3Dプリンター技術研究所(InkJet&FDM熱溶解積層1
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ご挨拶
研究所 所長 工学博士 山口修一
(3D プリンター&インクジェットコンサルタント)
デジタルファブリケーション分野における、AM(Additive manufacturing)装置の中で、
低価格のFDMプリンターやインクジェット式の3Dプリンターが注目を集めていますが、
その本格的な進化は、これからと言えます。様々な情報があふれている中で、当研究所は
30年以上に及ぶインクジェット開発経験と様々な分野との接点やチャンネルを活かす
ことにより、3Dプリンター関連ビジネスの発展に寄与できるように努めて参ります。
山口修一 略歴
1983年 東京工業大学大学院、博士前期課程修了
1983年 大手プリンターメーカー入社。インクジェット開発に従事
1997年 マイクロジェット設立、代表取締役就任
2013年 大阪大学大学院、博士後期課程修了
2012年 著書 光文社新書『インクジェット時代がきた!』
3Dプリンターに関する講演、ラジオ出演多数
3Dプリンター技術研究所では下記のようなご要望にお応えすべく、日々技術革新と情報収集に努めています。
新着情報
2020/6/9
東京都済生会中央病院へフェイスシールドを無償提供
株式会社マイクロジェット、株式会社3Dプリンター総研、株式会社ラナエクストラクティブ、RANA CUBIC(RaNa Unitedグループ)の4社連携にて、新型コロナウイルス感染症対応に尽力されている東京都済生会中央病院への支援を目的として、3Dプリンター造形によるフェイスシールド100セットを無償提供いたしました
2019/11/18
formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
ヨーロッパ最大の3Dプリンターの展示会formnext 2019。 今年も報告セミナーを開催いたします。「formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/11/16
formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2018。 今年も報告セミナーを開催いたします。 「formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2018/7/2
第29回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第29回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/5/23
第29回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/20(水)~6/22(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東21-30
2018/2/19
3D Printing 2018展来場の御礼
3D Printing 2018展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2018/1/12
3D Printing 2018展 に出展致します。
2/14(水)~2/16(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6J-23
2017/11/10
formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2017。 今年も視察報告セミナーを開催いたします。「formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2017/6/26
第28回設計・製造ソリューション展 来場の御礼
第28回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/5/24
第28回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/21(水)~6/23(金)
東京ビッグサイト 東1ホール
ブース№43-29
2017/2/20
3D Printing 2017展来場の御礼
3D Printing 2017展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2017/1/16
3D Printing 2017展 に出展致します。
2/15(水)~2/17(金)
東京ビッグサイト 東6ホール
ブース№ 6L-22
2016/12/26
セミナーご参加の御礼
「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」 はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
2016/10/26
formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー開催
11月にドイツで開催される世界最大規模の3Dプリンター展formnext2016。 今年も視察報告セミナーを開催いたします。「formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー」
2016/6/27
第27回設計・製造ソリューション展 来場の御礼
第27回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2016/5/31
第27回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/22(水)~6/24(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東7-38
2016/2/3
3D Printing 2016展来場の御礼
3D Printing 2016展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/12/21
調査レポート先行予約開始のお知らせ
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』 の先行予約を開始いたしました。
2015/12/22
3D Printing 2016展 に出展致します。
1/27(水)~1/29(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6G-20
2015/12/11
セミナーご参加の御礼
「EuroMold2015 & formnextにみる3Dプリンター最前線セミナー」 はご好評のうちに終了いたしました。ご参加ありがとうございました。
2015/8/26
視察ツアー募集開始のお知らせ
Euromold2015展 の現地解説ツアーを企画いたしました。
Euromold 2015 3Dプリンター現地解説ツアー
※お申し込みは終了しました
2015/8/18
講演会ご参加の御礼
先日行われました独立行政法人中小企業基盤整備機構 平成27年度第1回3Dプリンターセミナーにて、当研究所所長山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/7/3
第26回設計・製造ソリューション展来場の御礼
第26回設計・製造ソリューション展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/28
第26回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/24(水)~6/26(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№東8-38
2015/5/21
BIO tech2015展来場の御礼
BIO tech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/5/21
先日行われました長野県工業技術総合センター平成27年度科学技術週間行事にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/4/13
BIO tech2015展 に出展致します。
5/13(水)~5/15(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№4-47(微細加工ゾーン内)
2015/3/11
先日行われました長野県中小企業団体中央会平成26年度経営セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2015/2/18
nanotech大賞2015受賞報告
弊社は、nanotech2015展に出展し、
「nanotech大賞2015 日刊工業新聞社賞」を受賞いたしました。
2015/2/18
nanotech2015展来場の御礼
nanotech2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2015/2/18
3D Printing 2015展来場の御礼
3D Printing 2015展におきましては、大勢の皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。
2014/12/19
nanotech2015展 に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東4~6ホール
ブース№ 5G-02
2014/12/19
3D Printing 2015展 に出展致します。
1/28(水)~1/30(金)
東京ビッグサイト 東6ホール&会議棟
ブース№ 6D-09
2014/12/19
先日行われました近畿化学協会機能性色素・エレクトロニクス部会東京地区合同公開講演会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/12/19
先日行われました日本印刷学会の2014年度プリプレス研究会にて、弊社の堀が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/23
先日行われました色材協会関東支部の印刷インキアドバンス講座にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/10/15
先日行われました農工大・多摩小金井ベンチャーポート9月セミナーにて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/9/16
BioJapan 2014展 に出展致します。
10/15(水)~10/17(金)
パシフィコ横浜
ブース№ B101(中小機構ブース内)
2014/7/14
先日行われました大阪府工業協会の2014年度3Dプリンタ実践導入研究会にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/7/14
先日行われました愛知県経営者協会機械金属部会総会の特別講演にて、弊社代表山口が講演致しました。大勢の皆様のご参加ありがとうございました。
2014/5/27
第25回設計・製造ソリューション展 に出展致します。
6/25(水)~6/27(金)
東京ビッグサイト 東3ホール
ブース№7-40
2014/4/23
BIO tech2014展 に出展致します。
5/14(水)~5/16(金)
東京ビッグサイト 西3・4ホール
ブース№8-1(バイオ医療開発ゾーン内)
2014/1/22
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2014/1/15
nanotech2014展 に出展致します。
1/29(水)~1/31(金)
東京ビッグサイト 東4・5・6ホール
ブースNo.6-G21
2013/12/18
3Dプリンターセミナーの次回開催日は2014年2月の予定です。
2013/12/4
3Dプリンターセミナーの開催日が決定しました。
2013/12/2
3Dプリンター技術研究所ホームページを新たにオープンしました。
セミナー・イベント情報
2019/12/21
【formnext 2019 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2019年12月20日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪) ※満席により、お申込みは終了しました
2018/12/10
【formnext 2018 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2018年12月7日(金)
開催場所:AP品川アネックス (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2017/11/10
【formnext 2017 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2017年12月15日(金)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2016/12/26
【formnext 2016 にみる3Dプリンター最前線セミナー】
開催日 :2016年12月22日(木)
開催場所:AP品川 (東京都港区高輪)
※満席により、お申込みは終了しました
2015/12/11
【EuroMold2015 & formnext にみる3Dプリンター最前線】
開催日 :2015年12月10日(木)
開催場所:AP品川
※満席により、お申込みは終了しました
2015/1/20
【EuroMold 2014 から見えてきた3Dプリンティングの未来】
開催日 :2015年1月21日(水)
開催場所:(株)3Dプリンター総研 セミナールーム
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/5/21
【3Dプリンター体験会】
開催日 :2014年5月24日(土)
開催場所:当研究所
※満席により、お申し込みは終了しました
2014/1/22
【3Dプリンタ、造形材料開発者向け
セミナー】
開催日 :2014年3月6日(木)
開催場所:東京都内
※お申し込みは終了しました
新刊・レポ
2023/11/15 【最新書籍情報!】
世界の3Dプリンティング 最新業界レポート
体裁/A4判 441頁 詳しくはこちら
2022/7/6 【最新書籍情報!】
2023年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 165頁 詳しくはこちら
2022/7/6 【最新書籍情報!】
2022年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 195頁 詳しくはこちら
2021/6/23 【最新書籍情報!】
2021年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 178頁 詳しくはこちら
2021/3/19 【最新書籍情報!】
世界の3Dプリンティング産業最前線 2021
体裁/A4判レポート(フルカラー)165頁 詳しくはこちら
2021/2/16【最新書籍情報!】
3Dプリンティング材料最新業界レポート
体裁/A4判 362頁 詳しくはこちら
2021/2/1【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用新規材料開発
体裁/B5判 380頁 詳しくはこちら
2020/7/20【最新書籍情報!】
3Dプリンタ用材料開発と造形物の高精度化
体裁/A4判 469頁 詳しくはこちら
2020/5/15【最新書籍情報!】
2020年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 189頁 詳しくはこちら
2020/3/16【最新書籍情報!】
formnext2019 報告レポート刊行
体裁/A4判報告レポート 175頁 詳しくはこちら
2020/3/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と市場
体裁/B5判 241頁 詳しくはこちら
2019/8/30【最新書籍情報!】
3Dプリンター・造形材料の市場動向と最新業界レポート
体裁/A4判 239頁 詳しくはこちら
2019/5/20【最新書籍情報!】
2019年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判 197頁 詳しくはこちら
2018/12/17【最新書籍情報!】
formnext2018 報告レポート刊行
体裁/A4判 220頁 フルカラー 詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
産業用3Dプリンターの最新技術と先進分野への応用
体裁/A4判 264頁 詳しくはこちら
2018/7/4【最新書籍情報!】
2018年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 168頁 詳しくはこちら
2018/1/22【最新書籍情報!】
formnext2017 報告レポート
体裁/A4判 240頁超 フルカラー 詳しくはこちら
2017/6/21【最新書籍情報!】
2017年版 3Dプリンタ/造形機の国内市場
体裁/A4判リングファイル 175頁 詳しくはこちら
2017/2/28
バイオ・医療への3Dプリンティング技術の開発最前線
体裁/B5判 上製 230頁 詳しくはこちら 2016/3/28
3Dプリンター・造形材料の開発動向と市場 ~IoT時代に求められるモノづくり~
体裁/A4判 並製 182頁 詳しくはこちら
2016/1/27
「新たなものづくり」3Dプリンタ活用最前線
体裁/B5判・270頁 詳しくはこちら
2015/12/21
【最新調査レポート情報!】
『 euromold2015 & formnext2015 報告レポート』
体裁/A4判レポート・165頁フルカラー
詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『産業用3Dプリンターの最新技術・材料・応用事例』
体裁/B5判・280頁 詳しくはこちら
2015/5/14【最新書籍情報!】
『3Dプリンターの材料技術の開発動向と市場展開』
体裁/A4判・143頁 詳しくはこちら
2015/2/25
【最新調査レポート情報!】
『EuroMold2014 報告レポート』
<Euro Mold 2014から見えてきた3Dプリンティングの未来>
2014年11月25日より28日までの4日間ドイツのフランクフルトで開催されたEuroMold 2014。先日、報告会を開催いたしましたが、かねてからご要望のありましたレポート版が完成いたしました。
詳しくはこちら
2014/2/26
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンタに関する特許分析レポート』
