 プロトラブズは1999年設立。ミネソタ州メープルプレーンズに拠点を置く手デジタルマニュファクチャリングサービスビューロー。アメリカをはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデンでも事業を展開している。プロトラブズは、日本市場からは昨年2022年6月をもって撤退している。
掲載日:2023年8月8日:エイドリアン・ケプラー氏がVelo3Dの取締役に就任
エイドリアン・ケプラー氏が、アメリカの大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dの取締役に就任した。ケプラー氏はアディティブ・マニュファクチャリング業界で20年以上のキャリアを持つベテランで、前職ではVelo3Dのライバル企業EOSのCEOを務めていた。 Velo3Dの創業者兼CEOのベニー・ミュラー氏は、「ケプラー博士はアディティブ・マニュファクチャリング業界に関する豊富な知識と幅広い人脈を持っており、その経験はパウダーベッドフュージョンシステムのリーディングカンパニーになるというVelo3Dのゴールを実現させる原動力になるでしょう。Velo3Dのシステムは特にヨーロッパで導入が広がっており、博士のヨーロッパにおける経験が大きく活きると信じています」とコメントしている。 ケプラー氏は、「アディティブ・マニュファクチャリング技術を使ってプロダクションをスケールさせ、企業が必要な物作りを行うための手助けができることを嬉しく思います。Velo3Dは登場以来アディティブ・マニュファクチャリング業界のリーダーであり、今後もミッションクリティカルな物作りを加速すると確信しています」とコメントしている。
掲載日:2023年8月7日:セレンディクスが二人世帯用3Dプリント住宅の販売を開始
3Dプリント住宅メーカーのセレンディクスが、二人世帯用3Dプリント住宅の販売を開始して話題になっている。「serendix50」と名付けられた3Dプリント住宅は延べ床面積50平方メートルの平屋建て住宅で、慶応義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターがデザインした。建設にかかった時間は44時間30分で、販売予定価格550万円で販売されるという。施工には静岡県の百年住宅株式会社、群馬県の株式会社ナベジュウ、熊本県の立尾電設株式会社も協力している。 百年住宅株式会社の中嶋雄代表取締役は、「2人で暮らす事が出来る平屋50m2の3Dプリンター住宅の実現は住宅業界を変革させます。今までの常識にとらわれず、より多くの人により良い住まいを提供すべく全力で取り組んでまいります」とコメントしている。 セレンディクスは、昨年2022年3月に愛知県小牧市に国内初となる3Dプリント住宅のSerendix10m2モデルを建設、国内外のメディアにより紹介されるなど話題を集めた。セレンディクスによると、同社には同社の3Dプリント住宅に関する問い合わせが国内外から1800件以上寄せられているという。
掲載日:2023年8月6日:ビヨンド・ミートが新広告キャンペーンを開始
アメリカの代替肉メーカーのビヨンド・ミートが新広告キャンペーンを開始した。「There’s Goodness Here(ここに良いものがある)」と題された広告キャンペーンは一分間の動画コンテンツにまとめられたもので、ビヨンド・ミートの代替肉の原料であるファバ豆栽培農家スティーブン氏を主人公にストーリーテリングする内容になっている。ビヨンド・ミートは新広告キャンペーンを通じて、「消費者に真実をお伝えする」ことを目指すとしている。動画コンテンツは全米の地上波テレビ放送に加えて、YouTubeや各種のソーシャルメディアでも配信される予定。 ビヨンド・ミートは、2019年にも大規模な広告キャンペーンを展開している。当時のキャンペーンでは既存の畜産業を攻撃する内容となっていて、攻撃対象となった畜産業者から大きな反発を引き起こす形となった。 「There’s Goodness Here」キャンペーンでは、「物語は太陽、土、水、そして種からスタートします。作物からタンパク質を取り、火を通して加工し、あなたの健康に必要なプラントベースの代替肉を製造するのです」という風にシンプルなストーリーが伝えられている。
掲載日:2023年8月5日:デスクトップメタルが2023年度第2四半期決算を発表
アメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルが、2023年度第2四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間(2023年4月1日~6月30日)の売上高は5330万ドル(約75億6860万円)で、前年比で29%のプラスとなった。GAAP(米国標準会計基準)ベースでの経常収支は4970万ドル(70億5740万円)の赤字だった。調整後EBITDA(利子・減価償却前利益)も1500万ドル(約21億3000万円)の赤字だった。 2023年6月30日時点の同社が保有する現金および現金相当資産残高は1億2760万ドル(約181億1920万円)で、前四半期末から2220万ドル(約31億5240万円)減少した。 2023年度第2四半期決算についてデスクトップメタルの創業者兼CEOのリック・フュロップ氏は、「当四半期における我が社の事業遂行能力を誇りに思います。売上は増加し、利益率も大幅に改善しています。調整後EBITDAも株式公開後最高の数値となりました。デスクトップメタルは今後もコスト削減計画を推し進め、今年後半に向けてさらなる成長を続けてまいります」とコメントしている。 フュロップ氏はまた、先に発表されたストラタシスとの合併計画は未だに進行中であり、実現に向けて進んでいると主張している。
掲載日:2023年8月4日:ナノ・ディメンションがテンダーオファーの期限終了を発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスにテンダーオファーを提案しているイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、テンダーオファーの期限終了を発表した。ナノ・ディメンションはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株1株を現金25ドルで買取る提案をしていた。仮にテンダーオファーが成立した場合、ナノ・ディメンションはストラタシスの発行済み株式の36.9%を保有する筆頭株主になる予定だった。 ナノ・ディメンションは、これまでにストラタシスへのテンダーオファーを取り下げ、買収を断念すると発表している。また、ストラタシスの株主に対して求めていたナノ・ディメンションが推薦する取締役候補を取締役に選任する依頼も取り下げると発表している。 ナノ・ディメンションの会長兼CEOのヨアヴ・スターン氏も、「十分な数のストラタシスの株主を納得させ、ストラタシスが向かっている新たな災害を回避させようとする我々の努力は失敗に終わった。ストラタシスの取締役会は、ポイズンピルを発動してまで株主によるテンダーオファー受入を拒否させようとしている。いずれにせよ、我々は今回のテンダーオファーを取り下げる。」というコメントを発表し、ストラタシスの買収を断念したことを表明している。
掲載日:2023年8月3日:シェイプウェイズがミシガン州に510万ドルを投資
3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手のシェイプウェイズがミシガン州に510万ドル(約7億2420万円)を投資し、製造施設を拡充する。ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー前知事の発表によると、投資は州内のリヴォニアにある製造拠点を増設するためのもので、この投資により同市内であらたに75人分の雇用が創出されるという。 ウィットマー前知事は、「この投資はリヴォニアにおけるシェイプウェイズのプレゼンスをさらに強固なものにし、ミシガン州のマニュファクチャリングをインダストリー4.0テクノロジーに転換するものです。シェイプウェイズの戦略的判断を大いに歓迎します」とコメントしている。 ミシガン州はシェイプウェイズの三番目の製造拠点となる。シェイプウェイズは、本社があるニューヨークのロードアイランドと、ニューヨーク州近隣のニュージャージー州にも製造拠点を有している。 シェイプウェイズは当初、個人向け3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレースとして事業を展開していたが、近年は産業ユーザーからの受注を増やしている。ミシガン州の製造拠点は、ミシガン州を中心とするマニュファクチャリングセクターのユーザーニーズに対応するものと見られている。
掲載日:2023年8月2日:ICONの3Dプリント住宅がエアビーアンドビーに登録
テキサス州に拠点を置く3D建設プリンティング企業のICONがテキサス州オースティンに建設した3Dプリント住宅が、大手民泊サイトエアビーアンドビーに登録されて話題になっている。 登録された3Dプリント住宅は二階建て2ベッドルームの住宅で、地元テキサス州の建設デザイナーのクレア・ジンネッカー氏がデザインした。キッチンや仕事用スペースなどに加えて、Wi-Fi通信環境も利用可能。 エアビーアンドビーには80件を超える利用者のレビューが投稿されており、評価は軒並み高評価となっている。中には、「3Dプリント住宅に宿泊できたことは素晴らしい体験だった。想像以上に広く、綺麗だった。建設のデザインはとてもモダンで、滞在に必要なアメニティもすべて用意されていた」と言ったコメントや、「3Dプリント住宅をトライできて良かったです。姉が予約してくれたのですが、姉は素晴らしい仕事をしたと言っていいでしょう。私はシックハウス症候群を抱えているので、3Dプリント住宅はとても気に入りました。最近のエアビーアンドビーでは標準仕様となっているディッシュウォッシャーがないのが気になりましたが、それを上回る全体評価でした」と言ったポジティブなコメントが多数寄せられている。 宿泊料金は日程により上下するが、1泊あたり170ドル(約24,140円)からとなっている。
掲載日:2023年8月1日:ロバート・ハーモン氏がICONの法律顧問に就任
テキサス州に拠点を置く3D建設プリンティング企業のICONの法律顧問にロバート・ハーモン氏が就任した。ICONの発表によるとハーモン氏はICONの経営陣に対し、各種の法的アドバイスを提供するとともに、ICONのコンプライアンスのマネジメントなども行う。ハーモン氏は前職でネット通販大手Amazonと、電気自動車メーカーのテスラの法律顧問を務めていた。 ハーモン氏の法律顧問就任について、ICONの共同創業者でCEOのジェイソン・バラード氏は、「ロバートはテクノロジー、イノベーション、不動産、建設業、政治など、我々がおよそ想像できるほぼすべての領域のことについて熟知しています。彼の卓越した能力、経験、そして知識をICONに与えてくれることを感謝します。そして、我が社の経営チームに優れたリーダーとして受け入れ、コンストラクションテック企業としてのICONを共にリードしてくれることを期待します」とコメントしている。 ハーモン氏は、Amazon在籍時は法務担当ディレクターを務め、Amazonのフレッシュストアのグローバル戦略などを法務面からリードしていた。また、テスラ在籍時は同社の法務担当ディレクターとして、テスラのギガファクトリー建設を法務面からリードするなどの活動を展開していた。
掲載日:2023年7月31日:エッセンシアムが従業員をレイオフ
テキサス州に拠点を置く産業3Dプリンティングサービスビューローのエッセンシアムが、一部の従業員をレイオフしたと現地のメディアが報じている。報道によると、エッセンシアムは少なくとも16人の従業員をレイオフし、さらに多くの従業員をレイオフする可能性があるという。 エッセンシアムのブレイク・テイペルCEOは、「昨年よりエッセンシアムは、アディティブ・マニュファクチャリング業界において成功を続けるために必用な戦略的調整活動を行っています。その活動の一環として、一部の従業員が我々の事業戦略と合致していないと評価せざるを得なくなりました。残念なことですが、その結果が従業員の削減に至りました。これはリーダーにとってもっとも厳しい決断でありましたが、組織を再構築することで戦略的で財務的な競争力を維持でき、我々のさらなる成功をドライブすることができると判断しました。レイオフの対象となるチームメイトには、転職などのサポートを最大限提供してゆきます」とコメントしている。 エッセンシアムは、テキサス州オースティンに拠点を置く3Dプリンティングサービスビューロー。主に産業ユーザーに対して各種の3Dプリンティングサービスを提供している。
掲載日:2023年7月30日:スリーディーシステムズがストラタシスとの合併契約交渉期日を設定