「3Dプリンタ」に関連する特許を分析、さらに3Dプリンタを取り巻く環境情報(訴訟・市場) をコンパクトに整理致しました。
詳しくはこちら
2013/12/18
【最新調査レポート情報!】
『3Dプリンティング革命アメリカ最新レポート』
アメリカの3Dプリンターを利用したビジネスの数々を紹介!!
詳しくはこちら
2013/12/2
【おすすめ度No.1書籍】
3Dプリンターについて書かれた、
当研究所の所長の著作本は こちら
掲載日:2023年12月5日:三菱ケミカルグループがFGFエンジニアリングチャレンジの受付を開始
三菱グループ傘下でドイツ・デュッセルドルフに拠点を置く三菱ケミカルグループが、傘下のオープンイノベーションハブの「グロース・ガレージ」を窓口に、FGFエンジニアリングチャレンジの受付を開始した。同プログラムは、3Dプリンティング業界の最先端企業からスタートアップまでの交流を促し、協働イノベーションの創出を促すことを目的にしている。
三菱ケミカルグループの「グロース・ガレージ」へは、これまでに多くの世界的企業が参加している。その中には、フォード、アルストム、三菱重工業、CEAD、ベロッティ、Fisロボティクス、ハディ・アンド・ネッドカムといった企業が含まれている。
FGFエンジニアリングチャレンジでは、カーボンファイバーやその他のハイブリッドテクノロジーを使った3DプリンティングFGFの活用アイデアやイノベーションの事例などを求めている。
FGFエンジニアリングチャレンジの勝者には、専門的アドバイスや素材選定サポート、事業性評価、業界エキスパートによるフィードバック、デザイン・マニュファクチャリングに対する評価などへのアクセスが提供される。
FGFエンジニアリングチャレンジの受付締切は、2024年2月14日となっている。
掲載日:2023年12月4日:UAEの3Dプリンティングサービスビューローが2000万ドルの資金調達に成功
UAEの3Dプリンティングサービスビューローが2000万ドル(約30億円)の資金調達に成功したとして話題になっている。現地メディアの報道によると、資金調達に成功したのは中東・北アフリカ(MENA)エリアを中心にサービスを提供しているイメンサ(Immensa)社。バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。今回の資金調達により、イメンサが調達した資金の総額は3150万ドル(約47億2500万円)となった。
出資したのは中東・北アフリカ(MENA)を基盤とするベンチャーキャピタルのグローバル・ベンチャーズを筆頭とする投資シンジケート。シンジケートの中にはニューヨークに拠点を置くエンデバー・カタリストファンドや、エンジニアリング・アンド・ディベロップメントグループ、エナジー・キャピタルグループ、グリーンコースト・インベストメンなども含まれている。
イメンサはアディティブ・マニュファクチャリングなどの3Dプリンティングサービスを提供するほか、独自開発したデジタル・ウェアハウシング・ソルーションを提供している。デジタル・ウェアハウシング・ソルーションは、顧客のパーツなどのデータをウェアハウジングし、注文に応じてオンデマンドで3Dプリントするサービス。顧客はパーツを物理的に在庫する必要から解放され、在庫コストなどを大幅に削減することが可能になる。
掲載日:2023年12月3日:MANGOが3Dプリンティングスタートアップ企業のZiknesへ投資
スペインのファストファッションリテーラーのMANGOが、同じくスペインの3Dプリンティングスタートアップ企業のZiknesへ投資する。MANGOが2022年に運用を開始したMANGOスタートアップ・スタジオアクセルレーターを活用したもので、Ziknesの次なる成長へ向けた相当額の出資がなされた模様。出資は株式へ転換可能な転換ローンをメインに行われ、MANGOからプロダクトデザイン等に関するメンタープログラムなども提供されるという。
Ziknesは2021年設立のスタートアップ企業で、アディティブ・マニュファクチャリング技術やロボティクスなどを活用する次世代型の「グリーン・マニュファクチャリング」の実現を目指している。
Ziknesによると、同社は調達した資金を主にアディティブ・マニュファクチャリング技術を使った家具作りのデザインや製造のノウハウ構築などに投じるとしている。
MANGOは、バルセロナを発祥地とする、ZARAと並んで世界的に進出しているスペインを代表するファストファッションリテーラー。日本でもMANGO公式オンラインストアを通じて、様々なレディースファッションアイテムを販売している。
掲載日:2023年12月2日:デスクトップメタルがニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を受領
アメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルが、上場しているニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を受領した。現地メディアの報道によると、デスクトップメタルはニューヨーク証券取引所が定めた上場維持のためのコンプライアンスに準拠していないという。
デスクトップメタルが上場基準不適合通知を受け取ったのは、ニューヨーク証券取引所でのデスクトップメタルの株価が30日連続で1株1ドル未満を記録した直後。現地時間の2023年11月29日、デスクトップメタルの株は1株0.65ドルで取引を終えた。
上場基準不適合通知の受領は、デスクトップメタルの株がニューヨーク証券取引所から直ちに上場廃止となることを意味していない。しかし、2023年11月22日から6ヶ月以内に株価を1ドル以上へ浮上させることを求めている。
デスクトップメタルはニューヨーク証券取引所に対し、株価を浮上させてコンプライアンス違反の状態から復帰するよう努力する旨伝えた。
デスクトップメタルはライバル企業のマークフォージドに続き、ニューヨーク証券取引所から上場基準不適合通知を受け取った、二番目のニューヨーク証券取引所上場3Dプリンターメーカーとなった。
掲載日:2023年12月1日:フォームフューチュラがアタッチ型3Dプリンティングフィラメント「ReFill2.0」の販売を開始
オランダの3Dプリンター用フィラメントメーカーのフォームフューチュラがアタッチ型3Dプリンティングフィラメント「ReFill2.0」の販売を開始した。「ReFill2.0」は、フィラメント本体とフィラメントスプールがそれぞれアタッチメントとして組み立てられるタイプで、一般的なフィラメントのように、フィラメントが無くなった後にスプールが無駄にならない。フィラメントスプールのSTLファイルがフォームフューチュラのウェブサイトでダウンロードでき、3Dプリンティング用に利用可能。
フォームフューチュラによると、フィラメントを一般的なタイプのものから「ReFill2.0」に切り替えることで、パッケージ用包材などの資源ゴミを最大で80%削減できる可能性があるという。
フォームフューチュラは、自社のフィラメント製品ユーザーのフィードバックをもとに「ReFill2.0」を開発したとしている。
「ReFill2.0」のフィラメントは750グラムと2000グラムが利用可能。「ReFill2.0」は、ヨーロッパ各国の主要3Dプリンティングショップに加え、フォームフューチュラのオフィシャルウェブサイトでも入手できる。
掲載日:2023年11月30日:コア・インダストリアルパートナーズがFATHOMに100%買収を提案か
米イリノイ州シカゴに拠点を置くプライベートエクイティファームのコア・インダストリアルパートナーズが、アメリカの大手3Dプリンティングサービスビューローでニューヨーク証券取引所上場のFATHOMに対し、100%買収を提案していることがわかった。
現地メディアの報道によると、コア・インダストリアルパートナーズはFATHOMの株主に対し、FATHOMの株式1株を4.50ドルで買い取る提案をしているという。なお、コア・インダストリアルパートナーズはすでに、FATHOMの発行済み株式の63%を保有する筆頭株主となっている。
コア・インダストリアルパートナーズは、FATHOM以外にも未上場の3DプリンティングサービスビューローのUPTIVEも傘下に収めている。
ある株式市場関係者は、コア・インダストリアルパートナーズがFATHOMの発行済み株式の全株を取得した後、上場廃止してUPTIVEと合併させる可能性があると指摘している。
コア・インダストリアルパートナーズは、これまでに大手3DプリンティングサービスビューローのFATHOMを買収したのに加え、3Dプリンター用フィラメントメーカーの3DXテック、別のフィラメントメーカーのトリトン3D、オープンソース3Dプリンターメーカーのギアボックス3Dを買収している。
掲載日:2023年11月29日:PERIグループがドイツで6ユニットアパートメントの建設を開始
ドイツの建設企業のPERIグループが、ドイツ初となる6ユニットアパートメントの建設を開始して話題になっている。建設にはデンマークの建設3DプリンターメーカーのCOBODインターナショナルが開発した「BOD2 3Dプリンターが使われている。ドイツ・北ラインウェストファリアに建設中のアパートの家賃は528ドル(約79,200円)程度になる見込という。1平方メートルあたりの家賃では6ユーロ(約990円)程度となり、近隣地域の平均家賃相場よりも大分低いという。
PERIグループは、同アパートの建設を今年9月から開始した。建設完了までにかかる時間は100時間弱を予定している。PERIグループは、同アパートへの入居を来年2024年10月から開始するとしている。
なお、同プロジェクトはドイツ・北ラインウェストファリア政府が運営している「建設イノベーションファンド」および「居住用スペースのための公的ファンド」から、合わせて170万ユーロ(約2億5500万円)の出資を受けている。
PERIグループは、今年2023年7月にも、ドイツ国内で世界初のサッカーチーム用3Dプリントクラブハウスを建設して話題を集めている。
掲載日:2023年11月28日:アイオワ州初の3Dプリント住宅が解体
アイオワ州初の3Dプリント住宅が解体されて話題になっている。解体された3Dプリント住宅は、マスカティン首都圏コミュニティ財団、マスカティン・コミュニティカレッジ、建設3Dプリンティング企業のAlquist 3Dの共同プロジェクトとして建設されたもので、延床面積1300平方フィート(約120.77平方メートル)の3ベッドルーム付き平屋建住宅だった。
同プロジェクトは当初、地元政府から180万ドル(約2億7000万円)の予算を得て、市内に10棟の3Dプリント住宅を建設する予定だった。同プロジェクトでは、完全に建設が完了したのは最初の住宅のみとなった。
プロジェクトの一時中断および3Dプリント住宅の解体の詳細な理由については明らかにされていないが、建設用資材として使われるコンクリートフォーミュラが、研究フェーズの段階で得られた程度の強度を確保できなかったからと推察されている。それゆえ、建設した最初の3Dプリント住宅に強度強化のための補修を施すよりも、一度解体して最初から作り直した方が合理的だとする判断がなされた可能性が高い。
アメリカでは現在、各地で建設3Dプリンターの導入が進んでいる。特にカリフォルニア州とテキサス州で導入が進み、各種の大型建設3Dプリンティングプロジェクトが進行している。
掲載日:2023年11月27日:コロラド大学の研究チームがコーヒーガラを3Dプリンター用素材へアップサイクル
コロラド大学の研究チームが、コーヒーガラを3Dプリンター用素材へアップサイクルしているとして話題になっている。プロジェクトを率いているのはコロラド大学ボーダー校コンピューターサイエンス学部のマイケル・リヴェラ准教授。通常は捨てられるコーヒーガラにセルロースガムやキサンタンガムなどと水を加えてペースト状の素材にしているという。
リヴェラ准教授によると、コーヒーガラのフィラメントは、一般的なFDM方式の3Dプリンターで使用でき、取扱も非常に簡単だという。准教授は、「このコーヒーガラの素材で大抵のものを作れます。コーヒーガラをゴミ捨て場に捨ててしまえば、多くのPLAなどと同じように、分解されるのに1000年もかかる厄介な存在になります。また、この素材は非常に丈夫で、これまでに多くのモノを作ってきましたが、落としても割れたモノはひとつもありませんでした」とコメントしている。
世界各地の3Dプリンターコミュニティにおいては、廃棄されたフィラメントスプールをフィラメントにアップサイクルしたり、漁網を原料にフィラメントを製造するプロジェクトが立ち上がったりするなど、サステナビリティを意識した活動が盛んになってきている。
掲載日:2023年11月26日:ビッグレップがフランクフルト証券取引所へ上場
ドイツの3Dプリンターメーカーのビッグレップがフランクフルト証券取引所へ上場する。ルクセンブルクに拠点を置くSPAC(特別買収目的会社)のSMGテクノロジー・アクセラレーションSEとの合併によりドイツ最大の証券市場に上場する。合併後の社名はビッグレップとなる。
ビッグレップは、今年2023年11月にオーストリアの3DプリンターメーカーのHAGE3Dを買収したが、その直後からSPACとの合併によるIPOが噂されていた。
ビッグレップのイング・スヴェン・テートCEOは、「デジタライゼーションやモノづくりの非中央集権化といった強力なメガトレンドにより、アディティブ・マニュファクチャリング市場は今後も力強く成長を続けると信じています。ビッグレップは市場の転換をリードし、信頼できるハードウェア、生産性の高いソフトウェア、高品質のマテリアル、高度なカスタマーサポートに裏打ちされたインダストリアル・アディティブ・マニュファクチャリング・ソルーションを提供してゆきます」とコメントしている。
ビッグレップは2014年設立、ドイツのベルリンに拠点を置き、創業当初より造形サイズ1立方メートルの大型3Dプリンターを製造、主にヨーロッパとアメリカのユーザーへ提供してきている。同社はドイツの本社に加え、ボストン、シンガポール、上海にも営業拠点を置いている。
掲載日:2023年11月25日:イタリアで培養肉の販売と代替肉製品に「肉」を想起させる商品名が禁止に
イタリアで培養肉の販売と代替肉製品に「肉」を想起させる商品名を禁止する法律が施行されて話題になっている。これにより、動物の生細胞などを原料にした「バイオインク」でつくった「3Dプリント肉」の販売と、植物由来代替肉などに「ステーキ」「スペアリブ」「ソーセージ」といった本物の肉や肉料理を想起させる名前を付けることが禁じられた。違反者には最低1万ユーロ(約165万円)から最大6万ユーロ(約990万円)の罰金が課せられる。
同法は、イタリアの「国家的畜産文化を保護し、その文化的および社会経済的、ならびに環境保護的価値を確認すること」を目的にしている。同時に「消費者の利益を守り、消費者が口にするものについての情報へアクセスできる権利を守ること」も目的にしている。
同法の施行をリードしたある議員は、培養肉を「フランケンシュタインミート」と呼び、「地中海の食文化に悪影響を及ぼすもの」と指弾している。
なお、イタリア国内の消費者団体の一部は、培養肉は安全性において問題はなく、普通に流通させるべきだと主張している。
代替肉製品に「肉」を想起させる商品名を禁止する法律は、フランスでも施行されている。イタリアは、フランスに次いでこの種の法律を施行する世界で二番目の国となった。
掲載日:2023年11月24日:ビヨンド・ミートが英国ピザハットに代替ペパロニの供給を開始
アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートが、英国ピザハットに代替ペパロニの供給を開始する。供給されるのはビヨンド・ミートの植物由来代替ペパロニの「ビヨンド・ペパロニ」で、ピザハットの「ビッグ・ニューヨーカー」「ビヨンド・ペパロニ・フェスト」「ビヨンド・ペパロニ・メルト」などのメニューにトッピングされて提供される。
ビヨンド・ミートのグローバル戦略パートナーシップ担当副社長のハミード・ジャガニ氏は、「世の中には数えきれないほどの味や嗜好の選択肢が存在します。そして、すべての人を満足させ、美味しいと思わせるピザを提供することは極めて困難です。イギリスの消費者は動物肉の消費を減らす方向を向いていますが、美味しくてイノベーティブで植物由来のピザトッピングを、真に動物肉を愛する人々、フレキシタリアンの人々、そしてベジタリアンの人々に、同様に提供できることに興奮しています。我々の「ビヨンド・ペパロニ」は、大好きなものを食べたい人に大好きなものを提供いたします。味や、バランスのとれたライフスタイル、そして地球環境のいずれも損なわずにです」とコメントしている。
ビヨンド・ミートは、自社の代替肉製品を多くの飲食店チェーンに供給している。これまでにマクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、タコベルなどの大手飲食店チェーンがビヨンド・ミートの代替肉を採用している。
掲載日:2023年11月23日:第1回ものづくりワールド九州がマリンメッセ福岡で開催
九州初となる第1回ものづくりワールド九州が、2023年11月29日(水)から12月1日(金)の三日間マリンメッセ福岡で開催される。「ものづくりワールド」は、これまでに東京、大阪、名古屋で開催され、日本最大級の製造業のための展示会としてその地位を固めてきていた。
会場はDX、部品、設備などの八つの専門展で構成され、国内外の企業約400社が出展する。「設備・備品・機械」の専門展には各種の工場設備・備品に加えて最新鋭の工業用3Dプリンターなどが展示される予定。
会場では、製造業のキーパーソンが講師を務める各種のセミナーが連日委開催される。セミナーは「クルマづくり」「環境への取組み」「モデルベース開発」「ロケット開発」「AI活用」「新規事業成功の秘訣」などの各種の最新のテーマで構成されている。
ものづくりワールド九州への参加は無料だが、ものづくりワールドの専用ウェブサイトでの事前登録が必要。事前登録ののち、バッジデータをカラー印刷すれば当日会場での手続きが不要になる。
開催期間中は、博多駅とマリンメッセ福岡を結ぶ臨時無料シャトルバスが運行される。博多駅からマリンメッセ福岡までの所要時間は10分となっている。
掲載日:2023年11月22日:ヴォクセルジェットが2023年度第3四半期決算を発表
ドイツのハイエンド3Dプリンターメーカーで米NASDAQ上場のヴォクセルジェットが2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は610万ユーロ(約10億650万円)で、前年同期の570万ユーロ(約9億4050万円)から7.5%のプラスとなった。3Dプリンターなどの製品売上高が牽引する結果となった。
ヴォクセルジェットのインゴ・エデラーCEOは、「世界各地で我々の製品に対する需要は高止まりしています。サプライチェーンの問題は解消しつつあり、2023年度通年での売上増加は間違いないと確信しています。2023年度第4四半期は過去最高になる予定で、社員もそれにフォーカスしています。2025年までに通年でのEBITDAでブレークイーブンとなる目標を達成できる見込みです」とコメントしている。