ストラタシスに買収テンダーオファーを提案しているスリーディーシステムズが、ストラタシスとの合併契約交渉期日を設定した。現地時間の2023年7月28日に発表されたスリーディーシステムズのプレスリリースによると、スリーディーシステムズは2023年8月4日をデューデリジェンス(買収前監査)と合併契約交渉の終了日に設定するとしている。 スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取るテンダーオファーを提案している。テンダーオファーをストラタシスの株主が受け入れた場合、ストラタシスの株主は合併後の新会社の44%を保有することになる。 スリーディーシステムズと同時にストラタシスにテンダーオファーを提案していたイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションは、アメリカ現地時間の2023年7月28日にストラタシスへのテンダーオファーを取り下げ、買収を断念すると発表した。また、ストラタシスの株主に対して求めていたナノ・ディメンションが推薦する取締役候補を取締役に選任する依頼も取り下げると発表している。
掲載日:2023年7月29日:ナノ・ディメンションがストラタシスへのテンダーオファーを取り下げ、買収を断念
大手3Dプリンターメーカーのストラタシスへ買収攻勢を仕掛けているイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、ストラタシスへのテンダーオファーを取り下げ、買収を断念すると発表した。また、ストラタシスの株主に対して求めていたナノ・ディメンションが推薦する取締役候補を取締役に選任する依頼も取り下げると発表した。これにより、現在進行中のストラタシスとスリーディーシステムズとの合併が実現する公算が高くなった。 ナノ・ディメンションの会長兼CEOのヨアヴ・スターン氏は、「十分な数のストラタシスの株主を納得させ、ストラタシスが向かっている新たな災害を回避させようとする我々の努力は失敗に終わった。ストラタシスの取締役会は、ポイズンピルを発動してまで株主によるテンダーオファー受入を拒否させようとしている。いずれにせよ、我々は今回のテンダーオファーを取り下げる。我々は、今後も新たなM&A計画を策定し、随時実行してゆく」とコメントしている。 ストラタシスの取締役会はスリーディーシステムズによるストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取る提案を「超越的な提案」であると評価している。現地メディアの報道によると、両社は現在合併に向けた具体的な話し合いを継続している。
掲載日:2023年7月28日:ストラタシスが株主へナノ・ディメンションのオファーに乗らないよう促す手紙を送付
大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズと、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションによる買収攻勢を受けているストラタシスが、株主に対してナノ・ディメンションのオファーに乗らないよう促す手紙を送付した。 現地時間の2023年8月8日に開催が予定されているストラタシスの年次株主総会を目前に送付された手紙は、ナノ・ディメンションはストラタシスの株主をミスリードしようとしていると警告し、ナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOの呼びかけに騙されないよう諭す内容となっている。 ナノ・ディメンションは今週、ストラタシスの株主に対して年次株主総会でナノ・ディメンションが推薦する取締役候補を取締役に選任するよう促すビデオメッセージを配信している。 ストラタシスは、仮にナノ・ディメンションがテンダーオファーを成功させたとしても、ナノ・ディメンションが保有する現金の額ではストラタシスの発行済み株式の47%しか保有できないと主張している。 また、ナノ・ディメンションが推薦する取締役候補を取締役に選任することは、ストラタシスの株主にとって「重大なリスク」となり、長期的利益を損なうとしている。
掲載日:2023年7月27日:ウクライナで建設3Dプリンターで学校を建設
ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナで、建設3Dプリンターで学校を建設するプロジェクトが始まり、話題になっている。プロジェクトを開始したのはウクライナの人権保護団体のチーム4UAと、同じくウクライナのエンジニアリング企業のアーズ・ロンガ社、デンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルなどからなるジョイントベンチャー。建設3Dプリンターで学校を建設するのはウクライナ史上初となる。 チーム4UAによると、工事は来年2024年1月までに完了し、直ちに生徒の受け入れを開始するとしている。なお、建設に使われるセメントは、ウクライナ最大のセメントメーカーのセマーク社がすべて無料で提供する。 チーム4UAの創業者ジャン・クリストフ・ボニス氏は、「このプロジェクトはウクライナにとって特筆すべきものです。チャレンジと高揚の完璧な組み合わせです。1年前はクレージーなアイデアだと言われましたが、今日までに現実のものとなっています。学校だけでなく、ウクライナの建設業の未来を完全に再構築することになるでしょう」とコメントしている。 ユニセフによると、ロシアによるウクライナ侵攻により、これまでにウクライナ全土で400の学校が完全に破壊され、2600の学校が損壊する被害を受けたという。
掲載日:2023年7月26日:ナノ・ディメンションがストラタシスの株主へビデオメッセージを配信
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスにテンダーオファーを仕掛けているイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、ストラタシスの株主へビデオメッセージを配信した。ビデオメッセージでは、今年2023年8月8日に開催されるストラタシスの定時株主総会において、ナノ・ディメンションが推薦する取締役候補7名を取締役に選任するよう求めている。 ナノ・ディメンションが推薦する取締役候補には、ナノ・ディメンションの会長兼CEOのヨアヴ・スターン氏や、インクジェットシステムズCEOのニック・ゲデス氏、大手コンサルティングファームKPMG出身のイェール・サンドラー氏などが含まれている。 ナノ・ディメンションは、ストラタシスの現行取締役は在任期間が平均で10年以上となっていて、組織として硬直化していると指摘している。ストラタシスの現行取締役には、ストラタシスの創業者でFDM方式の3Dプリンターを発明したスコット・クランプ氏も含まれている。クランプ氏は、36年の長きにわたってストラタシスの取締役を務めている。 ナノ・ディメンションは、ストラタシスの発行済み株式の14.1%を保有する大口株主。
掲載日:2023年7月25日:ICONの3Dプリント住宅モデルが完成
アメリカの3D建設プリンティング企業のICONがテキサス州オースティンで建設している3Dプリント住宅モデルが完成し、現地で話題になっている。ICONが開発したヴァルカン建設3Dプリンターで建設された3Dプリント住宅は3ベッドルームの大型平屋建て住宅で、販売価格は47万5千ドル(約6,650万円)。ICONは、同敷地内に合計100棟の3Dプリント住宅を建設する予定で、3Dプリント住宅モデルは購入検討者の内覧に供されるとしている。 ICONによると、今年2023年9月から3Dプリント住宅への入居を始めるとしている。 ICONの共同創業者のジェイソン・バラード氏は、「(3Dプリント住宅は)スピーディーに建設でき、素材的にも堅牢なのがメリットです。現在開発中の3Dプリント住宅コミュニティでは、ロボットやドローンが自由に域内を移動するような新しい空間が生まれるでしょう。この場所は、本格的なロボティック・コンストラクションが胎動を始めた土地になるでしょう」とコメントしている。 ICONは、昨年2021年9月に米テキサス州オースティンで低価格3Dプリント住宅を販売するなど、建設業界でのプレゼンスを強めている。3Dプリント住宅についてICONは、「3Dプリンティング技術は、従来の住宅よりも安全でより復元力のある住宅を生み出します。従来の住宅よりも火事、洪水、台風といった自然災害に強い構造になっています」と説明している。
掲載日:2023年7月24日:シェイプウェイズがニューヨーク証券取引所からNASDAQへ市場変更
3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手のシェイプウェイズが、ニューヨーク証券取引所からNASDAQへ市場変更する。アメリカ東部時間の2023年8月1日からシェイプウェイズの株はNASDAQでSHPWのティッカーシンボルで取引される。 市場変更についてシェイプウェイズのグレッグ・クレスCEOは、「NASDAQという世界をリードするテクノロジーカンパニーがひしめく株式市場へ移動することに興奮しています。NASDAQにおいても、シェイプウェイズはデジタルマニュファクチャリングとソフトウェアソリューションの市場拡大を牽引してまいります。この移動により、シェイプウェイズはNASDAQのコスト効率の良い運営と、マーケットプレゼンスを拡大するためのプラットフォーム、より広い投資家ベースへのアクセスを確保することが可能になります。これからもイノベーション、カスタマーサクセス、株主価値の創造に努力してゆきます」とコメントしている。 ニューヨーク証券取引所で取引されているシェイプウェイズの株は、2022年7月14日以来取引価格1ドルを下回り続けていて、ニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知(Non Compliance Notice)を受領していた。今回のシェイプウェイズの市場変更は、ニューヨーク証券取引所におけるそうした事情が影響しているものと思われる。
掲載日:2023年7月23日:ストラタシスがスリーディーシステムズとの合併を承認か
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズと、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションによる買収提案を受けているストラタシスが、スリーディーシステムズとの合併を承認する方向に動いているとアメリカの現地メディアが報じている。 アメリカ現地時間の2023年7月21日金曜日の報道によると、ストラタシスの取締役会はスリーディーシステムズによるストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取る提案を「超越的な提案」であると評価している。スリーディーシステムズによると、このテンダーオファーをストラタシスの株主が受け入れた場合、ストラタシスの株主は合併後の新会社の44%を保有することになる。 一方、ストラタシスの株式1株を現金25ドルで買取るというナノ・ディメンションの買収提案については酷評しており、ストラタシスの株主に対して「テンダーオファーに応じないとともに、テンダーオファーに反対する表明をする」ことを提案している。 ナノ・ディメンションによるテンダーオファーの期限はアメリカ東部時間の2023年7月31日午後5時までとなっており、今月中にはストラタシスの買収をめぐる趨勢が固まるものと見られる。
掲載日:2023年7月22日:カリフォルニア州レディングで大型3Dプリント住宅コミュニティの開発が開始
カリフォルニア州レディングで大型3Dプリント住宅コミュニティの開発が開始され、話題になっている。現地メディアの報道によると、3Dプリント住宅コミュニティの開発プロジェクトは非営利団体のサルデン・ファウンデーションが展開しているもので、レディング市内に87棟の3Dプリント住宅を建設する計画。建設工事はアディティブ・コンストラクション・スタートアップ企業のエマージェントが行う。建設工事にはデンマークのCOBODインターナショナルの建設3Dプリンター「BOD2」が使われる。 カリフォルニア州はアメリカでもっとも厳しい建設基準が設けられていることで知られ、これまでに本格的な3Dプリント住宅が建設されてこなかった。エマージェントによると、今回のプロジェクトがカリフォルニア州初の本格的な建設3Dプリント住宅建設プロジェクトになるという。エマージェントによると、年内には86棟すべての3Dプリント住宅が完成するとしている。 カリフォルニア州レディングは、オレゴン州との州境まで190キロメートルのところに位置するシャスタ郡の主要都市。域内の多くは森林で、山火事が多い地区としても知られている。カリフォルニア州では今年も山火事が多発していて、これまでに3370件の山火事が報告され、2万1743エーカーの森林が消失している。
掲載日:2023年7月21日:メタフォールド3Dが178万ドルの資金調達に成功