2023年度第4四半期の見通しとして、ヴォクセルジェットは売上高のガイドラインを1000万ユーロ(約16億5000万円)から1350万ユーロ(約20億2500万円)のレンジへ上方修正した。2023年度通年での売上高は2900万ユーロ(約43億5000万円)から3250万ユーロ(約48億7500万円)のレンジと見通している。
掲載日:2023年11月21日:マークフォージドが2023年度第3四半期決算を発表
アメリカのハイエンド3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のマークフォージドが、2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は2010万ドル(約30億1500万円)で、前年同期の2520万ドル(約37億8000万円)から20.2%のマイナスとなった。世界的な需要低迷による景気の停滞と、ミクロ経済上の不確実要素などの影響を受けた形となった。
経常収支は5140万ドル(約77億1000万円)の赤字で、前年同期の2300万ドル(約34億5000万円)から大幅に悪化した。
2023年9月30日時点で同社が保有する現金および現金相当資産の総額は1億2600万ドル(約189億円)となった。
2023年1月から9月までの売上高の合計は6960万ドル(約104億4000万円)で、前年同期の7130万ドル(約106億9500万円)から若干のマイナスとなった。
マークフォージドは2013年設立。マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置き、産業用カーボンファイバー3Dプリンターなどを製造している。同社の3Dプリンターは、これまでにGoogle、テスラ、Amazon、アメリカ空軍、NASAなどに採用されている。
掲載日:2023年11月20日:レヴォフーズが3Dプリントサーモンの販売を開始
オーストリアの代替サーモンミート製造スタートアップ企業のレヴォフーズが3Dプリントサーモンの販売を開始する。オーストリアの現地メディアの報道によると、レヴォフーズは独自開発した植物由来原料をベースに開発した3Dプリントサーモンミートの「The Fillet」を、オーストリアの大手スーパーマーケットチェーンのREWEスーパーマーケット全店で販売するという。
レヴォフーズのロビン・シムサCEOは、「インダストリアルスケールの3Dフードプリンティングのひとつのマイルストーンとして、我々は新たなフードレボリューションの時代へ突入します。消費者ニーズに完全に対応した食品を創造するという新たな時代へです。我々は、単にビーガンのニーズに対応しているだけでなく、食品の将来そのものを再構築しているのです」とコメントしている。
レヴォフーズは、これまでに「The Fillet」を自社のオンラインショップで販売していた。価格は130グラム入りパックが6.99ユーロ(約1153円)。
レヴォフーズは2020年設立のオーストリア・ウィーンに拠点を置くスタートアップ企業。植物由来原料を使い、独自開発した3Dプリンターで代替サーモンミートを製造している。レヴォフーズによると、同社の代替サーモンミートは食感、味、栄養成分などが本物のサーモンミートに近く、見た目もほとんど変わらないとしている。
掲載日:2023年11月19日:デスクトップメタルが2023年度第3四半期決算を発表
アメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルが、2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は4275万ドル(約64億1250万円)で、前年同期の4708万ドル(約70億6200万円)から9.19%のマイナスとなった。3Dプリンターなどの製品の売上高は3750万ドル(約56億2500万円)で、サービス関連の売上高は520万ドル(約7億8000万円)だった。
経常収支は4637万ドル(約69億5550万円)の赤字で、前年同期の6077万ドル(約91億1550万円)の赤字から若干改善した。
2023年9月30日時点でデスクトップメタルが保有する現金および現金相当資産の合計残高は1億743万ドル(約161億1450万円)となった。
2023年度第3四半期決算について、デスクトップメタルのリック・フュロップCEOは、「第3四半期の売上高はデスクトップメタルにとっても、そしてアディティブ・マニュファクチャリング業界全体にとっても、残念な結果となりました。結果は必ずしも喜ばしいものではありませんでしたが、2022年6月に策定した1億ドルのコスト削減計画を着実に実行していることは誇るべき前進です」とコメントしている。
掲載日:2023年11月18日:ストラタシスが2023年度第3四半期決算を発表
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスが、2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億6210万ドル(約243億1500万円)で、前年同期の1億6220万ドル(約243億3000万円)から微減となった。GAAP(米国標準会計基準)ベースの営業収支は4280万ドル(約64億2000万円)の赤字で、前年同期の1560万ドル(約23億4000万円)の赤字から大幅に悪化した。
ストラタシスのヨアヴ・ツァイフCEOは、「第3四半期においては、3Dプリンターを中心とする製品の売上は好調でしたが、ストラタシスは営業収支および財務内容において、いずれも難しい結果を示す形になりました。非GAAPベースおよび調整後EBITDAは前年同期比で改善しましたが、我々の成長へ向けた耐えざるフォーカスを反映した結果となりました」とコメントしている。
同四半期中デスクトップメタルとの合併計画が株主総会で破棄されたことについては、「パートナー、顧客、そして投資家の、(デスクトップメタルとの合併に向けた)限りないサポートをいただけたことに心から感謝いたします」とコメントしている。
掲載日:2023年11月17日:アルセロールミタルが3Dプリンティング用メタルパウダー製造事業に参入
世界最大クラスの鉄鋼メーカーのアルセロールミタルが、3Dプリンティング用メタルパウダー製造事業に参入する。現地メディアの報道によると、アルセロールミタルは同社のスペイン工場を拠点に、ステンレススチール、ツールスチール、ローアロイスチールなどの各種のメタルパウダーを、来意年2024年1月から製造するとしている。
販売ユニットは200キログラムから3トン程度までで、年間1000トンの製造を予定しているという。
アルセロールミタルのグローバルリサーチ・ディベロップメント担当CEOのグレゴリー・ルドコフスキー氏は、「アルセロールミタルパウダーズの立上げを誇りに思います。アルセロールミタルパウダーズは、鉄鋼業界におけるイノベーションとサステナビリティの最先端を行くという我々のビジョンを実現させるものです。アディティブ・マニュファクチャリングの世界にメタルパウダーを供給し、マニュファクチャリングの未来を作り上げてゆく所存です」とコメントしている。
アルセロールミタルは、2006年にオランダのミッタル・スチールとルクセンブルクのアルセロールの経営統合によって誕生した世界最大クラスの鉄鋼メーカー。日本では日本法人「ArcelorMittal Japan株式会社」が設立されており、主に自動車用鋼板に特化して事業を行っている。
掲載日:2023年11月16日:ストラタシスがテキサスの3Dプリンティング施設を売却
アメリカの大手3DプリンターメーカーでNASDAQ上場のストラタシスが、テキサスの3Dプリンティング施設を売却した。売却されたのはテキサス州オースティンにあるメタル3Dプリンティング施設「ストラタシス・ダイレクト」で、売却先はカンバーランド・アディティブ。売却価格などの詳細については明らかにされていない。なお、売却後も「ストラタシス・ダイレクト」は従業員の雇用を維持したまま、営業を継続する見込み。
売却についてストラタシスのガーヴィンダー・カーロン・ジェネラルマネージャーは、「(売却により)ストラタシス・ダイレクトとマーケットをリードしているアディティブ・マニュファクチャリングビジネスとのシナジーを最大化できると判断しました。ストラタシス・ダイレクトは最高のテクノロジーと経験を持ち、優秀なマネジメントチームが率いています。(売却後も)引き続きすべてのユーザーニーズに対応してゆく所存です」とコメントしている。
ストラタシスは現在、事業のスクラップアンドビルドを進めており、ストラタシス・ダイレクトの売却はその一環の動きの一部とみられる。
ストラタシスは、アメリカ現地時間の2023年11月17日に2023年度第3四半期決算の発表を予定している。
掲載日:2023年11月15日:ダイヴァージェント・テクノロジーズがシリーズD投資で2億3000万ドルの資金調達に成功
米カリフォルニア州ガーデナに拠点を置く自動車メーカーのダイヴァージェント・テクノロジーズが、シリーズD投資でで2億3000万ドル(約345億円)の資金調達に成功した。出資したのはホライズン・テクノロジー・ファイナンス・コーポレーションなどの既存株主に加えてベンチャーキャピタルのヘキサゴンAB。バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。
なお、今回の資金調達により、ダイヴァージェント・テクノロジーズが調達した資金の総額は5億5800万ドル(約837億円)となった。
ダイヴァージェント・テクノロジーズの社長兼COOのルーカス・シンガー氏は、「我々のDAPSテクノロジーはモノづくりのスピードを劇的に速め、従来型の製造方法で問題となったレガシーデザインの意思決定を柔軟にさせます。我々はアメリカの工業ベースを、新たなトランスフォーメーショナル・マニュファクチャリング・テクノロジーベースへ転換させます」とコメントしている。
ダイヴァージェント・テクノロジーズは、2014年設立のスーパーカーメーカー。主にSLMソルーションズのハイエンドレーザーメタル3Dプリンターを使い、「ゼロエミッション」のスーパーカーを製造している。
掲載日:2023年11月14日:テクナが2023年度第3四半期決算を発表
カナダの3Dプリンター用メタルパウダーメーカーのテクナ(Tekna)が、2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は910万カナダドル(約10億100万円)で、前年同期比で53%の大幅なプラスとなった。ハイエンドメタル3Dプリンター用チタンパウダーの売上が290万カナダドル(約3億1900万円)と好調で、売上増加に貢献した。
調整後EBITDAは220万カナダドル(約2億4200万円)で、前年同期のマイナス170万カナダドル(約1億8700万円)の赤字から大きく改善した。
テクナのルーク・ディオンヌCEOは、「2023年度第3四半期は、我々にとって強力な成長を果たすことが出来た期間となりました。売上高は前年比で50%以上増加し、システム部門の売上もマテリアル部門の売上もいずれも好調です。また、調整後EBITDAが昨年の赤字から黒字転換できたことも大きいです。インダストリアル・マニュファクチャリングのセクターで多くの企業が我々に大きな関心を持ってくださっていることを実感しています」とコメントしている。
テクナはカナダ・ケベック州シャーブルークに拠点を置くメタルパウダーメーカー。3Dプリンター用メタルパウダーメーカーとしては世界シェア9%を有しているとされる。
掲載日:2023年11月13日:ビヨンド・ミートが2023年度第3四半期決算を発表
アメリカの代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートが、2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は7530万ドル(約112億9500万円)で、前年同期比で8.7%のマイナスとなった。営業収支は6960万ドル(約104億4000万円)の赤字で、前年同期から22%改善した。経常収支も7050万ドル(約105億7500万円)の赤字で、前年同期から31%改善した。
売上高のうち、米国内小売向け販売が3050万ドル(約457億5000万円)で、前年同期比で34%の大幅なマイナスとなった。また、米国内フードサービス向け販売は1250万ドル(約18億7500万円)で、前年同期比で22%のマイナスとなった。
同期間中のオペレーティングキャッシュフローは900万ドル(約13億5000万円)のプラスとなったが、2023年度通年(2023年1月~9月)でのオペレーティングキャシュフローは7930万ドル(約118億9500万円)のマイナスとなった。
2023年9月末時点での同社が保有する現金及び現金相当資産の残高は2億3280万ドル(約349億2000万円)で、債務の残高は11億ドル(約1650億円)となった。
掲載日:2023年11月12日:プロトラブズが2023年度第3四半期決算を発表
アメリカの大手デジタルマニュファクチャリングサービスビューローのプロトラブズが2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億3070万ドル(約196億500万円)で、前年同期比で7.4%プラスの、第3四半期決算では過去最高となった。買収したハブズの売上高が2260万ドル(約33億9000万円)で、前年同期比で86.9%の大幅なプラスとなった。
経常収支は800万ドル(約12億円)の黒字で、非GAAP(米国標準会計基準)ベースでの経常収支は1320億ドル(約19億8000万円)の黒字だった。
2023年度第3四半期決算について、プロトラブズの社長兼CEOのロブ・ボーダー氏は、「2023年度第3四半期において、プロトラブズは売上と利益のいずれにおいても事前予想を上回る結果を出しました。売上は過去最高で、利益率も改善し、キャッシュフローも増加し、株主へのリターンも上乗せすることができました。この素晴らしい数字は、プロトラブズのユニークなハイブリッドモデル戦略の成功をデモンストレートするものです」とコメントしている。
プロトラブズは1999年設立。ミネソタ州メープルプレーンズに拠点を置く手デジタルマニュファクチャリングサービスビューロー。アメリカをはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデンでも事業を展開している。プロトラブズは、日本市場からは昨年2022年6月をもって撤退している。
掲載日:2023年11月11日:Formnext 2023が成功裏に閉幕
2023年11月7日から10日までの4日間の日程でドイツのフランクフルトで開催されていた世界最大規模のアディティブ・マニュファクチャリング関連展示会のFormnext 2023が、成功裏に閉幕した。今年で9回目の開催となるFormnext 2023には世界各国のアディティブ・マニュファクチャリング関連企業859社が出展し、全世界から32,851人の来場者が集まった。なお、来場者の50%はドイツ国外からの来場者だった。
859の出展者の59%はドイツ国外の企業で、各国の3Dプリンターメーカーに加え、医療テクノロジー企業、自動車・メカニカルエンジニアリング企業、建設関連企業、航空宇宙関連企業の参加が目立った。
アディティブ・マニュファクチャリング関連企業の展示では、ロボティクス・3Dプリンターなどの次世代型3Dプリンティングテクノロジーの展示が関心を集めた。
次回のFormnext 2024は、同じ会場のメッセ・フランクフルトで2024年11月19日から22日までの日程で開催される。Formnext 2024の開催に先立ち、2024年9月26日と27日の二日間の日程でFormnextフォーラム東京が開催される。
掲載日:2023年11月10日:Velo3Dが2023年度第3四半期決算を発表
カリフォルニア州キャンプベルに拠点を置く大型メタル3DプリンターメーカーのVelo3Dが2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は2240万ドル(約33億6000万円)で、前年同期の1780万ドル(約26億7000万円)から25.8%のプラスとなった。製品販売単価の上昇などが売上高増加をもたらした。
経常収支は、非GAAP(米国標準会計基準)ベースで1890万ドル(約28億3500万円)の赤字で、調整後EBITDAも1630万ドル(約24億4500万円)の赤字だった。
経常収支を黒字転換させるために、Velo3Dは来年2024年度にかけて従業員20%削減などを主旨とするリストラクチャリング計画を実行する。また、一連の研究開発プロジェクトの見直しとスクラップアンドビルドを行い、2023年度第4四半期中に非GAAPベースのオペレーションコストを最大で10%削減する。
2023年度第4四半期および2024年度通年の業績見通しについてVelo3Dのベニー・ビュラーCEOは、「新たに策定したゴートゥマーケット戦略は、より洗練された営業プロセスとマーケットへのフォーカスをさらに強固にしてくれるでしょう。また、営業のバックログを増加させ、2024年度の成功へむけてのパイプラインとして機能してくれるでしょう」と説明している。
掲載日:2023年11月9日:スリーディーシステムズが2023年度第3四半期決算を発表
スリーディーシステムズが2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は1億2380万ドル(約185億7000万円)で、前年同期比で6.4%のマイナスとなった。
部門別売上高では3Dプリンター製品の売上高8040万ドル(約120億6000万円)で、全体の42.4%を占めた。対前年同期比では18.3%のマイナスとなった。一方、サービス関連売上高は4340万ドル(約65億1000万円)で、全体の35%を占めた。対前年同期比では20.8%のプラスとなった。
調整後EBITDA(利子・税・減価償却前利益)は470万ドル(約7億500万円)で、前年同期の30万ドル(約4500万円)の赤字から黒字転換した。
2023年9月30日時点の同社が保有する現金および現金相当資産の合計額は4億4560万ドル(約668億4000万円)で、前年同月日の4億9160万ドル(約737億4000万円)から9.35%のマイナスとなった。
2023年9月30日時点の同社が抱える債務の総額は4億5150万ドル(約677億2500万円)で、前年同月日の4億5080万ドル(約676億2000万円)から若干増加した。
掲載日:2023年11月8日:ビッグレップがHAGE3Dを買収
ドイツの3Dプリンターメーカーのビッグレップが、オーストリアの3DプリンターメーカーのHAGE3Dを買収した。買収価格などの詳細については明らかにされていない。
HAGE3Dの買収についてビッグレップはプレスリリースで、「HAGE3Dとの合併について我々は非常にエキサイトしています。世界中の我々のユーザーにとって、あらゆる局面でのオープンなインダストリアル・アディティブ・マニュファクチャリング・ソルーションを提供することが可能になります。アディティブ・マニュファクチャリングの世界は今後も成長を続け、マニュファクチャリングをデジタライズし、中央集権主義から解放してゆくでしょう」とコメントしている。
ビッグレップは2014年設立、ドイツのベルリンに拠点を置き、創業当初より造形サイズ1立方メートルの大型3Dプリンターを製造、主にヨーロッパとアメリカのユーザーへ提供してきている。同社はドイツの本社に加え、ボストン、シンガポール、上海にも営業拠点を置いている。