カナダのトロントに拠点を置くスタートアップ企業でクラウドベースのアディティブ・マニュファクチャリング・デザインソフトウェア開発のメタフォールド3Dが、178万ドル(約2億4920万円)の資金調達に成功した。 出資したのはベンチャーキャピタルのディファレンシャル・ベンチャーズを筆頭とする投資シンジケート。メタフォールドのシードファンディングを率いたアクティブ・インパクト・インベストメントなども出資した。なお、バリュエーションなどの投資の詳細ついては明らかにされていない。 メタフォールド3Dは、独自開発したファスト・ジオメトリー・コンピュテーションエンジンを搭載した超精密デザインソフトウェアを開発している。 メタフォールド3Dの共同創業者でCEOのエリッサ・ロス氏は、「製造業におけるサステナビリティは、究極的には二つのファクターによって牽引されます。モノづくりで使われる素材の消費量を減らすことと、モノのライフタイムで利用される総時間を増やすことです。3Dプリンティング技術はそのどちらも実現させることができます。そして、そのゴールは、我々のプラットフォームを利用することでさらに近くなります」とコメントしている。 メタフォールド3Dは2020年12月設立。同社のプラットフォームは航空宇宙、医療、自動車、コンスーマーグッズなどの各種の産業セクターのユーザーに利用されている。
掲載日:2023年7月20日:ナノ・ディメンションがストラタシスの株式売却の可能性に言及
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに対するテンダーオファーを仕掛けているイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、テンダーオファーが不成立となった場合に保有するストラタシスの株式全株を市場で売却する可能性があると発表した。なお、ストラタシスの株はNASDAQで取り引きされている。 ナノ・ディメンションは、ストラタシスの発行済み株式の14.1%を保有する大口株主だが、仮にナノ・ディメンションが保有するストラタシスの株式全株を売却した場合、ストラタシスの株式の株価を下落させる可能性が高く、現在別に進行しているスリーディーシステムズのストラタシスの買収計画に大きな影響を与える可能性がある。 ナノ・ディメンションはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金25ドルで買取るテンダーオファーを行っている。テンダーオファーの期限は、アメリカ東部時間の2023年7月31日午後5時までとなっている。 ストラタシスの取締役会はこれまでに、ナノ・ディメンションによるテンダーオファーを「ストラタシスの株主をミスリードし、脅迫し、ストラタシスの企業価値を甚だしく低評価している」と酷評している。
掲載日:2023年7月19日:ナノ・ディメンションがストラタシスの株式買取価格を1株25ドルへ変更
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに対するテンダーオファーを仕掛けているイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、ストラタシスの株式買取価格を1株25ドルへ変更した。ナノ・ディメンションによると、テンダーオファーの期限はアメリカ東部時間の2023年7月31日午後5時までとなっている。 ナノ・ディメンションの経営陣は、ナノ・ディメンションによるテンダーオファーはストラタシスの株主に対して、短期的なスパンでの株式保有により得られるキャッシュの233%以上をもたらすと主張している。また1株25ドルでの株式買取は、ストラタシスの60日移動平均価格に93%のプレミアムを乗せた額になるともしている。 ナノ・ディメンションは、現在ストラタシスの発行済み株式の14.1%を保有する株主だが、テンダーオファーをストラタシスの株主が受け入れた場合、ナノ・ディメンションのストラタシスの株式保有比率は最大で51%に上昇する。 ストラタシスの取締役会はこれまでに、ナノ・ディメンションによるテンダーオファーを「ストラタシスの株主をミスリードし、脅迫し、ストラタシスの企業価値を甚だしく低評価している」と酷評している。
掲載日:2023年7月18日:ストラタシスがスリーディーシステムズと合併交渉を開始か
スリーディーシステムズとナノ・ディメンションの二社から激しい買収攻勢を仕掛けられているアメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、スリーディーシステムズと合併に向けた交渉を開始したとアメリカの現地メディアが報じている。 それによると、ストラタシスの取締役会はスリーディーシステムズによる最新のテンダーオファーを「超越的提案」であると認識しており、スリーディーシステムズの取締役会と実務的な交渉を始めたとしている。ただし、現時点では両社が合併に完全に合意したという確証は得られていないとしている。 ストラタシスはまた、ストラタシスの株式1株を現金24ドルで買取るというナノ・ディメンションによるテンダーオファーについて、ストラタシスの株主にとって最大の利益をもたらすものではないとして否定的な姿勢を示している。ストラタシスの取締役会はナノ・ディメンションによるテンダーオファーを「ストラタシスの株主をミスリードし、脅迫し、ストラタシスの企業価値を甚だしく低評価している」と酷評している。 ストラタシスに対しては、スリーディーシステムズがストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取るテンダーオファーをしている。スリーディーシステムズによると、このテンダーオファーをストラタシスの株主が受け入れた場合、ストラタシスの株主は合併後の新会社の44%を保有することになる。
掲載日:2023年7月17日:ストラタシスがスリーディーシステムズのテンダーオファーを容認か
スリーディーシステムズとナノ・ディメンションの二社から激しい買収攻勢を仕掛けられているアメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、スリーディーシステムズのテンダーオファーを容認する方針で動いているとアメリカの現地メディアが報じている。 ストラタシスに対しては、スリーディーシステムズがストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取るテンダーオファーをしている。スリーディーシステムズによると、このテンダーオファーをストラタシスの株主が受け入れた場合、ストラタシスの株主は合併後の新会社の44%を保有することになる。 スリーディーシステムズはまた、ストラタシスが現在進めているデスクトップメタルとの合併を中止することも求めている。スリーディーシステムズは、ストラタシスがデスクトップメタルとの合併を中止した場合、ストラタシスがデスクトップメタルに対して支払う必要が生じる合併契約違約金も全額負担する意向を示している。 ストラタシスに対しては、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションもストラタシスの株式1株を現金24ドルで買取る提案をしている。
掲載日:2023年7月16日:シェイプウェイズが8対1株の株式併合を実施
3Dプリンティング・サービスビューロー・マーケットプレース運営大手でニューヨーク証券取引所上場のシェイプウェイズが、株式8株を1株に統合する株式統合を実施していたことがわかった。 株式併合(Reverse Stock Split)とは、既に発行されている株式数を減らすために、複数の株式を1株に統合する行為。理論上株式の資産価値に影響はなく、株数が減っても会社の価値は変わらないので1株当たりの価格が修正される。例えば2株を1株に併合した場合、発行済株式数は半分になり、理論上株価は2倍になる。株式併合は、株主の権利を侵す可能性があるため、株主による決議が必要となる。 シェイプウェイズは、上場しているニューヨーク証券取引所から同社の株価が2022年7月14日以来1ドルを下回り続けているとして、上場基準不適合通知(Non Compliance Notice)を受領していた。今回の措置は上場基準不適合通知に対応し、1株の価格を相応に上げることを目指したものと見られる。 本記事執筆時点(アメリカ現地時間の2023年7月13日)で、ニューヨーク証券取引所で取引されているシェイプウェイズの株は4.98ドルで取引されている。
掲載日:2023年7月15日:スリーディーシステムズがストラタシスの買収提案を再度変更
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに対して買収提案をしているストラタシスのライバル企業のスリーディーシステムズが、ストラタシスの買収提案を再度変更した。スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.5444株で買取るとしている。仮にストラタシスの株主がこの提案に応じた場合、ストラタシスの現株主は合併後の新会社の44%を保有する大口株主になる。 ストラタシスに対しては、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションがストラタシスの株式1株を現金24ドルで買取る提案をしている。 スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOは、「我々は引き続きストラタシスの株主に対し、スリーディーシステムズとストラタシスが合併することのメリットを丁寧に説明してゆきます。我々は、これまでに複数のストラタシスの大口株主から前向きな反応を得ており、両社の合併のメリットについて理解していただいています。今回のオファーが、ストラタシスの現株主にとっての最高のオファーであることを説明してまいります」とコメントしている。
掲載日:2023年7月14日:ストラタシスの取締役会が株主へ電子メールを送信
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズと、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションによる買収提案を受けているストラタシスの取締役会が、アメリカ現地時間の2023年7月12日に株主へ電子メールを送信した。 電子メールは、ストラタシスが現在「北極星戦略」を推進しているという前提で、ストラタシスの取締役会が短期から長期のすべての経営計画においてバリュークリエーションのための最適な意思決定をしている旨を説明している。また、ストラタシスの取締役会が進めているデスクトップメタルとの合併を承認するようあらためて求めている。 電子メールはさらに、ナノ・ディメンションによるストラタシスの買収提案を「日和見的な自己利益追求のキャンペーン」であるとし、ストラタシスがナノ・ディメンションの支配下に入った場合、「デスクトップメタルとの合併を推進しているストラタシスの路線から脱線させ、ストラタシスの株主の利益を大きく破壊することになる」と警告している。 ストラタシスは、2023年度定時株主総会をイスラエルの現地時間の2023年8月8日に開催することを決定している。2023年度定時株主総会では、ストラタシスの現任取締役の再任投票が行われるほか、ナノ・ディメンションが推薦する取締役候補の選任投票が行われる。
掲載日:2023年7月13日:XYZプリンティングが3Dプリンター事業から撤退
台湾の3DプリンターメーカーのXYZプリンティングが、3Dプリンター事業から撤退する。現在販売しているすべての3Dプリンターとフィラメントなどの関連製品の販売を、今年2023年9月15日までに停止する。消耗部品の供給と修理などのカスタマーサポートは、今後三年から五年を目途に継続するよう務めるとしている。 XYZプリンティングは、これまでにSLS3Dプリンター製造販売事業をアメリカの3DプリンターメーカーのNexa3Dへ譲渡すると発表していた。XYZプリンティングのSLS3Dプリンター「MfgPro230xS」シリーズと「MfgPro236xS」シリーズは、新たにNexa3Dのブランドで販売される。 XYZプリンティングは2013年11月に日本市場に参入、主に価格10万円以下のデスクトップ3Dプリンターの「ダヴィンチ」シリーズを販売していた。「ダヴィンチ」シリーズは低価格で高品質造形が可能な3Dプリンターとして評価され、日本国内で販売を拡大していた。 XYZプリンティングはまた、アメリカでもAmazonやオフィス用品販売店のステープルズなどを通じて3Dプリンターを販売し、3Dプリンターメーカーとしてのプレゼンスを拡大していた。
掲載日:2023年7月12日:ビヨンド・ミートが主力製品「ビヨンド・ステーキ」の販売規模を拡大
アメリカの代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートが、主力製品「ビヨンド・ステーキ」の販売規模を拡大する。ビヨンド・ミートの発表によると、「ビヨンド・ステーキ」はホールフーズ・マーケット、パブリックス、ウェグマンズ、メイジャー、ステーターブラザーズマーケットなどの全米1万4千店のスーパーマーケットで購入できるとしている。 ビヨンド・ステーキは、アメリカの人気雑誌ピープルの「フードアワード」の「ベスト・プラントベース・ビーフ賞」を受賞したほか、全米レストラン協会の「フード・イノベーション賞」を受賞するなど、味や食感などの品質の高さが評価されている。 ビヨンド・ステーキはまた、アメリカ心臓協会による「ハートヘルシー食品」に認定され、低脂肪、低トランス脂肪、低コレステロール、低塩分な食品であるとされている。 ビヨンド・ミートによると、ビヨンド・ステーキを購入した3世帯のうち2世帯がビヨンド・ステーキをリピート購入しているという。 ビヨンド・ミートを巡っては、投資会社チロン・キャピタルマネジメントが株式を追加購入している。投資家の中には、ビヨンド・ミートの将来性を改めて評価するところも出始めている。
掲載日:2023年7月11日:CyBe建設が南アフリカ住宅インフラ開発ファンドとMOUを締結
オランダのCyBe(サイビー)建設が、南アフリカ住宅インフラファンドとMOU(了解覚書)を締結した。発表によると、両者は共同で3Dプリント住宅を建設し、主に南アフリカの低所得層に向けて供給するとしている。 南アフリカでは、ヨハネスブルクやケープタウンなどの都市圏を中心に住宅不足が深刻な社会問題となっている。南アフリカ教育科学技術省によると、現時点で南アフリカ全土で230万棟の住宅が不足しているとされる。 南アフリカ教育科学技術省のブレード・ニマンデ氏は、「建設3Dプリンティングは、南アフリカの住宅建設業界を劇的に変えることでしょう。(Cybe建設との)コラボレーションにより南アフリカの住宅不足の問題解決に取り組んでゆきます」とコメントしている。 南アフリカ住宅インフラファンドは、南アフリカを含むアフリカ大陸で3Dプリント住宅建設に出資する初の公的ファンドとなる。 CyBe建設は2013年11月設立のオランダのベンチャー企業。建設3Dプリンターの他、建設3Dプリンター用ソフトウェア、建築用素材などを製造している。Cybe建設は、これまでにサウジアラビアやUAEなどでも3Dプリント住宅を建設している。
掲載日:2023年7月10日:バリラが3Dプリントスパゲティの販売を開始
イタリアの大手パスタメーカーのバリラが3Dプリントスパゲティの販売を開始した。「ブルーラプソディ・スパゲット3D」と名付けられたパスタはバリラが開発した食品3Dプリンターで製造されたもので、フィンガーフードアペタイザー用に最適化されたものだとしている。原料は通常のパスタと同じで、茹で時間は7分。価格は12個入りボックスで15.90ユーロ(約2,465円)で、送料は別となっている。バリラのオンラインストアで購入可能。 バリラのマーケティング・ビジネス開発担当マネージャーのヴァレンチナ・パラヴィチニ氏は、「スパゲット3Dと名づけた理由は、伝統とテクノロジーが共存できることをお客様に理解していただきたかったからです。(スパゲット3Dは)食品業界、飲食業界にとっての新しい風となるでしょう」とコメントしている。 バリラは、2014年から3Dプリントパスタデザインコンテストを実施するなど、食品3Dプリンティングの領域でのプレゼンスを拡大している。2017年に開催された第二回3Dプリントパスタデザインコンテストでは、全世界124か国から1,200件の応募があった。 バリラは1877年設立のイタリアの老舗パスタメーカーでイタリア最大の食品会社。イタリアのパルマを拠点に「バリラ」のブランドで世界中にパスタを輸出している。日本では三菱食品がバリラとライセンス契約を締結し、バリラブランドの製品を日本国内で販売している。
掲載日:2023年7月9日:ラピッドフライトがローカルモーターズの知的財産権を取得
米バージニア州に拠点を置く無人飛行機メーカーのラピッドフライトが、2022年1月に経営破綻したローカルモーターズの知的財産権を取得していたことがわかった。取得した財産の具体的な内容については明らかにさらていないが、ローカルモーターズが特許取得していた一連のアディティブ・マニュファクチャリング技術に関する知的財産であると推測されている。 ローカルモーターズは2007年設立。創業当初よりマイクロファクトリーのコンセプトを掲げ、3Dプリンターを使った自己完結的な車づくりを展開していた。2016年には世界初の3Dプリント自動車ストラティを開発し、話題となった。しかし、昨年12月にカナダ・トロント市郊外で自動運転バスOlliが事故を起こすなどした後、2022年1月に事業を停止した。 ラピッドフライトのジェイ・ガンドラックCEOは、「ローカルモーターズが所有していた一連の知的財産権を取得できたことに興奮しています。アディティブ・マニュファクチャリング技術を使って無人飛行機の業界を革新するという我々のミッションに完全に一致するものです。(ローカルモーターズが開発した)最新のテクノロジーをコマーシャルセクターから防衛セクターまで幅広く活用してゆきます」とコメントしている。
掲載日:2023年7月8日:ナノ・ディメンションがストラタシスの買収条件を再度変更
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに対して買収提案をしているイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、ストラタシスの買収条件を再度変更した。ナノ・ディメンションはストラタシスの株主に対し、これまでストラタシスの株式1株を20.05株で買取るとしていたが、それを1株24ドルへ引き上げた。 ストラタシスに対しては、アメリカの別の大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズも、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルと合併後の新会社の株式1.3223株で買取る提案をしている。 ストラタシスの株主がスリーディーシステムズの買収提案に応じた場合、ストラタシスの株主は合併後の新会社の発行済み株式の41%を保有することになる。スリーディーシステムズは、スリーディーシステムズによるストラタシスの株式買取は、ストラタシスの株式の時価に20.4%のプレミアムを乗せた金額になるとしている。 ストラタシスは、2023年8月8日に2023年度定時株主総会を開催し、ストラタシスの取締役の選任決議などを行うとしている。取締役候補には、ストラタシスの現任取締役のほか、ナノ・ディメンションが推薦する人材が含まれている。
掲載日:2023年7月7日:PERIグループがドイツで世界初の3Dプリントクラブハウスを建設
ドイツの建設企業のPERIグループが、ドイツで世界初の3Dプリントクラブハウスを建設したとして話題になっている。ドイツのノルドキルフェンに建設されたクラブハウスは2階建ての延床面積330平方メートルの建物で、デンマークのCOBODインターナショナルが開発した建設3Dプリンター「BOD2」を使って建設された。クラブハウスは地元のサッカーチームのSCカペルフットボールチーム専用として使われる。 PERIグループのマネージングディレクターのファビアン・メイヤー・ブロッズ氏は、「熟練建設作業員の不足とそれにともなう建設効率の低下という困難な課題を抱える中、建設3Dプリンターは速く、安く、効率よく建物を建てるというソルーションを提供してくれました」とコメントしている。 PERIグループは1969年設立、ドイツのヴァイセンホルンに拠点を置く大手建設会社。直近の従業員数は8,700人、売上高は14.8億ユーロ(約1,850億円)となっている。なお、PERIグループは2018年10月にCOBODインターナショナルに出資し、株主になっている。PERIグループは、日本ではペリー・ジャパン株式会社として各種の建設資材などを販売している。
掲載日:2023年7月6日:オリジンの旧株主がストラタシスを提訴
オリジンの旧株主がストラタシスを「買収契約の不履行」を理由に提訴した。訴状によると、ストラタシスは2020年12月に合意されたストラタシスによるオリジンの買収契約においてオリジンの株主を意図的に欺き、オリジンの企業価値と付随するテクノロジーの価値に相当する対価を支払わなかったと訴えている。 ストラタシスに対しては、現在スリーディーシステムズとナノ・ディメンションがそれぞれ買収の提案を行っているが、裁判が進行中の当事者においては「資産の処分」が認められなくなるため、両社による買収の進行に影響を与える可能性がある。 ストラタシスはオリジンの発行済み株式を現金5500万ドルと自社株450万ドル分の合計1億ドルで買取る契約を締結していた。 オリジンは2015年設立。独自開発したプログラマブル・フォトポリマリゼーション技術をベースにしたSLA3Dプリンター「オリジン・ワン」を開発している。オリジンの3Dプリンターは、特に医療、歯科医療、ツーリング、防衛、コンスーマーグッズなどの産業セクターのユーザーに広く利用されている。また、オリジン・ワンは、大手化学メーカーのヘンケル、BASF、DSMから樹脂素材の供給を受けている。
掲載日:2023年7月5日:ストラタシスが2023年度定時株主総会の開催日程を発表
スリーディーシステムズとナノ・ディメンションによる買収提案を受けているアメリカの3Dプリンターメーカーのストラタシスが、2023年度定時株主総会の開催日程を発表した。アメリカ現地時間の2023年7月4日に発表されたプレスリリースによると、同社の2023年度定時株主総会は2023年8月8日火曜日にイスラエルのラマット・ガンにあるメイター法律事務所で開催される。決議への投票を希望する株主は、2023年7月5日までに株主として登録されている必要がある。 主な議事としては、ストラタシスの現存取締役の再任およびナノ・ディメンションなどが推薦している取締役候補の新任の投票などが挙げられている。ナノ・ディメンションなどが推薦している取締役候補には、ナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOやニック・ゲデスCTOなどが含まれている。 ストラタシスの取締役会はストラタシスの株主に対し、スリーディーシステムズとナノ・ディメンションによる買収提案をいずれも無視するよう改めて提言している。一方、ストラタシスの大口株主であるナノ・ディメンションは、ストラタシスの株主に対してストラタシスの取締役全員を解任するよう求めている。
掲載日:2023年7月4日:ストラタシスの取締役会がスリーディーシステムズとナノ・ディメンションの買収提案を再度拒否
ストラタシスの取締役会がスリーディーシステムズとナノ・ディメンションの買収提案を再度拒否した。スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.2507株で買取る提案をしていた。また、ナノ・ディメンションもストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金18.00ドルで買取るとしていた。 ストラタシスの取締役会はストラタシスの株主に対し、スリーディーシステムズとナノ・ディメンションによる買収提案をいずれも無視するよう改めて提言している。取締役会による提言に法的拘束力はないが、株主に対して一定の影響を与えるものと想定される。 スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOは、「スリーディーシステムズの取締役会は、スリーディーシステムズと合併することを拒否するという尋常ではない意思決定を行いました。これは両社の株主の利益を大きく損なう行為です。ストラタシスの取締役会は両社が合併することの価値を理解しておらず、デスクトップメタルとの合併という価値を毀損する行為に対する市場の心配を無視しています」とコメントしている。
掲載日:2023年7月3日:ロッキードマーティンがシンタビアに投資
アメリカの航空宇宙大手のロッキードマーティンが、フロリダに拠点を置く3Dプリンティングサービスビューローのシンタビア(Sintavia)に投資したとして話題になっている。投資の詳細については明らかにされていないが、シンタビアに対する一定の経営権を確保する程度の出資がなされたと見られている。 シンタビアはロッキードマーティンに対し、2019年から航空機用部品などの提供を行っている。提供している部品にはF-35戦闘機やF-22戦闘機のウェポンシステム用部品などが含まれているという。 ロッキードマーティンのプロセストランスフォーメーション担当副社長のデーヴィッド・タトロ氏は、「今回のロッキードマーティンによる戦略的投資は、昨年12月に発表されたシンタビアとのジョイントディベロップメントに関する合意をさらに拡大するものです。アディティブ・マニュファクチャリングで製造されるパーツのデザインや供給能力を強化し、両社のコラボレーションをより強固にしてまいります」とコメントしている。 シンタビアは2015年設立、NADCAP(National Aerospace and Defense Contractors Accreditation Program:アメリカ航空防衛関連事業者認定プログラム)の認証を受けた初のサービスビューロー。これまでに航空宇宙分野を中心に急速に事業を拡大してきている。
掲載日:2023年7月2日:アクティビスト投資家がストラタシスの取締役会へ質問状を送付