HAGE3Dも2014年設立。オーストリアのオブダッハに拠点を置き、各種の産業セクターのユーザーに対して大型FDM3Dプリンターを供給している。
掲載日:2023年11月7日:Formnext 2023が開幕
世界最大規模のアディティブ・マニュファクチャリング関連展示会のFormnext 2023が、現地時間の2023年11月7日ドイツのメッセ・フランクフルトで開幕した。Formnext 2023には、全世界から史上最大となる800社以上のアディティブ・マニュファクチャリング関連企業が出展し、開催期間中3万人を超える来場者の来場が予想されている。
Formnext 2023の開幕に際し、主催者のメサゴ・メッセ・フランクフルトのサシャ・ヴェンズラー副社長は、「競争力に満ち、イノベーティブで、未来に向けてサステナブルな企業を造ろうと志すひとは、アディティブ・マニュファクチャリングの力を活用しなければなりません。そのためには、デザイン、製造、素材選定などのすべてのプロセスをマスターする必要があります。(Formnext 2023では)そのためのリソースがここに集まっています」とコメントしている。
開催期間中、アディティブ・マニュファクチャリング初心者向けセミナーや、サービスプロバイダー向けマーケットプレース、各種のアディティブ・マニュファクチャリング関連ワークショップなども開催される。
Formnext 2023の模様は、Formnext Streamでオンラインライブで配信されている。
掲載日:2023年11月6日:株式会社Bfullが3Dプリンターの「試作のサブスク」サービスの提供を開始
株式会社Bfull(愛知県一宮市、代表:前田直人)が、3Dプリンターの「試作のサブスク」サービスの提供を開始する。「試作のサブスク」サービスは、プランごとに設定された造形重量まで3Dプリンターを定額で使い放題にできるサービス。日本ではまだ一般的に浸透していない3Dプリンターによる試作を手軽に利用してもらうためのサービスと位置づけられている。
料金プランは造形重量に応じて用意されており、トライアル用200グラムまでが月額3万円(税別)となっている。最大プランは造形重量10キログラムまでで、月額利用料75万円(税別)となっている。
利用できる3Dプリンターは、造形サイズ800 X 800 X 400mmのSLA3Dプリンターで、エポキシ系光硬化樹脂(白および透明)を素材として使用している。
産業ユーザーに対して3Dプリンティングサービスをサブスクリプションで提供するのは、このケースが日本初と見られる。
株式会社Bfullは2010年設立。愛知県一宮市に拠点を置き、産業ユーザーなどに対して3DCGデータの制作、3DCADデータの制作、3Dプリンターの販売、3Dプリンティング出力サービスの提供などを行っている。
掲載日:2023年11月5日:ビヨンド・ミートが従業員の19%を削減へ
アメリカの代替肉メーカーのビヨンド・ミートが、従業員の19%を削減する計画を進めていることが明らかになった。アメリカ現地メディアの報道によると、ビヨンド・ミートは製造などに関わる65名の従業員をレイオフする予定。ビヨンド・ミートは、昨年2022年10月にも約240名の従業員をレイオフしている。
ビヨンド・ミートはまた、中国工場の縮小や製品価格の見直し、製造ラインナップの再構成などの経営リストラクチャリング計画も進めているとしている。
ビヨンド・ミートのイーサン・ブラウンCEOは声明で、「2023年度第3四半期決算では、緩やかな回復を見込んでいましたが、それは実現しませんでした」というコメントを発表している。
ビヨンド・ミートは、アメリカ現地時間の2023年11月8日に2023年度第3四半期決算の発表を予定しているが、売上高は7500万ドル(約112億5000万円)と、前年同期比で8.5%程度のマイナスになると見込まれている。
ビヨンド・ミートはまた、2023年度通年の売上高を3億3000万ドル(約495億円)から3億4000万ドル(約510億円)のレンジと見積もっている。2023年度通年の売上高も、前年比で19%から21%程度のマイナスになると見込まれている。
掲載日:2023年11月4日:Formnext 2023がドイツ・フランクフルトで開催
世界最大規模のアディティブ・マニュファクチャリング関連展示会のFormnext 2023が、現地時間の来週11月7日から10までの4日間の日程でドイツのメッセ・フランクフルトで開催される。コロナ明けの完全オフラインでの開催となるFormnext 2023には、全世界から800社以上のアディティブ・マニュファクチャリング関連企業が出展し、開催期間中3万人を超える来場者の来場が予想されている。
入場料は1日だけ有効のデイパスが、インフォサービス付きが109ユーロ(約17,440円)、インフォサービス無しが142ユーロ(約22,720円)となっている。開催期間4日間有効のエクスポパスが、、インフォサービス付きが169ユーロ(約27,040円)、インフォサービス無しが219ユーロ(約35,040円)となっている。
開催最終日の前夜には、出展者と来場者の交流を目的にしたFormnextパーティーが、パーティ専用会場で午後6時から開催される。パーティーの参加費用は、インフォサービス付きが109ユーロ(約17,440円)、インフォサービス無しが142ユーロ(約22,720円)となっている。
開催期間中、来場者用にナビゲーションアプリ「Formnextナビゲーター」が無料で配布される。また、開催期間中、フランクフルト国際空港と開催会場のメッセ・フランクフルトを結ぶシャトルバスが運行される。
掲載日:2023年11月3日:カナダのボランティア団体が先住民族用住宅を建設3Dプリンターで建設へ
カナダのボランティア団体が、カナダの先住民族用住宅を建設3Dプリンターで建設を開始したとして話題になっている。
現地公営メディアのCBC(カナダ公共放送)の報道によると、カナダのボランティア団体「シクシカ・ネイション」は、アルバータ州カルガリーの東100キロメートルの土地に、16棟のワンベッドルーム住宅を建設3Dプリンターで建設するという。3Dプリント住宅が建設されるのは、アルバータ州では初となる。
プロジェクトには、地元のカルガリー大学建築学部のマウリシオ・ソト-ルビオ教授も参加している。ソト-ルビオ教授は、「(このプロジェクトは)ひとつの壮大な実験です。プロジェクトの遂行にはいくつもの課題を解決する必要があります。しかし、通常の建設方法では数か月かかる工期が、建設3Dプリンターではわずか数週間で済みます。また、通常の建設方法よりも建設資材や、廃棄物なども大きく削減できます」と建設3Dプリンターの優位性を説明している。
建設にはデンマークのCOBODインターナショナルが開発した建設3Dプリンター「BOD2」が使われている。
シクシカ・ネイションは、現在のところ来年2023年3月末までに工事を終わらせたいとしている。
掲載日:2023年11月2日:Robozeがペレット3Dプリンター「ARGO1000」をリリース
イタリアの3DプリンターメーカーのRobozeが、ペレット3Dプリンター「ARGO1000」をリリースする。Robozeによると、「ARGO1000」は世界最大クラスのペレット3Dプリンターで、一般的なフィラメント3Dプリンターの10倍のスピードで造形が可能としている。また、一般的なフィラメントにかかるコストを最大で60%程度削減できるとしている。
Robozeは、今月11月7日から10日までの日程でドイツのフランクフルトで開催されるFormnext2023で「ARGO1000」の展示デモンストレーションを行う。
プレスリリースでRobozeのアレッシオ・ロルッソCEOは、「ARGO1000のハイパーメルトテクノロジーは、従来型の3Dプリンティング方式よりも大型の造形を可能にさせ、フィラメントベースの3Dプリンターの最大10倍のスピードでのプリンティングを可能にさせます。ARGO1000は、3Dプリンティングの新しい時代の到来を告げるプリンターとなるでしょう」とコメントしている。
Robozeは2013年設立、イタリアのバーリに拠点を置く3Dプリンターメーカー。航空宇宙や自動車などの業界ユーザーを中心にユーザーを増やしている。
掲載日:2023年11月1日:マテリアライズが2023年度第3四半期決算を発表
ベルギーの3Dプリンティングサービスビューローでアディティブ・マニュファクチャリング用ソフトウェア開発のマテリアライズが、2023年度第3四半期決算を発表した。それによると、同社の同期間中の売上高は6000万ユーロ(約96億円)で、前年同期の5830万ユーロ(約93億2800万円)から3.2%増加した。調整後EBTDAは、790万ユーロ(約12億6400万円)で、前年同期の500万ユーロ(約8億円)から55%増加した。
部別では医療セグメントの売上増加が大きく、前年比13.4%プラスの2430万ユーロ(約38億8800万円)だった。一方、マニュファクチャリングサービスの売上高は2510万ユーロ(約40億1600万円)で、前年比で3.8%のマイナスとなった。
2023年9月末時点でマテリアライズが保有する現金および現金相当資産の合計残高は1億3400万ユーロ(約214億4000万円)となっている。
マテリアライズは、2024年1月1日をもってマテリアライズのCEOを30年務めたフリード・ヴァンクラエン氏がCEOを退任し、あらたにブリジット・デ・ヴェト-ヴェイセン氏が新CEOに就任する予定になっている。
掲載日:2023年10月31日:スリーディーシステムズが経営リストラクチャリング計画を策定か
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが経営リストラクチャリング計画を策定していると現地メディアが報じている。報道によると、スリーディーシステムズは主にオペレーティングコストの削減を旨とするリストラクチャリング計画を検討中で、営業拠点の統廃合や人員配置の適正化などにより、2024年末までに4500万ドル(約67億5000万円)から5500万ドル(約82億5000万円)のコスト削減を目指すとしている。
同時に発表された2023年度第3四半期決算の見通しについて、売上高1億2300万ドル(約184億5000万円)から1億2400万ドル(約186億円)のレンジで、前年同期比でマイナスになるとの予想値が発表された。営業収支および経常収支については、いずれもEBITDAベースでもマイナスになる可能性が高い。また、オペレーティングキャッシュフローもマイナスになる見通し。
2023年度通年の売上高については5億2500万ドル(約787億5000万円)から5億4500万ドル(約817億5000万円)のレンジと見込んでいる。
スリーディーシステムズは、2023年度第3四半期決算をアメリカ現地時間の2023年11月8日に発表する予定。
掲載日:2023年10月30日:ボーイングがアパッチ攻撃ヘリコプターのパーツを3Dプリンターで製造へ
航空機メーカー大手のボーイングが、AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターのパーツを3Dプリンターで製造開始すると発表して話題になっている。発表によると、ボーイングは2024年4月からアパッチ攻撃ヘリコプターのメインローターシステム用パーツを3Dプリンターで製造するとしている。なおパーツの製造には、イリノイ州ロックアイランド基地に設置された大型メタル3Dプリンターが使われる。
3Dプリンターによるパーツ製造開始とともに、3Dプリンターで製造されたパーツの耐久試験なども併せて行われる予定。
3Dプリンターは、多品種少量生産が求められるシーンで使われるケースが多く、経済合理性の面やサプライチェーンにおける供給スピードの速さなどが評価されている。アメリカ軍では、戦闘機のパーツ製造などにも3Dプリンターの活用を始めており、今後活用シーンを増やしてゆくことが予想される。
AH-64アパッチ攻撃ヘリコプターは、旧マクドネル・ダグラスが開発した対戦車・対地攻撃用ヘリコプター。1976年12月にアメリカ陸軍で採用されたのを皮切りに、イスラエル空軍、エジプト空軍、ギリシャ陸軍、オランダ空軍などに採用され、これまでに1174機が製造されている。ユニットコストは2000万ドルとなっている。
掲載日:2023年10月29日:2024年度アディティブ・マニュファクチャリング戦略会議の参加申込受付が開始
2024年度アディティブ・マニュファクチャリング戦略会議の参加申込受付が開始された。今年で7度めの開催となるアディティブ・マニュファクチャリング戦略会議は、2024年2月6日から8日までの三日間ニューヨーク市内で開催される。
開催期間中、キーノートスピーカーとして以下の人物が招待されている。
・ヨアヴ・ツァイフ(ストラタシスCEO)
・ヴィンセント・アルバネーゼ(COBODインターナショナル北米戦略マネージャー)
・ジョン・バーンズ(メタルパウダーワークスCEO)
・クリスティン・バーナット(アメリカンナショナルスタンダード研究所ディレクター)
・ステファニー・ブリックウェイド(モビリティ・ゴーズアディティブディレクター)
・ベニー・ビュラー(Velo3DCEO)
・カーロ・デ・バーナルディ(コノコフィリップス・プリンシパルエンジニア)
・ジェイムズ・デムース(スーラCEO)
・マーク・ダグラス(リンカーン・エレクトリック・アディティブ・ソルーションズマネージャー)
・エイミー・エリオット(オークリッジ国立研究所シニアサイエンティスト)
・ニック・エストック(アドアップ・プロダクトマネージャー)
・グリン・フレッチャー(EOSノースアメリカ社長)
・リック・フュロップ(デスクトップメタルCEO)
・ノダヴ・ゴシェン(ウルチメーカーCEO)
・イヴァン・マデラ(モーフ3DCEO)
・フランソワーズ・ミネック(HP3Dポリマーズ・グローバルヘッド)
・アレクサンダー・オスカー(オートデスク・ヘッドオブアディティブ)
・シャイ・テレム(マークフォージド社長兼CEO)
・テリー・ウォーラーズ(ウォーラーズ・アソシエイツ・ヘッドオブアドバイザリー)
参加費用は、2023年11月30日までのアーリーバードスペシャル価格で1099ドル。参加費用にはすべてのセッションと展示会入場料に加え、無料朝食・昼食、ネットワーキングレセプション、ワークショップへの参加費用のすべてが含まれている。参加申込は、アディティブ・マニュファクチャリング戦略会議の公式ウェブサイトにて行える。
掲載日:2023年10月28日:シェフラーのグループ企業がデスクトップメタル傘下のエアロジントを買収
ドイツの大手工業用ベアリングメーカーのシェフラーのグループ企業が、デスクトップメタル傘下のエアロジントを買収した。エアロジントを買収したのはシェフラーグループのアディティブ・マニュファクチャリングユニットのシェフラー・スペシャルマシナリー。買収価格などの詳細については明らかにされていない。
エアロジントはベルギーのスタートアップ企業で、独自開発したセレクティブ・パウダー・ディポジション(SDP)技術をベースにしたマルチマテリアル3Dプリンターを製造している。エアロジントの3Dプリンターは、メタル系素材とセラミクス系素材を一回のビルドで造形することができる。
シェフラー・スペシャルマシナリーのバーンド・ウォレニック・シニアバイスプレジデントは、「エアロジントのテクノロジーをインテグレートすることで、シェフラー・スペシャルマシナリーは顧客により多彩なポートフォリオを提供することが可能になります。特に製造業と医療のセクターにおいて顕著です」とコメントしている。
シェフラーは、1946年設立の大手工業用ベアリングメーカー。主に自動車メーカー、航空機メーカーなどの産業ユーザーに工業用途向けベアリングを供給している。
掲載日:2023年10月27日:ブリジット・デ・ヴェト-ヴェイセン氏がマテリアライズの新CEOに就任
ブリジット・デ・ヴェト-ヴェイセン氏がマテリアライズの新CEOに就任する。マテリアライズの共同創業者でCEOを33年務めたフリード・ヴァンクラエンCEOは退任し、新たに同社取締役会長に就任する。いずれも2024年1月1日付けの人事となる。
CEO退任にあたりヴァンクラエン氏は、「我々は、より良いより健康的な世界を作るというミッションをもとにマテリアライズを設立しました。設立から33年が経ちましたが、新たなリーダーシップとともにさらに未来へ進むべき時が来ました。この人事はリーダーシップの進化を示すものです。ブリジットは社内および社外における優れた経験を有しており、マテリアライズのミッションへのコミットメントを十分に示してくれています。ブリジット以外にマテリアライズを率いることができる人材を私は知りません」とコメントしている。
ブリジット・デ・ヴェト-ヴェイセン氏は2016年にマテリアライズへ入社、直近ではマテリアライズメディカルのエグゼクティブヴァイスプレジデントを務めている。
マテリアライズは1990年にフリード・ヴァンクラエン氏やピーター・レイズ氏らが設立した、ベルギーで最初の3Dプリンティング・サービスビューロー。アディティブ・マニュファクチャリングの世界では老舗企業として知られている。
掲載日:2023年10月26日:チャック・ハル氏が米国技術革新勲章を受章
SLA(光造形)方式3Dプリンターの特許取得者でスリーディーシステムズ創業者のチャック・ハル氏が、ジョー・バイデン大統領から米国技術革新勲章(National Medal of Technology and Innovation)を授与された。ステレオリソグラフィー技術の基本部分を発明し、3Dプリンターの創世記を築いたことなどが評価された。
現地時間の今週火曜日にホワイトハウスで開催された記念式典でバイデン大統領は、「イノベーションを生み出し、最先端マニュファクチャリングをリードしてきたことは、アメリカの経済的および技術的な基礎を築き上げる結果をもたらしました」とコメントし、ハル氏の功績を評価した。
バイデン大統領は、自身のX(旧Twitter)のアカウントで授与式の様子をおさめた動画を公開し、フォロワーから多くのエンゲージメントを受けていた。
米国技術革新勲章は、特にテクノロジーとイノベーションの分野で功績を残した人に授与される科学技術系の勲章としてはアメリカでもっとも権威ある賞とされる。
チャック・ハル氏は、1984年にSLA方式の3Dプリンターの特許を取得し、同時にスリーディーシステムズを設立した。同氏は現在もスリーディーシステムズの技術顧問を務めている。
掲載日:2023年10月25日:クイックパーツのヨーロッパ担当セールスディレクターにイザベル・ノウリー氏が就任
オンデマンド・マニュファクチャリング・サービスビューロー大手のクイックパーツのヨーロッパ担当セールスディレクターに、イザベル・ノウリー氏が就任する。ノウリー氏は、EU市場とイギリス市場全体の営業戦略立案や市場開拓を担当する。
ノウリー氏は、マニュファクチャリング業界で18年の経験を持つベテラン。前職ではハイテクGB株式会社でセールスディレクターを務めていた。
ノウリー氏は、「クイックパーツのチームに合流できたことに興奮しています。前職では、主に中国でのプロダクションパーツの購買などを担当していましたが、最低発注数量が大きく、支払も前払いがほとんどで、リードタイムが長くて在庫コストもかかりました。クイックパーツのサービスを利用すれば、いかなる規模の企業でも小ロットでの製造が可能になります。またクイックパーツはプロトタイピングのみならず、ローボリュームからミッドボリュームの製造も可能です」とコメントしている。