アクティビスト投資家がストラタシスの取締役会へ質問状を送付していたことがわかった。質問状を送付したのはストラタシスの発行済株式の2.3%を保有する投資グループのドネレイル・グループ。質問状は公開されており、主旨は以下の通り。 「ストラタシスが今年6月20日に公開した通常ファイリングによると、ストラタシスは2021年1月からこれまでに少なくとも12件の買収オファーを受けており、そのうちの3件は非常に良質な買い手からの提案だった。ストラタシスに対しては、これからも買収を行いたいという誠意ある提案がなされると思う。そして、12件の買収提案の中には、ストラタシスの株式の時価に60%のプレミアムを乗せたものまであった。しかし、ストラタシスはそうした提案に対して、まともな検討すら行わないで直ちに拒否している。そうした盲目的で誠意のない拒絶は、ストラタシスの株主に大きな負担を負わしていることを理解すべきだ」 ドネレイル・グループは、これまでにストラタシスのヨアヴ・ツァイフCEOと面会し、ストラタシスに対する買収提案を真剣に検討するよう促したが、事実上無視されたため、質問状の公開を決断したとしている。 ストラタシスに対しては、これまでにスリーディーシステムズとナノ・ディメンションが買収を提案している。
掲載日:2023年7月1日:ストラタシスがイギリスに物流センターを開設
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、イギリスに物流センターを開設した。イギリス・オックスフォードシャー州アビントンに開設された物流センターは延床面積12万平方フィート(約1万1148平方メートル)の大きさで、ストラタシスの各種の3Dプリンターや3Dプリンター用素材などが在庫される。センターはまた、ストラタシスのイギリス国内でのサービス拠点としても使われる。センターには雨水循環処理設備と太陽光発電パネルが設置され、エコフレンドリーな仕様になっているとしている。 ストラタシスのコマーシャル・エネーブルメント担当副社長のヤン・ラゲウル氏は、「イギリスはストラタシスにとって非常に重要な戦略的市場になってきており、マーケットに近い場所に位置する必要がありました。特にサービス関連業務を提供する上でイギリス国内に拠点を持つことが重要です。物流のリードタイムを削減することが我々のゴールの一つであり、イギリスの地において最先端の物流センターを持つことでそのゴールを達成できます」とコメントしている。 ストラタシスは、これまでにアメリカ国外ではカナダ、中国、オーストラリアに物流センターを開設している。 オックスフォードシャー州はイギリス南部に位置する、オックスフォード大学を抱える田園都市。2021年時点の人口は68万7524人となっている。
掲載日:2023年6月30日:カナダで400丁の手製銃が押収
カナダで大規模な違法銃の摘発が行われ、400丁の手製銃が押収された。現地時間の2023年6月20に行われた捜査はケベック州、オンタリオ州、アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州、マニトバ州、サスカチュワン州の各州におよび、62丁のハンドガン、71丁の3Dプリント銃、2丁の3Dプリント・ロングガン、32個のマガジン、87丁の3Dプリントサイレンサー、176丁の3Dプリント銃ボディなどが押収されたという。 カナダでは未登録でトレーシング(購入履歴の追跡)ができない3Dプリント銃の製造、所有、使用は法律で禁じられている。 捜査に参加した王立カナダ騎馬警察のマシュー・バートランド捜査長官は、「テクノロジーは犯罪の在り様を変えつつあり、犯罪者が悪用する機会になり得ます。今回行われた全国規模の摘発は、警察組織が協力して台頭しつつある新たな犯罪のトレンドに対処し、すべてのカナダ市民の安全を確保する我々の決意を示すものです」とコメントしている。 カナダの警察当局はカナダ市民に対し、3Dプリント銃などの違法銃の製造や販売、または所有などに関する情報の提供を呼び掛けている。
掲載日:2023年6月29日:ストラタシスの取締役会が株主に意向を表明へ
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの取締役会がストラタシスの株主に対し、スリーディーシステムズとナノ・ディメンションによるストラタシスの株式買取条件変更についての意向を表明すると発表した。 ストラタシスの株主に対しては、アメリカ現地時間の2023年6月27日にスリーディーシステムズが、トラタシスの株式1株を現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.3223株での買取を提案している。 またイスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションも、ストラタシスの株式1株を現金20.05ドルでの買取を提案している。 ナノ・ディメンションは、これまでにストラタシスの株式1株を現金18.00ドルで買取る提案をしているが、ストラタシスの取締役会はストラタシスの株主に対し、ナノ・ディメンションの提案を無視するよう提言している。ストラタシスの取締役会は、ナノ・ディメンションによるストラタシスの株式買取条件変更についても、同様に無視するよう提言するものと予想されている。 ナノ・ディメンションはストラタシスの株式の買取期限を、アメリカ現地時間の2023年7月24日までとしている。
掲載日:2023年6月28日:スリーディーシステムズとナノ・ディメンションがストラタシスの買収条件を変更
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに対して買収提案をしているスリーディーシステムズとナノ・ディメンションが、それぞれ買収条件を変更した。 スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.2507株で買取るとしていたが、それを現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.3223株での買取に変更した。 ナノ・ディメンションもストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金18.00ドルで買取るとしていたが、それを現金20.05ドルでの買取に変更した。また、買取期限も現地時間の2023年6月26日から7月24日までに延長した。 ストラタシスの株主がスリーディーシステムズの買収提案に応じた場合、ストラタシスの株主は合併後の新会社の発行済み株式の41%を保有することになる。スリーディーシステムズは、スリーディーシステムズによるストラタシスの株式買取は、ストラタシスの株式の時価に20.4%のプレミアムを乗せた金額になるとしている。 スリーディーシステムズは株主向けIRウェブサイトにおいて、ストラタシスの株主に対して買収条件や買収効果などを説明するウェブキャスト動画を配信している。
掲載日:2023年6月27日:スリーディーシステムズのグレイブスCEOがストラタシス買収についてのコメントを発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスに対して買収提案をしているスリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOが、ストラタシス買収についてのコメントを発表した。 「ストラタシスの取締役会が両社の合併による壮大な経済効果を理解出来ていないことを残念に思います。ストラタシスとデスクトップメタルの合併に対する投資家の反応と、我々がストラタシス買収を提案した時の投資家の反応とを比べれば一目瞭然です。我々は、依然としてスリーディーシステムズとストラタシスの合併は「超越的提案」であると信じています」 「我々はさらに、スリーディーシステムズとストラタシスの合併は、両社の株主にとって最大の価値と速やかなバリューを提供し、長期的な成長を促すことを確信しています。両社の技術的なオーバーラップはストラタシスによって誤って評価されており、特にメタルバインダージェット技術が過小評価されています。株主は実行可能で信頼に足る価値創造プランを求めており、ストラタシスの株主へのプレゼンテーションを見る限り、ストラタシスの経営陣の楽天的な姿勢に疑問を抱かざるを得ません」 スリーディーシステムズは、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.2507株で買取る提案をしている。
掲載日:2023年6月26日:3ユアマインドが米海兵隊システム・コマンドから250万ドル規模の契約を獲得
ドイツの3Dプリンティングソフトウェアメーカーの3ユアマインドが、米海兵隊システム・コマンドから250万ドル(約3億5000万円)規模の契約を獲得した。契約では、3ユアマインドが開発中のパーツ認識ソフトウェアを米海兵隊システム・コマンドのデジタルマニュファクチャリング・データシステムに搭載するとしている。米海兵隊システム・コマンドのデジタルマニュファクチャリング・データシステムは、海兵隊が運用している軍事品のパーツのデータを管理するデータベース。 3ユアマインドの北米担当副社長のウィリアム・クエルヴォ氏は、「これまでの製造方法が抱える根本的なギャップの問題を、アディティブ・マニュファクチャリング技術を使って解決しようとする米海兵隊システム・コマンドの熱意に大いに鼓舞されています。我々が壮大なプロジェクトの一員になれることを嬉しく思っています」とコメントしている。 3ユアマインドのプラットフォームは、これまでにドイツ鉄道、ボッシュなどを含む航空宇宙、防衛、自動車、ヘルスケアなどの多数の産業ユーザーに採用されている。 3ユアマインドは2014年に、ドイツの大手メタル3DプリンターメーカーのEOSが設立したEOSアディティブ・マニュファクチャリング・ベンチャープログラムなどの出資を受けて設立された。3ユアマインドには、これまでにドイツ投資銀行、ヨーロッパ地域開発基金などの公的機関も出資している。
掲載日:2023年6月25日:フィラメンティブが99.99%リサイクルPLAフィラメントの販売を開始
イギリス・ブラッドフォードに拠点を置く3Dプリンター用フィラメントメーカーのフィラメンティブが、99.99%リサイクルPLAフィラメントの販売を開始した。「エコノミーPLA」と名づけられたフィラメントは工場などで排出されるPLA廃材を原料にしたもので、一般的なFDM方式の3Dプリンターで使用できる。フィラメントは1.75mmと2.85mm径のサイズの1キログラムのスプールで提供される。なお、フィラメントのスプールも100%リサイクルのカードボードで製造されている。価格は売上税抜きで15.99ポンド(約2,910円) フィラメンティブのマネージングディレクターのラヴィ・トーア氏は、「我々はサステナビリティにコミットしており、地球環境のフットプリントを最小化するための方法を常に模索しています。エコノミーPLAの販売開始は、その方向性における重要な一歩です。この製品がサステナビリティとハイクオリティな3Dプリンティングフィラメントの両方を求めるユーザーのニーズを満たすと信じています」とコメントしている。 フィラメンティブは、主にPLAフィラメントを中心に3Dプリンター用フィラメントをイギリス国内で製造している。同社はまた、オランダの3Dプリンターメーカーのウルチメーカー用フィラメントも販売している。
掲載日:2023年6月24日:ストラタシスの取締役会が株主にナノ・ディメンションのテンダーオファーを拒否するよう提言
ストラタシスの取締役会が、株主にナノ・ディメンションのテンダーオファーを拒否するよう提言した。ナノ・ディメンションはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を18.00ドルで買取るテンダーオファーを行っている。ストラタシスの取締役会は、ナノ・ディメンションによるテンダーオファーはストラタシスの業界リーダーとしてのポジションを過小評価するものであり、今後のさらなる成長機会を奪うものであるとしている。 ストラタシスの取締役会による株主への提言は、何らかの法的拘束力を伴うものではないが、ストラタシスの取締役会にはストラタシスの創業者でFDM方式の3Dプリンターの発明者であるスコット・クランプ氏も含まれており、株主に対する一定の影響力があるものと考えられる。 ストラタシスの株主に対しては、アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズもストラタシスの株式1株を現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.2507株で買取る提案をしている。 本記事執筆時点(アメリカ現地時間2023年6月23日)、NASDAQで取引されているストラタシスの株は、16.33ドルで取引を終えている。
掲載日:2023年6月23日:プリンテッド・ファームズとCOBODインターナショナルが世界最大の3Dプリントビルディングを建設
アメリカの3Dプリント住宅メーカーのプリンテッド・ファームズと、デンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルが、フロリダに世界最大の3Dプリントビルディングを建設したとして話題になっている。 プリンテッド・ファームズとCOBODインターナショナルがフロリダ州ウェリントンに建設したのは広さ1万100平方フィート(約940平方メートル)の平屋建ての建物で、COBODインターナショナルの建設3Dプリンター「BOD2」で建設された。 COBODインターナショナルのランド・ニールセン会長は、「プリンテッド・ファームズは、この大型の3Dプリントビルディングを完成させるという大きな仕事をしてくれました。また、建設3Dプリンターが建設業界に大きな変革と革新をもたらすという揺るぎのない事実を明らかにしてくれました。このアメリカの地において、COBODインターナショナルが記録的な建設3Dプリンティングプロジェクトに参画できたことをうれしく思います」とコメントしている。 COBODインターナショナルは、今年5月にテキサス州でも二階建ての3Dプリント住宅を建設するなど、アメリカの建設市場でのプレゼンスを広げている。
掲載日:2023年6月22日:ジョセフ・ムース氏がフォーティファイのチーフ・エンジニアリング・オフィサーに就任
米マサチューセッツ州ボストンに拠点を置くアディティブ・マニュファクチャリング企業のフォーティファイのチーフ・エンジニアリング・オフィサーにジョセフ・ムース氏が就任した。ムース氏は前職でナイキのエクスプローラーチームを率い、ハイパフォーマンスクッション素材の研究開発をリードしていた。ムース氏はパーデュー大学で学士を、ハーバード大学でマテリアルサイエンスの博士号をそれぞれ取得している。 ムース氏は、「チーフ・エンジニアリング・オフィサーとしての私のゴールは、チーム全体の能力を最大限に引き上げることです。我々の先端のエンジニアリング能力とエンドユーズパフォーマンスへの限りないフォーカスを組み合わせることで、アディティブ・マニュファクチャリングセクターにおけるリーダーシップを守り続けることができます」とコメントしている。 フォーティファイは、独自開発したデジタル・コンポジット・マニュファクチャリング(DCM)技術を使い、特にDLPベースのアディティブ・マニュファクチャリングサービスを各産業セクターのユーザーに提供している。特にRF関連アプリケーション分野での研究開発プロジェクトを得意としており、防衛セクターのユーザーと様々なアプリケーションを開発している。
掲載日:2023年6月21日:スリーディーシステムズが株主にストラタシス買収の状況を説明
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが株主に対し、現在進行中のストラタシス買収の状況を説明した。 スリーディーシステムズの社長兼CEOのジェフリー・グレイブス氏は、「我々のストラタシス買収の提案は、市場から想像以上にポジティブなリアクションを受けました。また多くのストラタシスの株主からもポジティブな反応をいただきました。我々は、スリーディーシステムズの株主に対して状況を説明する必要があると感じています。ストラタシスに対しては21日前に買収提案をいたしましたが、提案を受理したという連絡をいただいたのみです。我々はスリーディーシステムズとストラタシスが合併することが両社の株主にとって最大の利益になると信じており、今後もそれを主張してゆきます」と説明している。 スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの株式1株を現金7.50ドルとスリーディーシステムズの新株1.2507株で買取る提案をしている。 ストラタシスに対しては、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、ストラタシスの株式1株を現金18ドルで買取る提案をしている。
掲載日:2023年6月20日:カーギルが代替肉市場への投資を強化か
アメリカの穀物メジャーのカーギルが、代替肉市場への投資を強化するとして話題になっている。カーギルの代替肉市場への本格的な参入は、先行している代替肉メーカーのビヨンド・ミートやインポシブル・フーズにとって大きな脅威になる可能性がある。 カーギルのチーフ・テクノロジー・オフィサーで研究開発部門の責任者のフロリアン・チャッテンマン氏は、「我々は穀物という原料から加工肉などの最終製品まですべてを供給しています。しかし、派手なブランドで流通させているわけではありません。我々は我々の強みを理解しており、マーケットを過度に評価していません。今後25年から30年で、人類は現在より70%多くのタンパク質の供給が必要になります。そのタンパク質は必ず供給されなければなりません。そして、我々がそのタンパク質の供給者となるのです」とコメントしている。 カーギルは1865年設立の、米ミネソタ州ミネアポリスに拠点を置く穀物メジャー。穀物のみならず精肉・製塩など食品全般及び金融商品や工業品に営業範囲を広げている。昨年2022年度の売上高は1650億ドル(約23兆1000億円)に達し、アメリカ最大の売上高を持つ未上場企業として知られている。近年は水産養殖業に注力し、タイやベトナムなど東南アジアに研究開発拠点を設けたり、飼料メーカーを買収するなど動きを多極化している。
掲載日:2023年6月19日:WASPが日本ものづくりワールド2023に出展
イタリアの3DプリンターメーカーのWASPが、今週6月21日水曜日から23日金曜日までの三日間東京ビッグサイトで開催される日本ものづくりワールド2023に出展するとして話題になっている。WASPによると、同展示会にはWASPの40100クレイ・プロダクションシステムが展示されるという。展示会では、セラミクスを素材にした3Dプリンティングのデモンストレーションなども行われる予定。 WASPは、日本の販売代理店の3D Printing Corporationを通じ、日本市場での販売を開始しているが、今回の出展を機に日本市場でのプレゼンスをさらに高めたいものと見られる。3D Printing Corporationは、これまでにWASPのペレット3Dプリンター「4070HDP」や、クレーン3Dプリンター「Crane WASP」、コンクリート3Dプリンター「デルタWASP3MTコンクリート」などのシリーズを販売している。 日本ものづくりワールドは、国内外の1750社が出展する大型展示会。今年は特に3Dプリンターなどのアディティブ・マニュファクチャリング関連製品や、デジタルトランスフォーメーション関連製品、省エネ設備などが多く展示される。また、ものづくりに関する各種のトピックをテーマにしたトークセッションやカンファレンスなども行われる。
掲載日:2023年6月18日:ヴィヴェク・パサック氏がエレメンタム3DのCFOに就任
米コロラド州エリーに拠点を置く3Dプリンター用メタルパウダーメーカーのエレメンタム3DのCFOにヴィヴェク・パサック氏が就任する。パサック氏はファイナンスの領域で30年以上の経験を持つベテランで、フォーチュン500企業を含む数多くの企業のCFOを務めてきた。直近ではシリコンバレーのバイオテクノロジーベンチャー企業のCFOを務めていた。パサック氏はインド・デリー大学で歴史学の学位と、ペンシルバニア大学ウォートンスクールでMBAをそれぞれ取得している。 エレメンタム3Dの創業者で社長のジェイコブ・ニュークターライン氏は、「ヴィヴェクを我々のチームに迎えられることを嬉しく思います。ヴィヴェクは決断力のあるプロフェッショナルで、我々が特に必要としているファイナンスのエキスパートです。彼の能力が会社の資産を増加させ、エレメンタム3Dのファイナンスのゴールを実現させてくれると信じています」とコメントしている。 エレメンタム3Dは2014年設立。大手3DプリンターメーカーのスリーディーシステムズのDMPフレックス350プラットフォーム用のアルミニウムパウダー「A6061-RAM2」などを製造している。エレメンタム3Dには日本の住友商事も出資している。
掲載日:2023年6月17日:BCN3Dが高速FDM3Dプリンター「オメガ160」をリリース
スペインのバルセロナに拠点を置く3DプリンターメーカーのBCN3Dが、高速FDM3Dプリンター「オメガ160」をリリースした。BCN3Dのバルセロナ本店で公開されたもので、造形サイズ最大60リットルを秒速300㎜のスピードで造形できるとしている。BCN3Dは、大型パーツのプロトタイプや、ツーリングやジグなどの製造に適しているとしている。 素材にはBCN3Dの純正フィラメントに加えて、他社のフィラメントも利用可能。また、カスタムマテリアルの利用も可能としている。 オメガ160シリーズの価格は、基本シリーズが1万9995ユーロ(約299万2500円)からとなっている。BCN3Dは、オメガ160シリーズの出荷を今年2023年9月15日から開始するとしている。 BCN3Dは、これまでに産業ユーザーを中心に世界60カ国で製品を販売、3Dプリンティングの世界でのプレゼンスを拡げてきている。同社のユーザーにはBMW、日産スペイン、NASA、ルイヴィトン、マサチューセッツ工科大学などが含まれている。BCN3Dの3Dプリンターは、日本では3D Printing Corporationが日本総代理店契約を締結、国内で販売している。
掲載日:2023年6月16日:ナノ・ディメンションのスターンCEOがストラタシスの株主へビデオメッセージを発信
イスラエルのエレクトロニクス3DプリンターメーカーでNASDAQ上場のナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOが、ナノ・ディメンションが現在買収提案をしているアメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの株主に対してYouTube経由でビデオメッセージを発信した。 スターンCEOは、ナノ・ディメンションによるストラタシスの株式を一株18ドルで買取るテンダーオファーは、スリーディーシステムズがストラタシスに対してオファーしている株式交換と現金の組み合わせによる買収と違い、ストラタシスの株主が確実に現金を手にできる唯一の手段であると主張している。 スターンCEOはまた、ナノ・ディメンションが保有する現金相当資産の残高は10億ドル(約1400億円)を超えており、ナノ・ディメンションはナノ・ディメンションの株主による決議なしに自由にストラタシスに投資できるとしている。 スターンCEOはさらに、ナノ・ディメンションによるストラタシスの買収完了後、ストラタシスの7人の現役員全員を解任するとしている。 ストラタシスに対しては、別のアメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが買収提案をしている。
掲載日:2023年6月15日:カナダの建設業界が人材不足解消に向けて建設3Dプリンターに注目
カナダの建設業界が、人材不足解消に向けて建設3Dプリンターに注目している。カナダ建設業協会によると、今後数年でカナダの建設業界では6万2000人の建設作業員が不足し、さらに15万6000人が定年を迎えるとしている。なお、カナダの建設会社の86%が慢性的な人材不足に直面しているとされる。 カナダ建設業協会が大手監査法人のKPMGと共同でまとめたレポートによると、調査対象となったすべての建設会社が人材不足解消のために建設3Dプリンター、ドローン、ロボティクス、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)などの「デジタル技術」を活用すべきと答えている。 KPMGカナダの建設業担当リーダーのトム・ロスフィッシャー氏は、「カナダの建設業界が深刻な課題に直面する中、建設3Dプリンターなどのニューテクノロジーがソリューションになる可能性があります。テクノロジーがスマートに活用されることで時間とコストと資材ロスを削減し、作業員の安全性と生産性を向上することが可能になります」とコメントしている。 カナダの建設業界の市場規模は1410億カナダドル(約14兆1000億円)程度と推定され、カナダの全GDPの7.5%を占めている。
掲載日:2023年6月14日:ハブズが「3Dプリンティング・トレンドレポート2023」をリリース
産業用3Dプリンティングサービスビューローのハブズが、「3Dプリンティング・トレンドレポート2023」をリリースした。今年2023年2月にハブズのユーザー1000社を対象に行われた調査の結果がまとめられた。同レポートは、2022年の全世界の3Dプリンティング市場規模を170億ドル(約2兆3800億円)程度と推定しており、今年2023年はさらに17%程度成長すると見込んでいる。 調査対象となった1000社のうち、71%が2022年に3Dプリンターで製造したパーツの点数が前年より増加したと応えており、8%が前年より減少したと答えている。 利用された3Dプリンターの種類では、FDM方式の3Dプリンターが全体の56%を占め、最大のシェアを獲得した。 今後3Dプリンターの利用が進むと予想される産業セクターとして、飲食業、ファッション業界、自動車、ヘルスケア、航空宇宙などが挙げられた。 ハブズは2013年設立。設立当初は一般の3Dプリンター所有者をインターネットでネットワークし、3Dプリント希望者とオンラインでマッチングする仕組を提供していた。同社はこれまでに個人の3Dプリンター所有者をネットワークから排除し、法人パートナーとパートナーシップを構築するビジネスモデルへ転換している。同社は2021年1月にアメリカの産業用サービスビューロー大手のプロトラブズに買収された。
掲載日:2023年6月13日:全世界の代替肉市場が2030年に2338億ドル規模へ成長