クイックパーツは、特にSLA3DプリンティングとSLS3Dプリンティングに特化したオンデマンドマニュファクチャリング・サービスビューロー。航空宇宙や医療などの産業セクターにラピッドプロトタイピングなどの3Dプリンティングサービスを提供している。同社はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリアで事業を展開している。
掲載日:2023年10月24日:ケアリー・チェン氏がFATHOMのCEOに就任
アメリカの大手3Dプリンティングサービスビューローでニューヨーク証券取引所上場のFATHOMのCEOにケアリー・チェン氏が就任する。現任CEOのライアン・マーティン氏は退任し、即日チェン氏が新CEOに就任する。
チェン氏は、アルティックス・コーポレーション社長、キャドレックス・マニュファクチャリング・ソルーションズCEOなどを歴任したマニュファクチャリング業界のベテラン。大型アディティブ・マニュファクチャリングシステム開発のシンシナティ・インコーポレーテッドの社長も務めていた。
FATHOMは、2023年度上半期において、売上高が前年比で15.7%マイナスの6950億ドル(約104億2500万円)になるなど業績的に厳しい局面にある。チェン氏のCEO就任により事態を打開できるか注目される。
FATHOMは2008年設立。全米12箇所に製造拠点を有し、3Dプリンティングなどのアディティブ・マニュファクチャリングサービスに加え、CNCマシニング、射出成型、ツーリング、シートメタル・ファブリケーション、デザイン、エンジニアリングなどの各種のサービスを提供している。
FATHOMは2022年1月にSPAC(特別買収目的会社)のアルティマ・アクイジション・コーポレーションⅡとの合併により、ニューヨーク証券取引所へ上場した。
掲載日:2023年10月23日:グアテマラ初の3Dプリント住宅が完成
グアテマラ初の3Dプリント住宅が完成したとして話題になっている。3Dプリント住宅を建設したのは地元のセメントメーカーのプログレソ社。COBODインターナショナルの建設3Dプリンター「BOD2」を使い、セメントミックスを素材に3Dプリントした。建設にかかった時間は26時間で、ルーフトップは現地の伝統的な住宅に倣い、椰子の枝を使って職人が手作業で作り上げた。
COBODインターナショナルはプレスリリースで、「(グアテマラという)地震の頻発地帯に3Dプリント住宅を建設できたことは、3Dプリント住宅の地震からの耐久性を示す重要な事例になります。建設3Dプリンターを使うことで、住宅はオーガニックなデザインの壁を安価に製造することが可能になります。ラテンアメリカの地元の資材を活用することで、建設コストを抑えることも可能になります」と説明している。
グアテマラは、中央アメリカ北部に位置する共和制国家。人口は1720万人で、中央アメリカではもっとも人口が多い国となっている。地震多発国として知られていて、1976年に発生したグアテマラ地震ではグアテマラ全土が被災し、2万2870人が亡くなる大惨事となった。首都圏のグアテマラシティ近郊では、ほとんどの住宅が崩壊している。
掲載日:2023年10月22日:ティファニーがショップのファサードを3Dプリンターで製造
高級ジュエリーブランドのティファニーが、ショップのファサードを3Dプリンターで製造したとして話題になっている。
シンガポールのチャンギ国際空港内にあるショッピングエリア「ピアッツァ・ガーデン」内にオープンしたティファニーのショップは、入り口をブルーのファサードで覆う、サンゴ礁をモチーフにした斬新なデザインになっている。ティファニーブルーをイメージしたブルーのファサードは、リサイクルプラスチックを原料にしているという。
ファサードを製造したのはオランダのMVRDVで、デザインはイタリアのBUROMILANが担当した。
ファサードはフランス語で、建築物正面部のデザインを指す建築用語。英語のFaceと同じ意味で築物で最も目立つため建築設計で重要視されている。古典ゴシックのランス大聖堂のようにファサードの造形が内部空間を率直に表現する場合もあれば、盛期ルネサンスのサンタンドレア教会堂のようにファサードが内部空間との有機的なつながりを欠き、ファサードのためのファサードとして造形される場合もあるとされている。
一般的に、ファサードはショップなどの正面を飾る、アイコニックなデザインシンボルとして使われるケースが多い。
掲載日:2023年10月21日:マイクロソフトのクリス・キャポセラ氏がフォームラブズの取締役に就任
マイクロソフトのエグゼクティブヴァイスプレジデントでチーフ・マーケティングオフィサーのクリス・キャポセラ氏が、アメリカのSLA3Dプリンターメーカーのフォームラブズの取締役に就任する。
キャポセラ氏の取締役就任についてフォームラブズのマックス・ラボヴスキーCEOは、「クリス・キャポセラのスキルと経験は、グローバルスケールでのフォームラブズのエコシステムのさらなる拡大を牽引する大きなドライバーとなるでしょう。マイクロソフトは世界最大級のB2B企業であり、クリスからテクノロジーソルーションを幅広いユーザー層にどのように展開できるかを学べると確信しています」とコメントしている。
クリス・キャポセラ氏は、「最初から私は3Dプリンティングの可能性を確信していました。フォームラブズは、プリンター、ソフトウェア、アクセサリー、そして素材の革新的なエコシステムの構築に成功しつつあります。フォームラブズの取締役としてチームに加わり、共に成長路線を歩めることにエキサイトしています」とコメントしている。
フォームラブズに近い関係者の間では、キャポセラ氏の取締役就任がフォームラブズのIPOが現実的になったことを示していると話題になっている。
掲載日:2023年10月20日:AIビルドがシリーズA投資で850万ドルの資金調達に成功
AIビルドがシリーズA投資で850万ドル(約12億7500万円)の資金調達に成功した。出資したのはベンチャーキャピタルのIQキャピタルを筆頭とする投資シンジケート。既存株主のスーパーシード、ACTベンチャーパートナーズ、アトラスベンチャーズ、シードキャンプに加えて、日本のニコンも投資に参加している。なお、株価などを含めたバリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。
AIビルドは、2015年にエンジニアのダグハム・キャム氏とミカエル・デシラス氏の二人が設立したスタートアップ企業。イギリス・ロンドンに拠点を置き、クラウドベースのアディティブ・マニュファクチャリング・オペレーティングプラットフォームを開発している。
AIビルドのユーザーは、航空宇宙、自動車、エネルギーなどのセクターに多く存在し、中には航空機メーカー大手のボーイングも含まれている。
AIビルドのプラットフォームの活用により、ユーザーの中には生産効率を最大で90%向上させた企業もあるという。
AIビルドは、調達した資金を研究開発や、北米市場の営業拠点構築、ヨーロッパ市場におけるマーケティング活動などに投じるとしている。
掲載日:2023年10月19日:全世界の3Dプリントエレクトロニクス市場が2033年に79億ドル規模へ成長
全世界の3Dプリントエレクトロニクス市場が、2033年に79億ドル(約1兆1850億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。
アメリカの市場調査会社アディティブ・マニュファクチャリング・リサーチ(旧スマーテック・アナリシス)がまとめたレポート「3Dプリントエレクトロニクス2023:マーケットスタディ・市場予測」によると、2023年時点で3億ドル(約450億円)規模と推定される全世界の3Dプリントエレクトロニクス市場は、今後年率37%の成長率で成長を続け、2033年に同規模へ到達するとしている。
市場セクターではサービス関連セクターの成長が見込まれ、2033年に50億6560万ドル(約7598億円)規模に到達するとしている。
市場拡大の理由として、既存の電子基板メーカーによるエレクトロニクス3Dプリンターの導入が拡大していることを挙げ、多くの電子基板がエレクトロニクス3Dプリンターで製造されるようになると予測している。
3Dプリントエレクトロニクス市場における主なプレーヤーとしては、ナノ・ディメンション、ネオテック、オプトメック、富士フィルム、nスクリプト、ネクストフレックス、PVナノセル、パナソニック、アディティブ・エレクトロニクス、ナノ3Dプリントなどを挙げている。
掲載日:2023年10月18日:ニューヨーク州が3Dプリンター購入希望者に犯罪履歴確認を義務化か
ニューヨーク州が3Dプリンター購入希望者に犯罪履歴確認を義務化する法案を検討中だとして話題になっている。現地メディアの報道によると、ニューヨーク州議会議員のジェニファー・ラジュクマー氏らは、ニューヨーク州内で3Dプリンターの購入を希望するすべての人に対して犯罪履歴確認を行い、犯罪歴がある人による3Dプリンターの購入を禁止する法案ABA8132号の議会提出を進めているという。
ラジュクマー氏は、法案について説明するメモランダムで、「(購入履歴などで)追跡不可能なゴーストガンは、たった150ドル(約22,500円)で購入できる3Dプリンターで誰でも製造可能です。この法律は、3Dプリンターの購入を希望する人の犯罪履歴確認を行い、3Dプリンターが悪意を持った人の手に渡ることを防止し、ゴーストガンの製造を防ぎます」と説明している。
ニューヨークでは3Dプリンターを使ったゴーストガンの製造が拡がっており、今年2023年9月までに州内で90件の事件が摘発されている。先月9月には、ニューヨーク市内の乳幼児デイケアセンター内で、3Dプリンターを使って3Dプリント銃を製造していた疑いで18歳の少年と二人の未成年者が逮捕され、大きな話題になった。
掲載日:2023年10月17日:プツマイスターが大型モバイルコンクリート3Dプリンター「カーロス」の販売開始
ドイツの建設機械メーカーのプツマイスターが、大型モバイルコンクリート3Dプリンター「カーロス」の販売を開始した。カーロス(KARLOS)は、コンクリートウォール専用のコンクリート3Dプリンターで、一般的な建設3Dプリンターと同様に、レイヤーの上にレイヤーを積層造形してプリントする。人間の作業員よりも高速に作業することが可能で、コンクリートウォールの建設時間を大幅に削減できるとしている。
カーロスは電動式のモバイルコンクリート3Dプリンターで、作業中に発生するCO2排出量を最小限に抑えることが可能としている。また、低CO2排出コンクリートを素材にすることも可能。
レイヤーのプリント幅は最大30㎝で、プリント高は最大6㎝。プリントスピードは秒速10㎝で、プリントレンジは26メートルとなっている。
プツマイスターは、1958年設立の建設機械メーカー。コンクリートポンプ車を中心に、コンクリート・モルタル作業用機械などを製造販売している。
チェルノブイリ原子力発電所事故や、福島第一原子力発電所事故においても同社のコンクリートポンプ車が使われた。チェルノブイリ原子力発電所事故に際しては、石棺による封鎖に同社のコンクリートポンプ車が使われた。
掲載日:2023年10月16日:AZUL 3DがシリーズA投資で1500万ドルの資金調達に成功
イリノイ州スコーキーに拠点を置く3DプリンターメーカーのAZUL 3Dが、シリーズA投資で1500万ドル(約22億5000万円)の資金調達に成功した。出資したのは大手化学メーカーデュポン傘下のデュポンエレクトロニクス・アンド・インダストリアルを筆頭とする投資グループ。ベンチャーキャピタルのベータ・ラブやGSフューチャーズも参加している。なお、バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。
AZUL 3Dは、調達した資金を製品の技術改良や製造能力増強、販路開拓などに投じるとしている。
デュポンエレクトロニクス・アンド・インダストリアルの技術担当バイスプレジデントのランダル・キング氏は、「AZUL 3Dが開発したテクノロジーをベースに、協業して新しいビジネスを構築してゆけることに大変エキサイトしています。今回の投資は、AZUL 3DとHARP(High-Area Rapid Printing)テクノロジーが、製造業における新たなパラダイムシフトを起こすことを我々が確信していることを示すものです」とコメントしている。
AZUL 3Dは2016年設立。独自開発したHARPテクノロジーをベースにした高速3Dプリンターを製造している。
掲載日:2023年10月15日:米大手投資銀行のアナリストがビヨンド・ミートが「存亡の危機に直面」とコメント
米大手投資銀行TDコーエンのアナリストが、アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートが「存亡の危機に直面」とコメントして話題になっている。顧客向けのノートの中で明らかにされたもので、ビヨンド・ミートは「自社の存亡の危機を認識しており、現金を温存することと売り上げを安定させるステップを取り始めている」としている。
アナリストはさらに、「いずれにせよ、我々の見方では、同社の財務上の脆弱性と、消費者の代替肉に対する脆弱な消費パターンが、極めて大きいリスクである」としている。
同氏は、ビヨンド・ミートの本質的な問題は同社の「製品」であり、「縮小している冷蔵代替肉カテゴリーにおいてマーケットシェアを失い続けており、「経営陣は価格を下げて消費者を引き寄せようとしているものの、売上は下がり続けている」と結論づけている。
TDコーエンが実施した調査によると、代替肉の購買ファクターとして消費者がもっとも重視するのが味、香り、食感であり、「価格や、健康上のベネフィットではない」としている。
TDコーエンは、昨年2022年8月にカナダの大手銀行トロント・ドミニオン銀行(TD)が、アメリカの大手投資銀行のコーエンを13億ドルで買収して誕生した。
掲載日:2023年10月14日:ビヨンド・ミートがマディソン・スクエア・ガーデンに代替肉を提供
アメリカの大手代替肉メーカーのビヨンド・ミートが、ニューヨークのスポーツアリーナのマディソン・スクエア・ガーデンに代替肉を提供する。マディソン・スクエア・ガーデンを運営するマディソン・スクエア・ガーデン・スポーツの発表によると、マディソン・スクエア・ガーデン内に新たに設立されるレストランのゴー・ビヨンド・グリルを中心に、ビヨンド・ミートの代替肉を使った各種のメニューを提供する。
メニューには、「ビヨンドバーガー・ブロードウェイエディション」「ビヨンドOGブラットウーストソーセージ」「ビヨンド・スパイシー・ショータイムソーセージ」「ビヨンド・エンパイアステートナチョー」「ビヨンド・ガーデンステーキタコス」「ビヨンド・チリアンドシティ」などが含まれる。
マディソン・スクエア・ガーデン・スポーツのデビッド・ホプキンソン社長兼COOは、「ビヨンド・ミートの環境に優しい、栄養価の高い製品はマディソン・スクエア・ガーデンにとってパーフェクトマッチです。我々は、来場するファンが求める製品を今後も提供し、同時にサステナビリティにもフォーカスしたいと考えています」とコメントしている。
マディソン・スクエア・ガーデンは、ニューヨーク・マンハッタンにある大型スポーツアリーナ。NBAのニューヨーク・ニックスや、NHLのニューヨーク・レンジャーズなどがホームにしている。
掲載日:2023年10月13日:アメリカの人気ドキュメンタリー番組がICONを特集
アメリカの人気ドキュメンタリー番組の「60ミニッツ」が、アメリカの建設3Dプリンティング企業のICONを特集して話題になっている。番組に登場したICONのジェイソン・バラードCEOは、番組司会者のレスリー・ストール氏に対し、建設3Dプリンティングは建設業界における「ライト兄弟による飛行機の発明に匹敵するパラダイムシフト」であるとコメントし、同社が建設している3Dプリント住宅の実際の建設方法や、建設3Dプリンティングのメリットなどについて説明した。
バラードCEOはさらに、同社の3Dプリント住宅は風速200マイル(秒速89.4キロメートル)の強風にも耐えられ、シロアリの被害も受けず、特に自然環境が厳しいエリアにおいて最適な住宅であると説明した。
ICONの3Dプリント住宅を購入するのはどのような客層かと言う司会者の質問に対しては、ICONはもともと低所得層をターゲットに設立したと回答した上で、「3%程度の利益しか乗せられないような住宅を建設していたら経営破綻する」と発言した。
「60ミニッツ」は、CBSネットワークが制作・放送しているドキュメンタリー番組。1968年から放送されていて、テレビガイド誌の「史上もっとも優れたテレビ番組50選」にも選出されている。
掲載日:2023年10月12日:ビヨンド・ミートが新広告キャンペーンを開始
アメリカの代替肉メーカーのビヨンド・ミートが新広告キャンペーンを開始した。「This changes everything」(これはすべてを変える)と題された広告キャンペーンは独立系大手広告代理店のケミストリーが企画したもので、ビヨンド・ミートの代替肉の健康へのメリットを訴えた内容になっている。特にビヨンド・ミートの「ビヨンド・ステーキ」がアメリカ心臓協会から心臓に良い食品に認定されたことを強く訴えている。
ビヨンド・ミートのブランドマーケティング担当副社長のアケルホ・オゴーゴメー氏は、「我々は、代替肉市場においては健康がトップドライバーであることを十分に理解しています。それゆえ、我々の製品が持つ栄養上のメリットを特に強く訴えたいのです。特に我々のビヨンド・ステーキが持つ味の良さと健康へのメリットを訴えたいと思います」とコメントしている。
ビヨンド・ミートは、今年2023年8月にも「There’s Goodness Here(ここに良いものがある)」と題された広告キャンペーンを展開している。「This changes everything」キャンペーンを新たに開始したことで、ビヨンド・ミートがマーケティング戦略の変更を余儀なくされていることが推察される。
掲載日:2023年10月11日:スカルプティオがオンラインマーケットプレースを閉鎖
フランスの大手3Dプリンティングサービスビューローのスカルプティオが、オンラインマーケットプレースを閉鎖する。同社の発表によると、同社は来月2023年11月3日をもってオンラインマーケットプレースを閉鎖し、同事業を廃止する。
スカルプティオは、設立以来3Dプリンティングモデルを売買できるオンラインマーケットプレースを運営し、3Dプリンティングの普及と市場拡大に貢献してきた。オンラインマーケットプレース閉鎖後、同社はコア事業の3Dプリンティングサービスに事業を集中させるとしている。
スカルプティオは、オンラインマーケットプレースにアップロードされた3Dプリンティングモデルは、当面ダウンロード可能な状態に置かれるとしている。なお、11月3日以降、新たな3Dプリンティングモデルはアップロードできなくなる。
スカルプティオはフランスのパリとアメリカのサンフランシスコに拠点を置く3Dプリンティング・サービスビューロー。主にヨーロッパとアメリカにおいて、各種の3Dプリンティング・サービスを提供している。
スカルプティオは、2019年11月にドイツの大手総合化学メーカーのBASFに買収され、同社の子会社になっている。
掲載日:2023年10月10日:全世界の建設3Dプリンティング市場が2032年に5195億ドル規模へ成長
全世界の建設3Dプリンティング市場が、2032年に5195億ドル(約77兆9250億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社プレセデンス・リサーチがまとめたレポート「建設3Dプリンティング市場規模・トレンド・レポート2032」によると、2023年時点の全世界の建設3Dプリンティング市場を56億5000万ドル(約8475億円)規模と推定した上で、今後年率65.25%の高い成長率で成長を続け、2032年に同規模へ到達すると予想している。
市場の内訳では建設3Dプリンターが最大のシェアを獲得する一方、建設3Dプリンター用素材も全体の34%のシェアを獲得するとしている。
産業セクターでは建設セクターが全体の73%を獲得し、インフラストラクチャーのシェアは27%程度になるとしている。
エリア別では、アジア太平洋地域が41%のシェアを獲得する一方で、ヨーロッパ(29%)、北米(25%)、ラテンアメリカ(3%)と続くとしている。
主なプレーヤーとしては、MX3D、COBODインターナショナル、ICON、Sika AG、XtreeE、WASP、エイピス・コア、CyBe建設、コンツアー・クラフティングなどを挙げている。
掲載日:2023年10月9日:東急建設がブランチ・テクノロジーへ出資
東急建設が、アメリカの建設3Dプリンターメーカー・3Dプリント住宅メーカーのブランチ・テクノロジーへ出資した。傘下の投資ファンドのTokyu CONST Gobal Brain Innovation Fundを通じてシリーズB投資へ出資したもので、バリュエーションなどの詳細については明らかにされていない。
東急建設は今回の出資を通じて、3Dプリンター施工のノウハウを蓄積し、建設現場の生産性向上や、長期経営計画で経営の軸に掲げる「脱炭素」「廃棄物ゼロ」の取り組みを加速させるとしている。
ブランチ・テクノロジーは2014年設立の、テネシー州チャタヌーガに拠点を置く建設テック・スタートアップ企業。格子状の構造体を自由なデザインで3Dプリントできる独自技術を持っており、さまざまなデザインのファサード、モニュメント、建設物の製造・販売を手掛け、大規模建築物にも対応している。同社はまた、NASAが実施した月面3Dプリント住宅設計チャレンジにも入賞している。
日本企業による海外の3Dプリンティング企業への出資や買収が相次いでいるが、建設3Dプリンティング企業への本格的な出資は今回の東急建設のケースが初と見られる。
掲載日:2023年10月8日:全世界の建設3Dプリンティング市場が2031年に7508億ドル規模へ成長
全世界の建設3Dプリンティング市場が、2031年に7508億ドル(約112兆6200億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社アライド・マーケットリサーチがまとめたレポート「建設3Dプリンティング市場」は、2021年時点の全世界の建設3Dプリンティング市場規模を14億ドル(約2100億円)規模と推定した上で、今後同市場が年率87.3%の高い成長率で成長を続け、2031年に同規模へ到達するとしている。
市場拡大を牽引するセクターとしては、住宅などの民間セクターに加えて、公的セクターを挙げ、インフラストラクチャーなどでの建設3Dプリンティング投資が拡大すると予想している。
エリア別では、アメリカを筆頭とする北米市場が最大のシェアを確保する一方、日本を含むアジア太平洋地域も市場拡大を牽引するとしている。
市場における主なプレーヤーとしては、WASP、ICONテクノロジー、XtreeE、CyBe建設、エイピス・コア、COBODインターナショナル、MX3D、コンストラクションズ3D、コンツアー・クラフティング、ブランチ・テクノロジー、PERIグループ、マイティ・ビルディングス、Sika AGなどを挙げている。
掲載日:2023年10月7日:アルクイスト3Dが本社をコロラド州グリーリーへ移転
アメリカの3Dプリント住宅メーカーのアルクイスト3Dが、本社をコロラド州グリーリーへ移転する。アルクイスト3Dは、コロラド州を移転先に選んだ理由として「(コロラド州による)住民へ手頃な価格の住宅を供給しようという姿勢と、雇用促進計画を評価した」と説明している。
コロラド州のポリス知事は、「コロラド州は住宅不足の問題に直面しており、ただちに行動が求められています。アルクイスト3Dはグリーリーを新たな本社所在地に選び、同市にて79人分の新たな雇用を創出します。アルクイスト3Dは、ハイクオリティな住宅をスピーディーに建設するというイノベーティブなソルーションを提供しています。コロラド州の住宅不足問題を解決し、建設コストとインフラストラクチャーのコストの削減を実現してくれると信じています」とコメントしている。
アルクイスト3Dは現在、アイオワ州アイオワシティに本社を置いている。グリーリーへの移転作業は今年2023年秋に完了するとしている。新本社では、建設3Dプリンターが設置された工場のほかに、ショールームも併設される予定。アルクイスト3Dはまた、地元のエイムズ・コミュニティカレッジと共同で、建設3Dプリンティングに関する共同教育プログラムを実施する。
掲載日:2023年10月6日:NASAが月面に3Dプリント住宅を建設へ
NASAが月面に3Dプリント住宅を建設するとして話題になっている。ニューヨークタイムズが報じたところによると、NASAは2040年までに月面に3Dプリント住宅を建設し、宇宙飛行士と民間人に提供する。計画では、月面に建設3Dプリンターを移送し、月面の地表から採取する土石などを資材にして建設するとしている。
NASAのテクノロジーディレクターのニキ・ワークハイザー氏は、「我々は現在、非常に重要な局面にいます。ある意味夢の世界の話のようですが、月面に到達し、住宅を建設することは必須のことであると考えています」とコメントしている。
NASAは、テキサス州に拠点を置く3Dプリント住宅メーカーのICONと共同で、テキサス州内で月面用3Dプリント住宅建設の試験施工を開始している。ICONは、NASAから5700万ドル(約85億5000万円)の資金提供を受け、月面用建設3Dプリンターの開発を始めている。
ICONの創業者でCEOのジェイソン・バラード氏は、「宇宙旅行のパラダイムを転換するには、「そこへ行って戻ってくる」から「そこへ行って滞在する」にシフトする必要があります。それには堅牢で、レジリエントで、多目的に使えるシステムを、月面で入手できる素材を使って作る必要があります」とコメントしている。
掲載日:2023年10月5日:イギリスの大学院研究生が「カミカゼドローン」製造で逮捕
イギリスの大学院研究生が、自爆型「カミカゼドローン」を製造したとして地元の警察に逮捕された。
逮捕されたのはバーミングハム大学大学院機械工学部に在籍する留学生のモハマッド・アル・バレド容疑者。現地メディアThe Skynewsの報道によると、アル・バレド容疑者は自宅で3Dプリンターなどを使って「研究用」に自爆型「カミカゼドローン」を製造し、イスラム国のテロリストグループに引き渡す予定だったという。
検察によると、アル・バレド容疑者は、巡行ミサイル「トマホーク」のデザインを参考に、ビデオ操作式の「カミカゼドローン」を設計したとしている。また、週に一度テロリストグループとビデオ会議を定期的に行い、「カミカゼドローン」のデザインデータなどを共有したり、情報のアップデートをしたりしていたとしている。
現地メディアは、アル・バレド容疑者は、テロリスト活動の準備および指定テロリストグループへの利益供与などの罪により、最大で終身刑に処せられる可能性があると報じている。
現在、3Dプリンターを使って銃などを違法に製造する機運が世界各地で高まっているが、3Dプリンターで自爆型「カミカゼドローン」を製造したケースは今回が初と見られる。
掲載日:2023年10月4日:デトロイト初の3Dプリント住宅が間もなく完成
米ミシガン州デトロイト初の3Dプリント住宅が間もなく完成するとして話題になっている。
地元メディアのデトロイトフリープレスが報じているところによると、デトロイト初の3Dプリント住宅は延床面積1000平方フィート(約92.9平方メートル)の平屋建て住宅で、地元の非営利団体シチズン・ロボティクスが建設した。シチズン・ロボティクスは、自社工場内にロボットアーム型の建設3Dプリンターを設置し、住宅をパーツごとに建設し、パーツを移動させて現地で組み立てたとしている。
プロジェクトに参加した地元の建設デザイナーのブライアン・クック氏は、「最近は設計や建設あるいはデザインに関するほとんどの仕事をデジタルで行っています。そして、今は3Dの時代です。建設デザインをするのも3Dですし、インテリアレンディングも3Dで行います。(今回のプロジェクトは)そのプロセスに建設プリンティングを新たに加えただけです」とコメントしている。
シチズン・ロボティクスは、建設した3Dプリント住宅を22万4500ドル(約3367万円)で販売する予定だとしている。シチズン・ロボティクスは、今年2023年12月までに購入者へ引き渡すとしている。
掲載日:2023年10月3日:ウィリアム・マッコンビー氏がVelo3DのCFOを辞任
ウィリアム・マッコンビー氏がVelo3DのCFOを辞任した。辞任理由の詳細については明らかにされていないが、「他のキャリアを追求するため」という声明が発表されている。マッコンビー氏は2020年にVelo3Dへ入社し、同社のCFOを務めていた。同氏の後任には、マッコンビー氏と同じく2020年にVelo3Dへ入社し、財務担当副社長を務めているバーナード・チャン氏が就任する。
Velo3Dのベニー・ミュラーCEOは、「ビル(ウィリアムの愛称)の三年間に渡る貢献とリーダーシップに感謝します。Velo3Dをアディティブ・マニュファクチャリング業界におけるテクノロジーサプライヤーに成長させるために多くの活躍をしてくれました。新たな領域でのビルの活躍を大いに期待しています。また、ビルの後任のバーナードの新CFOとしての活躍にも期待しています。彼の20年以上のファイナンスの経験をもとに、CFOとしての職務を果たしてくれると信じています」とコメントしている。
バーナード・チャン氏はKPMGで監査担当マネージャーを務めた米国公認会計士。Velo3DのSPAC(特別買収目的会社)との合併による株式上場をリードしてきた。
Velo3Dは2021年9月30日にニューヨーク証券取引所へ上場し、11.40ドルのIPO価格で取引されていたが、その後株価は下落し、本記事執筆時点では1.64ドルで取引されている。
掲載日:2023年10月2日:スリーディーシステムズのグレイブスCEOが声明を発表
先週開催されたストラタシスの臨時株主総会でストラタシスとデスクトップメタルの合併決議が否決されたことについて、ストラタシスに買収提案を行っているスリーディーシステムズのグレイブスCEOが声明を発表した。
スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブスCEOは、「我々は引き続きスリーディーシステムズとストラタシスが合併することがストラタシスの株主とアディティブ・マニュファクチャリング業界全体にとってもっとも魅力的な機会になると信じています。両社が合併することでシナジー効果の実現とスケールの創造というメリットが享受できます。我々のオファーは10月5日まで有効であり、ストラタシスの株主には、ぜひ我々のオファーを受入ていただきたく思います」とコメントしている。
ストラタシスの臨時株主総会は2023年9月28日に開催され、出席株主の76.8%が反対を投じてストラタシスとデスクトップメタルの合併決議が否決された。
スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの普通株式1株を現金7ドルと新会社の普通株式1.6387株で買取る提案を行っている。スリーディーシステムズは、自らの提案を「ストラタシスの株主に実質的に1株あたり27ドルの価値を与える」と主張している。
掲載日:2023年10月1日:デスクトップメタルのフュロップCEOがコメントを発表
現地時間の2023年9月28日に開催された大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの臨時株主総会で、デスクトップメタルとの合併を求める決議が否認された件に関し、当事者のデスクトップメタルのリック・フュロップCEOがコメントを発表した。
「まずはデスクトップメタルの株主のサポートに感謝します。デスクトップメタルの株主はストラタシスとの合併計画に賛成の立場でした。ストラタシスの株主の理解とサポートを得られなかったことについては残念に思います。ストラタシスには、バインダージェット3Dプリンティングのリーダーであるデスクトップメタルと合併したい明確な理由がありました。いずれにせよ私は、ストラタシスの経営チームを尊敬しており、彼らは誠実な人々であると思っています」
ストラタシスとデスクトップメタルとの合併計画については、それぞれの株主総会での決議承認が求められていた。デスクトップメタルの株主総会では決議が承認されたものの、ストラタシスの株主総会では、出席株主の76.8%が反対を投じるという結果となった。
ストラタシスとデスクトップメタルの合併計画の白紙撤回後、ニューヨーク証券取引所で取引されているデスクトップメタルの株は、前日終値から1.39%上昇し、一株1.46ドルで取引されている。
掲載日:2023年9月30日:ストラタシスの株主総会がデスクトップメタルとの合併決議を否決
現地時間の2023年9月28日木曜日に開催された大手3Dプリンターメーカーのストラタシスの臨時株主総会で、デスクトップメタルとの合併を求める決議が否決された。出席株主の76.8%が反対を投じるという結果になった。決議否決の結果を受け、ストラタシスの取締役会はデスクトップメタルとの合併計画を白紙撤回した。
ストラタシスの取締役会会長のドヴ・オファー氏は、「取締役会は、すべての実行可能な戦略的代替案の完全で十分な検討を開始します。ストラタシスは、今後もアディティブ・マニュファクチャリングの世界における業界リーダーの地位を維持し、イノベーションと収益性の高い成長とともに我々の戦略を実行してゆきます」という声明を発表した。
合併計画の白紙撤回により、デスクトップメタルは、合併契約に基づく違約金を受け取ることになる。
ストラタシスとデスクトップメタルとの合併計画については、ストラタシスの筆頭株主のナノ・ディメンションやプライベートエクイティファンドのドネレイル・グループ、そして大手プロクシーアドバイザーのインスティチューショナル・シェアホルダー・サービシス(ISS)とグラス・ルイスが反対を表明していた。
掲載日:2023年9月29日:3Dプリント銃が製造されていた乳幼児デイケアセンターは容疑者の母親が経営
3Dプリント銃が製造されていたニューヨーク・イーストハーレムにあるアレイズ・デイケアセンターは、、3Dプリント銃を製造していた疑いで逮捕された18歳の少年の母親が経営していたことがわかった。現地メディアのニューヨークポストの報道によると、アレイズ・デイケアセンターは、安全基準や衛生基準などの規程を満たしており、合法かつ適法に運営されていたという。
逮捕されたキャロン・ジャマール・コーリー容疑者は、デイケアセンターの施設内に個室を与えられ、その中でデスクトップ3Dプリンターを使って3Dプリント銃を製造していたという。製造した3Dプリント銃は、オンラインで販売していたと見られる。
同容疑者は現在、違法銃の所有、攻撃用火器の製造、公共に対する脅威の罪などの容疑で取り調べを受けている。
乳幼児デイケアセンターで3Dプリント銃が製造されていたことについて、ニューヨーク市のエリック・アダムズ市長は定例の記者会見で、「自分の子供を預けている安全であるべき場所が、実は誰かが銃を製造している危険な環境であったことを知るのは、心を痛ませる恐るべきシナリオです」とコメントしている。
ニューヨークでは、3Dプリント銃を含む「自家製銃」の押収件数が増加している。2021年に263丁だった「自家製銃」の押収件数は、昨年2022年には436丁に増加している。
掲載日:2023年9月28日:ニューヨークの乳幼児デイケアセンターで3Dプリント銃が製造
ニューヨークの乳幼児デイケアセンターで3Dプリント銃が製造されていたとして話題になっている。現地メディアCBSニューヨークの報道によると、ニューヨーク市警察は今週火曜日、イーストハーレムの117番街にあるアレイズ・デイケアセンターを家宅捜索し、3Dプリント銃と3Dプリント銃製造用デスクトップ3Dプリンターなどを押収した。また、3Dプリント銃を製造していた疑いで、18歳の少年と二人の未成年者を逮捕した。
ニューヨーク市警察の知能犯罪・対テロリズム担当副捜査指令官のレベッカ・ワイナー氏は、「乳幼児デイケアセンターの施設内で、捜査官は3Dプリンター、3Dプリンター周辺部品、プラスチックフィラメント、2丁の完成された3Dプリント銃、1丁の3Dプリント小型ピストル、3Dプリンター用レシーバーを押収しました。容疑者に対しては、違法銃の所有、攻撃用火器の製造、公共に対する脅威の罪などの容疑で捜査を続けています」と状況を説明している。
デイケアセンターの利用者は、「デイケアセンターは安全な場所だと認識しているので毎朝自分の子供を預けて行けるのです。しかし、施設内で3Dプリント銃が製造されているという恐ろしい環境であったとは本当に驚きです」とコメントしている。
掲載日:2023年9月27日:ビヨンド・ミート元COOダグ・ラムジー氏が被害者男性を逆提訴
傷害などの疑いで起訴されている元大手代替肉メーカーのビヨンド・ミート元COOダグ・ラムジー氏が、被害者男性を逆提訴していたことがわかった。現地メディアの報道によると、ラムジー氏は、被害者男性はラムジー氏に対して「拳で殴りつけ、パンチするなどしてラムジー氏を挑発し、被害者男性を攻撃するよう仕掛けた」と主張している。
ラムジー氏は昨年2022年9月7日、アーカンソー州ファイエットビルのレーザーバックスタジアムの駐車場で被害者男性とトラブルになり、同氏を「攻撃的な言葉で脅迫し」、さらに同氏の鼻を噛んで怪我をさせたという。被害者男性は、ラムジー氏が同氏の車がぶつかってきたと勘違いし、同氏の車の窓を開けさせて暴行に及んだと訴えている。
地元警察の発表によると、ラムジー氏は被害者男性に対する傷害などの重犯罪の罪状認否で罪を認めている。
ラムジー氏は、アメリカの大手精肉メーカーのタイソン・フーズに30年以上勤務した業界のベテラン。2021年12月にビヨンド・ミートにヘッドハントされ、同社のCOO(最高業務オフィサー)に就任していた。事件発覚後、ラムジー氏はビヨンド・ミートのCOO職を停職処分にされ、2022年10月14日付けでビヨンド・ミートを辞職した。
掲載日:2023年9月26日:ナノ・ディメンションがストラタシスとデスクトップメタルの合併に改めて反対を表明
ストラタシスの筆頭株主でエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションが、ストラタシスとデスクトップメタルの合併に改めて反対を表明した。
ストラタシスとデスクトップメタルの合併が決議される2023年9月28日のストラタシス臨時株主総会直前に出された声明で、ナノ・ディメンションのヨアヴ・スターンCEOは「ストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対を表明する多くの株主の声が広がっていることを嬉しく思います。機関投資家、個人株主、アドバイザリーサービスの多くが反対を表明しています。我々は、ストラタシスとデスクトップメタルの合併が株式価値を希釈させ、破壊するものであることを再度強調します。そして、ストラタシスの成長余力をそぎ落とし、財務的な柔軟性を圧縮することになると主張します」とコメントしている。