全世界の代替肉市場が2030年に2338億ドル(約32兆7320億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社カスタム・マーケット・インサイトが発表したレポート「グローバル代替肉市場:市場規模・トレンドおよびインサイト」によると、2022年時点で218億ドル(約3兆520億円)規模と推定される全世界の代替肉市場は、今後年率42.1%の成長率で成長を続け、2030年に同規模へ到達するとしている。 同レポートは、既存の畜産業の環境に対する悪影響が今後さらに問題視され、結果的に代替肉に対する消費者ニーズが拡大すると見込んでいる。また、代替肉専業メーカーに加えて、既存の加工肉メーカーも順次代替肉の製造を拡大し、市場成長を促すとしている。 産業セクターでは、HoReCaと呼ばれるホテル、レストラン、カフェなどのホスピタリティ業界のプレーヤーが代替肉を積極的に販売してゆくとしている。 代替肉市場における主なプレーヤーとしては、ビヨンド・ミート、インポシブル・フーズ、クラウドロン・フーズ、ミートレスBV、ケロッグ・カンパニー、ソニック・バイオケム・エクストラクションズなどを挙げている。
掲載日:2023年6月12日:3Doodlerの開発チームがChefDoodlerをリリース
3Dプリンティングペンの3Doodlerの開発チームが、砂糖を素材に造形できる3DプリンティングペンのChefDoodlerをリリースして話題になっている。開発チームが立ち上げたキックスターターキャンペーンには、本記事執筆時点で41,500ポンド(約601万7500円)の資金が寄せられている。 ChefDoodlerは、3Doodlerと同様の構造を持つ3Dプリンティングペンで、クリスタル、キャロット、ローズ、フォレスト、グレープの五色の素材が利用可能。スタンドアロンの造形のほか、クッキーやケーキなどにアタッチするデコレーションなどの製造にも使えるとしている。 Doodlerは2012年にマックスウェル・ボーグとピーター・ディルワースの二人がマサチューセッツ州で設立。これまでに三回のキックスターターキャンペーンを通じて総額400万ドル(約5億6千万円)の資金を調達している。キックスターターでは、全世界60ヶ国のバッカーがーキャンペーンをサポートしている。 3Doodlerはまた、これまでにアメリカのオフィス用品販売チェーンのオフィス・デポと共同で子供向け3Dプリンティング教育キット「塾」などの販売も手がけている。
掲載日:2023年6月11日:ファーハド・エブラヒミ氏がデスクトップメタルの株を買収
イラン系アメリカ人の著名投資家ファーハド・エブラヒミ氏が、デスクトップメタルの株を買収し、同社の最大の株主となっていたことがわかった。アメリカ現地メディアの報道によると、エブラヒミ氏は今年2023年5月30日までにニューヨーク証券取引所で取引されているデスクトップメタルの株23,881,002株を買い集め、同社の発行済み株式の7.43%を保有する筆頭株主になったという。 エブラヒミ氏はイラン系アメリカ人で、2011年に自ら創業したソフトウェア開発会社クォーク・ソフトウェアを売却し、巨額の富を得たことで知られている。同氏はその後、医療系画像処理企業ヴューレイや、ソーラーパネルメーカーのファーストソーラーなどに投資し、自らの保有資産をを200億ドル(約2兆8000億円)にまで拡大している。 デスクトップメタルは現在、ストラタシスによる吸収合併のオファーを受けているが、エブラヒミ氏がデスクトップメタルの筆頭株主になったことで両社の吸収合併に何らかの影響を与える可能性があると関係者は指摘している。また、ストラタシスとデスクトップメタルに対しては、大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが別に買収を提案している。
掲載日:2023年6月10日:全世界のメタル3Dプリンティングサービス市場が2031年に161億ドル規模へ成長
全世界のメタル3Dプリンティングサービス市場が、2031年に161億ドル(約2兆2540億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社スマーテック・アナリシスが発表した「メタルアディティブ・マニュファクチャリングサービス市場:2023-2031」によると、2023年時点で38億ドル(約5320億円)規模と推定される全世界のメタル3Dプリンティングサービス市場は、今後順調に成長を続け、2031年までに同規模へ拡大するとしている。 メタル3Dプリンティングサービスに対する需要が特に拡大すると見られている産業セクターとしては、航空宇宙、自動車、医療・歯科医療、ジュエリー、コンスーマーグッズ、エネルギーなどを挙げている。特に石油・ガスなどのエネルギー産業セクターにおいては、現時点で有力なアディティブ・マニュファクチャリング・サービスビューローが存在しないものの、消耗部品などの製造を3Dプリンターで行う機運が高まってくると予想している。 メタル3Dプリンティングサービス市場における主なプレーヤーとしては、3DEO、カーペンター・アディティブ、デジタルメタル、マークフォージド、ExOne、デスクトップメタル、FIT、GEアディティブ、GKNフォーキャスト3D、HP、マテリアライズ、MTI、プロトラブズ、クイックパーツ、スカルプティオなどを挙げている。
掲載日:2023年6月9日:デスクトップメタルの株価が27.48%上昇
大手3Dプリンターメーカーのストラタシスによる吸収合併が発表された3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルの株価が上昇している。ニューヨーク証券取引所で取引されているデスクトップメタルのk部は現地時間の2023年5月19日に1.71ドルまで下落したが、ストラタシスによるデスクトップメタルの吸収合併が発表された直後から値上がりを始め、現地時間の2023年6月8日には2.18ドルまで上昇した。2023年5月19日から6月8日までの株価上昇率は27.48%となっている。 ストラタシスの株価も値上がりを続けており、現地時間の2023年6月8日には17.57ドルで取引されている。 なお、ストラタシスに対しては、デスクトップメタルを吸収合併した後に新たに吸収合併するオファーを大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが提案している。 スリーディーシステムズはプレスリリースを通じて、スリーディーシステムズ、ストラタシス、デスクトップメタルの三社の統合により、およそ1億ドル(約140億円)規模のコスト削減がただちに実現し、統合後の新会社の企業価値は18億4000万ドル(約2576億円)程度の規模に到達すると主張している。
掲載日:2023年6月8日:ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドがストラタシスの3Dプリンターを導入
オーストラリア・メルボルンに拠点を置くレーシングチームのウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(Walkinshaw Andretti United)が、ストラタシスの3Dプリンターを導入したとして話題になっている。ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドが導入したのはストラタシスのFortus450mc3Dプリンターで、同チームが導入する2台目の3Dプリンターとなった。 ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドのチームプリンシパルのブルース・スチュワート氏は、「レースにおいてはトラック上だけでなく、ワークショップにおいても時間が重要な要素となります。我々はプロトタイピングやパーツづくりを3Dプリンターで行っていますが、従来の製造方法よりも迅速に行うことが可能です。ストラタシスの3Dプリンターと素材のハイパフォーマンスなスタンダードは非常に素晴らしいです。スーパーカーレーシングにおける高熱、土、そして振動などをすべてクリアしてくれます」とコメントしている。 ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッドは、1990年にホールデン・レーシングチームとして結成され、オーストラリア史上最も成功したスーパーカーチャンピオンシップチームのひとつとされている。
掲載日:2023年6月7日:ヨーロッパ初の3Dプリント学校がウクライナに誕生
ヨーロッパ初の3Dプリント学校がウクライナに誕生するとして話題になっている。ウクライナの現地メディアの報道によると、非営利団体のチーム4UAと3DCPグループは共同でプロジェクトを立上げ、ロシアとの戦争により被害を被ったウクライナのリヴィヴに建設3Dプリンターを使って学校を建設するとしている。建設が実現すると、ヨーロッパで始めて3Dプリント学校が誕生することになる。なお、学校の建設にはデンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルの建設3Dプリンター「BOD2」が使われる。 ウクライナ教育科学省によると、ロシアによる軍事侵攻によりウクライナ国内で2000校以上の学校が破壊され、277校が完全な立替が必要とされる。 チーム4UAの創業者で会長のジャン・クリストフ・ボニス氏によると、ウクライナで被害を受けた学校のうち、小学校を優先して建設してゆくとしている。建物の大きさは延床面積370平方メートルで、一階建ての造りとなる。また、建設資材の90%はウクライナ国内で調達するとしている。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、破壊されたインフラストラクチャーの再興をどのように行うかが大きな課題となっている。
掲載日:2023年6月6日:ICONがテキサス州オースティンで3Dプリント住宅の販売を開始
アメリカの3D建設プリンティング企業のICONが、テキサス州オースティンで3Dプリント住宅の販売を開始する。販売されるのはオースティンのジョージタウン地区に建設された6棟の3Dプリント住宅で、いずれもICONが開発したヴァルカン建設3Dプリンターで建設された。販売価格は47万5千ドル(約6,650万円)から50万ドル(約7,000万円)からとなっている。 ICONのプロジェクトオペレーション担当ディレクターのコナー・ジェンキンズ氏は、「(3Dプリント住宅に関心を持つ人の多くは)3Dプリント住宅を従来の住宅とどうしても比較してしまいがちですが、近い将来には3Dプリント住宅こそが唯一の回答であることをご理解いただくことになるでしょう。現時点では、(3Dプリント住宅に関心を持つ人、または購入を実際に検討する人は)従来の住宅と何か違うものを、革新的なものを求める人が多いです」と説明している。 ICONによると、3Dプリント住宅の価格は従来の住宅と同程度の水準であるものの、メインテナンスにかかるコストが安く、また設置されたソーラーパネルによる発電により電力コストが下げられるのがアドバンテージになるとしている。
掲載日:2023年6月5日:スリーディーシステムズ、ストラタシス、デスクトップメタルの株価がいずれも上昇
スリーディーシステムズによるストラタシス・デスクトップメタルの買収提案が発表されたアメリカ現地時間の先週、週最後の取引となる6月2日の株式市場で、スリーディーシステムズ、ストラタシス、デスクトップメタルの株価がいずれも上昇して取引を終えた。6月2日の終値は、スリーディーシステムズ9.28ドル(前日終値から11.4%上昇)、ストラタシス16.21ドル(同11.26%上昇)、デスクトップメタル2.03ドル(同6.84%上昇)となった。投資家は三社の統合に向けた動きを前向きに評価していると見られる。 三社の統合について、スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブス社長兼CEOは、「スリーディーシステムズと(デスクトップメタル買収後の)ストラタシスの統合は、両社の株主にとってベストな結果をもたらします。我々は、今こそが両社のビジネスを統合する最適な時期であると強く信じています。我々はユニークなポジションにあり、ストラタシスの取締役会に我々の提案を前向きに受けとるよう強く促します。それにより、すべての株主、従業員、取引先のすべてが最大のベネフィットを手に入れられるのです」とコメントしている。 スリーディーシステムズはプレスリリースを通じて、スリーディーシステムズ、ストラタシス、デスクトップメタルの三社の統合により、およそ1億ドル(約140億円)規模のコスト削減がただちに実現し、統合後の新会社の企業価値は18億4000万ドル(約2576億円)程度の規模に到達すると主張している。
掲載日:2020年7月1日:後編|世界最高レベルの3Dプリンターで作られた 世界最大級のジオラマで見る日本橋
「3Dプリンターのこれからの課題と未来予想図」

先日リニューアルオープンした三井不動産レジデンシャルの「日本橋サロン(日本橋三井タワー内)」。そこで一際目をひくのが、日本橋の街を再現した巨大なジオラマだ。なんとこれは、世界最高レベルを誇るフルカラー3Dプリンターで100%出力されたもの。スケールの大きさも精密度も前例のない、この桁違いのプロジェクトとは?

稀代の浮世絵師、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれているシンボリックな暖簾(のれん)を垂らした呉服店「越後屋」。その老舗が日本橋の重要文化財として知られる三井本館が現在建っている場所にあったことは有名な話だが、そんな江戸文化が感じられる街、日本橋周辺を3.59km×2.36kmの範囲でジオラマ化するプロジェクトが、無事完成を迎えた。

世界最大級のジオラマを3Dプリンターですべて出力して組み上げるというこの前例のない試みについて、前編では完成したジオラマのディテールや制作過程を、中編ではいま3Dプリンターでつくる価値についてお届けした。
後編では、プロジェクトを通して見えた3Dプリンターの今後の課題や未来の展望について、当媒体「セカプリ」の代表で当プロジェクトの制作を担った木下謙一(株式会社ラナキュービックほかRANA UNITEDグループ代表取締役CEO)と山口修一(株式会社マイクロジェット代表取締役CEO)の両氏が語り尽くす。

世界最大級のジオラマから得られた収穫は計り知れない

木下「今回のジオラマは、何もかもが前例のないものでしたが、とても合理的にあらゆる作業ができましたし、これまでにないモノ作りが体験できました。大型のフルカラー3Dプリンターを3台以上、何十時間も連続して稼働し続けるというのはありえないことだと思いますが、最新のテクノロジーを使って、従来の日本人らしさと言われるような気合と根性とはまた違う方法論で、画期的なジオラマが完成したという実感があります」
山口「デジタルゆえの利点も多くありましたね。色味が合わないと分かった時点で、すぐに作り直しをしたり、その修正部分も2日後にはチェックできたりと、3Dプリンターで制作することはデジタルならではのパフォーマンスが随所に発揮されたと思います」結果大きなトラブルもなく完成を迎えたが、それだけにこのチャレンジから得られた収穫は計り知れない。これからのモノ作りやビジネスに活かせるヒントはいくつも見つかったようだ。
山口「まず今回の試みで、最大のリスクだったのが、稼働中に何らかのトラブルでプリンターが止まってしまうということですよね。結局3ヶ月間故障なく動き続けたわけですから、ミマキエンジニアリングさんにとってもいい前例が作れたと思います。個人的には、予想以上に3Dプリンターは安定していたなと感じました」
木下「そもそも前例のないことをやったので、最終的にこうなりますということがお見せできない状態からのスタートでした。クライアントをはじめプロジェクトチームのみなさんには非常に感謝しています」
山口「もし、最初の段階でこれは無理だと判断していたら今回の収穫はなかったわけですし、この実例は何か新しいビジネスのスタートになるかもしれませんね」これだけ大規模なジオラマを短時間で作り上げたことは、今後の3Dプリンターの使い方の道標にもなる。例えば、量産化できるホビーのツールや災害時の検証、ほかの使い方も模索できそうだ。山口「ホビーやフィギュアということであれば、フルカラーはまだまだコスト的に高いので難しいところはあると思います。ただ、自分で色を着けるということなら、ホビーの範疇として使える安価な3Dプリンターやその活用例は、次々に出てきています」
木下「シューズメーカーがソールの一部を3Dプリンターで作ったり、メガネメーカーがフレームを作ったり、デザインと掛け合わせて身近なもので使う例は、たくさんありますからね。そういった活用法は今後も広がるんじゃないでしょうか」
山口「3Dプリンターはますます市場を拡大していくと思います。これまでの製造業はマスプロダクション。言わば メーカーが規格を決めてそこから選ばせる“押しつけのものづくり” でした。しかし、いまはデジタル技術の活用によって、一人ひとりに自分のものを提供するマスカスタマイゼーションが重視される時代です。一人ひとりが自分にぴったりのものが欲しいと思う気持ちがある。3Dプリンターはそれを解放する技術です。このチャンスに挑戦する方が増えればと思います」

世界の技術に追いついていくために必要なこと
ますます身近になる3Dプリンター。モノ作りが得意な日本は、これからの未来に期待が持てそうだが、そもそも3Dプリンターの開発に関しては、現状、世界的に見てどんな立ち位置にいるのだろうか?
山口「残念ながらドイツなどの先進国に比べると、かなり遅れを取っていると思います。例えば日本で3Dプリンターの展示会をやると出展は50?100社程度ですが、最新のドイツで行われた展示会の出展社数は、800社以上ですから、全然規模も熱量も違うんですよ。また欧米では、3Dプリンティング関連産業が根付こうとしていますから。例えば今回のようなリアルなジオラマで、CGを使わず特撮をするというような観点など、角度の違う見方や活用方法でビジネスを考えていくことは必要だと感じますね」
木下「僕も今回やってみて、リアリティを目の当たりにすると従来のジオラマとは意味合いが変わったなと感じました。ジオラマは本来、現実の世界の建物や街を単に縮小したものですが、ここまでリアリティがあると、ちょっと違ったものに見えてきますね。それに共感や理解をしてくれる個人、企業と新しいビジネスを考えていくのはありだと思います」
日本橋の街の3Dプリンター製ジオラマを作ったことで、両氏にはまた新しいものが見えてきたようだ。ところで、今回のプロジェクトでは、やり残したと感じることはないのだろうか?
木下「時間がもうちょっとあれば、いろいろとできたかなとは思います。ひとつは、樹脂を中空にして樹脂の量もコストも削減できたのではないかということ。あとは、電車や車、船、人といった小道具をもっと使えば、さらにリアリティが出せたかなとは感じます。ですがそれは今からでも修正はできますし、街並みが変わればブロックごとに差し替えることもできます」
山口「リアリティと、そして追加修正が容易にできるのはデジタルの特性ですね。あと、日本橋周辺のジオラマを作ってわかったのですが、東京の土地活用は飽和していたかと思っていたのですが、上空から見ると低層建築が密集して空間がある場所が結構あることに、初めて気がつきました」
木下「そうですね。小さいビルと大きいビルの差が著しいところが結構ある。やはりリアルなジオラマを作ると新しい発見がありますね。都市機能を考えるうえでも、有意義な模型としてもいろいろ活用できたら嬉しいなと思います」
山口「あと3Dプリンターでいえば、もう少し子どもと触れ合う機会を増やしていきたいなとは思っています。実はゲームとは違って3Dプリンターは、大人と子どもが一緒になって楽しめるツールにもなるんです。単純に作りたい形になって立体物が出てくること自体体験したら楽しいですし、そうやって子どもの頃からプリンターに触れる経験があれば、もっとユニークなアイデアやビジネスが生まれるようになるかもしれません。私はそれを実現するための子どもと3Dプリンターを結びつける活動に、これからまた挑戦していきます」
■プロフィール
木下謙一(きのした・けんいち)
1969年生まれ。株式会社ラナデザインアソシエイツなどクリエイティブとソリューションを提供するラナグループの代表取締役CEO、武蔵野美術大学非常勤講師。1992年、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、NHKアート等を経て、1997年にラナデザインアソシエイツを設立。多くの著名企業のウェブサイト構築やアーティストのCDジャケット、広告ビジュアル、アプリ制作などを手がける。The New York Festivals、London International Advertisingawards、東京ADCほか受賞は多数。

山口修一(やまぐち・しゅういち)
1957年生まれ。株式会社3Dプリンター総研代表取締役CEO、株式会社マイクロジェット代表取締役CEO、一般社団法人日本3Dプリンター協会代表理事、工学博士、インクジェット&3Dプリンターコンサルタント。1983年、東京工業大学大学院理工学研究科修了後、エプソン株式会社(現セイコーエプソン株式会社)を経て1997年にマイクロジェット社を設立。以後、国内外でインクジェット技術普及のための講演活動や技術支援を積極的に行っている。2012年、『インクジェット時代がきた!』(光文社新書)を上梓。3Dプリンターやインクジェット関連の講演、論文、著作多数。