ストラタシスとデスクトップメタルの合併に関しては、これまでに大口株主の投資企業ドネレイル・グループや、大手プロクシーアドバイザーのインスティチューショナル・シェアホルダー・サービシス(ISS)とグラス・ルイスが反対を表明している。
ナノ・ディメンションはストラタシスの発行済み株式の14%を所有している。
掲載日:2023年9月25日:アンドリュー・ジョンソン氏がスリーディーシステムズのCFOに就任
アンドリュー・ジョンソン氏がスリーディーシステムズのCFOに就任する。2023年10月16日付けの人事で、現任のマイケル・ターナー氏はCFOを退任する。ターナー氏の退任の理由の詳細は明らかにされていないが、「新たなキャリアのオポチュニティーに挑戦するための退任」であるとされている。
ジョンソン氏は2006年7月にスリーディーシステムズへ入社。以来スリーディーシステムズのエグゼクティブ・バイスプレジデント、チーフ・コーポレートディベロップメントオフィサー、チーフ・リーガルオフィサーなどを歴任している。
スリーディーシステムズのジェフリー・グレイブス社長兼CEOは、「マイケルのスリーディーシステムズに対するこれまでの貢献とリーダーシップに対して深く感謝します。財務的なトランスフォーメーション計画とオペレーションパフォーマンスの強化という成果を実現してくれました。そして、新たにアンドリューがマイケルのポジションを引き継いでくれることに大いに期待しています。アンドリューは、コーポレートディベロップメントと法務の領域で17年以上の経験を持つエキスパートです。新しいポジションでも能力を発揮してくれるでしょう」とコメントしている。
掲載日:2023年9月24日:ロサンゼルスに同市初の3Dプリント住宅が建設
米カリフォルニア州ロサンゼルスに同市初の3Dプリント住宅が建設されたとして話題になっている。
ロサンゼルス・タイムズが報じたところによると、同市初の3Dプリント住宅はウッドべリー大学バーバンクキャンパスの敷地内に建設された延床面積425平方フィート(約39.48平方メートル)の平屋建て住宅で、ウッドベリー大学建築学部の学生チームがデザイン、建設したという。居住用住宅として建設許可を取得したロサンゼルス初の3Dプリント住宅となったとしている。
同3Dプリント住宅建設プロジェクトは、アメリカエネルギー省が主催した太陽光発電を使ったアイデアを競い合う「ソーラー・デカスロン」のファイナリストに選ばれ、同基金から5万ドル(約735万円)の助成金を受けている。
同3Dプリント住宅の建設には、フライアッシュを配合した特殊コンクリートが使われ、コンクリート自体の使用量を最小限におさえている。また、太陽光発電システムや下水循環システムなどを装備し、サステナビリティの最大化を目指すとしている。
同プロジェクトには、地元の建設企業のノウス・エンジニアリングや、大手家具販売チェーンのIkeaや、日本の三菱電機の現地法人なども参加している。
掲載日:2023年9月23日:グラス・ルイスがストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対するよう助言
アメリカの大手プロクシーアドバイザーのグラス・ルイスが、ストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対するよう助言した。アメリカ現地時間の今週発表された声明の中でグラス・ルイスは、ストラタシスが計画しているデスクトップメタルとの合併を承認することは「現時点では適切ではない」とし、ストラタシスの株主に対して、2023年9月28日に開催予定のストラタシスの臨時株主総会において、ストラタシスとデスクトップメタルの合併決議を否認するよう求めている。
ストラタシスの株主に対しては、別のアメリカの大手プロクシーアドバイザーのインスティチューショナル・シェアホルダー・サービシス(ISS)が、ストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対するよう助言している。
グラス・ルイスのストラタシスの株主に対する助言については、ストラタシスの取締役会は現時点までに何らの意思表明を表していない。
ストラタシスとデスクトップメタルの合併に関しては、これまでに大口株主の投資企業ドネレイル・グループや、同じく大口株主のナノ・ディメンションなどが反対を表明している。
プロクシーアドバイザーは議決権行使助言会社と訳され、対象企業の経営を評価し、その結果に基づいて、顧客である機関投資家等に対し、株主総会で提出される議案についての賛否を投資情報として表明することを業務とする会社。
掲載日:2023年9月22日:ドネレイル・グループがストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対を表明
ストラタシスの大口株主のドネレイル・グループが、ストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対を表明した。アメリカ現地時間の2023年9月21日にストラタシスに送付された書簡は、ストラタシスとデスクトップメタルとの合併には何ら経済的なメリットがなく、2023年9月28日に開催が予定されているストラタシスの臨時株主総会でのストラタシスとデスクトップメタルとの合併承認を求める決議に対して反対票を投じるとしている。
ドネレイル・グループはまた、同社が再三にわたってストラタシスとデスクトップメタルとの合併に異議を申し立ててきたにも関わらず、ストラタシスの取締役が無視し続け、株主の信頼を大きく損ねたと主張している。
ストラタシスとデスクトップメタルとの合併については、アメリカの大手プロクシーアドバイザーのインスティチューショナル・シェアホルダー・サービシス(ISS)が反対するよう株主へ助言している。
ストラタシスの発行済み株式の14%を保有する別の大口株主のナノ・ディメンションもストラタシスとデスクトップメタルとの合併に反対を表明している。
ドネレイル・グループは、ロサンゼルスに拠点を置くアメリカの投資企業。主にハイテクセクターの企業を中心に投資を行っている。
掲載日:2023年9月21日:大手プロクシーアドバイザーがストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対するよう助言
アメリカの大手プロクシーアドバイザーのインスティチューショナル・シェアホルダー・サービシス(ISS)が、ストラタシスとデスクトップメタルの合併に反対するよう助言し、話題になっている。
アメリカ現地時間の2023年9月20日に発表された助言によると、2023年9月28日に開催が予定されているストラタシスの臨時株主総会でのストラタシスとデスクトップメタルとの合併承認を求める決議は、「3Dプリンターメーカーとしてのストラタシスの株主にとってバリューを生み出すものであるとは思えず」、ストラタシスの株主に対して決議を否認するようアドバイスしている。
ISSはまた、スリーディーシステムズによるストラタシスの買収提案を評価し、「ストラタシスの株主に対してより多くのバリューを提供し」、将来的な株価下落に対する重要なリスクヘッジになるとしている。
プロクシーアドバイザーは議決権行使助言会社と訳され、対象企業の経営を評価し、その結果に基づいて、顧客である機関投資家等に対し、株主総会で提出される議案についての賛否を投資情報として表明することを業務とする会社のこと。議決権行使助言会社がどのような意見を出すかによって、機関投資家の議決権行使が大きく左右される場合もある。
掲載日:2023年9月20日:オーストリアで3Dプリント代替サーモンの販売開始
オーストリアで3Dプリント代替サーモンの販売が開始され、現地で話題になっている。販売が開始されたのはオーストリアのフードテックスタートアップ企業のREVOフーズが開発した植物由来代替サーモン。代替サーモンはこれまでにREVOフーズのウェブサイトで販売されていたが、この度オーストリアの主要スーパーマーケットでの本格的な販売開始となった。
REVOフーズの担当者は、「インダストリアルスケールでの3Dプリンティングの実現により、消費者ニーズに応じて食品をカスタマイズ生産できる時代の幕開けを迎えました。我々は、単にビーガン用の代替製品を作っているのではなく、食料そのものの新しい未来を作り上げているのです」とコメントしている。
REVOフーズは、みずからを「魚を救うシーフードカンパニー」であると位置づけ、3Dプリンティング技術によりこれまでに1万8000匹の魚を救ってきたと主張している。
REVOフーズはオーストラリアのウィーンに拠点を置き、独自開発したフード3Dプリンターでプラントベースドのサーモンやツナなどを製造している。素材には豆系プロテイン、海藻、食物繊維などが使われ、食感は通常のサーモンやツナとほとんど同じだという。
掲載日:2023年9月19日:アメリカのメディアがセレンディクスの3Dプリント住宅の価格の安さに注目
アメリカのメディアが日本のセレンディクスの3Dプリント住宅の価格の安さに注目している。
シリコンバレーのウェブメディアビジネス・インサイダーはセレンディクスの3Dプリント住宅「serendix50」を特集し、「serendix50」が延床面積527平方スクウェアフィート(約48.95平方メートル)と小柄ながらもベッドルーム、バスルーム、リビングルーム、キッチンが装備されている点を取り上げ、しかも価格がわずか3万7300ドル(約550万円)である点を強調している。
同メディアはまた、アメリカの建設3Dプリンティング会社ICONがテキサス州で建設した3Dプリント住宅の価格が47万6000ドル(約6997万円)であることや、別の建設3Dプリンティング会社のAzureが建設した3Dプリント住宅の価格が12万5900ドル(約1850万円)であることなどを紹介し、「serendix50」の価格がいかに低価格であるかを驚きをもって報じている。
低価格の理由については、CNCと建設3Dプリンターを活用することで建設時間とコストを大幅に削減できていることを挙げている。また、建設資材に独自開発したコンクリートミックスを活用し、乾燥時間を速めていることなども伝えている。
同メディアはさらに、セレンディクスの緒方海斗CTOの「日本国民は住宅価格の高さについて怒りを持っている」というコメントを紹介し、同社が低価格住宅を提供し始めた背景を説明している。
掲載日:2023年9月18日:全世界の金属3Dプリンティング市場が2030年に353億ドル規模へ成長
全世界の金属3Dプリンティング市場が、2030年に353億ドル(約5兆1891億円)規模へ成長すると予想したレポートが発表された。アメリカの市場調査会社グランド・ビューリサーチがまとめた「金属3Dプリンティング市場・地域・セグメント毎予想」は、2022年時点の全世界の金属3Dプリンティング市場を63億ドル(約9261億円)規模と推定、今後年率24.2%の成長率で成長を続け、2030年に同規模へ到達するとしている。
市場拡大を牽引する産業セクターとしては、自動車、航空宇宙、防衛、医療、歯科医療、コンスーマーエレクトロニクス、エネルギーなどを挙げている。セクターとしては、歯科医療が2022年時点で22.85%と最大のシェアを獲得したとしている。
エリア別では北米市場が2022年時点で34.3%と最大のシェアを有し、2030年までその地位を確保するとしている。また、最も成長が見込める市場として、日本を含むアジア太平洋地域を挙げている。
金属3Dプリンティング市場における主なプレーヤーとしては、スリーディーシステムズ、EOS、ExOne、GEアディティブ、マテリアライズ、オプトメック、レニショー、SLMソルーションズなどを挙げている。
掲載日:2023年9月17日:スリーディーシステムズがストラタシスの株主へデスクトップメタルとの合併を否決するよう呼びかけ
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのストラタシスへ買収提案を仕掛けていた別のアメリカ大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズが、ストラタシスの株主へデスクトップメタルとの合併を否決するよう呼びかけている。
スリーディーシステムズの発表によると、ストラタシスは今月2023年9月28日に開催予定の臨時株主総会においてデスクトップメタルとの合併を承認する議案を上程する予定で、ストラタシスの株主に対して、「デスクトップメタルとの無価値で破壊的な合併」を否決するよう促している。
スリーディーシステムズのストラタシスの株主に対する呼びかけは何ら法的な強制力を持たないものの、最大手3Dプリンターメーカーによるストラタシスの株主への呼びかけは、株主の投票行動に一定の影響力を与える可能性がある。
スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの普通株式1株を現金7ドルと新会社の普通株式1.6387株で買取る提案を行っていた。しかし、ストラタシスの取締役会は先日、スリーディーシステムズからの買収提案を「超越的な提案」とすることが出来ないとして、スリーディーシステムズとの合併交渉を中止すると発表していた。
掲載日:2023年9月16日:アメリカ軍がウクライナ軍へ3Dプリンターを供与
アメリカ軍がウクライナ軍へ3Dプリンターを供与したとして話題になっている。アメリカ防衛省国務次官補ウィリアム・ラプランテ氏が記者会見で明らかにしたところによると、アメリカ軍がウクライナ軍に供与したのは「ピックアップトラックのサイズの工業用金属3Dプリンター」で、戦場で使われる各種の兵器のスペアパーツ製造に供されるという。
ラプランテ氏はまた、3Dプリンターは先月アメリカで製造されたばかりで、先週ウクライナ軍の3Dプリンターオペレーティングチームが操作方法などを学ぶトレーニングを終えたという。ラプランテ氏によると、3Dプリンターは「戦争という試合を変えるゲームチェンジャー」になる可能性があるとしている。
アメリカ軍は3Dプリンターの導入に積極的であることで知られている。アメリカ海軍は昨年2022年7月、環太平洋合同演習に参加した強襲揚陸艦エセックスにおいて金属3Dプリンターの導入実証を、海軍大学院と太平洋艦隊水上部隊司令官が共同で行ったと発表している。実証の担当者は、「金属3Dプリンターは、艦内でヒートシンクやハウジングといった消耗品の製造を可能にし、艦内での自己調達を可能にさせる」と説明している。
掲載日:2023年9月15日:ヨアヴ・ニッサン・コーエン氏がナノ・ディメンションの取締役会会長に就任
ヨアヴ・ニッサン・コーエン氏がナノ・ディメンションの取締役会会長に就任する。現CEOのヨアヴ・スターン氏は、引き続き取締役兼CEOに就任する。現取締役のチャンナ・キャスピ氏は取締役を退任する。
ヨアヴ・ニッサン・コーエン氏は、昨年2022年12月にナノ・ディメンションの取締役に就任した。同氏はハイテク業界における製品研究開発の分野で40年以上の経験を持つベテラン。GE傘下のGE研究開発センターでリサーチサイエンティストや、ナショナルセミコンダクターで技術開発マネージャーなどを務めていた。同氏はイスラエルのヘブライ大学で物理学博士の学位を取得している。
ヨアヴ・スターンCEOは、「株主からのフィードバックの結果を踏まえ、ナノ・ディメンションの今後のさらなる進化とコーポレートガバナンスの強化を図るため、我々はナノ・ディメンションの取締役会を一新することにしました。我々が掲げる事業戦略を次のフェーズへ移行させるため、取締役会会長とCEOの職務を分離させることが重要なステップになると判断しました。今後もリーダーシップの適切なバランスを確保し、適切で強固な指導力を発揮してゆきます」とコメントしている。
掲載日:2023年9月14日:マイティ・ビルディングスが5200万ドルの資金調達に成功
米カリフォルニア州オークランドに拠点を置く3Dプリント住宅メーカーのマイティ・ビルディングスが5200万ドル(約75億9200万円)の資金調達に成功した。出資したのは世界最大の石油会社のサウジアラムコ傘下のベンチャーキャピタルのワエド・ベンチャーズと、サンタモニカに拠点を置くアメリカのベンチャーキャピタルのボールド・キャピタルパートナーズの二社。バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。
マイティ・ビルディングスは、調達した資金をアメリカ国内の販路拡大と、サウジアラビアとUAEを営業範囲とする新たな営業拠点の構築に投じるとしている。
ワエド・ベンチャーズのマネージングディレクターのファハド・アリディ氏は、「マイティ・ビルディングスは、建設テック業界における幅広いイノベーションが大きな可能性に満ちていることを証明してくれています。我々の投資は、中東湾岸地域における住宅建設産業のスケーラビリティとサステナビリティを確保する大きなドライバーになるでしょう」とコメントしている。
マイティ・ビルディングスは、独自開発したロボットアーム型建設3Dプリンターを使い、プレハブ住宅を製造している。マイティ・ビルディングスは、建設3Dプリンターを使うことで建設コストを従来型の手法より最大で70%削減できるとしている。
掲載日:2023年9月13日:ストラタシスがスリーディーシステムズとの合併交渉を中止
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズと、イスラエルのエレクトロニクス3Dプリンターメーカーのナノ・ディメンションによる買収提案を受けているストラタシスが、スリーディーシステムズとの合併交渉を中止すると発表した。
アメリカ現地メディアの報道によると、現地時間の2023年9月6日にストラタシスの取締役会は、スリーディーシステムズからの買収提案を「超越的な提案」とすることが出来ないとして合併交渉を中止すると決断した。
スリーディーシステムズはストラタシスの株主に対し、ストラタシスの普通株式1株を現金7ドルと新会社の普通株式1.6387株で買取る提案を行っていた。スリーディーシステムズは、自らの提案を「ストラタシスの株主に実質的に1株あたり27ドルの価値を与える」と主張していた。
ストラタシスはまた、先日行われた歯科矯正用マウスピース製造最大手のアライン・テクノロジーによるオーストリアの3Dプリンターメーカーのキュービキュアの買収を「スリーディーシステムズの大口ユーザーであるアライン・テクノロジーが、スリーディーシステムズとの取引から離脱する意思表明」であるとし、スリーディーシステムズの今後の売上に大きな影響を与える可能性が高いと主張している。
掲載日:2023年9月12日:アディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループが2024年度年次総会の登録受付を開始
アメリカ最大のアディティブ・マニュファクチャリング関連業界団体のアディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループ(Additive Manufacturing User Group, AMUG)が、2024年度年次総会の登録受付を開始した。2024年度年次総会は2024年3月10日から14日までの5日間シカゴで開催される。
登録者に対しては、5日間のカンファレンス参加証、エキスポ参加証、キーノートプレゼンテーションおよびジェネラルセッションの参加証などが付与される。また、各種のワークショップ、オフサイトディナー、テクニカルセッション、ネットワーキングセッションなどにも自由に参加できる。
参加登録料は1295ドル(約18万9070円)で、2024年1月5日までアディティブ・マニュファクチャリング・ユーザーグループの公式サイトで登録できる。参加登録料は公式サイトにてクレジットカードで決済できる。
アディティブ・マニュファクチャリング・ユーザー・グループは、大手3Dプリンターメーカーなどが多数参加する業界最大規模の業界団体で、アディティブ・マニュファクチャリングの領域において最も権威がある団体とされている。
掲載日:2023年9月11日:ベジーグリルがビヨンド・ミートとのパートナーシップを拡大
カリフォルニア州に拠点を置くベジタリアンレストランチェーンのベジーグリルが、代替肉メーカーのビヨンド・ミートとのパートナーシップを拡大する。ベジーグリルの発表によると、ベジーグリルはビヨンド・ミートが開発した「ビヨンド・ステーキ」を使ったメニューを新たに追加し、17店舗全店での提供を開始する。
メニューには、ビヨンド・ステーキを使ったメキシコ料理のファフィータ・ケサディーアや、ビヨンド・ステーキをトッピングしたベジタブルボウル、ビヨンド・ステーキをトッピングしたロメインレタスのシーザーサラダなどが含まれるという。
ベジーグリルの共同創業者でCEOのT.K.ピラン氏は、「創業以来、ベジーグリルのミッションは通常の肉を使った料理と同様のクオリティを持った植物由来料理を提供することです。アメリカの伝統的な料理であれ、野菜たっぷりのベジタブルボウルであれどんな料理であってもです。今回投入するビヨンド・ステーキは、私達のお客様のお気に入りになること間違いなしです。ビヨンド・ミートのチームメンバーと共に働き、ビヨンド・ステーキのメニューを追加できることを嬉しく思います」とコメントしている。
ベジーグリルは2006年設立。地元カリフォルニアをはじめ、オレゴン州、ワシントン州、イリノイ州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州で17店舗を運営している。
掲載日:2023年9月10日:全世界の歯科3Dプリンティング市場が2030年に210億ドル規模へ成長
全世界の歯科3Dプリンティング市場が、2030年に210億ドル(約3兆660億円)規模へ成長すると予想したレポートが公開された。アメリカの市場調査会社ヴァンテージ・マーケットリサーチがまとめたレポート「歯科3Dプリンティング市場:グローバルインダストリーアセスメント&市場予測」は、2022年時点の全世界の歯科3Dプリンティング市場を26億ドル(約3796億円)規模と見積もり、今後年率29.9%の高い成長率で成長を続け、2030年に同規模へ到達するとしている。
歯科3Dプリンティング市場における成長セクターとしては、矯正用アライナーなどの歯科矯正用医療機器の製造に加え、クラウン、ブリッジ、入歯などの製造が市場拡大を牽引するとしている。また、価格4万ドル(約584万円)から10万ドル(約1460万円)程度の歯科医療用3Dプリンターの歯科クリニックでの導入が一般化し、歯科医療3Dプリンターの利用が大きく広がるとしている。
エリア別では北米市場の市場成長率が最も高く、市場拡大を牽引するとしている。また、アジア太平洋地域の成長率も高く、日本市場とオーストラリア市場が市場拡大を牽引するとしている。
歯科3Dプリンティング市場における主なプレーヤーとしては、ストラタシス、スリーディーシステムズ、エンビジョンテック、DWSシステムズ、レニショー、フォームラブズ、プロッドウェイズ、SLMソルーションズ、カーボン、EOSなどを挙げている。
掲載日:2023年9月9日:アライン・テクノロジーがオーストリアの3Dプリンターメーカーのキュービキュアを買収
米カリフォルニア州に拠点を置く歯科矯正用アライナー製造大手のアライン・テクノロジーがオーストリアの3Dプリンターメーカーのキュービキュアを買収する。買収価格は7900万ユーロ(約124億8200万円)。
アライン・テクノロジーの製品研究開発担当シニアバイスプレジデントのスリニ・カザ氏は、「アライン・テクノロジーとキュービキュアは、長年にわたって一緒に仕事をしてきました。私達の強固なコラボレーションは、ディレクト3Dプリンティングにおける様々なイノベーションと技術革新を誕生させてきました。キュービキュアの買収は、我々のコアコンピタンスを強化するのみならず、キュービキュアの創業者を含む、優秀な才能に恵まれたエンジニアやサイエンティストといったチームメンバーを仲間に迎い入れることでもあります。キュービキュアのチームメンバー全員を歓迎し、共に歯科3Dプリンティングの世界をさらに発展させることを楽しみにしています」とコメントしている。
アライン・テクノロジーは、SLA3Dプリンターを使った歯科矯正用アライナー製造大手。世界で初めて3Dプリンターでアライナーを製造し、今日までに全世界で5千万人のユーザーを抱えるまでに成長している。
掲載日:2023年9月8日:フランスで代替肉製品に「肉」を想起させる商品名を付けることを禁じる法案が提出
フランスで、代替肉製品に「肉」を想起させる商品名を付けることを禁じる法案が提出されて話題になっている。現地時間の今週月曜日に提出された法案は、植物由来代替肉や培養肉に「ステーキ」「スペアリブ」「ソーセージ」「ハム」「ナゲット」といった本物の肉や肉料理を想起させる名前を付けることを禁じている。仮にこの法律が施行されると、フランスはこの種の法律を施行する世界初の国となる。
フランス議会は昨年6月にも同様の法案を提出したが、法案の主旨が不明瞭であることや、議会審議のための時間が短か過ぎることなどを理由に、フランス最高裁により却下されている。
法案のドラフトは、同法案はあくまでもフランス国内で流通する代替肉が対象になるとしていて、他のEU加盟国においては適用されないとしている。
フランス農務省のマーク・フェスノー大臣は、「この法案は代替肉における消費者をミスリードから守ることを主旨としています。原料に肉が使われていないにもかかわらず肉のような名前を使うのは消費者を欺く行為です」という声明を発表している。
フランスでは、肉や魚を一切食べないビーガン人口が一定数存在しており、代替肉に対する需要が増加している。
掲載日:2023年9月7日:ブラックバッファロー3DとサウジレディミックスコンクリートがMOUを締結
ニューヨークに拠点を置く建設3Dプリンターメーカーのブラックバッファロー3Dと、サウジアラビアの大手コンクリートメーカーのサウジレディミックスコンクリートがMOU(了解覚書)を締結した。発表によると、両社は共同で中東圏内で建設される3Dプリント住宅用コンクリートミックスなどの建設資材の開発などを行う。
ブラックバッファロー3Dのマイク・ミセーリCEOは、「中東圏内で使われる建設3Dプリンティング用コンクリートインク製造パートナーとして、サウジレディミックスコンクリートが最高のパートナーであると判断しました。我々は現在、ICC-ES AC509認証取得の手続きを進めていますが、サウジレディミックスコンクリートと共同開発しているコンクリートインクは、認証取得の条件をすべて満たしています」とコメントしている。
ブラックバッファロー3DがICC-ES AC509認証を取得すると、同社は同認証を取得する世界初の企業となる。ICC-ES AC509は、ICC評価サービスが認証する建設3Dプリンティング基準。強度や耐久性などで高い基準を満たすことが求められている。
ブラック・バッファローは、ニューヨークに拠点を置く建設3Dプリンターメーカー。造形サイズ最大1500平方フィート(約139.35平方メートル)の建設3Dプリンターを開発している。
掲載日:2023年9月6日:ドゥカティとRobozeがパートナーシップ契約を更新
イタリアのオートバイメーカーのドゥカティと、同じくイタリアの3DプリンターメーカーのRobozeがパートナーシップ契約を更新した。発表によると、ドゥカティ傘下のレーシングチームのドゥカティ・コースは、引き続きRobozeとパートナーシップを組み、PEEKやPEEKカーボンなどのハイエンドポリマー素材を活用し、レーシングバイク用部品の製造やプロトタイピングなどを行う。
Robozeのアレッシオ・ロルーソCEOは、「ドゥカティ・コースとのパートナーシップは、テクノロジーとイノベーションへの情熱の完璧なコンビネーションを現わしています。ドゥカティ・コースとのコラボレーションを継続できることにエキサイトしており、我々の先端3Dプリンティングソルーションをドゥカティ・コースの勝利に活用していただけることを嬉しく思います。我々の協業が、今年2023年のシーズンにおいても結果をもたらすことを信じています」とコメントしている。
ドゥカティ・コースのパドックにはRobozeの最新シリーズ「Roboze ARGO500」が設置され、稼働が可能な状態になっている。
ドゥカティは1926年設立のイタリアの老舗オートバイメーカー。スーパーカーメーカーのランボルギーニの子会社で、ドイツの自動車メーカーのフォルクスワーゲンの孫会社となっている。
掲載日:2023年9月5日:全世界の3Dプリンティング市場が2032年に983億ドル規模へ成長
全世界の3Dプリンティング市場が2032年に983億ドル(約14兆2535億円)規模へ成長すると予想したレポートが発行された。アメリカの市場調査会社プレセデンス・リサーチのレポート「3Dプリンティング市場・グローバルインダストリーアナリシス」は、2022年時点の全世界の3Dプリンティング市場を173億8000万ドル(約2兆5201億円)規模と推定した上で、今後年率18.92%の成長率で成長を続け、2032年に同規模へ到達するとしている。
2022年におけるエリア別では、北米市場が全体の34%を占め、ヨーロッパ(29%)、アジア太平洋(28%)、ラテンアメリカ(5%)、中東及びアフリカ(4%)と続いた。
売上構成では、産業用3Dプリンティングの売上が全体の77%を占めた。アプリケーションでは、プロトタイピングが全体の55%を占めた。素材では、メタル系素材が全体の53%を占めた。また、ハードウェアの売上が全体の65%を占め、ソフトウェア(30%)、3Dプリンティング関連サービス(5%)と続いた。
市場拡大を牽引する主な産業セクターとしては、自動車、航空宇宙、防衛、医療、歯科医療、コンスーマーエレクトロニクス、エネルギー、ファッション、食品等が挙げられた。
掲載日:2020年7月1日:後編|世界最高レベルの3Dプリンターで作られた 世界最大級のジオラマで見る日本橋
「3Dプリンターのこれからの課題と未来予想図」
先日リニューアルオープンした三井不動産レジデンシャルの「日本橋サロン(日本橋三井タワー内)」。そこで一際目をひくのが、日本橋の街を再現した巨大なジオラマだ。なんとこれは、世界最高レベルを誇るフルカラー3Dプリンターで100%出力されたもの。スケールの大きさも精密度も前例のない、この桁違いのプロジェクトとは?
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稀代の浮世絵師、歌川広重の『名所江戸百景』にも描かれているシンボリックな暖簾(のれん)を垂らした呉服店「越後屋」。その老舗が日本橋の重要文化財として知られる三井本館が現在建っている場所にあったことは有名な話だが、そんな江戸文化が感じられる街、日本橋周辺を3.59km×2.36kmの範囲でジオラマ化するプロジェクトが、無事完成を迎えた。
世界最大級のジオラマを3Dプリンターですべて出力して組み上げるというこの前例のない試みについて、前編では完成したジオラマのディテールや制作過程を、中編ではいま3Dプリンターでつくる価値についてお届けした。
後編では、プロジェクトを通して見えた3Dプリンターの今後の課題や未来の展望について、当媒体「セカプリ」の代表で当プロジェクトの制作を担った木下謙一(株式会社ラナキュービックほかRANA UNITEDグループ代表取締役CEO)と山口修一(株式会社マイクロジェット代表取締役CEO)の両氏が語り尽くす。
世界最大級のジオラマから得られた収穫は計り知れない
木下「今回のジオラマは、何もかもが前例のないものでしたが、とても合理的にあらゆる作業ができましたし、これまでにないモノ作りが体験できました。大型のフルカラー3Dプリンターを3台以上、何十時間も連続して稼働し続けるというのはありえないことだと思いますが、最新のテクノロジーを使って、従来の日本人らしさと言われるような気合と根性とはまた違う方法論で、画期的なジオラマが完成したという実感があります」
山口「デジタルゆえの利点も多くありましたね。色味が合わないと分かった時点で、すぐに作り直しをしたり、その修正部分も2日後にはチェックできたりと、3Dプリンターで制作することはデジタルならではのパフォーマンスが随所に発揮されたと思います」結果大きなトラブルもなく完成を迎えたが、それだけにこのチャレンジから得られた収穫は計り知れない。これからのモノ作りやビジネスに活かせるヒントはいくつも見つかったようだ。
山口「まず今回の試みで、最大のリスクだったのが、稼働中に何らかのトラブルでプリンターが止まってしまうということですよね。結局3ヶ月間故障なく動き続けたわけですから、ミマキエンジニアリングさんにとってもいい前例が作れたと思います。個人的には、予想以上に3Dプリンターは安定していたなと感じました」 木下「そもそも前例のないことをやったので、最終的にこうなりますということがお見せできない状態からのスタートでした。クライアントをはじめプロジェクトチームのみなさんには非常に感謝しています」 山口「もし、最初の段階でこれは無理だと判断していたら今回の収穫はなかったわけですし、この実例は何か新しいビジネスのスタートになるかもしれませんね」これだけ大規模なジオラマを短時間で作り上げたことは、今後の3Dプリンターの使い方の道標にもなる。例えば、量産化できるホビーのツールや災害時の検証、ほかの使い方も模索できそうだ。山口「ホビーやフィギュアということであれば、フルカラーはまだまだコスト的に高いので難しいところはあると思います。ただ、自分で色を着けるということなら、ホビーの範疇として使える安価な3Dプリンターやその活用例は、次々に出てきています」
木下「シューズメーカーがソールの一部を3Dプリンターで作ったり、メガネメーカーがフレームを作ったり、デザインと掛け合わせて身近なもので使う例は、たくさんありますからね。そういった活用法は今後も広がるんじゃないでしょうか」 山口「3Dプリンターはますます市場を拡大していくと思います。これまでの製造業はマスプロダクション。言わば メーカーが規格を決めてそこから選ばせる“押しつけのものづくり” でした。しかし、いまはデジタル技術の活用によって、一人ひとりに自分のものを提供するマスカスタマイゼーションが重視される時代です。一人ひとりが自分にぴったりのものが欲しいと思う気持ちがある。3Dプリンターはそれを解放する技術です。このチャンスに挑戦する方が増えればと思います」
世界の技術に追いついていくために必要なこと
ますます身近になる3Dプリンター。モノ作りが得意な日本は、これからの未来に期待が持てそうだが、そもそも3Dプリンターの開発に関しては、現状、世界的に見てどんな立ち位置にいるのだろうか?
山口「残念ながらドイツなどの先進国に比べると、かなり遅れを取っていると思います。例えば日本で3Dプリンターの展示会をやると出展は50?100社程度ですが、最新のドイツで行われた展示会の出展社数は、800社以上ですから、全然規模も熱量も違うんですよ。また欧米では、3Dプリンティング関連産業が根付こうとしていますから。例えば今回のようなリアルなジオラマで、CGを使わず特撮をするというような観点など、角度の違う見方や活用方法でビジネスを考えていくことは必要だと感じますね」
木下「僕も今回やってみて、リアリティを目の当たりにすると従来のジオラマとは意味合いが変わったなと感じました。ジオラマは本来、現実の世界の建物や街を単に縮小したものですが、ここまでリアリティがあると、ちょっと違ったものに見えてきますね。それに共感や理解をしてくれる個人、企業と新しいビジネスを考えていくのはありだと思います」
日本橋の街の3Dプリンター製ジオラマを作ったことで、両氏にはまた新しいものが見えてきたようだ。ところで、今回のプロジェクトでは、やり残したと感じることはないのだろうか?
木下「時間がもうちょっとあれば、いろいろとできたかなとは思います。ひとつは、樹脂を中空にして樹脂の量もコストも削減できたのではないかということ。あとは、電車や車、船、人といった小道具をもっと使えば、さらにリアリティが出せたかなとは感じます。ですがそれは今からでも修正はできますし、街並みが変わればブロックごとに差し替えることもできます」
山口「リアリティと、そして追加修正が容易にできるのはデジタルの特性ですね。あと、日本橋周辺のジオラマを作ってわかったのですが、東京の土地活用は飽和していたかと思っていたのですが、上空から見ると低層建築が密集して空間がある場所が結構あることに、初めて気がつきました」
木下「そうですね。小さいビルと大きいビルの差が著しいところが結構ある。やはりリアルなジオラマを作ると新しい発見がありますね。都市機能を考えるうえでも、有意義な模型としてもいろいろ活用できたら嬉しいなと思います」
山口「あと3Dプリンターでいえば、もう少し子どもと触れ合う機会を増やしていきたいなとは思っています。実はゲームとは違って3Dプリンターは、大人と子どもが一緒になって楽しめるツールにもなるんです。単純に作りたい形になって立体物が出てくること自体体験したら楽しいですし、そうやって子どもの頃からプリンターに触れる経験があれば、もっとユニークなアイデアやビジネスが生まれるようになるかもしれません。私はそれを実現するための子どもと3Dプリンターを結びつける活動に、これからまた挑戦していきます」
■プロフィール
木下謙一(きのした・けんいち)
1969年生まれ。株式会社ラナデザインアソシエイツなどクリエイティブとソリューションを提供するラナグループの代表取締役CEO、武蔵野美術大学非常勤講師。1992年、武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、NHKアート等を経て、1997年にラナデザインアソシエイツを設立。多くの著名企業のウェブサイト構築やアーティストのCDジャケット、広告ビジュアル、アプリ制作などを手がける。The New York Festivals、London International Advertisingawards、東京ADCほか受賞は多数。
山口修一(やまぐち・しゅういち)
1957年生まれ。株式会社3Dプリンター総研代表取締役CEO、株式会社マイクロジェット代表取締役CEO、一般社団法人日本3Dプリンター協会代表理事、工学博士、インクジェット&3Dプリンターコンサルタント。1983年、東京工業大学大学院理工学研究科修了後、エプソン株式会社(現セイコーエプソン株式会社)を経て1997年にマイクロジェット社を設立。以後、国内外でインクジェット技術普及のための講演活動や技術支援を積極的に行っている。2012年、『インクジェット時代がきた!』(光文社新書)を上梓。3Dプリンターやインクジェット関連の講演、論文、著作多数。